2025/12/11

世界史の勉強法|共通テスト・私立大・国公立二次試験別の対策ポイントを解説

大学受験科目である「世界史」。暗記量の多さや複雑な歴史の流れに苦戦し、「どこから手をつければいいのかわからない」と悩む受験生も多いのではないでしょうか。

世界史は丸暗記で対応する科目ではありません。「流れを理解して整理する力」や「複数の知識を関連づける力」が問われ、戦略的に勉強すべき科目です。また、共通テスト・私立大・国公立大二次試験で出題傾向が異なるため、それぞれに合った勉強法を知ることが得点アップのポイントになります。

この記事では下記を徹底解説します。

  • 大学受験で世界史が重要な理由
  • 試験別(共通テスト・私立大・国公立大二次)の出題傾向と対策
  • レベル別(基礎~直前期)の勉強ステップ
  • おすすめ参考書・問題集
  • よくある失敗とその対策

「世界史の勉強法」が体系的に理解できれば、自分に合った効率的な学習プランを立てられるようになります。ぜひ参考にしてください。

目次

大学受験における世界史の勉強法

大学受験の世界史では、共通テスト・私立大・国公立大二次試験など試験の形式によって問われる力が異なるため、まずは世界史という受験科目の特徴を正しく掴むことが大切です。ここでは、世界史がなぜ大学受験で重視されるのか、苦手に感じる理由、そして入試で求められる力について解説します。

大学受験で世界史が重要な理由

世界史は多くの大学・学部で採用されている主要な選択科目です。特に文系学部では、多くの大学で世界史または日本史のいずれかを選ぶ必要があり、受験の合否を左右する重要科目と言えます。

また、世界史は「点数差がつきやすい科目」としても知られています。これは、中学校で扱う歴史の大部分が日本史中心であり、世界史の学習経験がほとんどない状態からスタートする受験生が多いためです。つまり、高校在学中にどれだけ体系的に学習できたかが、そのまま得点差につながります。

用語を暗記するだけの勉強では、少しでも複雑な問題になると対応が難しく、得点が伸びません。一方で、歴史の流れを理解し、因果関係を整理して学んでいる受験生は難問にも柔軟に対応できます。「ただ覚える勉強」から「出来事を理解してつなげる勉強」へと意識を変えることが、世界史で高得点を取るポイントです。

世界史が苦手な受験生が多い背景

世界史を苦手と感じる受験生が多い理由の一つは、暗記量の多さです。

暗記量の多さが最初の壁になる

世界史は、登場する人物・出来事・地名など、覚えるべき知識が膨大で、最初の段階で挫折してしまうケースが少なくありません。

さらに、小学校・中学校では世界史を体系的に学ぶ機会がほとんどなく、高校で初めて本格的に触れる科目です。中学の歴史分野で扱う世界史は一部のトピックに限られるため、「全く新しい科目を一から学ぶ」という意識を持って臨む必要があります。

単語暗記だけでは得点につながらない

また、歴史の流れを理解せずに単語の暗記に走ってしまうのも苦手とする理由です。出来事のつながりや背景を理解していないと、試験で問われる「因果関係」や「比較」に対応できず、覚えた知識をうまく活かすことができません。

正誤問題・地図問題など特殊形式もつまずきやすい

さらに、正誤問題や地図問題といった独特の出題形式も受験生を悩ませます。正誤問題では、政治史だけでなく、作品名や建築物など文化史の細かい知識を得たり、地図問題では位置関係や地域ごとの特徴を把握したりしなければ問題を解けるようになりません。

高校進学前から世界史に触れる機会を作っておくことは有効です。学習漫画や高校の教科書を用いて全体の流れをつかんでおくだけでも、入学後の理解がスムーズになります。

大学受験の世界史で求められる力

大学受験の世界史では、次の4つの力を養うことが重要です。

① 暗記力
② 歴史の流れを理解する力
③ 複数の知識を関連づける力
④ 論述力・記述力

① 暗記力

まず基礎知識の暗記力です。主要な出来事や基本的な用語などを正確に覚え、問題を解くスタートラインに立ちましょう。まずは、教科書で太字になっている用語や、用語集で赤字になっている用語のみで問題ありません。

