産近甲龍とは? 各大学の特徴や入試情報を紹介

関西圏で大学受験に関する情報を集めていると、「産近甲龍」（さんきんこうりゅう）の名称を一度は目にすることでしょう。「産近甲龍」は、京都・大阪・兵庫にキャンパスを構える私大4校の頭文字を取った呼び名です。

関西では、「関関同立」に次ぐ難関私大グループとして認知されており、関東における「日東駒専」と同等のポジションです。

「関関同立よりも入学ハードルが低い」というイメージを抱いている方もいますが、学部や学科によっては関関同立と同レベルのところもあり、「数年後には関関同立と肩を並べる大学が出てくるのでは？」といった意見もあります。

本記事では、産近甲龍に属する大学の特徴や入試の難易度、就職率などを詳しく解説します。

産近甲龍とは？大学グループの紹介
- 産近甲龍に含まれる大学
- 産近甲龍の位置づけ
産近甲龍グループ各大学の紹介
産近甲龍グループの就職情報
産近甲龍グループの入試情報
産近甲龍と併願するなら「関関同立」と「摂神追桃」のどちらがおすすめ？
- 関関同立との併願も可能なケース
- 摂神追桃との併願がおすすめのケース
産近甲龍の入試方式を活用して合格を勝ち取るポイント
まとめ

産近甲龍とは？大学グループの紹介

産近甲龍とは関関同立に次ぐ難易度の私大グループとして、関西では知名度の高い大学群です。関東の「日東駒専」同等のポジションに位置づけられ、人気も高く関西はもちろんのこと、中部、中国、山陰、四国地方からもたくさんの受験生が入学を目指しています。また、関関同立の押さえ校として受験する生徒も多く、学部によっては偏差値・倍率が高い傾向にあります。

産近甲龍に含まれる大学

産近甲龍は、以下4つの大学をまとめた通称です。関西圏では「関関同立」に次ぐ難易度の大学群として広く知られています。これら4つの大学は歴史も長く、最も創立年が新しい京都産業大学でも1965年、最も創立年が古い龍谷大学は1922年です。

京都産業大学
近畿大学
甲南大学
龍谷大学

これら4つの大学は、いずれも総合学部として文系・理系両方の学部を持っています。また、どの大学も知名度や偏差値に甘えず成長や改革を続けて大学の価値を高めているのが特徴です。

特に近畿大学は、「マグロの完全養殖」をはじめ、広く世間から注目を集める研究を多く行い、全国的な知名度と人気を高めました。

その一方で、関東の中堅私大群と言われる「日東駒専」に含まれる大学に比べると、かつては全国的な知名度は低めでした。そのため、「偏差値や難易度のわりに、関西以外では無名」という意見もありましたが、インターネットの普及にともない知名度は向上しています。

産近甲龍の位置づけ

産近甲龍は、関関同立に次ぐ準難関私大群に位置づけられています。その一方で、私立大学の定員厳格化や受験生の安全志向の高まり等により、難易度が上昇傾向です。

近年、産近甲龍に合格者を輩出した高校は、いずれの大学も高校の偏差値が60.0以上のところが上位を占めています。高校受験と比べて大学受験は偏差値が低めに出る傾向があるため、高校受験と同じような感覚で大学の偏差値を捉えてはいけません。

なお、河合塾が発表したそれぞれの大学の偏差値は以下のとおりです。
※偏差値参照：河合塾 Kei-Net 大学検索システム

京都産業大学

学部	偏差値
外国語学部	42.5～45.0
文化学部	42.5～45.0
現代社会学部	45.0～47.5
国際関係学部	45.0
法学部	42.5～45.0
経済学部	42.5～45.0
経営学部	42.5～45.0
アントレプレナーシップ学環	42.5～45.0
理学部	45.0～50.0
情報理工学部	47.5
生命科学部	45.0～47.5

近畿大学

学部	偏差値
文芸学部	45.0～57.5
総合社会学部	50.0～57.5
国際学部	45.0～50.0
法学部	47.5～55.0
経済学部	47.5～55.0
経営学部	47.5～55.0
工（広島）学部	42.5～47.5
建築学部	52.5
情報学部	55.0
理工学部	42.5～52.5
生物理工（和歌山）学部	37.5～45.0
産業理工（福岡）学部	40.0～47.5
農（奈良）学部	45.0～55.0
医学部	65.0
薬学部	52.5～55.0

