神奈川県逗子市に位置する逗子開成中学校は、神奈川県でも有数の男子進学校です。文武両道を掲げ、海洋教育「海洋人間学」を中心に、自然体験を通じて協働力・探究心・リーダーシップを育てる独自の教育方針を展開しています。学力面でも高い実績を誇り、毎年多くの難関大学へ進学者を輩出しています。
この記事では、最新の偏差値・入試情報・科目別対策など、逗子開成の入試はどのような特徴があり、合格するにはどのような対策をしたら良いのかをわかりやすく解説します。ぜひ参考にしてください。
逗子開成中学校の偏差値と難易度はどれくらい?
まず、逗子開成中学校の偏差値や入試難易度はどのくらいなのか、最新情報をもとにご紹介します。
逗子開成の最新偏差値
首都圏模試センターによると、逗子開成中学校の偏差値は70~71が目安とされています。
非常に高い偏差値帯ではありますが、受験生層や入試問題の難度、模試母集団によって合格可能性は上下します。受験を検討する際は、模試結果を過信せず、複数回の模試で安定した判定を取れるよう学力を固めることが重要です。
入試の各回による難度の違いと得点差がつくポイント
逗子開成は1次・2次・3次で受験層と出題の肌感がわずかに変わるため、各回の戦い方を微調整することがポイントです。1次は受験層が広く、基礎〜標準問題の取りこぼし回避が最優先となります。2次、3次は上位層同士の競り合いになるため、応用力・思考力系で差が開くと言えます。
算数
大問1が計算、2が小問集合、3が応用といった定番の構成となっています。小問集合から中盤応用でのミスは致命傷になりやすく、回答スピードの速さと正確性、途中式を明示することで部分点を拾う方法が有効です。
国語
知識問題の比重が相対的に高く、満点狙いが土台となります。読解は評論・随筆・物語が横断的に出題されるため、筆者の意図や因果関係の把握、要点を簡潔に記述する訓練が必要です。
理科・社会
各100点の制限時間40分となり、理科は観察・実験・資料読解、社会は資料読み・時事・地歴横断が軸となります。理社を得点源にできれば、算国の難易度による揺れを吸収しやすくなりますので、理社の基礎を強化することがおすすめです。
なお、偏差値や最低点は受験層や出題難度、当日のコンディションで振れるため、模試判定は絶対視せずに合格可能性ライン+αの準備を行いましょう。
逗子開成中学の最新入試情報
ここでは、逗子開成中学校の2025年最新の入試要項と入試結果をご紹介します。なお、受験にあたっては、必ず最新版の募集要項を確認するようにしてください。
募集定員・日程(出願期間・試験日・合格発表)
逗子開成中学校の募集定員は、一般入試で1次が150名、2次が50名、3次が50名の合計で250名程度を予定しています。帰国生枠については例年20~30名程度 が設けられ、一般枠とは別枠での募集となります。
2026年度の入試日程は、1次が2月1日、2次が2月3日、3次が2月5日の予定となっています。また、帰国生入試は12月26日に実施されます。各回の合格発表は、通常、試験翌日となっておりウェブ上に掲示されます。出願期間は例年の傾向として、12月下旬~1月中旬に受付を行うことが多いです。出願受付開始日と締切日は年度によって変動するため、正式な募集要項が公示され次第、早めに確認することが重要です。
試験科目・時間割・配点と当日の流れ
逗子開成の一般入試(1次~3次)は、算数150点(50分)・国語150点(50分)・理科100点(40分)・社会100点(40分)の合計500点満点となっています。時間配分が厳しめのため、得点源を明確にすることがポイントとなります。
試験当日のスケジュールとしては、例年、受付・着席ののち注意事項説明があり、国語、算数、休憩、理科、社会の順で進行されます。終了後は答案回収を経て下校、合格発表は原則翌日午前となります。面接は一般入試では原則実施されていません。 一方、帰国生入試は、国語+算数各60分/英語+算数各60分の選択制となっており、年度によって英語+算数+作文などの試験が設定される場合があります。
いずれについても、最新の公式情報で配点・試験順・集合時刻を必ず確認し、当日に向けてリハーサルを行うと安心です。
受験料
逗子開成中学校の受験料は、一般入試(1次・2次・3次)がそれぞれ独立した試験として扱われるため、出願する回ごとに受験料が必要となります。1回あたりの受験料は25,000円が目安となりますので、複数回受験を予定している場合には、合計の費用も見込んでおくと良いでしょう。
