2025/10/09
2025/10/10

ITパスポートは大学入試に活かせる?活用方法を徹底解説!

ITに関する知識を問う「ITパスポート」は、基礎的なITの知識について問う国家試験で、毎年多くの社会人が受験しています。ITパスポートは今後社会に出た際に役立つだけではなく、大学入試でも大きなメリットがあるため、高校生の皆さんにも挑戦を視野に入れてほしい資格試験です。

この記事では、ITパスポートがそもそもどんな試験かを解説し、実際にどんな大学の入試で活かせるかをご紹介します。ITパスポートの勉強方法や、大学入試で活用するためのポイントについても説明しているので、ITパスポートでの大学受験を検討している皆さんは、ぜひ最後までご覧ください。

ITパスポートとは?大学入試でも活躍する国家試験

ITパスポートについて、そもそもどんな試験か、高校生の皆さんはどう勉強すればよいかを解説します。

そもそもITパスポートとは?

ITパスポートは、経済産業省が行う国家試験で、合格するとITに関する基礎的な知識を持っていることを証明できます。年間20万人以上が受験する、今注目を集めている試験の一つです。合格率は5割程度で、国家試験の中でも比較的合格しやすい試験です。

ITパスポートに合格するメリットは三つあります。

  1. ITと経営全般に関する基礎的な知識をつけられる
  2. 大学入試や就職活動で有利になる
  3. 上位の試験に挑戦する土台になる

ITと経営全般に関する基礎的な知識をつけられる

ITの日本語訳は「情報技術」ですが、出題範囲は「技術」そのものだけでなく労働基準法や会計などの経営管理に関するものや、システム開発の進め方など幅広く出題されます。これは、ITを正しく理解するとともに、ITを業務に効果的に活用することが全ての社会人にとって必須になっているためです。

ITパスポートの勉強をすると、ビジネスの現場で必要な知識を広く学ぶことができます。

大学入試や就職活動で有利になる

ITパスポートを持っていると、就職活動の際に履歴書に記載して即戦力としてアピールできます。
社会人や就活生以外にも、大学受験をする高校生にとっても挑戦する価値がある試験です。詳細は後ほどご説明しますが、大学入試で優遇措置を受けられ、自己アピールの材料にもなります。志望校への意欲やIT分野への関心の高さを明確にアピールすることができ、他の受験生と差別化を図って受験を優位に進めることができます。

上位の試験に挑戦する土台になる

ITパスポートが「全ての社会人に必要な共通の基礎的な知識」を問うものであるのに対し、上位の資格として、より高い専門性が求められる技術者向けの「基本情報技術者試験」「応用情報技術者試験」があります。

これらの資格に挑戦する前に、IT分野で必要な知識の基礎を固める面でもITパスポートは有効です。

ITパスポートの難易度と合格のポイント

ITパスポートには受験資格がなく、誰でも受験することができます。年間20万人が受験し、全体の合格率は5割程度です。受験者の大半は社会人ですが、高校生も毎年1万人ほどが受験しています。高校生の合格率は2~3割ほどです。

必修科目の情報Ⅰより出題範囲が広く、経営管理などの内容が高校生にはイメージしづらいからだと考えられます。ただし、ポイントを押さえてしっかり対策すれば合格も可能です。

出題内容と合格基準

120分の試験時間に100問が出題されます。
出題分野と内訳は下記の通りです。

  • ストラテジ系(経営全般):35問程度
  • マネジメント系(IT管理):20問程度
  • テクノロジ系(IT技術)  :45問程度

合格基準は全体の6割以上、かつ各分野で3割以上の得点をする必要があります。合格するためには、苦手分野を作らないことが重要です。

合格のポイント

ITパスポートに初めて挑戦する人が合格するのに必要な学習時間は150時間程度だとされています。平日に1日2時間、土日に1日4時間勉強しても2ヶ月程度の準備期間が必要です。部活や学校の課題がある中でITパスポートだけに時間をかけるのは現実的ではないので、3~4ヶ月ぐらいを想定するのが良いでしょう。

1. 自分に合った学習方法を選ぶ
ITパスポートの学習方法としては、対策講座を開いている民間のスクールに通うか、参考書を買って独学をするかの大きく2種類があります。

それぞれにメリットとデメリットがあります。学習ペースがつかみやすく、講師に質問ができるなど継続しやすい仕組みになっているのがスクールの特長です。その一方で、費用は数千円から2万円台になります。

参考書を活用すると、費用が千円台に抑えられる反面、質問できる相手が近くにいないと不明点を解消できずに挫折しやすくなるデメリットもあります。それぞれのメリットデメリットを比較、検討して自分に合った学習方法を見つけましょう。

2. スキマ時間を活用する
たとえば、週末に10時間勉強しよう、と思っても、なかなか思い通りには進みません。通学のバスに乗っている時間、寝る前の10分間など、少しの時間でも有効に活用しましょう。

