中学受験を目指すご家庭の中には「家庭教師に興味はあるけれど、実際どれくらい費用がかかるのかわからない……」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。家庭教師と聞くと「なんとなく高い」というイメージを持たれがちですが、実は料金には幅があり、工夫次第で費用を抑えて利用することもできます。
この記事では、中学受験における家庭教師の料金相場や塾との費用構造比較、さらに実際に利用した保護者様の口コミを紹介します。家庭教師の利用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
中学受験の家庭教師の料金相場
中学受験向けの家庭教師の相場を調べてみると、1時間あたり2,000~30,000円程度と、非常に幅が広いことがわかります。では、なぜこれほどまでに価格差が生まれるのでしょうか。実は、家庭教師の料金は依頼方法や講師のタイプ、授業の形式によって大きく異なります。具体的には次の3点が主なポイントです。
・ 家庭教師会社と契約するか、個人と直接契約するか
・ プロの社会人講師に頼むか、学生講師に頼むか
・ 講師が訪問する授業か、オンライン授業か
そこで、ここではそれぞれのケースの料金相場や、メリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
【家庭教師の相場①】会社契約と個人契約を比較
家庭教師を依頼する際には、家庭教師会社に申し込み、希望に合った講師を派遣してもらう「会社契約」が最も一般的です。これに対し「個人契約」は、家庭教師会社を通さず、ご家庭と講師が直接契約を結ぶ方法です。
それぞれの契約方法について、料金相場やメリット・デメリットを以下にまとめました。
料金相場 (1時間あたり) |
メリット | デメリット | |
---|---|---|---|
会社契約 | 2,000円~30,000円 | ・講師の質が一定以上に保たれている
・日々のサポートやトラブル対応がある ・受験指導のノウハウが豊富 |
・料金が比較的高め |
個人契約 | 2,000円~6,000円 | ・料金が比較的安く抑えられる | ・講師の質や身元が保証されない
・トラブル時は自己責任 ・中学受験指導の経験がない講師もいる ・講師変更が難しい場合がある |
表のとおり、会社契約は費用が比較的高めではあるものの、講師の質が面接や試験によって厳選されており、実績や信頼性も明確です。また、講師変更やトラブル対応もスムーズで、中学受験に特化したノウハウが蓄積されている点も大きな強みと言えます。一方、個人契約は費用を抑えやすいというメリットがありますが、講師の質や身元が保証されていない場合が多く、トラブルのリスクも高くなります。特に、インターネット掲示板やSNS経由で契約する場合は、情報の正確性や安全性に注意が必要です。
こうした特徴を踏まえると、受験対策をしっかり行いたいご家庭や、安心・安定した指導を求める方には、家庭教師会社を通じた契約がおすすめであると言えるでしょう。
【家庭教師の相場②】社会人講師と学生講師を比較
家庭教師には、大きく分けて「プロの社会人講師」と「学生講師」の2つのタイプがあります。それぞれの料金相場やメリット・デメリットは以下のとおりです。
| 料金相場 (1時間あたり) |
メリット | デメリット |
---|---|---|---|
社会人講師 | 2,000円~30,000円 | ・指導経験が豊富
・中学受験指導の実績がある ・授業日を固定しやすい |
・料金が比較的高め |
学生講師 | 2,000円~8,000円 | ・料金が比較的安く抑えられる
・実体験に基づいた話が聞ける ・年齢が近く親しみやすい |
・比較的指導経験が少ない
・授業日が固定できない場合がある |
表のとおり、プロの社会人講師の最大の特徴は、豊富な指導経験と中学受験における確かな実績をもっていることです。料金は比較的高めに設定されている場合が多いものの、お子さまの性格や学力、志望校に合わせて的確で質の高い指導が受けられる点は、大きな魅力と言えるでしょう。このため、合格実績を重視したい方や難関校合格を目指すご家庭にとって、社会人講師の利用はおすすめの選択肢です。
一方で、学生講師は社会人に比べて指導経験が少なめである他、長期休みや大学のテスト期間中は授業スケジュールが不安定になる場合があります。しかし、年齢が近いため親しみやすく、お子さまが勉強や受験について気軽に相談しやすいというメリットがあります。また、講師自身の受験体験を踏まえたアドバイスが可能で、志望校の先輩であればお子さまのモチベーション向上にもつながるでしょう。さらに、料金も比較的抑えめであるため、費用面を重視しつつ家庭教師を導入したいご家庭には、学生講師は非常に魅力的な選択肢となります。
【家庭教師の相場③】訪問型とオンライン型を比較
以前は、家庭教師といえば講師がご家庭を訪問して対面で授業を行う「訪問型」が主流でした。しかし、新型コロナウイルスの流行をきっかけに、パソコンやスマートフォン、タブレットなどを使って画面越しに授業を行う「オンライン型」が急速に普及しています。
それぞれの料金相場やメリット・デメリットは以下のとおりです。
料金相場 (1時間あたり) |
メリット | デメリット | |
---|---|---|---|
訪問型 | 2,000円~30,000円 | ・講師が直接お子さまの様子を把握できる
・対面ならではの緊張感で集中しやすい |
・交通費の負担がある
・講師を家に招く心理的負担がある ・地域によっては講師の選択肢が少ない |
オンライン型 | 2,000円~15,000円 | ・場所を問わず全国から講師を選べる
・費用が比較的安く抑えられる ・柔軟なスケジュール対応が可能 ・感染症対策にも有効 |
・講師が直接お子さまの様子を把握しづらい
・緊張感を保ちづらい場合がある ・インターネット環境を整える必要がある |