甲南大学

学部	偏差値
文学部	47.5～55.0
グローバル教養学環	50.0
法学部	47.5
経済学部	47.5
経営学部	47.5～50.0
マネジメント創造学部	47.5
フロンティアサイエンス学部	47.5
知能情報学部	45.0～47.5
理工学部	45.0～47.5

龍谷大学

学部	偏差値
文学部	37.5～55.0
心理学部	47.5～52.5
社会学部	45.0～50.0
国際学部	42.5～47.5
法学部	45.0～50.0
政策学部	45.0～47.5
経済学部	45.0～47.5
経営学部	47.5～50.0
先端理工学部	37.5～45.0
農学部	40.0～45.0

京都産業大学や近畿大学の医学部・薬学部を除いて、文系学部の方が理系学部よりも偏差値が高い傾向があります。また、偏差値は年度ごとに変動するため、最新情報を確認してください。

産近甲龍グループ各大学の紹介

ここでは、産近甲龍各大学の特徴やキャンパス所在地や学部、学生の人数等を紹介します。
大学をより詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。なお、数値は原則として公表されている最新のものです。

京都産業大学

創立・大学設立年	1965年
キャンパス所在地	京都府京都市北区上賀茂本山
学部（文系）	経済学部経営学部法学部現代社会学部国際関係学部外国語学部文化学部
学部（理系）	理学部情報理工学部総合生命科学部
学生数	1万5,710人
学費	109万2,500円～161万9,500円/年
就職支援	専門スタッフによる個人面談先輩が後輩のアドバイザーを務める制度の実施

京都産業大学は、大学の使命を「将来の社会を担って立つ人材の育成」と捉え、「如何なる時局に当面しても、常に独自の見解を堅持し自己の信念を貫き得る人間」の育成を目標としています。

京都市北区に日本最大規模のワンキャンパスを有し、すべての学部の学生が同じキャンパスで学んでいます。その特色を活かし、すべての学部の内容が学べる「共通教育科目」と、学部ごとの「専門教育科目」の2種類が設けられています。

また、「はいりたい会社を、自分でつくってみる」をキャッチコピーに、起業を目指す学生や起業家精神を獲得したい学生を対象とした「アントレプレナー育成プログラム」を実施しているのも特徴です。さらに、全学部、全年次の学生を対象としたキャリア形成支援教育科目も実施しており、大学で学んだ学問を社会で実践していくステップを1年生から積み重ねていくことができます。

近畿大学

創立・大学設立年	1943年（創立1925年）
キャンパス所在地	東大阪キャンパス　：大阪府東大阪市奈良キャンパス　　：奈良県奈良市大阪狭山キャンパス：大阪府大阪狭山市和歌山キャンパス　：和歌山県紀の川市広島キャンパス　　：広島県東広島市福岡キャンパス　　：福岡県飯塚市
学部（文系）	経済学部経営学部法学部文芸学部情報学部国際学部総合社会学部
学部（理系）	理工学部建築学部農学部生物理工学部工学部産業理工学部
学部（メディカル系）	医学部薬学部
学生数	3万3,234人
学費	136万1,500 円～230万8,500 円/年
就職支援	各種資格取得講座近畿大学発ベンチャー起業支援プログラム「KINCUBA（キンキュバ）」の実施インターンシップ制など

1923年に設立された「大阪専門学校」を前身とする近畿大学は、「実学教育と人格の陶冶」を建学の精神として1943年に設立されました。

医学から芸術まで15学部49学科を持つ西日本最大の総合大学です。東大阪に本部キャンパスが置かれていますが、関西圏から九州まで複数のキャンパスを有しています。
「プロジェクト推進力に強い人材」の育成に力を入れており、世界初となるクロマグロの完全養殖の成功など、個性的かつ実用性の高い研究を行っている大学としても有名です。