② 歴史の流れを理解する力

次に必要な力は歴史の流れを理解する力です。時代や地域ごとの因果関係を整理し、なぜその出来事が起こったのかを説明できるようにします。

例えば「約1万年前の農業革命(新石器革命)によって人類は狩猟採集生活から定住農耕社会へ移行。この変化がメソポタミア、エジプト、インダス、中国の四大文明を誕生させ、国家や文字、宗教の発展につながった」といったような説明です。

③ 複数の知識を関連づける力

さらに次の段階では、複数の知識を関連づける力が求められます。同じ時期に起きたヨーロッパとアジアの動きを比較する、政治史と文化史をつなげて考えるといった発想が必要です。

西暦300年頃の世界を関連づけて説明すると、以下のようになります。

「西暦300年頃の世界では、ローマ帝国が地中海世界を支配し、広大な領土と高度な都市文化、法体系を築いていました。同じころ、中国では三国時代が終わり西晋の時代が成立し、分裂から再統一へ向かう過程にありました。インドではクシャーナ朝が仏教文化を発展させた後、次第に衰退していきました。」

このように、同じ時代一つをとっても、各地域には様々な政治・社会・文化が存在しています。こうした相互の影響や時代背景など、断片的な知識を関連づけて理解を深めていくことが求められます。

④ 論述力・記述力

そして、最終段階として、この関連し合った知識を文章にしていく論述力・記述力が問われます。論述力・記述力は国公立大の二次試験や私立大の一般試験で問われる力ですが、共通テストでも長い時代の流れや因果関係を理解していないと解けない問題が多く、論述的な思考力が必要です。そのため、共通テストのみを受験する場合でも、与えられたテーマや問題に対して、正確な知識をもとに自分の言葉で説明する力をつけておきましょう。

特に高2生以下で学習が進んでいる人は、他人に説明できるレベルまで理解を深めるつもりで、論述答案を作成する練習にも挑戦してみてください。

「暗記力 → 理解力 → 関連づける力 → 論述力」というステップで、基礎を固めながら段階的に勉強を進めていきましょう。

大学受験における世界史の出題傾向とパターン

世界史の入試問題は、共通テスト・私立大学・国公立大学二次試験で出題傾向やパターンが異なります。それぞれの試験形式に合わせた特徴を理解し、勉強の方向性を定めることが得点アップに重要です。

共通テストでの出題形式と特徴

共通テストの世界史は、マーク式による総合的な知識が中心です。ただ、従来のセンター試験と比べると、暗記だけでは解けない「思考力重視」の傾向も強まっています。資料・図表・グラフを読み取りながら複数の時代や地域を関連づけて考える問題が多くなり、幅広い基礎知識と理解力が求められます。

また、複数分野を横断する出題も特徴的で、政治史と文化史、ヨーロッパとアジアといった異なるテーマを比較させる問題も増えています。そのため、通史の流れや背景知識を整理し、「なぜその出来事が起きたのか?」を考える勉強が重要です。

国公立二次試験での出題傾向

国公立大学の二次試験では、多くの場合、論述問題が出題されます。知識の暗記だけでなく、出来事の背景や因果関係を自分の言葉で説明する力が求められます。「なぜフランス革命が起きたのか?」「その結果としてどのような社会変化があったのか?」といった問いに、筋道を立てて答える必要があります。

また、出題傾向が大学ごとに明確に分かれているのも特徴です。

東京大学
長文と短文の論述問題があり、複数の要素を関連づけて論理的に説明する力が問われます。
京都大学
独自の史料問題が出題され、資料を読み取って自分の考えをまとめる思考力が必要です。
一橋大学
経済史や社会史などのテーマが多く、学問分野の特性を踏まえた出題がされ、背景を理解して答える力が重視されます。

