大東文化大学の総合型選抜では小論文を課される学科が多く、小論文の成績が合否を左右する重要な要素にもなっています。小論文は学力試験と同じように、過去の出題傾向を掴んでおく必要があります。また、課題に対する思考力や論理的な表現力を鍛えておく必要もあります。そのため、出題形式や過去のテーマを知り、事前に対策を講じておくことが不可欠です。しかし、「どんなテーマが出題されたのか」「どんな対策を行えば良いか」がわからなくて困っている人も多いでしょう。
そこで本記事では、昨年に出題された小論文のテーマや問題内容を解説しながら、効果的な対策方法について詳しく解説します。大東文化大学の総合型選抜での合格を目指し、早めの対策をスタートさせましょう。
大東文化大学総合型選抜の特徴
大東文化大学総合型選抜には、以下のような特徴があります。
総合型選抜を複数回受験できる
大東文化大学の総合型選抜では、総合型選抜を複数回受験することが可能です。大東文化大学の総合型選抜は10月と12月に2回実施されていて、10月の試験を受験して不合格だった場合でも、12月の試験にチャレンジすることができます。さらに、2025年の11月には、基礎学力テスト型の総合型選抜も導入予定です。
※参照:総合型選抜/入試情報|大東文化大学 受験生サイト(公式)
方式によっては他大学との併願が可能
大東文化大学の総合型選抜では、2022年度入試から他大学との併願が可能な入試制度が導入されました。大東文化大学に合格し入学手続をした後でも、3月31日までなら入学辞退が可能となる入試です。総合型選抜で合格すると大東文化大学への入学の権利を持ったまま他大学を受験できるので、進路選択の幅も広がります。ただし、一部学科では実施がないので、受験要項をしっかりと確認しましょう。
自己推薦書の指定字数が減少
大東文化大学の総合型選抜では、自分の強みや学習意欲・志望理由をアピールする自己推薦書の提出が必須です。以前は約2,000字とハードルの高かった字数ですが、2023年度入試から約1,000~1,200字に削減されました。学科によって字数が異なりますが、字数が減った分、よりチャレンジしやすい入試となりました。
書道実技やノートテイキングの実施
大東文化大学の総合型選抜では、全国でも珍しい学科である「書道学科」で書道の実技試験が実施される受験方式があります。また、法律学科では、教員の講義を聞いてノートをとり、その内容が採点されるというノートテイキングという入試も行われます。
課題探求プログラムで課題論文等が免除
大東文化大学では、高校生を対象に「課題探求プログラム」が実施されます。事前・事後課題、web講義などのプログラムを修了した参加者は、大東文化大学の総合型選抜などの年内入試の際に行われる課題論文免除等の特典を得ることも可能です。2025年度は15学科で実施されています。課題探求プログラムに参加することで、大学での学びを実際に体験でき、入学後の学習をイメージしやすくなるというメリットもあります。
※参照:大東文化大学 課題探究プログラム|大東文化大学 受験生サイト(公式)
大東文化大学の小論文テーマなどを紹介
2024年度入試で実際に出された小論文のテーマや関連する問題などをご紹介します。
学校推薦型選抜(公募制)
日本文学科
800字程度の文章を読み取り、「大学で学ぶことの意義」について600〜800字で論じる問題が出題。
あわせて漢字・読解問題も課されている。
書道学科B
「平安時代の仮名書道」について概要を説明し、好きな作品を1〜3件挙げて理由を述べる問題。
英米文学科
翻訳に関する1,000文字程度の文章を読み、提示された箇所の意味について、自身の翻訳経験を踏まえて600字以内で論じる問題が出題されている。
教育学科
指定された新聞記事を資料に、生成AIの学習活用や教育現場での導入是非を考察する問題が問われた。
歴史文化学科
800字程度の歴史観に関する文章を読み、1,000字以内で、豊かな歴史観に必要なことを説明し、自分が関心のある歴史的出来事や人物について論じる問題が出題されている。
社会経済学科・現代経済学科
200字程度の化石燃料への補助金政策資料を題材に、その撤廃の是非について、800〜1,000字程度でメリット・デメリットを踏まえて論じる問題を出題。
中国語学科
500字程度の新聞記事を読み、植物学者・牧野富太郎の学問姿勢を踏まえて、それを外国語学習に応用する方法を200字程度で論じる問題が出題されている。
あわせて要約・読解問題も含まれる。
英語学科B
大東文化大学の創立100周年を踏まえて、101年目を担う学生としてどのように活躍できるかを、自身の経験と学習計画をもとに800〜1,000字で論じる問題を出題。
日本語学科A
1,000文字程度の日本語の文字体系(漢字・ひらがな・カタカナ)の特徴に関する資料を読み、利点と課題を300〜500字程度で論じる問題が課されている。
あわせて漢字・読解問題も問われる。
政治学科
日本の議院内閣制の特質について800字の原稿用紙に記述する問題が出題されている。
経営学科
コロナ禍以降のテレワークとオフィス回帰を踏まえ、今後の企業の労働のあり方を1,000字以内で記述する問題。
スポーツ科学科
中学校部活動の地域移行をテーマに、課題と改善策を自身の経験を交えて、600〜800字でまとめる問題が出題されている。
看護学科「小論文」
ヤングケアラーに関する資料とアンケート結果の図表をもとに、支援策について自分の考えを600字以内で述べる問題。
社会学科A「小論文」
多様性に関する法律を題材に、下記の3つの設問に記述式で回答する問題が出されている。
設問1:制定の必要性や社会的背景(275字以内)
設問2:反対・慎重意見の理由(200字以内)
設問3:現代社会における多様性課題の具体例と解決策(425字以内)
総合型選抜(他大学併願可能型)
中国文学科B
中国の文化を具体例を挙げて説明し、その日本への影響や学ぶ意義について1,000字以内で論じる問題が課されている。
