国立大学は募集人員の多くが一般選抜により募集が実施され、受験生は前期日程と後期日程の年に2回一般選抜を受験するチャンスがあります。前期と後期では仕組みが異なる点が複数あるため、違いを理解することが重要です。
この記事では、後期日程の仕組みや前期日程との違い、二次試験の特徴に加えて、後期日程で受験するのにおすすめの大学も紹介しています。
出願前に読むと前期日程と後期日程の違いが理解でき、どのように後期日程の対策をすれば良いかがわかるので、ぜひ受験校選びの参考にしてください。
後期日程の特徴とは?国立大学入試の仕組みや前期日程との違い
国立大学入試の仕組みやスケジュール、後期日程の特徴について紹介します。
後期日程のスケジュール
大学入試は一般選抜、総合型選抜、学校推薦型選抜で実施され、国立大学では総募集人員の約8割を共通テストなど学力重視の一般選抜が占めます。
国公立大学の二次試験は、試験の実施順から前期・中期・後期日程の3回行われ、特に国立大学では前期・後期のみが実施されます。中期日程を実施するのは一部の公立大学のみです。
各日程で1校ずつ出願できるため、公立大学も含めると最大で3校受験できます。詳しくは後ほどご説明しますが、後期日程は実施大学、募集人員数ともに前期日程に比べて少なく、二次試験で面接や小論文を課す大学があるのも特徴です。
後期日程を受験するのは、主に前期日程試験で本来の実力を発揮できずに志願校の合格に届かなかった受験生で、二次試験は3月中旬に行われます。
2026年度入学希望者を対象にした前期・後期日程のスケジュールは以下の通りです。
| (第1次試験) 大学入学共通テスト |
大学入学共通テスト | 2026年1月17、18日 | |
|---|---|---|---|
| (第2次試験) 個別試験 |
出願受付 | 1月26日~2月4日 | |
| 前期日程 | 試験日 | 2月25日から | |
| 合格発表 | 3月6~10日 | ||
| 入学手続前期締切期日 | 3月15日 | ||
| 後期日程 | 試験日 | 3月12日以降 | |
| 合格発表 | 3月20~24日 | ||
| 入学手続第1次締切期日 | 3月27日 | ||
| 追加合格者 欠員補充(2次募集) |
合格者の決定 | 3月28日から | |
| 欠員補充(2次募集) | 3月31日ごろから実施される場合あり | ||
| 入学手続第2次締切期日 | 3月31日 | ||
※参照:国立大学の入試 | 国立大学協会
後期日程入試を行わない大学・学部もある
後期日程は、募集人員数が前期日程と比べて極端に少ないことが特徴です。すべての国立大学が前期日程を実施するのに対して、東京大学や大阪大学のように後期日程を実施しない大学もあります。
2025年度入試の募集は
2025年度入試では、一般選抜全体の募集人員のうち、後期日程の募集は全体の2割にも満たない人数でした。中・上位校に絞ると地域や学問系統によっては実施していない大学の方が多いことに注意しましょう。
学部によって募集の有無や人数が異なる
前期日程、後期日程それぞれでの受験を考えている場合、受験希望の大学や学部が後期日程を実施しているかよく確認してください。名古屋大学のように、後期日程は医学部5人のみ募集という事例もありますし、後期日程の募集人員が比較的多い千葉大学や横浜国立大学のようなケースもあります。大学によっては、学部ごとに後期日程の有無や募集人数が異なる場合もあるため、最新の募集要項をチェックすることが大切です。
前期と後期を併願する場合の注意点
同じ大学を前期日程と後期日程で2回受験できます。前期日程で合格して後期日程も受験することは可能ですが、前期の合格校に入学手続きまで完了すると、その後に受験した後期日程の合格は無効となり、後期合格の大学には入学することができません。国立の第1志望校は前期日程で受験しましょう。
後期日程だけ受験するケースもある
ただし、後期日程のみ3教科で受験できるなど、出題科目の負担が軽い大学もあり、後期だけ受験する戦略を取る受験生もいます。また、前期日程で合格しても、より志望順位の高い私立大学に合格している場合は入学手続きを行わず、後期日程に挑戦するケースもあります。
公立大学の中期日程との併願
さらに、公立大学の中期日程と国立大学の後期日程を併願している場合は、双方の合否を確認してから入学手続き先を選択できる点も押さえておきましょう。
小論文が得意な受験生にはチャンス
後期日程のもう1つの大きな特徴は、小論文・論述や面接・口頭試問を試験科目に課す大学があることです。英語や数学など教科の点数が結果に与える影響が小さくなるので、小論文を得意とする生徒はチャンスと捉えてください。ここでは小論文について細かく見ていきます。