こうした傾向は、総合大学以外の大学や、学部専用の入試でも見られることがあります。入学後の学びと関連する分野を深掘りする問題が出題されるケースも少なくありません。

私立大学での出題傾向

私立大学の世界史入試はマーク式や記号選択式の問題が中心です。短時間で多くの問題を処理する必要があるため、スピードと正確さが重要です。

問題は一見シンプルでも、細かい知識やひっかけ問題もあり、理解力と関連づける力が求められます。また、上位校を中心に一部では論述問題を課す大学もあるので、志望校の過去問を確認しておきましょう。

大学ごとに出題傾向がはっきりしている点も私立大学の特徴です。例えば、立教大学はテーマ史の出題が多いなど、大学ごとの個性があります。GMARCHレベルの大学では、出来事の正確な理解力と正しい選択肢の判断力が求められ、基礎知識を「使えるレベル」に高めることが重要です。

世界史の試験別勉強法

大学受験の世界史対策では、試験の形式に応じた勉強法が重要です。ここでは、共通テスト対策と一般入試対策の勉強法について解説します。

共通テスト対策

共通テストの世界史対策では、幅広い基礎知識を理解することが最重要です。通史の流れをつかみながら、時代・地域ごとの出来事を整理して、関連づけながら覚えていきましょう。

共通テストのようなマーク式試験では、「速く・正確に解く力」が重要です。問題文を丁寧に読み取り、消去法で正答の選択肢を選べるようになると、得点がグッとアップします。ただし、正誤の組み合わせを判断する問題など、単純な比較だけでは対応できない形式も出題されます。 それぞれの文の正誤を一つずつ丁寧に見極める力を養いましょう。また、過去問や予想問題を使い、制限時間内に全問を解く練習を繰り返して時間配分の感覚を身につけましょう。

世界史のケアレスミスは、似た用語の混同や、問題の読み違いが多いです。これらを防ぐために、復習ノートやチェックリストを活用して「自分のミス傾向」を可視化しましょう。ミスの多い分野を重点的に復習することで、着実な点数アップができます。

一般入試(二次・私大)対策

一般入試(国公立二次・私立大学)についての対策を見ていきましょう。

思考力・論理的な記述力を磨く

一般入試(国公立二次・私立大学)では、思考力、論理的な記述力・論述力の向上がポイントです。まずは、「なぜそうなったのか?」「他の出来事とどう関係するのか?」を説明できるレベルまで知識理解を深めていきましょう。理解が深まれば深まるほど、他の地域や文化との関連を見つけやすくなったり、記述・論述に必要なキーワードを思い出しやすくなったりします。

暗記だけでは対応できない出題に注意

なお、論述問題を課さない私立大学でも、思考力や分野をまたぐ知識の関連づけが問われる問題が出題されます。経済分野の計算問題や、複数時代・地域を比較する応用問題など、単なる暗記だけでは対応できない形式が見られる点にも注意しましょう。

短文から始める論述練習

記述・論述対策はいきなり長文に挑戦するのではなく、短文から段階的に練習するのがおすすめです。「〇〇革命の背景を30字で説明」し、次は「その結果を60字でまとめる」といった短文練習を積み重ね、最終的に100〜200字程度の論述を書けるようにしていきましょう。

大学ごとの出題傾向を把握する

一般入試対策で意識したいのが過去問の分析です。大学ごとに出題傾向は大きく異なります。大学ごとの傾向をつかみ、自分の弱点を明確にして補強していく勉強法が一般入試突破には必要です。設問形式やテーマ、頻出分野を把握し、「この大学は文化史重視」「この大学は因果関係を問う問題が多い」といった特徴を分析すると、出題傾向に沿った的確な勉強ができます。