多彩な入試方式の導入も功を奏し、2013年から11年連続で一般入試の延べ出願者数が全国1位となっています。

また、大学全体で起業支援を行っており、2022年から近畿大学発ベンチャー起業支援プログラム「KINCUBA（キンキュバ）」を開始しました。

2025年4月から「建築学部(通信教育課程)」を開設、さらに2028年度からは「看護学部看護学科」が設置予定と、成長を続けている大学です。

甲南大学

創立・大学設立年	1951年（創立1929年）
キャンパス所在地	岡本キャンパス　：兵庫県神戸市東灘区西宮キャンパス　：兵庫県西宮市ポートアイランドキャンパス：兵庫県神戸市中央区白川台キャンパス：兵庫県神戸市須磨区
学部（文系）	文学部経済学部法学部経営学部グローバル教養学環マネジメント創造学部
学部（理系）	理工学部知能情報学部フロンティアサイエンス学部
学生数	9,102名
学費	118万6,000円～174万6,000円/年
就職支援	1年生からのキャリアデザイン支援キャリア支援センター「JOB KONAN」の設置

甲南大学は、1929年に創立された甲南中学校を前身とし、1951年に創立された総合大学です。2009年まで兵庫県神戸市の岡本キャンパスのみでしたが、現在は西宮キャンパス、ポートアイランドキャンパス、白川台キャンパスの4キャンパスが兵庫県内にあります。

産近甲龍の中では最も学生数が少ない大学ですが、その分、学生一人ひとりに細やかな指導を実施していることが強みです。また、融合型グローバル教育や全学共通教育科目も充実しており、国際都市神戸の地の利を活かしたグローバル力を育成する教育に力を入れています。

龍谷大学

創立・大学設立年	1922年（創立1639年）
キャンパス所在地	大宮学舎：京都府京都市下京区深草学舎：京都府京都市伏見区瀬田学舎：滋賀県大津市瀬田
学部（文系）	文学部経済学部経営学部法学部国際学部社会学部政策学部
学部（理系）	先端理工学部農学部
学生数	2万1475名
学費	113万4,000円～167万5,600円/年
就職支援	自治体との就職に関する協定を締結公務員就職支援外部の専門学校や資格試験予備校との提携年間260社参加の学内合同企業研究（説明）会実施

龍谷大学は、西本願寺第13代宗主・良如上人が1639年に設立した西本願寺の僧侶を教育する学寮を前身とし、1922年に設立された総合大学です。
また、大谷探検隊のシルクロード将来品をはじめとする多数の貴重な文化財や書を所有しており、日本初の仏教総合博物館である「龍谷ミュージアム」を運営しています。

「阿弥陀仏の誓願に基づき、真実を求め真実に生きる人間の育成」を建学の精神としており、仏教の思想に基づく教育を実践している一方、グローバルな人材育成にも力を入れています。

1989年までは文系学部のみの大学でしたが、同年に滋賀県大津市に「瀬田学舎」を開設、先端理工学部を開設して総合大学になりました。
キャリアプランも充実しており、入学した直後から利用できるキャリアサポートも充実しているのが特徴です。

産近甲龍グループの就職情報

産近甲龍の4大学はいずれも高い就職率を誇っています。大手企業への就職はもちろんのこと、国家公務員や地方公務員の職に就いた学生もいます。
ここでは、4大学の就職先や就職率などを簡単にご紹介するので、大学選びの参考にしてください。

京都産業大学

京都産業大学の就職状況は、卸売り・小売業、サービス業、製造業、情報通信業などです。
公務員の就職では国家公務員合格者、地方公務員合格者、警察官・消防官・教育委員会への就職者もいます。

代表的な就職先には、以下のような企業が挙げられます。

卸売・小売業：伊丹産業、アークレイ、イオンリテール
製造業：伊藤園、TOTO、アイリスオーヤマ
情報通信業：ソフトバンク、USEN、AOI Pro

近畿大学

近畿大学の就職状況は、卸売り・小売業、サービス業、製造業などです。公務員への就職もあります。

代表的な就職先には、以下のような企業が挙げられます。

卸売・小売業：セブン-イレブン・ジャパン、良品計画、イオンリテール
製造業：アイリスオーヤマ、伊藤園、キーエンス、シャープ、スズキ
情報通信業：NTTドコモ、ソフトバンク、西日本電信電話

