2025/09/10

法学部に推薦で合格するには?推薦型選抜の傾向と対策を徹底解説!

法学部への進学を目指す高校生や保護者にとって、推薦型選抜は有力な合格ルートの一つです。

推薦入試は学力だけでなく人物面や志望動機が重視されます。そのため、高校入学後からの早めの準備が不可欠です。

本記事では、法学部の推薦入試の特徴やメリット、求められる人物像、そして合格するための具体的な対策について解説します。

法学部の推薦入試とは?

大学の法学部に進学するルートとして「一般選抜」以外に注目を集めているのが「推薦型選抜(推薦入試)」です。

ここでは、法学部の推薦入試の種類や出願条件、選抜方法について解説します。

法学部推薦入試の種類

法学部の推薦入試には大きく分けて「学校推薦型選抜」と「総合型選抜(旧AO入試)」の2種類があります。大学によっては、法科大学院(ロースクール)への進学を見据えた一貫教育コースを設けている場合もあり、将来法曹を目指す受験生は積極的に検討したい制度です。

学校推薦型選抜(指定校・公募)

高校の推薦を得て出願する学校推薦型選抜には、特定の高校に対して枠が設けられる「指定校推薦」と、成績などの条件を満たせば、原則としてどの高校からでも出願可能な「公募推薦」があります。法学部では公募推薦が多く、一定の評定平均や志望理由書の提出が求められます。

総合型選抜

学校からの推薦を必要とせず、生徒本人が大学に直接アピールする形式で、私立大学に多い入試制度です。
書類審査、小論文、面接、ディスカッションなどを通じて人物面や将来の志向を評価されます。

法学部推薦入試の出願条件

法学部の推薦入試では、以下のような出願条件が課されることが一般的です。

  • 高校3年間の評定平均が一定基準以上
  • 欠席が少なく、学校生活に真面目に取り組んでいる
  • 法学への関心や、将来の目標が明確である
  • 高校の課外活動やボランティア活動などに積極的に参加している
  • 外国語検定試験の資格が必要な場合もある(例:上智大学の法律学科・地球環境法学科では英検®2級以上)

大学によっては、これらに加えて「指定の科目履修」「課外活動実績」「共通テストの受験」など、より詳細な条件が課されることもあります。出願前に必ず志望大学の募集要項を確認してください。

法学部推薦入試の選抜方法

選抜方法は大学や入試形式によって異なりますが、以下の選抜方法が一般的です。

  • 書類審査:調査書、志望理由書、自己推薦書など
  • 小論文:現代社会の課題や法律に関するテーマで出題される
  • 面接やディスカッション:個人またはグループでの面接やディスカッション
  • プレゼンテーション:テーマを与えられ、自分の意見を発表する形式

法学部では、知識の多寡よりも「論理的に考え、他者に伝える力」が求められます。そのため、面接や小論文の配点が高くなる傾向があります。

法学部の推薦入試の特徴と傾向とは?

法学部の推薦入試では、学力や成績だけではなく、社会への関心、論理的な思考力や表現力が重視されます。将来的に法律や社会制度に関わる人材としての資質を早い段階から見極めるためです。

ここでは、近年の法学部推薦入試に見られる特徴や傾向について解説します。

ディスカッションが重視される傾向がある

法学部では、法的な問題解決のために論理的な考察や多面的な視点からの思考が求められます。そのため、個人面接だけではなくグループディスカッションを取り入れている大学が増えています。

グループディスカッションでは、与えられたテーマについて他者と意見を交わし、議論を通じて結論を導く姿勢が評価されます。ここで求められるのは、強く主張する力よりも「他者の意見を受け止め、自分の意見を論理的に伝える力」で、コミュニケーション能力・協調性・リーダーシップも求められます。

ディスカッションは準備が難しいと感じる受験生も多いです。論理的にディスカッションができるようになるためには、ニュースや社会問題について日頃から自分の考えを持つ習慣をつけることが重要です。短期的にディスカッションの対策をするのではなく、長期的に対策していく必要があります。

現代社会の問題意識・課題解決力が問われる

法学部では、社会の制度やルールを学び、それを使って人々の権利や生活を守ることが求められます。そのため、小論文や面接では「現代社会の課題に対する理解」と「それに対する自分なりの意見や解決策」が問われるケースが多いです。

たとえば以下のようなテーマが出題されることがあります。

「少年法の改正についてどう思いますか?」
「憲法における表現の自由とSNSでの誹謗中傷問題について述べなさい」
「法律はすべての人に平等であるべきか、具体例を挙げて論じなさい」

これらのテーマは、いずれも唯一の「正解」が存在しない問いです。だからこそ、受験生がどのように論点を整理し、筋道立てて自分の意見を構築できているかが重視されます。
単なる知識の暗記ではなく、論理的に考えを構築し、自分の立場や根拠を明確に表現できるかが問われます。

社会に強い関心を持ち、実社会の課題設定や解決策提案に主体的に貢献できる力が法学部の受験生には求められています。

法学部の推薦入試で求められる人物像とは?