支払いはオンライン出願システムを通じたクレジットカード決済やコンビニ払いが主流で、出願完了後の返金は原則として行われません。また、帰国生入試については一般枠とは別に扱われ、受験料や納付方法が異なる場合があります。年度により変更される可能性があるため、最新の募集要項を必ず確認し、出願期間内に余裕をもって手続きを済ませるようにしてください。
受験者数・合格者数・倍率・科目別平均点
直近の公表データを見ると、逗子開成中学の受験者数や合格者数は以下の通りです。
2025年度入試データ
| 回数 | 志願者 | 受験者 | 合格者 | 名目倍率 | 実質倍率 | 合格者平均点 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1次 | 476 | 450 | 217 | 3.17倍 | 2.07倍 | 324.4点 |
| 2次 | 457 | 375 | 85 | 9.14倍 | 4.41倍 | 334.4点 |
| 3次 | 562 | 463 | 103 | 11.24倍 | 4.50倍 | 339.0点 |
上記の表を確認すると、入試の回数が進むほど上位層の競争が強まる傾向がうかがえます。
2025年度入試データ|3次入試(科目別)
| 科目 | 満点 | 合格者平均 | 受験者平均 |
|---|---|---|---|
| 算数 | 150 | 113.4 | 88.1 |
| 国語 | 127 | 98.4 | 86.9 |
| 理科 | 78 | 63.6 | 51.5 |
| 社会 | 84 | 63.6 | 55.6 |
特に算数は配点が大きく上位層の差がつきやすい一方、理科と社会は合格者平均と受験者平均の差が比較的安定しており、確実な積み上げで合格点に寄与しやすいことがわかります。ぜひ受験戦略の参考にしてください。
逗子開成中学校に合格するために必要な対策
ここでは、逗子開成中学校に合格するためにはどのような対策をしたら良いのか、試験の内容や出題傾向をもとに詳しく、わかりやすく解説します。
科目別の出題傾向と対策のポイント
算数:計算や小問集合を確実に正解し、速さや割合、図形融合の定番問題を典型のものから応用まで対策し、途中式を丁寧に書いて部分点を拾えるようにしましょう。
国語:漢字、語句で満点を取るようにし、評論や随筆、物語を要約型の記述で抜けなく得点できるように対策しましょう。
理科・社会:理科は観察・実験・資料読解で単位・比・グラフ読解を徹底的に対策しましょう。社会は統計・地図・時事を横断的に学び、資料を読み解く手順を身につけることで安定して得点できるようになります。
偏差値別の学習戦略
合格圏内の場合は、過去問で合格者平均より10〜20点上を安定して取ることを目標にしましょう。算数は応用大問の前半を確実に得点し、国語は中記述の正確さを重視します。理科・社会は8割得点を目指し、全体の波を抑えることが重要です。
合格圏内に達していない場合は、基礎〜標準問題の取りこぼしを防ぎ、ケアレスミスを徹底的に減らすことが重要です。
算数は小問集合の満点獲得、国語は知識問題で確実に得点し、記述では部分点を積み上げる意識が大切です。直前期は弱点単元を絞り込み、毎日反復して得点力を引き上げましょう。
過去問の取り組み方法
過去問は、通し演習ののちに分析を行い、再度挑戦するという3段階で進めることが効果的です。
まず1年分を本番と同じ時間で解き、採点後に「知識不足・計算ミス・読解誤り・時間切れ」などの失点理由を確認します。
次に、同タイプの問題を、年度をまたいで集中的に解き直し、パターンごとに弱点を潰します。3回目は得点感覚を意識しながらタイムトライアル形式で実施し、合格者平均点を安定的に超える練習をします。
直前期は本番と同じ時間帯に演習を行い、試験当日の流れを体に覚えさせると良いでしょう。
帰国生入試の注意点と準備法
帰国生入試は年度によって科目構成が異なり、「国語+算数」「英語+算数」または「英語+算数+作文」などの形式が出題されることが多いです。英語は読解、要約、作文が中心です。内容一致の問題(英文の内容と合っている選択肢を選ぶ問題)には、根拠の行を特定して自分の言葉でまとめる練習が有効です。
算数は標準から応用問題を確実に処理するスピードを上げることと、日本語の正確な理解が重要です。