公務員の就職先には、国土交通省・農林水産省・国税専門官・防衛省自衛隊・大阪府庁等が挙げられています。

甲南大学

甲南大学の就職状況は非常によく、中でも理工学部・フロンティアサイエンス学部は就職率が非常に高いと言えます。

代表的な就職先には、以下のような企業が挙げられます。

卸売・小売業：イオンリテール、高島屋、ニトリ
製造業：アイリスオーヤマ、伊藤園、伊藤ハム、エステー、ヱスビー食品
情報通信業：アマゾンジャパン、伊藤忠テクノソリューションズ、NTTデータ関西

また、公務員は芦屋市役所、尼崎市役所、伊丹市役所といった兵庫県内の市役所や大阪国税局などが挙げられています。

龍谷大学

龍谷大学の就職状況は、従業員1,000名以上の大企業への就職が非常に多いと言えます。
また、国家公務員への合格者、地方公務員の合格者、警察、消防への合格者も多いです。

代表的な就職先には、以下のような企業が挙げられます。

卸売・小売業：イオンリテール、高島屋、ニトリ、ライフコーポレーション、エディオン
製造業：ヤクルト、東リ、シャープ
情報通信業：富士ソフト、京セラコミュニケーションシステム、サイボウズ

産近甲龍グループの入試情報

産近甲龍の4大学は、どの大学も複数の方法で入試を行っています。そのため、産近甲龍の大学群を受験する場合、複数回の受験が一般的です。ここでは、各大学の入試方法を紹介します。

京都産業大学

京都産業大学の入試方法は以下のとおりです。

入試の種類

公募推薦入試（学校推薦型選抜）
一般選抜入試【前期・中期・後期】
共通テスト利用　※個別学力試験実施せず

また、総合型選抜入試として以下の3種類が実施されます。2次選考の内容は最新の情報を確認しましょう。

入試名	対象学部	入試方法
総合型選抜入試	経済学部法学部国際関係学部外国語学部文化学部理学部情報理工学部生命科学部	外国語学部・理学部・生命科学部（課題提出型）・情報理工学部 1次選考：書類審査その他、 1次選考：書類選考並びに学内試験 2次選考
マネジメント力選抜入試	経営学部	1次選考：書類選考並びに学内試験 2次選考
次世代型リーダー選抜入試	現代社会学部	1次選考：書類審査 2次選考

一般選抜入試の方法は以下のとおりです。

入試方法名	内容
スタンダード3科目型	3科目を選択し、3科目の調整点数による総合点数で合否を判定する
スタンダード2科目型	2科目を選択し、2科目の調整点数による総合点数で合否を判定する
高得点科目重視3科目型高得点科目重視2科目型	スタンダード型で受験した1科目の得点を自動的に2倍にして判定するスタンダード型への出願した場合限定で利用可能
共通テストプラス	スタンダード型の「英語」と大学入学共通テストの総合点で判定する
情報プラス型（理学部・情報理工学部限定）	スタンダード2科目型に「情報」の試験を行い、3科目で合否判定をする
共通テスト利用	共通テストの成績で合否を判定する方式

近年の傾向では、科目が少なくなる入試ほど倍率は高めになります。京都産業大学は複数の入試の組み合わせが可能であることが特徴で、入試の組み合わせが合否を分ける可能性は十分にあります。最新の入試要項が発表されたら、よく確認して組み合わせを考えましょう。
参照：京都産業大学　入試情報サイト

近畿大学

近畿大学の入試方法には、以下のようなものがあります。

入試の種類

一般公募推薦入試
一般入試　A日程・B日程・後期
共通テスト併用方式　B日程・後期
共通テスト利用（中期・後期）

近畿大学にはさまざまな入試方法があります。また、配点比率にも違いがあるため、自分の得意科目に高得点を配点してもらうことも可能です。判定方式は、以下のとおりです。

判定方式	特徴
スタンダード方式	受験科目の総合点で合否判定を行う各科目の配点は等しい
高得点科目重視方式	受験した教科・科目のうち、最高得点科目の点数を2倍に換算し、他の科目との総合点で合否判定する
外部試験利用制度	TOEIC、TOEFL、実用英語検定試験などの特典を「外国語」の得点にみなして換算する