法学部では、法律という社会の土台となるルールを学び、その知識をもとに社会に貢献できる人材の育成を目指しています。

ここでは、法学部の推薦入試で重視される人物像を3つに分けて解説します。

論理的に考え、伝える力がある

法律は感情ではなく論理によって人と人との関係や社会のルールを調整するものです。そのため、法学部では論理的に物事を考える力と、他者にわかりやすく伝える力を持つ学生が求められます。

これらの力は小論文や面接、ディスカッションなどで評価されます。自分の考えをただ述べるのではなく、「なぜそう考えるのか」という理由や根拠を明確にしながら、順序立てて話したり、書いたりすることが大切です。

公共性や社会貢献への意識が高い

法学部では、個人の権利だけでなく、社会全体の調和や公共の利益について考えることが求められます。
したがって、推薦入試では「自分だけが良ければいい」ではなく、「周囲の人や社会の課題にも目を向けられる人物か」が見られます。

また、未解決の課題を主体的に発見し、とことん調査・考察する自学自習の姿勢や、社会の一員としての倫理観・責任感も必要です。

以下のような活動は、公共性や社会貢献の観点で高く評価される傾向にあります。

  • ボランティアや地域活動への参加
  • 生徒会や委員会でのリーダー経験
  • 部活動での継続的な努力やチーム貢献
  • 社会問題への関心や、解決に向けた自主的な行動

高校での活動に主体性がある

法学部では、受け身で学ぶのではなく、自ら課題を発見し、積極的に学びを深めていく姿勢が求められます。高校生活の中でどのように主体的に行動してきたかが評価されるでしょう。

以下のような主体的な経験が、推薦入試ではアピール材料になります。

  • 授業や探究活動で自主的にテーマを深掘りした経験
  • クラブ活動でのリーダーシップや継続的な努力
  • 自分の関心に基づいた読書や社会問題の調査・研究

こうした取り組みを通じて得た学びや気づきを、自分の言葉で語れるかどうかも重要です。

また、大学合格の直後から大学レベルの法律の勉強に取り組み、司法試験へ向けた勉強を始めるくらい意欲のある受験生も大学は求めています。積極的に法学を学ぶ姿勢をアピールしていきましょう。

法学部の推薦入試に合格するための対策法

法学部の推薦入試は、学力・人物・表現力を総合的に評価する入試形式です。「勉強だけ」「活動だけ」では合格に届かず、バランスの取れた準備が必要になります。

ここでは、合格のためにできる具体的な対策を4つのポイントに分けて解説します。

対策① 国語・英語を中心に評定平均を上げる

推薦入試では、高校3年間の評定平均が重要な出願条件です。法学部では論理的思考力や読解力が求められるため、「国語」や「英語」の成績が重視されることもあります。

また、「公共」「政治経済」は法学の基礎知識として重要な科目ですので、しっかり学習する必要があります。

さらに、法律の学習では「必要条件」「十分条件」などの形式論理の理解も欠かせません。このため、数学が極端に苦手な場合、法的文書の読解や論証に苦戦することがあります。入試段階で必須とされるわけではありませんが、論理的な思考の基盤として、基礎的な数学的論理を押さえておくことも望ましいでしょう。

提出する調査書では「学習態度」「提出物の管理」「授業への取り組み姿勢」も記載されるため、日々の授業や小テスト、宿題もていねいに取り組むことが大切です。

対策②志望理由では「法への関心」をアピールする

志望理由書では、「なぜ法学部を志望するのか」「法律に対する興味・将来像が明確にあるか」を書きます。

評価されるポイントは、自分の経験や興味と法とのつながりを説明できるかどうかです。たとえば、「ニュースで見た法律トラブルに興味を持った」「学校の探究活動で法や政治に触れ、社会課題を解決したいと思った」「自身や身近な人の体験を通じて、法の役割に関心を持った」といった具体的なエピソードがあると説得力が増します。

法律や法学への興味が「どのような体験や出来事をきっかけに生まれたのか」「どのような社会問題に関心があるのか」など、具体的な動機や原体験、問題意識を示していきましょう。

また、政治学科や国際関係法学科など、対象分野が広範にわたる学科を志望する場合は、「法学部で学ぶことの意味」を明確にすることも重要です。

「法学部で得た知識やスキルを将来どう活かしたいか」「弁護士、公務員、企業法務、国際分野などの具体的なキャリアプランや社会貢献への思い」を表現できるようにしましょう。

