総合型選抜は、従来の学力試験だけでは測れない受験生の人間性や将来性を重視し、多面的に評価する入試方式として近年注目されています。
特に医学部では、単なる知識や学力だけでなく、
- 将来の医師像
- コミュニケーション能力
- 地域医療への関心
- リーダーシップや協調性
などが評価の対象となる点が大きな特徴です。
関西エリアの私立大学医学部でも、総合型選抜を導入する大学が増えており、学力試験以外の面で自分をアピールしたい受験生にとっては大きなチャンスとなっています。しかし、出願条件や選考方法などについてはわかりにくい点も多く、事前に正確な情報を整理しておくことが大切です。
本記事では、関西エリアにおける私立大学医学部の総合型選抜の特徴や注目ポイント、実施している私立大学の情報まで、志望校選びに役立つ情報を詳しく解説します。
ぜひ最後までご覧いただき進路選択の参考にしてください。
【私立大学】医学部の総合型選抜とは?
私立大学医学部の総合型選抜は、学力だけでなく「医師としての資質」や「人間性」、「将来のビジョン」などを総合的に評価する入試方式です。
一般選抜のように筆記試験の成績中心で評価されるのではなく、志望理由書や面接、課題論文などを通じて、受験生の考え方や人柄、医師としての適性を多面的に判断される傾向にあります。
関西エリアの私立大学医学部における総合型選抜の特徴
私立大学医学部が実施している総合型選抜には、以下のような特徴があります。
- 志望理由書・自己推薦書・小論文・面接・課題論文など、さまざまな形式で選考される
- 医師としての志や使命感、地域医療への関心、コミュニケーション力なども評価対象
- 英語・数学・理科などの学科試験や、基礎学力試験が課されるケースが多い
- 評定平均(例:3.8以上)など、一定の学業成績が出願条件になることが多い
- 独自の選考方式により、一般選抜とは異なる評価軸で選考される
学校推薦型選抜との違いは「学校長の推薦の有無」です。学校推薦型は所属する高校の学校長からの推薦が必須ですが、総合型選抜は自己推薦が基本です。そのため、より幅広い受験生に受験のチャンスがあります。
【私立大学】関西エリアの医学部で総合型選抜を受験するときに注目したいポイント
総合型選抜では、学力だけでなく、コミュニケーション能力や人柄、これまでの経験・活動などが総合的に評価されます。そのため、しっかりと自己分析を行い、入念な準備を進めることがとても大切です。
また、大学によって出願条件や評価の基準はさまざまです。早い段階で情報を集め、自分に合った対策を立てることが、合格への近道となります。
ここでは、私立大学医学部の総合型選抜に臨む上で、特に注目したい5つのポイントをご紹介します。
- アドミッション・ポリシーをしっかり確認する
- 学力基準や評定平均を事前にチェックする
- 受験戦略を立てる
- 課外活動にも積極的に取り組む(高校2年生までに実績作りをしておく)
- 面接や小論文の対策を行う
アドミッション・ポリシーをしっかり確認する
総合型選抜では、各大学が定める「アドミッション・ポリシー」を理解することが大切です。大学によって重視するポイントは異なるため、自分がその大学にどう貢献できるかを考える必要があります。
まずは、志望する大学の公式サイトや募集要項をよく読み、以下の点を確認しておきましょう。
- どのような人物を求めているか
- どのような能力や経験が評価されるのか
- 自分の志望動機やこれまでの活動がマッチしているか
アドミッション・ポリシーに合った志望理由書を作成することで、自分の思いが伝わりやすくなり、選考でも高く評価される可能性が高まります。
学力基準や評定平均を事前にチェックする
私立大学医学部の総合型選抜では、出願の時点で一定の学力水準が求められるケースが多くあります。たとえば、「評定平均3.8以上」など、内申点に関する具体的な条件が設けられている大学も少なくありません。
そのため、まずは自分の現在の成績が出願条件を満たしているかどうかをしっかり確認しておきましょう。また、大学によっては、共通テストの成績提出が必要だったり、英語や理科などの独自の学力試験が課されたりする場合もあります。
学力面での対策を後回しにせず、必要な準備を早めに始めることが、合格への第一歩です。
受験戦略を立てる
総合型選抜や学校推薦型選抜は、大学ごとに「専願・併願の可否」「出願期間」「選考方法」などが大きく異なります。そのため、事前に志望校の入試情報をしっかり整理し、自分に合ったスケジュールと受験戦略を立てることが重要です。
たとえば、大学によっては国公立医学部との併願が可能なケースもあります。第一志望を国公立にしつつ、私立の総合型選抜を併願することで、選択肢を広げることができます。
無理のない受験計画を立てるためには、以下の点を意識しましょう。
- 各大学の選考日程・方式を早めに確認する
- 専願か併願かの条件をチェックする
- 一般選抜や共通テストとのバランスを考える
- 自分が強みをアピールできる選抜方式を選ぶ
複数の大学を比較・検討し、自分に合った受験スタイルを見つけると良いでしょう。
課外活動にも積極的に取り組む
ボランティア活動、部活動、地域での取り組みなどの課外活動は、総合型選抜で大きな評価対象となります。特に、医療や福祉に関する活動、チームをまとめた経験、誰かのために行動した経験などは、「医師としての資質」を伝える材料になります。
たとえば、
- 医療現場を見学した経験
- 地域イベントでリーダーとして関わった経験
- 継続的に取り組んだボランティア活動