国語については要約力と語彙の幅を広げ、文章全体の構造をつかむ練習を重ねましょう。面接や作文がある年度は、志望理由や海外経験を簡潔に説明できるよう準備しておくと安心です。
個別指導の活用
個別指導を活用することで、自分の弱点を短期間で補強することができます。模試や過去問の誤答傾向を分析してもらうことも可能で、算数では思考型大問の方針立案、国語では記述答案の添削、理科・社会では資料読み取りの練習など、科目別に課題を明確化してもらって、対応することができます。
講師には「どの単元で時間がかかるのか」「どんなミスが多いのか」を具体的に共有し、ピンポイントで指導を受けると良いでしょう。直前期には、1次・2次・3次それぞれの出題傾向に合わせた時間配分のリハーサルを行い、本番での集中力を最大化することが合格への近道です。
逗子開成中学の併願戦略と受験日設計
逗子開成中学を受験しようと考えた際に、どのような学校と併願したらいいのか、併願校を選択する際の参考となる情報をご紹介します。
他の男子校・難関校との比較と併願傾向
逗子開成は、首都圏・神奈川県内において、男子校・難関私立中学との併願校として有名です。神奈川県内では、栄光学園や桐光学園男子部、鎌倉学園などが同レベルからやや上位の併願候補となり、これらの学校を併願する受験生が多いです。また、都内の男子校御三家を志望する受験生にとって、逗子開成は「堅実な安心校」として受験する受験生も多数います。
偏差値の観点から見ると、偏差値60台中盤~70台前半の学校を併願校に据えるケースが多く見られます。一方、安全志向の受験生は偏差値60未満の学校を下位併願として確保することが多いです。
出願校選定時のチェックポイント
試験日程の重複回避、集合時間と会場動線、各回の配点・出題傾向、繰り上げ合格や手続き期限の整合性などを確認しましょう。また、合格後の通学時間や沿線、学校の教育方針・校風の適合度も忘れずにチェックしてください。第一志望直後の日程には安全校の試験を入れ、午前・午後入試の体力配分も注意しましょう。
逗子開成中学校をもっと知る|基本情報と進学実績
ここでは、逗子開成中学がどのような学校なのか、その特色や入学後の生活についてわかりやすくご紹介します。
学校概要と立地・アクセスの特徴
逗子開成は神奈川県逗子市にある私立男子校で、相模湾に面した自然に恵まれた環境が特徴の学校です。所在地は逗子市新宿二丁目で、JR横須賀線「逗子」駅・京急「逗子・葉山」駅からともに徒歩約10分と通学しやすい立地です。
海洋教育プログラム(海洋人間学)と特色ある教育
逗子開成では「海洋人間学」を教育の柱として掲げ、カッター訓練や海洋観測、防災・安全教育などを通じて、協働性やリーダーシップ、そして自然への深い理解を育むカリキュラムを展開しています。教室での学びを実際の海での体験へと結びつける総合的な教育プログラムが特徴で、生徒たちは仲間と協力しながら、自然と人との関わりを肌で感じ取ります。まさに「海をフィールドに学ぶ」という教育理念を体現しています。
探究・ICT・部活動・行事など学校生活
逗子開成の学校生活は、「学び」と「活動」の両立を重視した設計が特徴です。運動部14、文化部19の計33クラブが活動しており、中学は平日2日、高校は平日3日が基本です。クラブ運営委員会によるリーダー研修など、生徒が主体的に運営に関わる仕組みも整っています。さらに、ICT環境の整備が進み、校内ポータルや教材サイトを通じて家庭との連携もスムーズに行われています。
進学実績・大学進路の傾向
逗子開成中学校の最新の大学合格実績は、2025年度では、東京大学6名(現役4名)、北海道大学9名(現役8名)、東北大学9名(現役8名)といった国公立大学のほか、早稲田大学71名、慶應義塾大学56名、東京理科大学84名など私立有名でも多数の合格実績があります。医学部医学科系では、東京医科大学5名、北里大学5名、順天堂大学6名など、理系進学にも強みがあります。
まとめ
逗子開成中学校は、海をフィールドにした独自の教育や高い進学実績で人気を集める男子進学校です。入試は複数回実施され、算数・国語での得点力が合否を左右します。偏差値は70以上が目安と大変高く、年度や回次によって難度が変化するため、基礎力の安定と応用力の鍛錬が欠かせません。過去問を通じて出題傾向をつかみ、各科目の得点戦略を明確にして臨みましょう。
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