対策③ 面接ではコミュニケーション力をアピールする

面接では、「社会の対話者」としての資質が問われ、コミュニケーションができるかが評価されます。論理的に考えを表現する力はもちろんのこと、相手に良い印象を与えられるかも面接で見られます。

対策ポイントは、「法学部を志望した理由」や「将来の目標」を自分の言葉で話せるようにすることです。また、「高校生活で頑張ったことや困難を乗り越えた経験」「時事問題や社会課題に対する自分の意見」などを簡潔に伝えられるよう準備しておきましょう。

話の内容だけでなく、表情や態度、声のトーンなどの話し方や聞き方といったコミュニケーションスキルも評価の対象になります。コミュニケーションスキルは、意識して練習すれば身についていきます。模擬面接で先生からフィードバックを受け、少しずつ改善していきましょう。

対策④論理的に文章を書けるようにする

小論文では、「あるテーマに対して、論理的に自分の意見を述べる力」が問われます。以下のステップで小論文対策をします。

①基礎力の強化:ニュースや評論文を読み、要旨をまとめる練習をする
②構成力の習得:三段構成(主張→理由→結論)で書く力をつける
③書く練習:週に1本でも良いので、時事テーマで小論文を書いてみる
④添削を受ける:先生や予備校、添削サービスなどで客観的なフィードバックをもらう

小論文のテーマ例

  • 少子化対策における法制度のあり方
  • SNS時代の表現の自由と誹謗中傷の問題
  • 少年法は厳罰化すべきか

論理性・独自性・一貫性を意識した文章を書く力は、推薦入試だけでなく大学入学後にも役立ちます。

法学部推薦入試のおすすめ大学

法学部の推薦入試は、難関国公立大学から私立大学まで幅広く実施されています。ここでは、代表的な大学を紹介し、それぞれの特徴を簡潔に解説します。

※募集内容や選抜方法は年度によって変更される場合があるため、志望校の最新の募集要項を必ず確認してください。

大学名 特徴や注意点
大阪大学 ・法学部の全学科(法学科、国際公共政策学科)
・総合型選抜(一次:書類審査 二次:面接および提出書類の総合評価、共通テストの受験を要する)
信州大学 ・経法学部で推薦入試を実施(※法学系を含むが「法学部」ではなく「経済と法を融合した学部」)
・学校推薦型選抜Ⅰ(書類審査と面接などによる選抜)
・学校推薦型選抜Ⅱ(個別学力試験は実施なし。共通テストの成績及び提出書類の得点結果を利用して選抜。評定平均の基準値は特に設けられていない)
・評定平均4.0以上に加え、地域活動や志望理由の明確さなど多様な推薦要件あり
・同一学科志望に限り、選抜Ⅰ・Ⅱの併願が可能
上智大学 ・法学部全学科(法律学科、国際関係法学科、地球環境法学科)
・2020年度から法曹コースを設置(大学入学から法科大学院修了までを5年に短縮し、5年目で司法試験の受験が可能))
・公募制、指定校制(外国語試験の基準あり)
日本大学 ・法学部(法律学科、政治経済学科、新聞学科、経営法学科、公共政策学科)
・総合型選抜は総合法コースのみ対象。第二部(夜間部)は指定校推薦のみ
成城大学 ・総合型選抜(一次:書類審査、筆記試験による文章読解力・表現力審査 二次:面接による、志望理由書に基づく質疑応答を含む資料分析力・表現力審査)
・指定校制(志望理由書、身上調書など)

まとめ

法学部の推薦入試は、人物面・志望理由・論理的な表現力など、受験生の「これまで」と「これから」を総合的に評価する入試です。学校での成績や日々の学習態度はもちろん、「なぜ法を学びたいのか」「社会にどう貢献したいのか」といった自分の考えや志を深く掘り下げる姿勢が必要です。

また、推薦入試は「早く合格を決められる楽なルート」ではなく、「自分自身を深く見つめ直し、明確な目標をもって臨む挑戦」です。だからこそ、十分な準備と毎日の取り組みが大切です。

もし法学部の推薦型選抜を検討していて、進め方に不安がある場合は、専門家のアドバイスを仰ぐこともおすすめです。トライでは、志望理由書の添削や面接練習、小論文対策など、推薦入試に必要な対策を一人ひとりに合わせて丁寧にサポートしています。法学部の出題傾向や評価ポイントを踏まえた指導で、志望理由や将来の目標がしっかり伝わるよう、受験まで伴走しますので、ぜひ一度ご相談ください。

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