2025/12/16

古典(古文・漢文)の勉強法|大学入学共通テスト・私立大・国公立二次試験別の対策ポイント

古典(古文・漢文)の勉強は「どこから手をつけたら良いのかわからない」と感じる受験生が多い科目です。文法や単語を覚えても、「本文を読むとなかなか理解できない」「正しい選択肢を選べない」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

しかし、古典は正しい勉強ステップを踏めば、本文を正確に読み解き、得点アップができる科目です。

この記事では、古典が苦手な人でも着実に成績を伸ばせるように、大学受験の出題傾向や試験別・レベル別の勉強法と、基本の勉強ステップやおすすめ参考書について詳しく解説します。段階的にステップアップし、大学受験の古典を攻略しましょう。

目次

大学受験における古典の勉強法

大学受験で古典は、大学入学共通テストの国語で必ず出題され、国語の中でも得点差がつきやすい分野です。「文法や単語を覚えても読めるようにならない」「現代文と違って内容が頭に入ってこない」と苦手意識を持つ受験生も多い科目です。

まずは古典の重要性や出題の特徴を確認し、「なぜ古典を学ぶのか?」「大学受験の古典では、どんな力が求められるのか?」を整理し、効率的な勉強の第一歩を踏み出しましょう。

大学受験で古典が重要な理由

古典は「国語力の根幹」とも言える日本語の基礎力を問う科目です。感覚的な読解ではなく、文法や語彙、文化的背景などの知識をもとに、正確に文章を理解する力が重要です。

大学入学共通テストでは、国語200点中90点分を古文・漢文の古典が占めており、配点の高さからもその重要性がわかります。古典が苦手なままだと、国語全体の得点を大きく下げてしまう恐れがあります。

なお、漢文は現代の中国語とは大きく異なり、中国語を母語とする人であってもそのまま理解できるものではありません。そのため、中国語を学んだ経験がある場合でも、漢文学習を軽視せず、助字や句法を中心に日本語としての古典文理解を意識して取り組むことが大切です。

また、国公立大学の二次試験や私立大学の一般入試では、「文意を正確に読み取る力」や「登場人物の心情・背景を理解する力」がより重視されます。物語の筋や会話の流れ、敬語表現の使い方などを深く理解することが求められるため、暗記にとどまらない勉強が必要です。

古典が苦手な受験生が多い背景

多くの受験生が古典を苦手に感じる理由の一つは、「内容が理解しづらい」点にあります。現代文のように日常的に使う日本語ではないため、登場人物の行動や感情がつかみにくく、読むのにストレスを感じやすいです。

また、学校の授業では古典文法や単語に重点が置かれがちで、古文・漢文を読めるようになった感覚が得られないまま学習が終わってしまう場合も少なくありません。また、定期テスト対策の範囲だけを覚えて終わり、受験対策の勉強が後回しになってしまう人も多いです。

大学受験の古典で求められる力

大学受験の古典で問われる力は「文法と単語の知識」「読解力」「解釈力」の3つです。

古文・漢文を読むには、助動詞の意味や活用、敬語の使い分けといった細かな文法や、「いと」「あはれ」「也」「哉」などといった単語の知識が必要です。

次に「文法と単語の知識」をもとにして、物語の流れや登場人物の心情を正確に読み取る「読解力」が問われます。

そして、物語の背景にある歴史的・文化的背景を踏まえて「なぜその表現が使われているのか?」を説明する「解釈力」が最終的に重要になってきます。

多くの私大入試では、文学史や背景知識そのものが直接問われることは少ないものの、一定の知識がないと本文の正確な理解に時間がかかったり、読解の方向を誤ったりするリスクがあります。一方で、古典は社会構造が比較的わかりやすかった時代の文章であるため、背景や登場人物の関係を少し理解しておくだけで、現代文よりも筋道が明確で読みやすいケースも少なくありません。そのため、背景知識の軽視は禁物です。時代の背景知識は古典の読解に大いに役立つので、文法や単語と合わせて勉強していきましょう。