このほか、学科ごとに独自の入試制度があるため、入試の仕組みを理解した上で作戦を立てる必要があります。
近畿大学を受験すると決めたら最新の情報をチェックしておきましょう。
参照：近畿大学　いくぞ！近大

甲南大学

甲南大学の入試方法は、実質的に総合型も含む公募制推薦入試と一般選抜が中心となっています。それぞれの入試方法の特徴を把握し、得点できそうなものを選択しましょう。
公募推薦入試の種類や対象学科は以下のとおりです。

総合型選抜・公募制推薦入学試験	対象学部
個性重視型	文学部歴史文化学科経営学部マネジメント創造学部グローバル教養学環
探究活動評価型	理工学部物理学科理工学部機能分子化学科フロンティアサイエンス学部
女子特別推薦型	理工学部物理学科能情報学部
教科科目型	全学部・学科

公募推薦入試には学校長の推薦書は不要で併願も可能です。ただし、学部・学科により、出願資格が異なるので、必ず応募要項を確認した上で出願しましょう。
一般選抜の種類は、以下のとおりです。

入試方法	特徴
一般選抜（前期日程）	3科目で受験する方式試験日ごとに出願できるのは1学部・学科、学環受験者が最も多い入試方式
一般選抜（中期日程）	2科目で受験する方式試験日ごとに出願できるのは1学部・学科、学環
共通テスト利用型	共通テストを利用して合否判定をする方式共通テストと外部英語試験のスコアをみなし特典として利用できる学科もある

上記以外の入試方式もありますので、各試験方式の最新情報をチェックしておきましょう。
参照：甲南大学　入試情報

龍谷大学

龍谷大学には、公募推薦・一般入試・共通テスト利用入試の3種類の入試方法があります。
公募推薦の種類は以下のとおりです。

公募推薦期の種類	特徴
スタンダード方式	指定する2科目の得点と、調査書の点数の合計点で合否判定する方法
英語資格試験利用方式	英語資格検定試験の点数と指定する2科目の得点の合計点で合否判定する方法
2科目方式	指定する2科目の得点の合計点で合否判定する方法
高得点科目重視方式	指定する2科目の得点の合計点で合否判定する方法
英語重視方式	英語の得点を3倍に換算した得点と、国語の得点の合計点で合否判定する ※英語英米文学科・国際学部のみ実施

「公募推薦」といっても、実質バリエーションが増えた一般入試です。高校の成績によっては、一般入試より合格する可能性が高まる可能性があります。
一般選抜の種類や特徴は以下のとおりです。

一般選抜の種類	特徴
スタンダード方式	3科目の総合得点で判断する点数の配分は当分
高得点科目重視方式	指定する3科目のうち、高得点1科目の得点を2倍に換算した得点と残り2科目の得点で判断する
英語重視方式	英語の得点を4倍に換算した得点と、国語と選択科目のうち、高得点１科目の得点の合計点で判断する ※文学部英語英米文学科と国際学部のみの実施
理系科目重視方式	英語の得点と、数学または理科の得点を2倍に換算した得点の合計点で判断する

共通テスト利用形式とは、共通テストのみで合否を判定する方式です。前期日程・中期日程・後期日程の3種類があり、学部ごとに方式が異なります。詳しくは、「龍谷大学入試情報」や「入試ガイド」をチェックし、自分が受験する学部学科が実施する方式を確認した上で受験を検討してください。