一般的な小論文と異なる場合
募集要項に「小論文」と記載していても、自身の意見を記述する一般的な小論文と大きく異なる可能性があります。設問の大部分が通常の英語や現代文の問いで、受験生の意見や考えを問うというよりも長文の記述問題に近いものも少なからずあります。
実質的に小論文となる後期試験もある
一方、後期日程においては、通常の学科名を冠した試験が課される場合でも、実質的に小論文に近い内容となるケースがあります。例えば「英語」では、現代社会における諸問題をテーマにした、意見論述を含む200〜300語程度、あるいはそれを上回る自由英作文が出題されることもあります。
国語や理科の試験でも、受験生自身の考えや意見を論述させる設問が出される場合があり、実質的には小論文型の記述試験と言えます。
前期日程の二次試験でも長文の英作文や、国語や理科などで意見を論述させる問題が出題されることもあります。出願する際には、試験の名称が何であれ、過去問を見て出題傾向を把握しましょう。
私大型3教科の後期試験はチャンス
また、後期日程では「私大型」と呼ばれる3教科以下で受験できる大学も多く、主に私立大学を志望してきた受験生にとっては国立大学合格を目指すチャンスにもなります。英数国の3教科中心で受験できる場合もあり、早慶など上位私大を目指してきた受験生が後期でチャンスをつかむケースもあります。
ただし、共通テストでは英語リスニングや国語の漢文、理科2科目が課されるなど、私大とは異なる出題形式にも注意が必要です。
共通テストのみ型の難しさと注意点
一方で、後期日程では「共通テストのみ」や「個別試験なし」といった大学・学部も存在します。これらは募集人数がごく少なく、共通テストで非常に高得点を取った受験生が残る場合もあるため、A判定でも合格が難しいケースがあります。
逆に、小論文や面接などの個別試験を実施している大学は、実際に受験する層に絞られる分、競争がやや緩やかになる傾向があります。共通テストで高得点を取れた受験生ほど、「共通テストのみ」よりも二次試験を課す大学を選ぶ方が戦略的に有利とも言えるでしょう。
後期日程入試のある国立大学を選ぶ際のポイント
入試の仕組みを踏まえて、受験する大学をどう選んだら良いかを解説します。後期日程のある大学一覧も載せているので、受験校選びに役立ててください。
過去の倍率や合格者の共通テスト得点平均を調べる
後期日程で受験する大学を選ぶ際は、希望する大学の難易度を調べる必要があります。大学が過去の倍率や合格者の共通テスト得点平均を公表しているため、合格できるラインを確認しましょう。
実際の受験人数と倍率をチェックする
前期日程に合格して入学手続きが完了すると後期日程では合格者にはなれない(入学できない)ため、国立志望度が高い受験生は前期で第1志望校を受験して後期は滑り止めとして「安全圏」の大学を受けるのが一般的です。
過去の倍率や合格圏の得点を調べることで、安全かチャレンジ圏の大学かを判断できます。
募集人数が少ない大学・学部に注意
ただし、注意点が2つあり、後期日程の募集人数が5人などのように少なければ情報を公開していない場合があります。近年は後期募集を廃止する大学も増えていますが、教育学部などでは1〜2名の募集もあり、大学によっては合格者最低点などを公表しない場合もあります。
出願倍率と実際の倍率は異なる
もう1つは、出願時と実際の受験倍率には差があることです。前期日程で第1志望の大学を受験して合格し、後期日程は受験しない受験生が多いため、後期日程の実際の倍率は低くなる傾向があります。倍率を確認する場合は、出願人数ではなく受験人数で見ましょう。また、私立大学のような大幅な水増し合格はありませんが、前期の入学手続者が少ない場合は、後期の合格者が増えて倍率がやや緩和されることもあります。
倍率の高い低いは、受験する大学を選ぶ際の参考値と捉えることが大切で、合格の可能性とイコールではないと考えて受験対策に集中することが大切です。
出題科目や配点などをチェックする
後期日程と前期日程では同じ学部でも受験科目が異なる場合が多いです。後期では小論文や面接を実施したり、教科を横断した「総合問題」を実施したりする大学があるので、出題科目や配点をチェックして自分の得意科目と比べましょう。
【2026年版】受験生におすすめの後期日程入試のある国立大学一覧
後期日程入試のある大学を紹介します。出願する際は必ず最新の情報を確認してください。
北海道・東北地方の国立大学
| 大学 | 学部 ()内は学科など |
