2025/11/17

【中学受験】サピックス(SAPIX)入室テスト完全ガイド|概要・受験前の対策・合格しやすい時期を解説

サピックス(SAPIX)は、有名中学を中心に、多くの難関中学で高い合格実績を誇る進学教室です。独自の学習方法で多くの受験生の夢を実現させています。

中学受験に挑戦しようとしているご家庭においては、サピックスは非常に心強い塾ですが、誰でも簡単に通えるわけではなく、入室テストに合格する必要があります。本記事では、サピックスに通うために必須となる入室テストについて、詳しくご紹介します。

サピックス入室テストとは

ここではサピックス入室テストがどのようなものか、概要をご紹介します。

サピックスに入室するために必須のテスト

サピックスに入室を希望する場合は、必ず入室テストを受ける必要があります。これはお子さまの学習の理解度に合わせたきめ細かなクラス編成を行うためのもので、資料として成績を把握することに役立てられます。季節ごとの春期・夏期・冬期講習、各種特訓などを受講する場合にも必ず受ける必要があります。

入室テストの実施時期や申し込み方法、金額について

入室テストは月に1回程度実施され、テストの結果は1週間程度で届きます。入室テストの申し込みには「マイページへの登録」が必要なため、ホームページで登録してから手順に沿って、希望するテストを申し込みましょう。年長(新小1)、小学1、2、4、5年生は「入室テスト」、小学3年生は「実力診断サピックスオープン」を選択してください。その他、新6年生は「志望校診断サピックスオープン」が入室テストになるなど、学年によって入室テストに対応する模試が変わるので気をつけましょう。受験票はテスト当日に渡されます。

2025年度の受験料は3,300円(税込)です。
※受験料や実施内容は年度によって変更される場合があります。最新の情報は公式サイトでご確認ください。

入室テストの出題範囲と入室基準点について

入室テストでは特定の範囲は設けられておらず、お子さまの学力を十分に測れるように作成されています。難しいと感じられる問題があるかもしれませんが、落ち着いて問題をよく読み、わかる問題から解くようにしましょう。新1年生のお子さまの場合、「ひらがなの読み書き」と「1から10までの数の読み書き」が必須です。

入室が認められる基準点は、テストの種類や学年によって異なるため一概には発表されていません。サピックスの授業を受けるにあたり、お子さまが大きな負担を感じないかどうかという点を重視して決定されます。

なお、サピックスに入塾後、もしクラス落ちしたら……?という不安がある方は、こちらもご参考にしてください。

【学年別】サピックス入室テストの所要時間や実施内容

ここでは入室テストが行われる時間帯や時間配分などを、学年別にご紹介します。首都圏と関西圏で実施時間帯や実施内容は異なり、ここでご紹介するのは首都圏の内容です。

そもそも低学年のうちから塾に通う必要があるか

1、2年生は「着実に学習する習慣」を身につけさせることができる時期であり、ゆとりのある指導を受けられます。また、3年生は思考力を育て、「自分で考え、工夫する」学習態度を養うのにベストな時期と言われています。

低学年での学習は、じっくりと時間をかけて試行錯誤を繰り返しながら思考力や理解力を養うのに適しているため、「入室はまだ先で良い」と思うかもしれませんが、検討する価値はあるでしょう。

学年別/入室テストの実施内容(年長、小学1、2、4、5年生)

学年ごとの実施内容は、以下の通りです。

年長・小学1年生

【午前の部】9:00〜10:25 【午後の部】13:30〜14:55
算数・国語(各25分)、体験授業(20分)

小学2年生

【午前の部】9:30〜10:55 【午後の部】14:00〜15:25
算数・国語(各25分)、体験授業(20分)

小学4年生

【午前の部】9:00〜12:20 【午後の部】13:30〜16:50
算数・国語(各50分)、理科・社会(各30分)、体験授業(20分)

小学5年生

【午前の部】9:00〜12:00 【午後の部】13:30〜16:30
算数・国語(各50分)、理科・社会(各30分)

小学3年生は「実力診断サピックスオープン」が入室テストとなる

思考力・論理力を中心とした、幅広い学力を試す公開模試です。テストを通してお子さまのさまざまな可能性を見つけ、その後の学習に役立てられるようになっています。「実力診断サピックスオープン」で入室基準に達した場合、サピックスに入室できます。

テストの時間帯は下記の通りです。

【午前の部】10:00〜11:35 【午後の部】14:30〜16:05
実施内容は算数・国語(各40分)、体験授業(20分)

受験料は3,300円(税込)です。
※受験料や実施内容は年度によって変更される場合があります。最新の情報は公式サイトでご確認ください。

サピックス入室テストに合格するための対策法

入室テストにスムーズに合格するためには何が必要か、科目別と学年別にご紹介します。

国語の基本対策は「漢字をはっきり正確に」

高得点を取るためには「丁寧に楷書で書く」「ハネ・トメに気をつける」ことが何より大切です。文字の丁寧さにはかなり厳しい採点基準が設けられているので、普段から気を配って練習するようにしましょう。