などは、「なぜ医師を目指すのか」「人の役に立ちたいという思い」などが伝わるエピソードになります。
日頃から「どんな経験をして」「どう感じて」「どのように成長したか」を記録しておくと、後から振り返りやすく、志望理由書作成の際にも役立ちます。
面接や小論文の対策を行う
総合型選抜では、「面接」と「小論文」が合否を大きく左右する重要な選考ポイントになります。どちらも、医師としての適性や人間性、社会への関心などを総合的に見られる試験です。自分の思いや考えを言葉で伝えられるように、しっかりと準備をしておきましょう。
特におすすめなのは、過去問を活用した対策です。志望する大学の過去の出題傾向やテーマを調べておくことで、問われやすい話題や自分に足りない部分が見えてきます。なお、総合型選抜の過去問が手に入らない場合でも、同じ大学の一般選抜で課される小論文の過去問も対策に役立ちます。アドミッション・ポリシーは入試方式が違っても大幅に異なることは考えにくく、出題傾向にも共通点があるためです。
面接も小論文も、繰り返し練習することで確実に力がついていきます。
「面接」や「小論文」の具体的な対策法については、以下の記事で詳しく解説しています。気になる方は、併せてご覧ください。
【2026年度最新】医学部の総合型選抜はどうなる?今年の動向と出願時期などを完全攻略!
【私立大学】関西エリアで総合型選抜を実施している医学部
現在、関西エリアの私立大学で総合型選抜を実施している医学部は、以下の3校です。
- 大阪医科薬科大学(大阪府)
- 関西医科大学(大阪府)
- 兵庫医科大学(兵庫県)
ここからは、それぞれの大学の選抜内容や特徴を詳しく解説していきます。
大阪医科薬科大学
項目 | 内容 |
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選考内容 |
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共通テスト |
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募集人数 |
|
評定平均 |
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併願 |
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実施日程 |
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主な特徴 |
|
関西医科大学
項目 | 内容 |
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主な方式と選考内容 |
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共通テスト |
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募集人数 |
|
出願要件 |
その他の点については、3つの型によってそれぞれ異なる ・日本生物学オリンピック 本選大会 |
併願 |
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実施日程 |
※第2次試験は、第1次試験の約1週間後に実施される |
主な特徴 |
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兵庫医科大学
項目 | 内容 |
---|---|
主な方式と選考内容 | 総合型選抜には、4つの方式がある
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選考内容 |
第1次試験:適性検査(英語・数学・理科)、小論文 第1次試験:適性検査(英語・理科)、小論文 |
共通テスト |
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募集人数 |
|
評定平均 |
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併願 |
|
実施日程 |
|
主な特徴 |
|
まとめ
今回の記事では、関西エリアの私立大学医学部における総合型選抜について、その概要や注目すべき5つのポイント、実施している私立大学の情報まで解説しました。
総合型選抜は、学力だけでは見えにくい「人としての魅力」や「将来への思い」を重視する入試です。これまでの経験や医師としての志を、自分の言葉でどれだけ丁寧に伝えられるかが大きな評価ポイントとなります。
あらためて、総合型選抜で受験する際に意識しておきたい5つのポイントを振り返っておきましょう。
- アドミッション・ポリシーをしっかり確認する
- 学力基準や評定平均を事前にチェックする
- 受験戦略を立てる
- 課外活動にも積極的に取り組む
- 面接や小論文の対策を行う
「自分の思いをしっかり伝えたい」「できるだけ早く進路を決めたい」と考えている受験生にとって、総合型選抜は非常におすすめの選択肢です。
志望理由書や面接の準備に不安がある場合は、早めに対策を始めることをおすすめします。トライでは、総合型選抜に特化したコースをご用意しており、一人ひとりに合わせた丁寧なサポートを行っています。ご興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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