また、特に私立大学では、世界史において建学者やゆかりのある外国人に関する知識が問われるケースもあります。例えば、キリスト教系大学では宣教師や宗教改革に関わる人物が出題されたり、大学の設立者に関連するテーマが登場したりすることもあるため、大学の沿革や理念にも軽く目を通しておくと安心です。

志望大学の過去問を解く中で、「頻出テーマ」をリスト化しておくとさらに効率的に勉強できます。

世界史の勉強法の基本ステップ

大学受験対策で世界史の点数を伸ばしていくには、やみくもに暗記中心の勉強をするのではなく、段階的に勉強を進めることが大切です。

ここでは、「基礎固め」「演習」「論述力強化」の3ステップで、効率的に点数を伸ばす勉強法を紹介します。

広く浅くを意識して基礎固め

世界史の勉強を始める段階では、広く浅くを意識して通史の流れをつかむことが重要です。基本的には教科書や参考書を使いながら、時代・地域・テーマの3つの視点で世界史の全体像を理解していきましょう。

楽しみながら学べる教材を活用する

世界史は馴染みのない言葉や似たようなカタカナがあふれて挫折しがちな科目ですので、基礎固めの段階から楽しく勉強する工夫も必要です。小中学生向けの世界史をテーマにした学習漫画や世界史の解説動画を活用して楽しみながら勉強したり、興味を持った時代や地域、あるいは人物から勉強を進めたりと、あなたの興味関心に合わせて勉強を進めていくのも方法の一つです。

ただし、その場合も最終的には地域や時代ごとの知識の偏りをなくし、全体のつながりを整理していく意識が大切です。

「流れ」と「因果関係」を意識して理解する

基礎固めの段階では、細かい年号や人名にこだわりすぎず、歴史の流れやつながりを優先して勉強しましょう。フランス史を例にすると、下記のような流れになります。

古代とフランク王国の成立→中世のフランス王国(カペー朝)→絶対王政(ブルボン王朝、ルイ14世)→フランス革命(1789年)→共和政と帝政(ナポレオン)

こうした大まかな歴史の流れを理解しておくと、勉強を進めるたびに流れが重なり合う(関連し合う)出来事があることを発見しやすくなります。さらに「フランス革命はなぜ起こったのか?」「ナポレオンの帝政は他国にどんな影響を与えたのか?」といった「因果の流れ」も意識すると、知識の定着率が大きく変わります。

また、世界史ではさまざまな言語に由来するカタカナ用語が多く登場します。意味がすぐに理解できなくても、まずは重要な人名や出来事の名称をスラスラ言えるようにしておくだけでも、学習への弾みとなり、内容理解の足がかりになるでしょう。

文化史・地図学習にも早めに取り組む

今後の勉強で混乱しないように地図や文化史にも基礎固めの段階から触れていきましょう。文化史は政治史についで出題頻度が高い分野ですが、定期テスト直前の付け焼き刃的な勉強になりがちです。通史と同様に、文化史も広く浅くを意識して勉強を進め、語句カードや一問一答を活用して短時間で反復する習慣をつけていきましょう。

特に、学部専用の入試問題を課す大学では、文化史の対策なしで合格点を取るのは極めて難しいケースもあります。また、文学・芸術系の学部では文化史の方が政治史よりも比重が高くなることもあります。

さらに、上位校では単に作品名と作者名を結びつけるだけで解けるような問題は減少傾向にあります。芸術作品そのものの写真をもとにした出題や、文化史的な流れ・背景を問う問題、さらにはピカソの『ゲルニカ』のように政治史と絡めて出題されるケースも見られます。作品や時代背景を踏まえた本格的な理解が求められると言えるでしょう。

演習問題の活用で入試実戦力をアップ

基礎固めをしたら、次のステップは演習問題による実戦力の強化です。覚えた知識を試験に使えるようにすると世界史の得点は一気に伸びます。問題集や過去問を上手に使って「知識を使える力」に変えていく勉強を意識します。