3. 過去問を活用する
過去問は、公式サイトに無料で公開されているので、対策の総仕上げに活用しましょう。高得点を取って終わり、では十分とは言えません。

勘で正解した問題であれば、復習することが不可欠です。何度も間違える内容があれば、本番までにその弱点を確実に解消しましょう。

ITパスポートの受験方法

受験はコンピューターの画面で解答するCBT方式のみで行い、受験料は7,500円です。コンピューターの画面を見ながらマウスやキーボードで回答をします。受験日と会場(テストセンター)は自分で決めます。テストセンターによっては土日でも受けられるところがあります。

学習の進み具合や学校行事を踏まえて受験日を設定しましょう。合否は翌月に公式サイトで確認できます。

参照元:【ITパスポート試験】iパスとは

大学入試にITパスポートを活かせる場面

大学がITパスポートを入試でどう活用しているか、実際にどんな大学が優遇措置を設けているかをご紹介します。

情報Ⅰで学んだ知識が活かせる

高校での必修科目となっている情報Ⅰとの共通点が多いのがITパスポートの特徴です。ITパスポートでもプログラミングやデータベースの問題が出題されます。

情報Ⅰを得意とする人は受験を検討しましょう。試験では「ストラテジ」、「マネジメント」、「テクノロジ」系の3分野から、それぞれの基本的な考え方や特徴が出題されます。マネジメント系はシステム開発などのIT管理について、テクノロジ系はネットワークなどIT技術について出題されます。どちらも情報Ⅰで学んだ知識を活かすことができます。

ストラテジ系は、財務や、法務、経営戦略など経営全般に関する問題が出ます。高校生がITパスポートを受ける際には特に重点的に学習する必要があります。

総合型・学校推薦型選抜でもITパスポートが評価される

大学によっては、総合型、学校推薦型選抜でITパスポートの合格を活かすことができます。具体的には、入試の出願要件となっていたり、選考の過程で有利に作用したりします。

ITパスポートに合格していれば総合型選抜、学校推薦型選抜で優遇措置を受けられるので、受験機会を増やして、かつ合格の可能性も高められます。

大学受験でITパスポートを優遇する大学

総合型、学校推薦型選抜でITパスポートに優遇措置を設けている大学をご紹介します。ITパスポートの公式サイトでは多くの大学が紹介されていますが、募集要項で優遇措置を公表していない大学もあります。

ここでは、大学の募集要項から「ITパスポート」の名称を確認できた大学を記載しています。なお、実際に出願する際には、各大学の最新の募集要項を確認してください。

公式サイトには載っていない大学もあるので、ITパスポートを既に持っている人や挑戦を考えている人は志望校の要項をぜひチェックしてみてください。

大学(学部学科) 国公私立 都道府県 活用内容 入試種別
茨城大学
(人文社会科学部現代社会学科、法律経済学科)
国立 茨城県 点数加算 学校推薦型選抜
獨協大学
(経済学部経済学科、経営学科)
私立 埼玉県 出願要件 自己推薦入試
(Bグループ)
駒澤大学
(経済学部、グローバル・メディア・スタディーズ学部)
私立 東京都 出願要件(※) 自己推薦選抜
※グローバル・メディア・スタディーズ学部はA方式で出願可
成蹊大学
(経営学部)
私立 東京都 点数加算 AOマルデス入試
専修大学
(商学部、経営学部経営学科)
私立 東京都 出願要件(※) 商;公募制推薦入試
経;総合型選抜
津田塾大学
(学芸学部情報科学科)
私立 東京都 参考 総合型選抜
東洋大学
(総合情報学部第1部 総合情報学科 システム情報専攻 他)
私立 東京都 出願要件 自己推薦入試
日本大学
(危機管理学部)
私立 東京都 出願要件 総合型選抜
(資格型)
愛知大学
(経済学部、経営学部)
私立 愛知県 出願要件(※) 公募制推薦入試
(情報・簿記会計推薦入試)
愛知淑徳大学
(文学部、教育学部 他、活動実績入試を実施する全学科)
私立 愛知県 出願要件(※) 活動実績入試
中京大学
(総合政策学部、工学部、経済学部、現代社会学部 他)
私立 愛知県 出願要件(※) 一芸一能(特Ⅰ)推薦
(学校推薦型選抜の一種)
南山大学
(経営学部)
私立 愛知県 出願要件 総合型入試
名城大学
(経済学部)
私立 愛知県 出願要件(※) 総合型選抜
(資格・検定活用型)
甲南大学
(経営学部)
私立 兵庫県 出願要件(※) 公募制推薦入試
(個性重視型)

(※)のある大学は、ITパスポートの合格以外に評定基準なども条件に設定しています。

参照元:大学・短大における情報処理技術者試験の入試優遇

大学入試に向けてITパスポートを勉強するのがおすすめの人

大学入試を優位に進められるITパスポートについて、より受験をおすすめしたい人をご紹介します。

IT関係の学部への進学を希望している

大学でITについて学びたい人や、将来、IT関連の仕事をしたい人にとってはおすすめの資格です。入学後は、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験など上位資格へチャレンジすることもできます。