大学受験における古典の出題傾向とパターン

大学受験の古典は、大学入学共通テスト・国公立二次試験・私立大学一般入試で出題形式や問われる力が異なります。この章では、それぞれの出題傾向や特徴を押さえ、どのような力をつけるべきかについて解説します。

大学入学共通テストでの出題形式と特徴

大学入学共通テストでは、古文と漢文がそれぞれ一題ずつ出題されます。いずれもマーク式の出題で、本文の内容理解を中心に問う出題が特徴です。

文法や単語の理解に加え、本文全体の流れを読み取る力が必須です。問題のリード文や注釈、文脈などから文章の意味や流れを推測したり、主語の省略が多い中で登場人物の関係を把握したりする読解力が求められます。

また、共通テストではリード文や注釈、家系図などの資料がかなりのボリュームで提示される年度も多く、これらを丁寧に読むことが正しい解釈の鍵になります。中には、本文よりもリード文や注釈の記述から正答を導ける設問もあるため、設問前の情報を軽視しないことが重要です。

国公立二次試験での出題傾向

国公立大学の二次試験では、大学入学共通テストの基礎知識を土台にしたより高度な読解力と記述力が重視されます。大学入学共通テストに比べて本文の量は少なめではあるものの、「文脈の中で助詞・助動詞がどんな役割を果たしているか」「背景となる文化や常識、時代設定をどう読み取るか」といった、高いレベルの読解が求められます。

また大学によって出題形式が異なり、古文と漢文を組み合わせた問題や現代文と関連させた複合問題に加えて、近古文(明治・大正期の文語文)を扱う大問が出題されることもあります。これらは、現代文・古文・漢文の総合力を試す設問と言えます。

さらに、2000年以降のセンター試験からは、文章全体の主旨や構成について問う問題が増えてきています。本文全体を俯瞰し、論理展開を意識しながら読解するトレーニングを積むことで、どの大学の出題にも対応しやすくなるでしょう。

私立大学での出題傾向

私立大学では、恋愛・日記・物語文などが古典の頻出テーマになり、大学・学部によって出題傾向がはっきり分かれます。例えば、早稲田大学などの上位校では長文読解中心で、文意の把握や登場人物の感情を問う問題が多い傾向があります。一方で、中堅私大では文法問題や語彙問題が多く出題されることもあり、基礎知識の差が得点差に直結します。

出題されやすい助動詞や敬語表現、頻出のテーマや単語を把握する勉強が必要です。

古典の試験別勉強法

大学受験の古典では、出題傾向や求められる力が異なる各試験に合わせて勉強することが得点アップの近道です。この章では、大学入学共通テストと一般入試(国公立二次・私大)の対策について解説します。

大学入学共通テスト対策

大学入学共通テストの古典は「基礎知識」と「読解力」がポイントです。古文・漢文それぞれ一題ずつの出題ですが、限られた時間の中で本文の内容を正確に把握し、正しい答えを選ぶ力が求められます。

単語・文法の基礎固め

まずは古文単語・文法の基礎知識をしっかり固めましょう。単語や文法は頻出度の高いものから覚えていくのが効果的です。よく出る単語や文法を理解したら、意味の取り違えが多い単語や勘違いしやすい文法の勉強をしていきます。

文学史・古典常識

正確な読解力の土台となるのが「文学史」や「古典常識」です。文学史は古文範囲で毎年必ずではありませんが、出題される年度があります。したがって、主要作品・作者・ジャンルを押さえておくことをおすすめします。優先順位は「文法・語彙→頻出作品のポイント→細部の文学史」の順に学習しましょう。

高校の授業で学習する『四鏡』(大鏡、今鏡、水鏡、増鏡)や『土佐日記』(紀貫之による日本最古の日記文学)といった古典の主要作品と作者、作品テーマやその歴史を知っておくと、本文を読む助けになります。

なお、漢文学史については、共通一次試験期まで遡らないと明確な出題はほとんど見られません。直接的な対策としては優先度低めで構いませんが、古文・漢文ともに背景知識を持つことで読むスピードが上がります。人物像・典故(典拠となる故事)・作品ジャンルなど、最低限の枠組みを押さえておくと、設問処理の精度とスピードが向上します。