市販の一問一答や問題集を知識の確認や定着に活用するのはもちろんですが、実戦力をアップさせていくには、共通テスト形式の問題集や予想問題、過去問に触れていくことが重要です。また、解いた問題は○×をつけるだけで終わらせず、必ず解答の根拠を確認し、「なぜその答えになるのか?」を確実に理解していきましょう。

模試や過去問の問題演習では点数に目がいきがちですが、重要なことは「間違えた問題を次に解けるようにすること」です。そのためには、解答の根拠を確認すると同時に、間違えた問題をノートなどにまとめて定期的に復習・確認ができるようにしましょう。「1日後→3日後→1週間後」と間隔を空けて復習し、「自分専用の復習サイクル」を作るのもおすすめです。

この問題演習の段階では、苦手分野の洗い出しも重要です。得点アップの伸びしろは苦手分野にあります。また、宗教史・文化史・地図問題は後回しにしがちで、入試で差がつきやすい分野です。点数や正解数に振り回されず、間違えた箇所と苦手分野の復習を積み重ね、入試本番に結果を出す勉強を心掛けましょう。

「短文→長文」で表現・論述力を強化

世界史の論述問題では、「知識を並べるだけ」では高得点を狙えません。問われているテーマに沿って、限られた字数で自分の考えを論理的にまとめる力が必要です。

短文から始めて論理的にまとめる練習を

いきなり長文を書こうとせず、まずは短文で要点をまとめる練習から始めましょう。例えば、「なぜ産業革命がイギリスで起こったのか?」という問いに対し、最初は「国内外に広がる市場があり、資本や労働力、技術など産業を支える条件が揃っていたから」と一文で答えます。その後、「豊富な石炭資源や海外市場の拡大も背景にあった」と情報を加え、少しずつ文を膨らませていきましょう。このように、どの条件がより重要だったのかを自分なりに考えながら書くことで、理解がより深まります。

短文から長文へと段階的に練習することで、論理の流れを意識しながら文を構成する力をつけることができます。最終的には「自分の言葉で説明できる=理解している状態」を目指しましょう。

模範解答は「参考」として活用する

問題集の模範解答を分析することも有効です。論述問題で満点を取るのは至難の業ですが、模範解答には高得点になるヒントが隠れています。特に「書かなければいけないキーワード」がどの論述問題にも必ずあります。ただし、模範解答は参考になる一方で、実際には、高校生が自力で同レベルの文章を書けるように作られているわけではありません。あくまで理想的な完成形として見るようにしましょう。

満点を狙うよりも、合格点を確実に取る

社会科の論述問題全般に言えることですが、経験豊富な講師であれば「ここまで書けば合格点」という基準は把握していますが、「ここまで書けば満点」というレベルは出題者にしかわかりません。模範解答を丸暗記して満点を狙うよりも、合格点を確実に取れるように理解と表現を積み上げていく姿勢が大切です。

「模範解答を目指して書く」よりも、「書かなければいけないキーワードを落とさないこと」「主語と述語を明確にして書くこと」を意識して記述・論述対策をしましょう。

世界史のおすすめ参考書・問題集

世界史の勉強を効率的に進めるうえで、教材選びは重要です。どんなにやる気があっても、レベルや目的に合わない参考書や問題集を使うと、知識が定着しづらくなってしまいます。

まず基本となるのは、学校指定の教科書と資料集です。通史の流れをつかむには、教科書を一通り読み込み、資料集で図表や文化史を確認することが大切です。以下の参考書で通史の流れをつかむと良いでしょう。

  • 詳説世界史(山川出版社)
  • 世界史探究授業の実況中継(語学春秋社)

おすすめは一問一答形式の問題集です。空き時間にさっと確認できるので、基礎固めに最適です。

  • 世界史 一問一答【完全版】(東進ブックス)
  • 山川一問一答 世界史(山川出版社)

演習問題に入る時期には、実戦的な問題集や過去問を活用しましょう。

  • 世界史 標準問題精講(旺文社)
  • 実力をつける世界史100題(Z会出版編集部編)

