2025/06/05

【2025年最新】恵泉女学園中学の偏差値はどれぐらい?難易度と対策を解説

東京・世田谷区にある恵泉女学園中学校は、1929年にキリスト教信徒の河井道が、キリスト教の信仰を教育の基盤にして創立した学校です。1948年の学制改革で恵泉女学園中学・高等学校となり、現在に至ります。今回は恵泉女学園中学校の偏差値と、中学入試における難易度や傾向と対策について詳しくご紹介いたします。

恵泉女学園の基本情報

自ら考え、発信する力を養う女子中学校

恵泉女学園は、私立女子中高一貫校で、高校からの生徒募集はありません。「キリスト教信仰に基づき、神と人とに仕え、自然を慈しみ、世界に心を開き、平和の実現のために貢献できる女性の育成」を教育理念に掲げている学校です。世界に目を向けて平和を実現する女性を育てるため、特設科目として「聖書」「国際」「園芸」を取り入れています。

「聖書」はキリスト教の教えによって自分の心と向かい、主体的に生きる力を育む/「国際」は確かな英語力と世界に開かれた視野を身につけ、さまざまな分野で平和のために奉仕する/「園芸」は、いのちの尊さを知り感謝する心を養う協働性を育みます。

世界に発信できる英語力を磨く

恵泉女学園といえば、特に力を入れているのが英語教育です。スピーキング、ライティング、リーディング、リスニングの4技能をバランスよく伸ばし、コミュニケーションツールとしての英語力を磨いていきます。

中学で初めて本格的に英語を学ぶことを前提に、自ら学習に取り組めるカリキュラムが組まれているのが特徴で、中学と高校を合わせた6年間で99%以上が「海外の高校の授業に参加できるレベル」に達しています。特にライティングのスコアが高く、英検は希望者を対象に年に2回校内で実施し、中学生では満点合格者を多数輩出しています。

また、オーストラリアやカリフォルニアなど、世界観の変わるような多彩な海外体験が行える留学プログラムも魅力でしょう。

制服がなく、伸び伸びと過ごせる学校

恵泉女学園で特筆すべきはやはり、制服がないことでしょう。校則は決して厳しいものではありませんが、ほとんどの生徒が思慮深く秩序を守っています。キリスト教の教えに基づいた教育がなされているので、自分の意見を持ちながら人をさりげなく気遣うことのできる生徒が多いのが特徴です。

学習面では、学習習慣の定着と体験学習、知的探究活動を大切にしています。英語や数学、園芸の授業で採用される少人数授業や、習熟度別授業、頻繁に実施される小テストやノート作成の義務化、読書の推奨などによって、徹底的な基礎学力の定着と学習習慣を身につけていきます。キャンプやクラブ合宿、芸術の鑑賞会、平和や国際問題について考えるプログラムなどの体験学習で、生徒の心を育んでいきます。

恵泉女学園の偏差値と難易度はどれくらい?

偏差値は女子校の中で高いレベル

首都圏模試センターによると、恵泉女学園の偏差値は65~67で、東京都内の女子中の中で競争が激しいレベルに位置しています。周辺のほかの女子中学校と比較しても学力レベルは高い部類に入り、例えば品川女子学院や普連土学園などが同程度の偏差値を持つ学校として挙げられます。

倍率は第1回で1.8倍、第2回で1.9倍、第3回で6.8倍を推移しています。

一人ひとりの個性に応じた多様な進路

恵泉女学園では、ほぼ100%の生徒が大学に進学しています。近年は国公立大学合格者が増加傾向で理系の合格者も増えているほか、早慶上智、GMARCHなど有名私立大学への合格者を多数輩出しています。中堅上位生にとっては狙い目の学校ではないでしょうか。

恵泉女学園では1年生から自分の将来について目標を設定し、その実現に向けて努力できる生徒を育てることを進路指導の目標にしています。中学生では職業調べや職業体験などを通じて自分を客観的に見つめ、「自分は将来何がしたいのか、何に向いているのか」を考え、具体的にどのような準備をすればよいのかを日々の学校生活の中で見出していきます。

恵泉女学園の入試情報

恵泉女学園の入試は2科目と4科目に分かれており、それぞれ日程も別日で行われます。2科目は算数と国語、4科目は算数、国語、理科、社会の合計点で、それぞれ総合的に判断されます。各科目とも幅広い分野から出題されるため、まんべんなく勉強することが合格への一歩となります。ここでは科目ごとに、どのような出題が多いのかを解説します。

算数は難問ではないものの思考力が必要

恵泉女学園の算数の入試問題は試験時間45分100点満点で、問題量が多いのが特徴です。

大問5題程度で、1、2題目が計算問題と小問集合、3題目以降が応用問題になっています。小問集合では、濃度・面積比・つるかめ算など、幅広く基礎力を試す問題が出されます。応用問題では平面図形・濃度算・グラフ・割合・速さの問題が頻出で、図形分野からは、一捻りされた作図問題が出題されることもあります。