ITパスポートの名称から理系の学部が想像されますが、経済や経営、商学部など文系学部も多く採用しています。これらの学部では、経済や企業活動について学び、研究することができます。会社のお金の流れがわかることは、社会人にとってITと同じぐらい重要です。将来的にビジネスパーソンとして活躍したい人にとってもおすすめの資格です。

志望校にITパスポートの優遇措置がある

志望校の入試に優遇措置がある場合、ITパスポートの受験を検討してください。持っているだけで希望学部に出願できたり、選考の際に加点されたりします。

また、一般入試に不安を感じている人や加点対象の資格を増やしたい人にとっても、ITパスポートへの挑戦はおすすめです。

受験生の意欲や大学への適性を評価し、合否の判定をするため、大学は入試を通して受験生の「学力の3要素」を把握します。学力の3要素とは「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「主体性を持ち、多様な人々と協働しつつ学習する態度」のことです。ITパスポートに合格していることは入試での大きなアピールの材料になります。

ただし、それだけで合格するのは難しいことに注意しましょう。ITパスポートを大学入試の合格につなげるためにも、小論文や面接などの対策は必須です。

情報Ⅰに自信がある

情報Ⅰを得意科目とする人はぜひ受験を考えてみてください。ITパスポートは情報技術の基礎知識について、ストラテジ(経営全般)、マネジメント(IT管理)、テクノロジ(IT技術)系の3分野から出題され、それぞれ最低基準があります。

情報ⅠとITパスポートのマネジメント、テクノロジ系では重複する内容があります。情報Ⅰが得意な人はこの2分野の対策を短い時間で済ませ、ストラテジ系に時間を割くことができます。

共通テストに情報Ⅰが導入された2025年は、基礎的な内容を問う問題が多く出題されました。合否判定で情報Ⅰの満点を圧縮する大学もあり、情報Ⅰでは他の受験生と差をつけづらいです。

共通テストで高得点を取れることを前提にしつつも、ITパスポートに合格して総合型、学校推薦型選抜での大学合格を目指すことが、入試対策という点では効果的です。

大学入試に活かせるITパスポートに関するよくある質問

大学入試でも活躍するITパスポートについてよくある質問をまとめました。

ITパスポートは大学入試でどのように活かせますか?

総合型、学校推薦型選抜に出願できるようになったり、選考時に有利になるよう加点されたりします。

大学は学力の3要素から受験生の意欲や適性を把握しようとします。ITパスポートに合格していることは、高校生活での努力や大学への志望度の高さをアピールする上で大きな材料になります。

中堅以上の大学でもITパスポートに優遇措置を設けた入試を実施しています。一般選抜での合格にハードルの高さを感じていても、ITパスポートを活かせば志望校に合格する可能性を高められます。

ITパスポートの合格にはどれぐらいの勉強が必要ですか?

一般的には150時間程度が目安だとされています。ITパスポートの対策には、講座を開いている民間のスクールに通うか、本を買って自分で独学をするかの大きく2種類があります。

スクールに通う場合、学習ペースがつかみやすく継続しやすいメリットがあります。ただし、費用が数千円から2万円台になってしまいます。一方で、独学の場合は安価に取り組める反面、不明点を解消できずに挫折しやすいというデメリットもあります。

保護者様とお子さまで相談しながら、適切な学習方法を見つけてください。

面接でITパスポートをどうアピールしたらいいですか?

ITパスポートに合格していることは、その大学で学びたい意欲や適性の高さをアピールする大きな材料ですが、それだけで合格することは難しいです。総合型、学校推薦型選抜の受験生でITパスポートに合格している高校生は少ないかもしれませんが、他の受験生も簿記や英検®、部活、生徒会などで高い成績を収めたり、活躍したりしています。

大学に合格することを目的に置く以上は、「ITパスポートをどう活かすか」が重要です。資格や検定は、大学への志望度を客観的にアピールすることができる「骨格」です。そこから、なぜその資格に挑戦したか、なぜこの大学で学びたいのか、などを自分の言葉で肉付けをして充実させることが重要です。

まとめ

ITパスポートに合格すると、大学の総合型選抜、学校推薦型選抜で活かすことができます。志望校の募集要項を確認して、優遇措置がある場合はぜひ受験を検討してください。高校生の合格率は高くはありませんが、情報Ⅰと重なる内容も多いのでしっかり対策をすれば合格は十分可能です。IT分野への関心が高く、得意とする人にも受験をおすすめします。

大学に合格するためには、ITパスポートに合格するだけでなく、それを活かすことも大切です。ITパスポートを材料にして、大学で学ぶ意欲の高さやその分野に適性があることを面接でアピールする必要があります。

限られた受験対策期間での時間配分も入試対策のカギです。ITパスポートの対策に時間をかける分、面接対策はプロの力を借りて効率的に行うなど、メリハリをつけることを意識しましょう。トライでは、大学ごとに特化した小論文や面接対策を行っているので、ITパスポートを携えて推薦入試に挑戦したいと検討中の方は、お気軽にお問い合わせください。

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