参考書や問題集は増やしすぎず、まずは一冊を完璧に仕上げる意識で使いましょう。また、入試は毎年出題の傾向や形式が変化するので、なるべく最新の参考書や問題集を使ってください。

世界史のレベル別の勉強法

いきなり難しい問題に挑戦するよりも、「基礎→応用→実戦」と段階的にステップアップする勉強で、知識を定着させていきましょう。ここでは、時期別に効果的な勉強法を紹介します。

基礎固め期(高1〜高2前半)

勉強のスタート段階では、全体の流れをつかむことを最優先にします。時代ごとの出来事や人物、国の関係をざっくりと把握するためには、まず教科書をベースに学習を進めましょう。

資料集にはかなり細かい知識や図表も掲載されていますが、あくまで補助的に活用するのが理想です。教科書の内容を軸にしながら、必要に応じて資料集で理解を深める程度にとどめると、学習効率が高まります。

この時期は、用語集や一問一答を活用して基礎用語の暗記を進めていくのがおすすめです。ただし、丸暗記ではなく、「いつ・どこで・なぜ(因果)」を意識して覚えるようにしましょう。

また、時間軸と地域の整理も重要です。ヨーロッパ史・アジア史・中東史などを並行して学び、「同時代に何が起きていたか」を意識すると、少しずつ歴史の流れを立体的に理解できるようになってきます。最初から完璧に関連づけようとする必要はありません。まずは「同じ時期に他の地域でも動きがあった」と気づける程度で十分です。

応用力養成期(高2後半〜高3春)

基礎が固まったら、ここからは通史の完成と演習中心の学習へ移行します。参考書やノートを使って流れを再確認しながら、演習問題に積極的に取り組みましょう。

テーマ別問題集や過去問の一部を活用するのがおすすめです。経済史・宗教史・文化史など、分野ごとに整理することで、細かい知識がつながりやすくなります。

論述対策の開始もこの時期がベストです。短文から始め、少しずつ長文へとステップアップしていきましょう。模範解答を分析し、どのキーワードを使い、どのように因果関係を説明すれば良いかを学んでいきましょう。

直前期(高3夏〜受験直前)

直前期は、総復習と実戦力の完成がテーマになります。過去問を徹底的に解き、出題傾向や自分の苦手分野を把握しましょう。頻出テーマを重点的に復習したり、苦手分野の総チェックを行ったりし、知識の抜け漏れを防ぎます。曖昧な部分はノートにまとめ、繰り返し確認できるようにしておくと安心です。

試験直前は新しい教材には手を出さず、「直前暗記リスト」や「自作まとめノート」を使って最終確認に時間を割きましょう。

世界史の勉強でよくある失敗と対策

世界史の勉強範囲は広く、ただ暗記するだけでは成果が出にくいです。その他にも、受験生が陥りがちな失敗例がいくつかあります。ここでは、それらを防ぐための対策を紹介します。ぜひあなたの勉強法を見直すヒントとしてください。

暗記だけに頼って流れを理解していない

世界史の学習で最も多い失敗は、暗記中心の勉強になることです。単語帳や年号カードで知識を詰め込むだけでは、出来事同士の関連性がつかめず、応用問題に対応できません。「産業革命 → 帝国主義の拡大 → 第一次世界大戦」というように、歴史の流れをストーリーとして理解することが重要です。

「なぜその出来事が起こったのか?」「その後どうなったのか?」と、因果関係やつながりを意識して勉強しましょう。通史の解説動画や、教科書の太字以外の説明文を丁寧に読むと、因果関係や歴史背景の理解が深まり、丸暗記から卒業できます。

教科書をただ読むだけで定着しない

教科書を「読むだけ」で満足してしまうのも、世界史でよくある失敗の一つです。勉強の初期段階で教科書を読むのは大切ですが、ある程度読み進めたら、「読むだけ」から「理解して使う」段階へ意識を切り替えることが重要です。