共通テストと一般入試を併用する試験方法は前期日程・中期日程・後期日程の3種類があります。

共通テスト併用方式（前期）の種類	特徴
文系型・2科目方式	大学独自試験3科目（英語・国語・選択科目）のうち、高得点1科目の得点（100点）と、指定する大学入学共通テストの教科・科目のうち、高得点2科目の得点（200点）の合計点で判断する合計300点
文系型・数学方式	大学独自試験の英語・数学（選択科目）の得点（各50点）と、大学入学共通テストの数学➀・数学➁の得点の合計点（200点）で判断する合計300点
文系型・リスニング方式 ※文学部英語英米文学科と国際学部のみの実施	大学独自に行う英語の得点（200点）と大学入学共通テストの英語リスニングの得点（100点）の合計点で判定する合計300点
理系型・理工2科目方式 ※先端理工学部のみ実施	大学独自試験の英語の得点（100点）と、大学入学共通テストの数学➀・数学➁のうち、高得点1科目の得点（100点）と、理科（100点）のうち、高得点1科目の得点の合計点で判断する合計300点
理系型・理工3科目方式 ※先端理工学部のみ実施	大学独自試験3科目（英語・数学・理科）の得点（各100点）と、指定する大学入学共通テストである数学➀・数学➁・理科の高得点3科目の得点の合計点（300点）で判断する合計600点
理系型・農学2科目方式 ※農学部のみ実施	大学独自試験の英語の得点（100点）と、指定する大学入学共通テストの教科・科目である数学➀・数学➁・理科・国語・英語のうちの高得点２科目の得点の合計点で判断する

共通テスト併用方式（中期）の種類	特徴
文系型・2科目方式	大学独自試験は英語と国語（各100点）と、共通テスト「地理」「歴史」「公民」「数学①」「数学②」「理科」のうち、高得点2科目の合計点で判断する合計400点
文系型・3科目方式	大学独自試験の英語（100点）と、大学入学共通テストの「外国語」「国語」「地理」「歴史」「公民」「数学①」「数学②」「理科」のうち、高得点2科目の合計点で判断する合計400点
文系型・外国語方式 ※文学部英語英米文学科と国際学部のみの実施	大学独自試験「英語」（200点）と大学入学共通テストの「外国語」（100点）の合計点で判断する合計300点
理工3科目型方式 ※先端理工学部のみ実施	大学独自試験（数学・理科）合計200点と、大学入学共通テストの英語（100点）と数学➀・数学➁・理科のうち高得点100点で判断する合計500点
理系型・農学2科目方式 ※農学部のみ実施	大学独自試験の英語・理科のうち高得点（100点）と、指定する大学入学共通テストの教科・科目である数学➀・数学➁・理科・国語・英語のうちのうち、高得点2科目の得点（200点）の合計点で判断する合計300点

共通テスト併用方式（後期）の種類	特徴
文系型・1科目方式	大学独自試験は英語と国語のうち高得点1科目（100点）と、共通テスト「地理」「歴史」「公民」「数学①」「数学②」「理科」のうち、高得点1科目100点の合計で判断する合計200点
理工2科目型方式 ※先端理工学部のみ実施	大学独自試験の英語（100点）と、大学入学共通テストの英語（100点）と数学➀・数学➁のうち高得点1科目100点と理科（100点）で判断する合計300点
農学1科目方式 ※農学部のみ実施	大学独自試験の英語・数学or理科のうち高得点（100点）と、指定する大学入学共通テストの教科・科目である数学➀・数学➁・理科・国語・英語のうち、高得点1科目の得点（100点）の合計点で判断する合計200点

共通テスト併用方式は日程ごとに方式が異なります。特定の学部のみ実施している方式もあるので、しっかりと確認した上で利用を検討してください。
参照：龍谷大学　入試情報

産近甲龍と併願するなら「関関同立」と「摂神追桃」のどちらがおすすめ？

関西の私大群には、産近甲龍の他に「関関同立」と「摂神追桃」があります。関関同立は、「関西大学」「関西学院大学」「同志社大学」「立命館大学」の4大学を指し、関東の難関私大群として知られる、「GMARCH」と同レベルの大学として知られています。

一方、「摂神追桃」は、「摂南大学」「神戸学院大学」「追手門学院大学」「桃山学院大学」の4大学で、産近甲龍よりやや合格しやすく、関東の私大グループならば「大東亜帝国」と同等と位置付けられています。

関関同立との併願も可能なケース

産近甲龍の中でも、近畿大学は近年理系の学部を中心に難易度が高まっており、偏差値も上昇傾向があります。また、近畿大学は「医学部医学科」があるため、近畿だけでなく西日本一円から、優秀な学生が集まりやすい大学です。そのため、ひとつの基準として、高校3年生で受ける模試で、近畿大学がB判定以上ならば、関関同立との併願を検討してみましょう。