家庭学習では、「丁寧に漢字を書く習慣をつける」ことと、「長文に慣れる」対策が必要です。お子さまが長文の内容をきちんと理解できているか確認のために、「どういうお話だったか」「どんな人物が出てきたか」「主人公はどんな気持ちだったか」を聞いてみてください。繰り返すことで、お子さまが自分の言葉で説明する力が自然と養われます。

算数の基本対策は「計算力をつける」

SAPIXの入室テストの算数の問題は、問題量が非常に多いのが特徴です。前半に計算問題や文章題、後半に発想力を求められるパズルのような問題が出題されます。順番にすべて解こうとすると時間不足になってしまうので、自分が解ける問題かどうかを素早く判断して解き進める訓練をしておきましょう。特に前半の計算問題でしっかり点数が取れれば、合格点に達することができます。

家庭学習において、特に低学年では楽しみながら学べる教材を活用し、算数への興味を伸ばすことが大切です。「ドリルで毎日計算の練習をする」「文章題への対応力」を高めておくと良いでしょう。パズル要素を含む問題は、はじめのうちは一人で取り組むのが難しい場合もあります。保護者様が一緒に考えたり、あらかじめ解答を確認した上でヒントを出したりすると効果的です。

5、6年生での入塾はハードルが高い

5、6年生で入塾を検討している場合には、中学受験用の教材を使ってサピックスのカリキュラム相当の学習をしっかりと進めておく必要があります。なぜなら入室テストを受けるライバルは他の塾からの転塾生である可能性が高く、油断できないからです。

前述の漢字や計算はもちろん、理科や社会の基本的な用語を理解しておくことは必須です。また全科目において、「なぜその答えになるのか」を説明できるようにしておきましょう。基本的な問題を外さないのはもちろん、応用問題にもある程度対応する実力が必要です。特に配点の大きい記述問題で失点しないよう、自分の考えを口頭や記述で説明できるようにしておきましょう。

低学年は入室テストを受ける時期を前倒しにする

入室テストを受ける一番良いタイミングが、3年生の11月です。SAPIXでは本格的な受験対策カリキュラムがスタートする3年生の2月に向けて、秋から入室テストが複数回実施されます。11月から挑戦していれば、仮に入室テストに落ちてしまった場合でも数回リベンジできるため、春から入室できる可能性が高まります。

また入室を1年早めて、2年生の11月に受けて新3年生から通うのも得策でしょう。サピックスの低学年用の教材やカリキュラムはそこまで厳しい内容ではなく、「勉強を楽しむ」「頭を使う習慣を身につける」ことが目的とされているのでおすすめです。

そのため、入室テストを受けるなら、年長〜低学年のうちに挑戦するのが有利と言えます。

サピックス入室テストを受ける際の注意点

ここでは、テストの際、どのようなことに気をつければ良いかをご紹介します。

デジタル採点のため、筆記用具は濃いものを使用する

入室テストはお子さまが記入した答案を回収後にスキャナーで読み取り、その画像にマルとバツがつけられます。正しく採点してもらうために、解答は鉛筆またはシャープペンシルで「大きく・はっきりと・ていねいに」書くようにしましょう。筆記用具はなるべく濃いものが推奨されています。

採点時に厳しく見られるところ

「ア」が「イ」に見える、「6」が「0」に見える、消し忘れがある、字が雑、「小数点」が「0」に見えるなどは厳しく採点されます。また、問題に特別な指示がない限り、解答は1つのみ書き、余計なことを書いてはいけません。解答用紙にあらかじめ記載されていることばや単位も、重複して書くことはできません。指定されていないのに解答を2つ書いたり、ことばにルビを振ったりすることも禁止です。

保護者の関わり方

入室テストは、落ちてしまった場合でも次のタイミングで再チャレンジすることができます。何度も挑んでようやく合格できたというパターンもよくあるので、心配し過ぎる必要はありません。サピックスの入室テストの点数=お子さまの学力ではないことを、改めて認識しておきましょう。

入室テストを受けた後は、マイページで成績速報や答案画像を閲覧できます。テスト後10日以内には個人成績票などが郵便で発送されるので、お子さまと一緒に確認してください。得意な分野、苦手な科目などを把握して、次の勉強ステップに役立てましょう。

万が一、入室テストに落ちてしまった場合でも気落ちしたり怒ったりはせず、次のテストに向けて対策を練ることが必要です。お子さまの「勉強したい」モチベーションを盛り上げてあげることが大切でしょう。

入室テスト受験時は公共機関を利用すること

車やバイク、自転車などによる送迎は避けましょう。校舎付近への車両の乗り入れや、お子さまの乗り降りのための一時的な駐停車も、近隣の方々の迷惑となりますのでやめましょう。

まとめ

男女御三家をはじめとする有名中学に高い合格実績を上げているサピックスに、お子さまを通わせたいと考えているご家庭は多いことでしょう。入室テストは学年が上がるごとにレベルが上がるため、それなりの対策が必要です。

具体的にどのような対策をとればよいかわからないというご家庭には、個別指導がおすすめです。トライでは一人ひとりに合わせた指導で、サピックスの入室テスト合格を目指して丁寧なマンツーマン指導が可能です。お気軽にご相談ください。

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