小論文(実施あり) | 面接(実施あり) | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 北海道大学 | 文、教育、法、経済、理、薬、工、農、獣医、水産 | 文、教育、法、経済 | 獣医 | ・理、薬、工、農は前期で総合入試として募集 (入学後の成績で進学学科が決まるため) |
| 東北大学 | 経済(文系・理系)、理 | 経済(理系)、理 ※面接の比重は小さいか参考対象 |
・25年度要項参照 |
関東地方の国立大学
| 大学 | 学部
()内は学科など |
小論文(実施あり) | 面接(実施あり) | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 筑波大学 | 人文・文化(人文)、人間、生命・環境、理工(物理、化、応用理工、工学システム、社会工)、情報(知識情報・図書館)、芸術専門 | 人文・文化(人文)、人間、理工(物理)、情報(知識情報・図書館) | 生命環境、理工(化、応用理工、工学システム、社会工) | ・学力検査なし ・情報(知識情報・図書館)は前期で学類別の募集なし ・芸術専門は実技に加えて論述を課す |
| 埼玉大学 | 教養、経済(昼間)、教育(学校-乳幼児教育、教科-音楽、図画工作・美術、技術・情報、家庭科)、理、工 | 教養、経済(昼間) | 教育(教科-音楽、図画工作・美術、技術・情報、家庭科)、理(分子生物) | ・教養、経済、教育、理(分子生物、生体制御)は学力検査なし ・教育(学校教育-乳幼児教育)と理(生体制御)は大学独自の二次試験なし ・教育(教科-音楽)は実技試験を課す ・工は前期で小論文が課されるため、後期では通常の学科試験を希望する受験生が集まる傾向あり |
| 千葉大学 | 文、法政経、理、工、園芸、医、薬(薬科) | 文(行動科学、歴史学) | 文(歴史学)、医 | ・文は行動科学・歴史学コースのみ募集、学力検査なし ・法政経、理(物理)は総合問題を実施 |
| お茶の水女子大学 | 文教育(人文科、人間社会科、芸術・表現行動-音楽表現)、理、生活科(食物栄養)、共創工(人間環境工) | 文教育(人文科、人間社会科)、理(化、情報科) | 理(生物)、生活科(食物栄養)、共創工(人間環境工) | ・文教育(芸術・表現行動-音楽表現)は実技あり ・理(数学・物理)は大学独自の二次試験なし ・その他の学部・学科は学力検査は無し |
| 一橋大学 | 経済、ソーシャル・データサイエンス | ・英語・数学ともに前期と類似した形式・難易度 ・英語は長文の数が異なり、数学では数Ⅲ範囲の問題を選択可能 |
||
| 横浜国立大学 | 経済、経営、理工、都市科 | 都市科 | ・都市科学部環境リスク共生学科は小論文あり ・面接は都市社会共生学科のみ ・その他の学科は学力検査なし |
中部・近畿地方の国立大学
| 大学 | 学部 ()内は学科など |
小論文(実施あり) | 面接(実施あり) | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 新潟大学 | 人文、法、経済科、理、医(保健)、歯(歯)、工、農 | 法 | 理、医(保健)、歯(歯)、工、農 | ・人文は総合問題を実施 ・法、経済科、理、医(保健)、歯(歯)、工、農は学力検査なし ・経済科は大学独自の二次試験なし |
| 信州大学 | 人文、教育(※)、医(保健-看護、検査技術科、作業療法)、理、工(※)、農(生命・食品科、食糧生産システム科、山岳圏森林・環境共生)、繊維 | 人文 | 教育、医(保健-看護、検査技術科、作業療法) | |
| 静岡大学 | 人文社会科(昼間-社会、法)、教育(※)、情報、理、工、農、グローバル共創科 | 人文社会科(昼間-社会、法)、理(地球科)、共創 | 教育(数学教育専修除く。面接に小論文も含む) | ※後期を実施しない専修もあり ・人文社会科学部および数学教育専修を除く教育学部では、学科試験を課さない |
| 名古屋大学 | 医(医) | 医(医) | ・英文の課題に基づいた面接を実施。 | |
| 滋賀大学 | 教育、経済、データサイエンス | 教育 | データサイエンス(※) | ・教育は学力検査なし ※データサイエンスは個別学力検査型と面接型に分けて募集。面接型は共通テスト・二次試験を通して英・数・国の3教科で受験可能 |
| 神戸大学 | 文、国際人間科、法、理、医(保健-検査技術科、理学療法)、工、システム情報、農、海洋政策科 | 文、国際人間科(グローバル文化、発達コミュニティ、環境共生(文)、子ども教育)、法、理(物理) | 医(保健-検査技術科、理学療法) | ・国際人間科(発達コミュニティ、子ども教育、環境共生〈文科系〉)、法は学力検査なし |