摂神追桃との併願がおすすめのケース

摂神追桃は、産近甲龍に比べると難易度がやや易しめです。しかし、「極端に易しい」というわけではありません。高校3年生の模試で、近畿大学がD判定、そのほかの大学がC判定ならば、押さえの大学として受験した方が、安心感があります。

産近甲龍の入試方式を活用して合格を勝ち取るポイント

産近甲龍には、さまざまな入試方式があります。ここでは、入試方式を活用して合格を勝ち取るポイントを紹介します。

総合型選抜や公募推薦型選抜から挑戦する

産近甲龍に含まれる大学は、11月・12月に「総合型選抜」や「公募推薦型選抜」を実施します。この2つは、かつては「AO入試」と呼ばれていた入試で、学校長の推薦等は必要なく、条件を満たせば誰でも挑戦できます。入試方法によっては、「高校の成績」「取得した資格」「高校時代に力を入れてきた活動」等も評価してもらえるので、一般選抜より合格する可能性が高まります。

産近甲龍に含まれる大学への合格を目指すには、まず総合型選抜や公募推薦型選抜から挑戦しましょう。合格できれば、年明けに「関関同立」への一般選抜に集中できます。

大学入学共通テストを利用する

「共通テスト併用方式」は、大学入学共通テストと大学独自の入試を併用して受験できる方式です。大学入学共通テストの点数が良ければ、大学独自のテストのみで受験する一般選抜方式を受験するより、合格する可能性が高まります。

私立大学のみ受験を検討している学生の中には、大学入学共通テストを受けるかどうか迷っている方もいるでしょう。受験したほうが合格する可能性は高まるので、ぜひ挑戦してみましょう。

なお、産近甲龍では、どの大学も共通テストを利用した場合の合格点数は公開していません。各予備校や塾が発表している得点率を目安としてください。

関関同立・摂神追桃と併願するならば入試の日程に留意する

1月後半になると私大の入試が一斉に始まります。関関同立・摂神追桃と併願するならば入試の日程に留意してください。例年「産近甲龍」や「摂神追桃」の大学群は1月後半、2月に入ると「関関同立」の入試が始まります。併願校の入試日程がかぶらないように、入試方式と日程を選びましょう。なお、大学入学共通テスト利用の場合は、大学独自のテストは実施しないところも多いため、受験できる大学が増えます。

各大学の入試システムを理解する

産近甲龍の大学群は、入試の種類が多く英検®やTOEICなどの外部試験も利用可能です。
志望校が決まったら、入試要項をダウンロードして各入試方法の特色を理解しましょう。
また、入試に関する情報は随時更新され続けます。常に志望大学のホームページをチェックするなどして、情報が更新されているかチェックしてください。
なお、入試科目が少ないほど倍率も上がる傾向があります。
3教科の中でも得意な科目、不得意な科目の点差が大きな場合、2科目入試より「高得点科目重視方式」のほうが合格する可能性が高いケースもあります。

複数の大学に合格したら？

産近甲龍の大学群に複数合格したら、以下のポイントを押さえて大学を選びましょう。

学びたい内容の学部・学科があるか
キャンパスは通いやすいか
将来就きたい職がある場合、大学のサポートは期待できるか

大学のホームページを確認したり、オープンキャンパスに参加したりしてみれば、上記の内容はおおよそわかります。なお、近畿大学はメインキャンパスこそ大阪ですが、広島、和歌山、福岡にもキャンパスがあるため、どこの学部がどのキャンパスを利用するか事前に確認しておきましょう。

まとめ

本記事では、産近甲龍に含まれる大学群の概要や特徴、入試の難易度等を紹介しました。産近甲龍は日東駒専と同等レベルの大学群として知られており、関西では関関同立に次ぐ難易度の大学として受験生に人気があります。
近年は入試の難易度が高まり、偏差値が60以上の高校に通っている学生でも対策を立てて入試に臨まないと合格は難しいでしょう。

その一方で、公募推薦入試・一般選抜・大学共通入試共通テスト利用など豊富な入試方法を実施しており、高校の成績や授業以外の活動、得意科目の点数を利用できます。

受験する大学の入試システムをよく理解した上で、入試に挑戦しましょう。