国語は基本問題とレベルの高い記述問題が頻出される

恵泉女学園の国語の入試問題は試験時間45分100点満点で、読解問題が2題出題されます。

物語文、説明文が1題ずつで、漢字や語彙などの知識問題もその中に含まれます。指示語や語句の意味、適語補充、意味段落分けや要旨の問題が頻出です。

読解の引用文は文章がやや長めの傾向がありますが、設問は筆者の主張や登場人物の心情の変化などを問う基本的なものが中心です。説明文と物語文どちらでも、書き手の意図や主題を的確に把握する読解力が求められるでしょう。

同時に、理解した内容を正確に言葉にしなくてはならない記述問題が出題されるため、本文の内容を丁寧に読み取り文章でまとめる力も問われます。

理科は幅広い分野から出題される

恵泉女学園の理科の入試問題は試験時間30分70点満点です。

例年、大問5題で構成されており、物理・化学・生物・地学の各分野から、幅広く基礎・基本的な問題が出題されます。記述問題やグラフ、図を完成させる問題も出題されることがあり、必要な情報を読み取る力や自分の考えを説明するための記述力も求められます。実験・観察に基づいて答える問題や、会話文を読んで答える問題など、出題方法も多岐にわたります。

社会は地理・歴史・公民の各分野からバランスよく出題される

恵泉女学園の社会の入試問題は試験時間30分70点満点です。

地理・歴史・公民の各分野からまんべんなく出題され、記号選択や漢字指定の用語記述が中心です。教科書にない知識を求められることはありませんが、用語の丸暗記では対応できません。基礎知識に基づいた思考力や記述力、グラフや地図など、資料を正確に読み取る力が問われます。

具体的に、地理分野は各都道府県の特徴や時事に絡めた貿易の問題など、幅広い内容が取り上げられています。歴史分野は、あるテーマに関連した文章や資料を読み取って設問に答える形式です。公民分野は社会保障など、現在日本が抱えている問題から出題されることもあり、時事的な視点を意識することが大切です。

恵泉女学園に合格するために必要な対策

算数は基礎をしっかり固めて応用問題にチャレンジ

恵泉女学園の算数の入試問題は、前半の計算・小問集合をいかに素早く解答できるかがポイントです。式や途中経過、図形の作図やグラフ記入など、記述を必要とする設問が多いので、計算力だけでなく記述力や思考力も非常に重要となってきます。途中点がもらえる可能性があるので、答えまでたどりつけなくても途中式を丁寧に残すように心がけましょう。

「図形」や「数の性質」が頻出のため、重点的に演習を行うことが大切です。応用問題は小学校で学んだことが理解できているかが問われるので、基礎をしっかりと固めてからチャレンジするようにしましょう。

国語は日ごろから多くの記述問題を解くこと

恵泉女学園の国語の入試問題では、本文内容の忠実かつ丁寧な読み取りが必要な、レベルの高い記述問題が多く出題される傾向にあります。記述する量も多いため、要点を的確にとらえて文章で表現することがカギになります。

そのため日ごろから多くの記述問題を解き、先生に添削してもらい、記述力の向上を図っておきましょう。早いうちから多くの文章に触れ、正確な読解力をつけた上で、読み取った内容を自分の言葉で説明する練習をしておくと良いでしょう。

理科は過去問で出題形式に慣れておく

恵泉女学園の理科の入試問題では、応用問題が数問見られますが、基礎問題を中心に構成されています。また、計算問題や記述問題、絵やグラフを書く問題が出されるので、過去問に取り組んで出題形式に慣れておきましょう。

また、環境問題や身近な現象に関する問題が出題されることもあるので注意が必要です。普段から新聞やニュースで情報を入手しておくことも大切でしょう。

社会は思考力と読解力がカギ

恵泉女学園の社会の入試問題は、問題量が多く時間配分がカギとなります。
わからない問題は後回しにし、解ける問題から進める工夫が必要です。

どの分野も、幅広く基本を問う問題となっています。記号選択もありますが、特に用語の記入が多いので正確に書けるようにしておきましょう。地図や表など資料の読み取り問題が多数あるので、過去問や参考書で類似問題に取り組み、思考力や読解力を鍛えておくことが必要です。

自分の考えを書く作文問題や、時事問題・環境問題に関する出題も多いので、日頃からニュースに耳を傾けておくことと、文章を簡潔にまとめる練習をしておくとよいでしょう。

まとめ

恵泉女学園の偏差値と入試情報、合格に近づくための対策についてご紹介しました。

恵泉女学園の入試問題は各科目とも、基本問題から応用問題まで混在し、幅広く力が試される問題構成になっています。そのため、まずは基本問題をしっかりとマスターしておくことが大切でしょう。お子さまが基礎的な段階でつまずいてしまっている場合は、個別指導の学習塾で苦手を克服するのも良い対策です。お子さまの弱点を重点的に学習することで、学力向上だけでなく学習意欲も高まります。トライではお子さまそれぞれの学習ペースや特性に合わせたオーダーメイドカリキュラムを作成し、完全マンツーマンで授業を行いますので、詳しくご希望の方はお気軽にお問い合わせください。

まずは土台を確実に固めて、その上で応用問題などにチャレンジするようにしましょう。一つひとつの積み重ねが、合格への近道です。

カテゴリーから選ぶ