表のとおり、訪問型の最大の特徴は、講師が実際にお子さまと同じ空間で授業を行うため、表情や態度から理解度を把握しながら、より細やかな指導が期待できる点です。ただし、講師の交通費がかかることや、家に講師を招くことへの心理的な負担、さらに地域によっては希望に合う講師が見つかりにくいという課題もあります。
一方で、オンライン型は場所を問わず全国から講師を選べるのが最大のメリットです。このため、指導実績や学歴、性別など、さまざまな条件を設定することで、理想の講師と出会える可能性が高まります。また、交通費が不要である上、訪問型に比べて指導料が安価なケースが多いため、コストを抑えて家庭教師を導入したいご家庭にも最適です。ただし、オンライン型は講師が画面越しに授業を行うため、お子さまによっては緊張感が続かず、集中が切れやすい可能性もあります。
このように「訪問型」と「オンライン型」はそれぞれに特徴があるため、お子さまの学習習慣や性格、お住まいの地域や予算などに応じて、どちらの形式がより適しているかを事前にしっかり検討するようにしましょう。
家庭教師を選ぶ上で大切なのは「どの選択肢が最も安いか」ではなく「どの選択肢が最もお子さまに合っていて、成果につながるか」という視点で考えることです。これまでに紹介してきた各形式のメリット・デメリットも参考にしながら、ぜひ料金だけでなくお子さまとの相性も含めて、さまざまな家庭教師の形を比較・検討してみてください。
中学受験の家庭教師の料金例
繰り返しになりますが、家庭教師の料金は依頼方法や講師のタイプ、授業形式などによって大きく異なるため、一概に「いくらかかる」とシミュレーションするのは難しいものです。とはいえ、中学受験を考える上で予算の管理はとても重要で「そうはいっても、実際どのくらいかかるの?」と気になる方も多いのではないでしょうか。
そこで、ここでは中学受験で家庭教師を利用する際にかかる費用について、具体例を挙げて紹介していきます。
※金額は全て税込み価格です
ノーバス | 総合進学セミナー | WAM | ||
---|---|---|---|---|
特徴 | 訪問型
プロ講師・学生講師 |
訪問型
プロ講師のみ |
オンライン型
プロ講師・学生講師 |
|
毎回かかる費用 | 指導料 (1時間あたり) |
約4,900円~8.200円
※講師のグレードによる |
8,800円〜16,500円
※講師のグレード・コースによる |
約2,100円~ |
交通費 | 実費 | 無料
(バス・車のみ実費) |
無し | |
毎月かかる費用 | 諸経費(塾によって名称は異なる) | 3,300円 | 無し | 不明 |
必要に応じてかかる費用 | 教材費 | 実費 | 実費 | 実費 |
一回のみかかる費用 | 入会金 | 22,000円 | 22,000円 | 不明 |
表からもわかるように、家庭教師の料金を考える上で大切なのは、指導料以外にもさまざまな費用が発生する点を、あらかじめ知っておくことです。例えば、訪問型では毎回講師の交通費がかかりますし、家庭教師会社によっては月々の諸経費が別途必要になる場合もあります。また、教材が手元にない場合は新たに購入が必要ですし、オンライン型を利用する場合は、インターネット環境を整える費用も見逃せません。さらに、多くの家庭教師会社では入会金が必要となるため、これも事前に確認しておきたいポイントです。
もちろん、最も大きな出費となるのは指導料です。この金額は、訪問型かオンライン型か、社会人講師か学生講師かといった条件によって大きく異なり、今回調べた結果では、1時間あたり2,000円台から、高い場合は16,000円を超えるケースもありました。
このように、家庭教師の指導料はさまざまであるため、ご家庭の中で「中学受験にどれくらいの予算をかけるか」をあらかじめ話し合っておくことが重要です。そして、家庭教師を選ぶ際には「予算の中で、いかにお子さまに合った講師を見つけるか」という視点で、サービスを比較・検討していくことが成功への近道と言えるでしょう。なお、指導料を比較する際は「1時間あたり」で表示している場合と「1コマ(90分など)あたり」で表示している場合があるため、時間単位をそろえて比べるように注意してください。
塾と家庭教師|コスト構造の違いを比較
これまで見てきたとおり、一口に「家庭教師」と言ってもその費用には大きな幅があり、条件によってはコストを抑えて利用することも十分に可能です。しかし、一般的には「家庭教師=高額」というイメージを持たれることが多いかもしれません。
また、塾と家庭教師の費用では、料金が発生するタイミングや内容も大きく異なるため、単純な金額の比較だけでなく、「コスト構造そのものの違い」に目を向けることが重要です。ここでは、中学受験に向けた「塾」と「家庭教師」の一般的な費用構成の違いを整理し、それぞれの特徴を比較してみましょう。
塾と家庭教師の一般的な費用構成の比較
項目 | 集団塾 | 家庭教師 |
---|---|---|
入会金 | 多くの塾で必要(キャンペーンで入会金無料の場合あり) | 多くの家庭教師で必要 |
授業料 | 月額制(週2~3日・1科目〜4科目) | 時間単価制(1コマごと/週1回から調整可) |
教材費 | 半期・年間で一括請求。塾専用教材が中心 | 必要に応じて購入。市販・塾教材の併用も可能 |
模試・テスト費 | 学力テスト・公開模試などが定期的に組み込まれている | 必要に応じて受験(外部模試・通信教材など) |
季節講習費 | 通常授業とは別に発生。費用は大きめになりやすい | 通常の授業料に含まれることも。回数調整で対応可能 |
諸経費・管理費 | 教室維持費・冷暖房費などが含まれる場合あり | 月額のシステム利用料などがかかるケースあり |
交通費 | 通塾のため交通費は自己負担 | 講師側の交通費を別途支払う場合あり/オンライン型なら不要 |
塾と家庭教師どちらが高い?