漢文は句法を中心に

漢文は「句法と返り点の理解」が最優先事項です。「使役」「受身」「否定」などの文法を整理し、書き下し文をスムーズに作れるようにします。「本文→書き下し文→現代語訳」の練習を重ねることで、漢文の読解力も高まります。また大学入学共通テストでは、現代語の中で使っている熟語の知識を通じて漢字の意味を問う問題もあり、日頃から意識的に熟語・漢字の意味を確認する習慣をつけておきましょう。

一般入試(国公立二次・私大)対策

一般入試では、大学入学共通テストよりも文章全体を論理的に読む力が求められます。単語や文法の基礎知識に加えて、本文のテーマや登場人物の心情、場面の構成を正確に把握する対策をしましょう。

敬語や助詞から登場人物の関係をつかむ

本文を読む際には、「なぜこの表現が使われているのか?」を考えながら読解します。例えば敬語や助詞は、人物の上下関係や心情に深く関わっています。「なぜここで『たまふ』が使われているのか?敬われているのは誰か?」「ここの『けり』の意味は詠嘆だろうか?」と問いかけながら本文を読む習慣をつけましょう。単語や文法が本文中にどのように使われているかを理解することが大切です。

過去問分析で出題傾向・形式を知る

次に重要な対策が、過去問分析です。3〜5年分を目安に解き、出題傾向や頻出テーマを洗い出します。どの文法や単語、テーマが繰り返し出題されているかを確認しておくと、傾向に合った対策を立てられ、勉強の効率を高めることができます。

漢文出題の有無を確認する

志望する大学によっては漢文を含む場合があります。また、古文や現代文と融合した複合問題の形で出題されることもあるため、単独出題だけでなく出題形式も必ず確認しましょう。

さらに、現代文の漢字・語句問題の中で、「苟(も)」「蓋(し)」など漢文で学ぶ語句が出題されるケースもあります。こうした問題は、漢文を学習していれば自然に正答できる一方、漢文を避けていると難問化しやすい傾向があります。

したがって、漢文が直接の試験範囲に含まれない大学を志望する場合でも、受験学年前の段階から一定の基礎学習を進めておくことをおすすめします。漢文が試験科目にある場合は、「句法・助字・書き下し文練習」を継続的に勉強に取り入れましょう。

古典の勉強法の基本ステップ

古典の勉強はやみくもに暗記したり問題を解いたりするのではなく、目的を持って勉強することが大切です。この章では、基礎固めから演習問題・記述対策まで、古典勉強法の基本ステップを紹介します。

文法・単語・敬語・句法を意識して基礎固め

古典の勉強で最初に取り組むべきは、文法・単語・敬語・句法の基礎です。

文法

文法は本文を正確に読む土台で、最初に固めていく内容です。​

用言の活用:動詞・形容詞・形容動詞の活用を暗記。特に「未然形」「連用形」「已然形」などの終止法則を理解する
助動詞:「けり(過去・詠嘆)」「たり(完了・存続)」「ぬ(完了・強意)」などの意味と接続をセットで覚える
助詞:「ば(順接仮定・順接確定、または逆接)」「ども(逆接譲歩)」など、訳の違いが解釈に直結する
係り結び
二重否定・反語

単語

単語は本文全体の意味を把握するための出発点です。頻出単語​約300語前後を目安に、以下の点をポイントに覚えていきましょう。

  • 頻出単語から覚える
  • 似た言葉に注意する(例:あはれ=感動、をかし=趣がある、おもしろい)
  • 現代語と意味が異なる単語に注意する(例:いたづらなり=無駄だ/退屈だ)
  • 文中で使われる意味を理解する
  • 単語帳は1冊を完璧にする

敬語

敬語表現の理解は、登場人物の関係を読み解く手がかりになります。まずは、頻出の尊敬語・謙譲語・丁寧語を分類して、整理していきましょう。敬語表現を頼りに「誰が誰に何をしているか?」を本文中で読解し、登場人物の関係を把握していきます。登場人物の関係がわかると文章はとても読みやすくなります。