教育学科
不登校者数に関する130字程度の資料をもとに、不登校の増加が意味することを、複数の観点から800字以内で考察する問題が出題されている。
歴史文化学科
250字程度の資料を読み、「歴史はなぜ必要なのか」という問いに対し、日本史や世界史の出来事を引き合いに出しながら600字前後で論じる問題が出題されている。
経営学科B
700字程度の新聞記事の資料をもとに、女性が働きやすい職場づくりや、男女の賃金格差改善について、自由に自身の意見を述べる問題が出題されている。
あわせて漢字問題も課されている。
看護学科
設問Ⅰ:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症に係るメンタルヘルスに関する調査結果概要について」および内閣府「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」の図表に関する読み取り問題(設問①〜⑥)が出題。
設問Ⅱ:設問Ⅰの図表を踏まえ、新型コロナウイルス感染症の拡大によって自分の生活にどのような変化があったかを述べ、心身の健康を維持するために必要と考えることを600字以内で記述する。
総合型選抜(専願型)
中国文学科B
200字程度の「論語」を題材に、孔子の正直者に関する発言について、自身の考えを800字以内でまとめる問題が課されている。
教育学科
「幼児化」に関する2,000字程度の長文を読み、要点や説明を整理した上で、自分の感じたことを800字以内で論じる問題が出題されている。
書道学科B
活字と手書き文字の違いとそれぞれの良さについて、自らの体験を交えつつ800字以内で具体的に述べる課題が出題されている。
社会経済学科・現代経済学科B
「東京一極集中」を題材に、東京と地方それぞれに住むメリット・デメリットを比較し、自分の希望を800〜1,000字述べる問題が出題されている。
看護学科
設問Ⅰ:「人口動態総覧の年次推移」および「出生数の年次推移(母の年齢別)」に関する統計表の読み取り問題(設問①〜⑥)。
設問Ⅱ:出生率の変化について現状と課題を要約し、少子化対策として考えられる方策を600字以内で論述する。
大東文化大学の小論文対策
大東文化大学の総合型選抜の小論文には、以下のような対策が必要になります。
学部・学科によって異なる形式を把握する
大東文化大学の総合型選抜で出題される小論文は、学部・学科によって形式が大きく異なります。過去問題を確認して、自分が受験したい学部・学科がどのような形式をとっているかを把握しておきましょう。
チェックするポイント① 形式
年度によって変更になる場合はありますが、過去問題と同じような形式で出題される可能性が高いです。自分が受験したい学部・学科で出題された形式に沿った小論文対策を行いましょう。
チェックするポイント② 字数
大東文化大学の総合型選抜の小論文の字数は、学部ごとに異なっています。しかし、800字~1,000字程度の字数の学部・学科が多いです。設問数が多い場合は、200字程度の場合もあるので、それぞれの字数に合わせた対策を行いましょう。
チェックするポイント③ 時間
大東文化大学の総合型選抜における小論文の実施時間は、学部ごとに異なっています。自分が受験したい学部・学科の実施時間を把握し、その時間に沿った対策を行いましょう。
小論文の構成を理解し定型を身につける
大東文化大学の小論文の内容は、学部・学科ごとに大きく異なります。しかし、どのタイプの小論文でも、定型の書き方があります。
たとえば、800字~1,000字の課題型の場合、小論文の構成は大きく3部に分けて書くことが一般的です。
① 序論:設問に対しての自分の意見の提示や問題提起などを書く。
② 本論:自分の意見の根拠や具体例などを書く。
③ 結論:序論で述べた主張の繰り返しや問題提起についての解答を書き、全体をまとめる。
小論文の構成を理解し、何度も実際に書くことで、小論文のタイプに合わせた定型を身につけておきましょう。
時間内で書き上げられるように練習を重ねる
大東文化大学の小論文の試験時間は学部・学科によりますが、基本的に60分間です。
小論文対策をする際には、下記の項目にかける時間を60分間でしっかり割り振っておきます。
- 課題文を読む時間
- 構成・内容を考える時間
- 実際に書く時間
- 見直しの時間
小論文の練習をする際には、実際に時間を計りながら書くことが必要です。決められた時間を意識しながら何度も練習を繰り返し、時間内で書き上げられるようにしておきましょう。
まとめ
大東文化大学の総合型選抜における小論文を制するには、まず学部・学科ごとに大きく異なる出題形式を把握し、それに対応する型を身につける必要があります。大東文化大学の小論文は、生成AI、不登校、多様性など現代社会の重要課題を扱うことが多く、受験生自身の実体験と結び付けて論じることが求められる傾向があります。また、多様な表現力も求められます。
限られた試験時間で質の高い小論文を書き上げるためには、序論・本論・結論の3部構成を身につけ、時間配分を意識した練習を重ねることが不可欠です。小論文の基礎を理解して、書くトレーニングを重ねることで、小論文の得点力はアップするでしょう。
学校での対策が難しかったり十分でなかったりする場合には、小論文の対策を行ってくれる塾に頼ることも選択肢のひとつです。受験するタイプに合わせた対策や添削によって、高得点を獲得できる小論文を書けるようになります。トライでは、大東文化大学の小論文対策が可能です。大東文化大学の総合型選抜を検討中の受験生の方は、ぜひお問い合わせください。
小論文は、対策を始めればすぐに結果が出るものではありません。早めに小論文対策を始め、大東文化大学の合格を目指しましょう。




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