月額授業料だけを比べると、家庭教師の方が高額に見えることがあります。しかし、塾では授業料以外に講習費・模試費・教材費などがまとまってかかるため、年間で発生する総額は想像以上に大きくなるケースもあります。
一方、家庭教師は「苦手科目だけ週1回」など柔軟に設定できるため、使い方によっては塾よりもコストを抑えることが可能です。さらに、オンライン指導を選べば交通費や地域制限の負担も軽減され、質の高い講師にアクセスしやすくなります。
柔軟な使い方でコストパフォーマンスを最大化
ご家庭の予算に合わせて、自学の時間をうまく活用しつつ授業回数を調整したり、オンライン型を活用したりすれば、集団塾と同程度の費用感で家庭教師を利用することもできるでしょう。また、すべてを家庭教師に任せるのではなく、集団塾と併用しながら苦手教科だけ週1回家庭教師に補強してもらうといった柔軟な利用スタイルも、効果的な選択肢の一つです。
大切なことは「家庭教師はなんとなく高い」というイメージにとらわれすぎず、まずは情報収集をしてみることです。気になる方は、複数の家庭教師会社やプランを比較検討しながら、ご家庭の予算に合った無理のない利用方法を見つけてみてください。
中学受験の家庭教師の料金に関する口コミ
ここでは、インターネット上に寄せられている、中学受験を目的として家庭教師を実際に利用した保護者様の口コミの一部を紹介します。
良い口コミ
まず、料金に対する高評価の声としては、
みっちり見ていただけるので、出費ではありますが値段相応かと思います。
マンツーマンで贅沢に教えてもらえたため、無駄な時間がありませんでした。
というように、費用の負担感はあるものの、それ以上に得られる学習効果やサポートの手厚さを実感し、満足しているご家庭が多く見受けられます。
ほかにも
一回の授業で2科目見てもらえるので良いと思います。
ランクも複数あるのでご家庭に合わせてお願いできると思います。
といった声もあり、柔軟な指導スタイルや料金設定など、家庭教師ならではの対応力に魅力を感じるご家庭も多く見られます。
気がかりな口コミ
家庭教師の料金に関する気がかりな声としては、
交通費が別にかかるのが重い。
入会手数料がなければ良かった。
というように、指導料以外の費用に対する意見が寄せられています。家庭教師を検討する際は、どうしても指導料に目が向きがちですが、交通費や手数料なども積み重なると無視できない出費となります。入会後に想定外の費用負担がないように、あらかじめ全体の料金をしっかり把握しておくことが大切です。
また、ほかには
マンツーマンなので、集団よりは高くなる。支出が大きかったため家庭への負担は大きいと感じた。
といった声もあります。確かに家庭教師は個別対応である分、費用が集団塾より高額になるケースもあります。ただし、オンライン型を選ぶ・学生講師に依頼する・各社のキャンペーンを活用するなど、工夫次第で費用を抑えることも可能です。まずはご家庭内で予算の目安を共有し、無理のない範囲で最適な講師を選ぶことが、納得のいく学習環境づくりの第一歩となるでしょう。
まとめ
中学受験向けの家庭教師は、依頼方法や講師のタイプ、授業形式などによって、料金に大きな幅があります。「家庭教師=高額」というイメージを持たれることも多いですが、実際には工夫次第で費用を抑えることも可能です。また、塾と併用し、家庭教師は苦手科目に限定して利用するという方法も効果的です。
ただし、費用面だけで家庭教師を選んでしまうと、お子さまに合わない講師とマッチしてしまい、思うような学習効果が得られない可能性もあります。家庭教師を選ぶ上で最も大切なのは、お子さまが安心して学べる「信頼できる講師」と出会うことです。そのためには、選択肢を狭めず、さまざまな家庭教師の形を比較・検討することが重要です。
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中学受験で家庭教師をご検討中の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。