尊敬語:動作主(動作をする人)への敬意を表す表現

  • 給ふ(たまふ):お与えになる、〜なさる
  • おはす/おはします:いらっしゃる
  • のたまふ/仰す:おっしゃる
  • 召す:召し上がる、お召しになる
  • きこしめす:お聞きになる、召し上がる
  • ます/います/まします/いまそかり:いらっしゃる
  • ごらんず/みそなはす:ご覧になる

謙譲語:動作の対象(受ける人)への敬意を表す表現

  • 奉る(たてまつる):差し上げる
  • 参る(まいる):参上する・差し上げる
  • 侍る(はべる):お仕えする
  • 申す:申し上げる
  • まゐらす:差し上げる
  • たまはる:いただく

丁寧語:聞き手や読み手への敬意を表す表現

  • 侍り(はべり):〜です、〜ます
  • 候ふ(さぶらふ):〜です、〜ます

句法

漢文で重要なのは「句法」です。句法とは、漢文を日本語に訳す際の構文ルールであり、以下の句法を中心に約15〜20種類を確実に理解しましょう。

  • 否定  不・弗(〜せず)無・毋(〜するな)
  • 使役  使 A 〜(Aに〜させる)
  • 受け身 見 A 〜(Aに〜される)
  • 疑問  何(なんぞ〜)
  • 反語  豈(あに〜や/どうして〜か、いや〜ない)
  • 比況  如・若(〜のようだ)
  • 条件  若・苟(もし〜せば)
  • 仮定  雖(〜といえども)

文の意味を補う「助字」の理解は、本文の読解に大いに役立ちます。

  • 者   主題・説明 〜は・〜であるものは
  • 也   断定・説明 〜である・〜なのだ
  • 乎   疑問・感嘆 〜か・〜よ
  • 焉   場所・帰着 〜に・〜で
  • 矣   完了・強調 〜した・〜であるぞ

また、レ点・一二点・上中下点・甲乙丙点といった「返り点」のルールを理解し、「書き下し文」を作ります。まずは高校の教科書にある作品で「書き下し文」を作り、漢文独特のリズムや文の構造に慣れていきましょう。

古典は基礎知識を正確に理解すれば本文を読めるようになり、得点につながっていく科目です。

古文常識・背景知識を押さえる

文法や単語といった基礎知識の上に、古文常識・背景知識を上乗せしましょう。時代背景や貴族文化、生活・風俗を理解すると、読みにくい古文が現代文のように読みやすくなります。

古文は現代の感覚では理解できない内容がほとんどで、独特の常識があります。例えば、平安時代の恋愛・婚姻制度は「通い婚」や「一夫多妻制」といった制度が主流でした。恋文のやり取りは恋の始まりを意味し、返事が遅いと「冷たい」と解釈される世界です。

また、和歌では現代語にない多くの技法が用いられます。

掛詞(かけことば):一語に複数の意味を重ねる表現。例:松(待つ/松)など
縁語(えんご):一つの語に関連する言葉を集めて用いる。例:波と浜辺、舟など
序詞(じょことば):文意の導入として使う韻律的修辞
見立て・擬人法:自然現象を人の心の比喩として詠む(例:花=愛情、月=思慕など)

こうした文学史を含んだ古文常識や背景知識を押さえておくと、本文をより正確に読解できるようになります。

基礎知識を試験に使えるように演習問題を活用

文法や単語を覚えたら、それらを実際に使える知識へと変えていきます。問題集や過去問を解くときは適当に問題を解くのではなく、「なぜこの答えになるのか?」「本文中のどこに根拠があるのか?」を意識して勉強しましょう。基礎固めで勉強したことを思い出しながら問題を解くのがポイントです。

また、間違えた問題もすぐに答えを写すのではなく、「なぜ間違えたか」「不足している知識は何か」を分析し、基礎固めの内容を復習しながら演習問題を積み重ねていくと良いでしょう。演習問題を通じて、基礎知識を使える力にし、古典を読める・解ける科目へ変えていきましょう。

記述力・論述力の強化

古文の記述力・論述力とは、本文の内容を正確に理解し、それを現代語で論理的かつ簡潔に書き表す力を指します。難関大学や国公立大学の二次試験では、この記述力・論述力が問われます。