中四国・九州地方の国立大学
| 大学 | 学部 ()内は学科など |
小論文(実施あり) | 面接(実施あり) | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 広島大学 | 総合科(総合科)、文、教育(※第二類、第四類、第五類)、経済、理(数、物理、化、地球惑星システム)、歯、薬(薬科)、工、情報科 | 教育(第四類-健康スポーツ教育、第五類)、経済、歯(歯) | 総合科(総合科)、文、教育(第二類)、理(化、地球惑星システム)、歯(歯、口腔健康科)、薬(薬科)、工、情報科 | ・総合科(総合科)、文、教育、経済、理(化、地球惑星システム)、歯、薬(薬科)、工、情報科は学力検査なし ・理(物理)は総合問題を実施 ・理(数、物理、化、地球惑星システム)は私立理系型の3教科で受験可能 ・教育(第四類)では音楽教育学・美術教育学プログラムに実技あり ※後期を実施しないプログラムもあり |
| 徳島大学 | 総合科学、医学部(医科を除く)、歯、薬、理工、生物資源産業 | 総合科学、生物資源産業 | 生物資源産業 | ・学力検査を課さない学科あり ・総合問題や小論文形式で実施される場合あり |
| 九州大学 | 文、法、経済、理、薬、工(建築除く)、農 | 文、経済、農 | 理(物理、地球惑星科、生物)、薬 | ・法は講義に関する理解度確認試験実施 ・文、理(物理、地球惑星科、生物)、農は学力検査実施せず ・理は物理学科・化学科・地球惑星学科・生物学科のみで後期を実施(数学科では実施なし) ・経済学部は学科により出題内容が異なり、経済・経営学科では英語、経済工学科では数学の内容を含む |
| 熊本大学 | 文、教育、法、理、医学部(保健)、薬、工 | 文、法、理、薬 | 教育、医(保健) | ・理系では小論文・口頭試問形式を採用する専攻もあり。募集人員は各専攻で数名程度。 |
| 長崎大学 | 教育、経済、医学部(保健)、歯、薬、工、環境科学、水産 | 経済、歯、薬、環境科学、水産 | 教育、医(保健)、歯、環境科学 | ・学力検査を課さず、総合問題・小論文や面接による評価中心 ・水産学部は専門科目の小論文を実施 |
後期日程入試のある国立大学の受験対策
受験のスケジュールや後期日程の二次試験の特徴を理解した上で、どう対策を進めたら良いかご説明します。
倍率を意識せず効率的な勉強を継続する
前期日程を第1志望にする受験生が多いため、例年、出願人数と受験人数には大きな開きがあり、最終的に倍率は大幅に低下します。
後期日程は国立大学進学を叶えるその年度の事実上のラストチャンスでもあり、3月中旬という実施時期も重なって、受験会場にまでは来たものの平常心で受験に臨むことが難しい受験生も一定数います。
周囲には高校生活の最後を楽しんでいる同級生もいると思います。そんな時期に、前期日程の倍以上もある倍率を見たり、時期を意識したりすると集中しづらくなるのは仕方ありません。
簡単ではありませんが、受験は個人の戦いであることを意識しましょう。倍率が1倍近くでも落ちる人はいます。自分がなぜ今不安に感じているのか、その理由を考えると、今何をするべきかが自然に見えてくると思います。
受験日は先延ばしにはできませんが、受験勉強が一生続くわけでもないので、今するべきことを意識しましょう。
過去問を中心に勉強する
後期日程の対策をしているころには、ほとんどの私立大学受験も終了して後期日程の試験だけが残っていると思います。
対策の中心は過去問になります。数年分の過去問を用意して、出題形式や構成などの傾向をつかみましょう。前期日程の過去問からも類似の問題が出ることがあるので、後期日程のみ受験する大学でも他の募集区分の過去問も可能な範囲で一通り見るようにしてください。
小論文や面接の対策をする
小論文や面接が課されている大学では対策が必須になるため、余力がある秋までに一通り終わらせておくことも選択肢に入れましょう。
共通テストの自己採点を踏まえて小論文や面接を実施する大学を受験することになった場合、小論文や面接の対策は手つかずだと思います。前期日程から後期日程までの約2週間を対策期間として有効に活かしてほしいです。
小論文や面接の対策をする際は塾を活用するなどし、短期間のうちに何回も客観的な評価や指摘を受けるのが有効な対策手段です。
後期日程のある大学の入試を検討する受験生からよくある質問
後期日程について、受験生からよくある質問をまとめました。
Q:後期日程と前期日程の違いはありますか?