最初は難しく考えずに一通り通読し、全体像をつかむことを目的にして構いません。その上で、徐々に「読んだ知識をどう活かすか」に重点を移していきましょう。

「読む勉強」から「アウトプットする勉強」に少しずつ変えていくことがポイントです。1章を読み終えたらノートに要点をまとめたり、友人に説明するつもりで口に出してみたりと、様々な方法で教科書の内容をアウトプットします。

また、地図や年表を併用して教科書を読むのも効果的です。出来事を空間的・時間的に整理でき、知識が「点」から「線」になって定着しやすくなります。

苦手分野を後回しにしてしまう

世界史は範囲が広いため、「ヨーロッパ史は得意だけど、アジア史は苦手」といった偏りや苦手分野が生まれやすいです。しかし、苦手分野を後回しにすると、入試本番でその部分が出題されたときに大きな失点につながります。

特に世界史の場合、ある時代や地域の理解不足が、同時代の他地域や後の時代の理解にも悪影響を及ぼすことがあります。苦手を放置すると、世界史全体の理解が崩れ、結果として苦手分野がさらに増える悪循環に陥りやすい点に注意しましょう。

対策としては「苦手を見える化すること」から始めましょう。過去問や一問一答を解く中で、どの地域・時代・テーマが弱いのかを把握し、重点的に復習するのが効果的です。

また、苦手分野ほど「全体像から入る」がポイントです。最初から細かい用語を覚えようとせず、教科書や資料集・年表でざっくりと流れをつかんでから、細部を埋めていく方が理解しやすくなります。

得意分野と関連づけて覚えるのもおすすめです。例えば中国史が得意ならば、「中国の産業革命期と同時代のヨーロッパでは何が起きていたか?」のように、横のつながりを意識すると、知識が整理されて苦手意識が薄れていきます。

入試直前に新しい教材に手を出す

入試の時期が近づくと、「この参考書の方が良さそう」「新しい問題集を試してみよう」と、つい別の教材に手を出したくなります。しかし、直前期に新しい教材を使うのは危険です。理由は、これまでの学習内容が中途半端になり、かえって知識が混乱してしまう場合があるからです。

特に世界史は「知識の確認と整理」が入試直前期の最優先課題です。新しい教材で勉強するよりも、これまで使ってきたテキストやノートを何度も復習し、弱点を一つずつ消していく方が圧倒的に得点アップします。

苦手分野を中心にまとめた「直前用の確認リスト」や「自作ノート」を作り、重要な用語や間違えやすいポイントを一冊にまとめておけば、試験前の最終チェックがスムーズです。

最後の仕上げは「新しい知識の追加」ではなく、「既存知識の精度アップ」を意識しましょう。焦らず、これまで積み上げてきた努力を信じて仕上げることが合格への最短ルートです。

まとめ

大学受験の世界史は、試験別の勉強法で対策しましょう。共通テストでは幅広い基礎知識と資料読解力が求められますが、国公立大学の二次試験や私大入試では、記述・論述や細かい知識への対応が必要になります。まずは教科書を中心に基礎をしっかり固め、演習問題でアウトプットを重ねて実戦力を鍛えていきましょう。

世界史は「暗記科目」と思われがちですが、実際には因果関係を理解し、論理的に説明する力が問われる科目です。特に論述問題では、知識を使う力が試されるため、単なる暗記学習だけでは限界があります。

一人では整理しづらい論理の組み立てや、答案表現の精度を高めるためにも、個別指導でプロ講師の添削やフィードバックを受けることが効果的です。

もし「自分の勉強法が合っているかわからない」「どこから手をつければいいか迷っている」と感じたときは、ぜひトライに相談してください。経験豊富なプロ講師が、一人ひとりの状況に合わせた最適な勉強法を提案し、知識の定着だけでなく、世界史の因果の理解や論述力を鍛えるところまでを含めた、総合的な世界史対策をサポートいたします。

焦らずに自分に合ったスタイルで勉強を積み上げていきましょう。

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