以下の三つのステップを意識して勉強しましょう。

①本文の構造と主語を明確にする

主語が曖昧なまま記述すると論旨がずれます。本文中の主語転換を意識し、「誰の行動・感情なのか」を明確にすることが重要です。

②要約の技術を身につける

本文の細部よりも、「因果関係」や「心情の推移」を中心にまとめます(例:「主人公はなぜその行動をとったか」を説明)。

③自然な現代語で表現する

助動詞や敬語の意味を押さえつつ、現代日本語の語感を大切にして表現しましょう。

古典のおすすめ参考書・問題集

受験勉強の効果を高めるには、自分のレベルに合った参考書や問題集選びが欠かせません。

この章では、高校生に人気のある古典問題集を中心に、基礎固めから応用まで幅広くカバーできるおすすめの参考書・問題集を紹介します。

どの参考書・問題集を選べば良いか迷っている人は、まずここで紹介するものから始めてみましょう。

基礎固めにおすすめの参考書・問題集

  • マドンナ古文 パーフェクト版(学研)
  • 読んで見て聞いて覚える重要古文単語315(桐原書店)
  • ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル(河合塾シリーズ)

読解力を養うおすすめ問題集

  • 古文上達 基礎編 読解と演習45(Z会)
  • 共通テスト総合問題集(河合出版)

応用・演習におすすめの問題集

  • 得点奪取古文 記述対策(河合出版)
  • 古文上達(Z会)

古典のレベル別勉強法

ここでは学年や習熟度に合わせた古典の勉強法を紹介します。高1〜高3までの学習段階に分けて、「今やるべきこと」「伸ばすべき力」を明確にしていきます。あなたの現状を把握し、段階的に実力を積み上げていく勉強の指針にしてください。

基礎固め期(高1〜高2前半)

基礎固め期は「古文を読むための基礎知識」をつけることが目標です。文法と単語の徹底理解を最優先し、助動詞・助詞・敬語といった文法を押さえていきましょう。

「1日10〜15語ずつ覚える」「1週間ごとに復習する」など、勉強習慣を作っていくのも基礎固め期では重要です。「マドンナ古文」などの参考書で文法を理解し、同時に「古文単語315」で語彙を増やしていくと良いです。また、学校の授業で扱った古文を音読し、古文独特の語感やリズムにも慣れていきましょう。

時間的に比較的余裕のあるこの時期には、興味に応じて古典をテーマにした漫画、例えば源氏物語を題材にした『あさきゆめみし』、古代中国の感覚を掴める『三国志(漫画版)』などを読んでみるのも効果的です。 漫画ならではの視覚的・物語的なつながりで、作品の背景や人物関係が頭に入りやすく、文法・単語の学習を楽しく補完することができます。

基礎固め期は「焦らず、正確に」を意識して勉強を進めていきましょう。

応用力養成期(高2後半〜高3春)

文法や単語の基礎知識がある程度定着したら、読解練習・問題演習に入ります。この段階では、「古文上達 基礎編」などの問題集で本文の読解をし、主語・述語の文構造を理解したり、敬語や古文常識から登場人物の関係をつかんだりする練習を重ねましょう。

問題を解いたり、答えを確かめたりする際には、「なぜその答えになるのか?」「なぜその訳になるのか?」と答えの根拠を考えながら問題と向き合います。答えの根拠を本文から探す習慣をつけることで少しずつ読めるようになり、入試への対応力が大きく伸びていきます。

直前期(高3夏〜受験直前)

直前期は、これまで身につけた知識を復習しながら実戦演習中心に切り替えましょう。過去問や模試で時間配分や出題形式に慣れ、入試本番の感覚を養っていきます。また直前期では以下がポイントです。

①確実に得点を取る
②間違えた問題は必ず復習
③新しい知識よりも、これまでの復習を重視

入試直前は気持ちが焦り、新しい参考書や問題集に手を出しがちです。これまでの学習ペースを乱したり、理解不足に陥ったりする場合もあります。

特に、単語や文法、句法などの基礎知識は一度定着したと思っていても、時間が空くと忘れてしまいやすく、入試本番で思い出せないケースも少なくありません。そのため、実戦問題の演習だけでなく、直接出題されにくい基礎項目(単語・文法・句法)の確認を意識的に行いましょう。短時間でも「見直す・書き出す・声に出す」などの復習習慣を継続することで、基礎知識を確実に使える力として保持できます。