前期日程と比べて実施する大学や募集人数が少ないのが特徴で、後期日程自体を実施しない大学や、「医学部5人のみ」など募集人数が極端に少ない大学もあります。
前期合格後の注意点
前期日程で合格して入学手続きまで完了すると、後期日程でどんなに評価が高くても合格者になることはできない(入学することができない)ことにも注意しましょう。
国立大学を前期と後期で受験する場合は第1志望校を前期で受けましょう。
後期のみ募集する大学と中期日程の公立大学
後期日程のみ募集を行う例外的なケースもあります。北海道大学の理・薬・工・農学部のように前期では総合入試として一括募集を行う場合や、筑波大学情報学群の知識情報・図書館学類のように後期のみ募集が設定されている場合です。また、山梨大学医学部医学科のように前期日程での募集がなく、推薦型選抜の募集人員が多いケースもあります。
なお、中期日程は一部の公立大学のみが実施しています。公立大学まで視野を広げる場合は、中期日程と後期日程を併願し、双方の結果を見て入学先を決める選択肢もあります。
Q:大学を選ぶときの注意点は何ですか?
大学を選ぶ際は、「どの大学が後期日程を実施しているか」だけでなく、自分の受験戦略や科目の得意・不得意に合っているかを見極めることが重要です。
前期・後期の出願戦略を立てる
地方在住で私大進学の優先順位が低い場合は、前期日程を第1志望とし、後期日程では安全校の受験をおすすめします。併願校が多数あったり、私大進学の優先度が高かったりする受験生には、受験機会を活かすため後期日程でも強気の出願をしても良いでしょう。
試験方式や出題形式を確認する
後期日程を実施している大学でも、受験の方式が前期と大きく異なる場合があります。学力は共通テストの結果で測り、二次試験で学力検査を行わずに小論文や面接のみを実施したり、教科の枠を超えた「総合問題」を課したりしています。大学を選ぶ際は試験内容まで細かくチェックしましょう。
理系は科目構成の違いに注意
特に理系では、後期日程の小論文や総合問題で物理・化学・生物の3科目すべてから出題されることがあります。前期では物理・化学で受験できたのに、後期では生物中心になるなど出題傾向が異なる場合もあるため、科目構成の違いにも注意が必要です。
自分に合ったレベルで出願を判断する
後期日程では募集人員が少ない分、全科目に対応できる一部の受験生が合格枠を占める可能性もあります。実質的に対応が難しい出題内容の大学を選んでしまうと、ギャンブル要素が高くなるため、自分の得意・不得意を踏まえて慎重に判断しましょう。
諸事情から私大への進学が難しい人は、公立大学中期日程の活用もぜひ検討してください。
Q:どう対策したら良いですか?
最も重要なことは受験まで精神状態を維持することです。受験勉強をする目的は何か、その達成のために今自分に何ができるかを考えることが大切です。頭が不安で占められそうになったら、それを書き出してみると気が楽になることもあります。
前期日程が終わったらすぐに後期の対策を始めましょう。前期日程が不合格であるという前提に立って、小論文や面接、教科の枠を超えた「総合問題」など、後期日程特有の二次試験対策にすぐに着手してください。
ただ、2週間ほどの期間があるとはいえ、付け焼刃になってしまうのは否めません。可能であれば気持ちにも余裕のある秋の時期までに一通りの対策を講じて、前期日程終了以降はブラシュアップの時期にすることが望ましいです。
まとめ
国立大学進学の志望度が高い高校生にとって、その年の事実上最後の機会となるのが国立大学の後期日程です。
後期日程は前期と比べて実施大学や募集人員が少なく、二次試験も小論文や面接だけであったり、教科を横断した「総合問題」を出題したりといった特色があります。小論文と言っても、一般的な小論文とは大きく異なる可能性もあるので出願前に必ず過去問を確認しましょう。
後期日程を受験する大学生にとって最も重要なことは二次試験を平常心で受験することです。後期日程は募集人員が少なく極端な高倍率が出ますし、時期的にも気持ちが落ち着かず受験対策に集中するのが難しくなりがちです。
大学受験をする目的と今自分がやるべきことを整理し、日々の勉強に取り組みましょう。前期日程が終わってからの2週間がラストスパートをかける時期ですが、期間の短さは否めず効率的な対策が求められます。
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