知識の抜け漏れが気になる気持ちもわかりますが、「復習→実戦問題→復習」に集中し、失点を防ぐ勉強を意識していきましょう、

古典の勉強でよくある失敗と対策

古典の勉強では、正しい勉強法を知らずに時間だけがかかってしまう場合が少なくありません。ここでは、受験生が陥りがちな失敗例を取り上げ、それを防ぐための具体的な対策を紹介します。

単語暗記だけで終わってしまう

古典単語を覚えるのは大切ですが、「暗記=得点」にはつながりません。単語の意味を覚えただけでは、文中でどう使われているかを理解できないからです。

対策

  • 単語を「文脈の中で使えるように」覚える
  • 例文つきの単語帳を活用し、実際の使われ方を確認しながら覚える

文法を一通り覚えたあとに放置してしまう(問題演習に活用できない)

文法を学んだ直後は理解していても、本文読解を中心とした問題演習を重ねないとすぐに忘れてしまいます。特に助動詞の活用や敬語の使い方は、本文で理解していかないと混乱してしまう分野です。

対策

  • 文法は覚えるだけでなく、必ず問題演習で定着させる
  • 助動詞や敬語を確実に理解するには、問題集や過去問の本文読解を繰り返す

現代語訳に頼りすぎる

現代語訳を読んで「理解したつもり」になってしまう受験生も多いです。しかし、これでは自力で本文を読む力は育ちません。

対策
現代語訳を読む前に、まず自分で訳す
訳文を作ること自体が目的にならないよう注意し、本文理解を深めるために訳文を作る意識を持つ
単語や文法事項が過不足なく反映されているかを意識し、筋道を確認する程度にとどめる
マーク式中心の入試では、現代語として多少不自然でも構わない。限られた時間の中では、文構造と意味を正確に把握する効率的な訳を優先する
その上で模範の訳(現代語訳)と見比べ、どこが違うのかを確認する
自分の訳の弱点(助動詞・敬語・主語など)を把握する

古文常識(時代背景や文化の理解)を軽視する

物語の背景や時代の風習を知らないと、登場人物の行動や心情が理解しづらくなります。

対策
・日本史の内容と関連付けて覚える
 ※必ずしも高校レベルの日本史を深く学習している必要はありません。中学までの歴史分野(主に日本史の基礎知識)を心得ているだけでも、物語の背景理解に大いに役立ちます。
・古文常識はストーリー仕立てで覚えるのがおすすめ
・「マンガゼミナール 源氏でわかる古典常識」などの参考書を活用すれば、楽しく学べて記憶に残る
・志望校の頻出テーマ(恋愛・出家・贈答・和歌など)を押さえて、徹底的に対策する

問題演習を「答え合わせだけ」で終える(なぜこの答えになるかを振り返らない)

答えを見て「合っていた・間違っていた」で終わらせてしまうと、勉強の効果は半減します。古典の勉強では、「なぜその答えになるのか?」根拠を明確にして勉強することが重要です。

対策

  • 答え合わせのあとは、「本文のどの表現が根拠か?」を必ず確認する
  • 答えの根拠を線で引いたり、メモしたりしながら読解する

まとめ

古典は、短期間で成果が出にくい科目です。しかし、文法・単語・読解の基礎をしっかり固め、段階的に力を伸ばしていけば、確実に得点源に変えることができます。

勉強の進め方に不安がある場合は、トライに相談し、自分に合った学習計画を立てることをおすすめします。一人では難しいと感じる文法の整理や読解練習も、プロのサポートを受けながら進めれば、効率的に理解を深められます。

トライでは、入試の傾向分析や過去問対策をもとに、志望校合格までを見据えて一人ひとりに合わせた個別指導を実施しています。本記事の勉強法を参考に、古典の得点・偏差値を着実に伸ばして大学合格へ確実な一歩を進めましょう。

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