現代文は「何を勉強すればいいかわからない」と悩む受験生が最も多い科目です。英語や数学のように明確な単元がなく、「なんとなく読んで、なんとなく解く」という感覚頼りの学習から抜け出せない人が大半を占めています。しかし、正しい勉強法を実践すれば、現代文は論理的に得点を伸ばせる科目です。
この記事では、語彙力・読解力・文法力・解答力という4つの柱を軸に、基礎固めから試験別対策まで、現代文を攻略する方法を解説します。大学入学共通テスト・国立二次試験・私大入試それぞれに対応した具体的な勉強法と、偏差値を確実に上げるためのテクニックを紹介しますので、現代文対策の参考にしてください。
大学受験の現代文勉強法と攻略ポイント
現代文で高得点をとるには、4つの力(語彙力・読解力・文法力・解答力)をバランスよく鍛えることが不可欠です。
- 語彙力:評論文の専門用語や抽象概念を正確に理解するのに必要
- 読解力:論理構造や筆者の主張を把握するのに必要
- 文法力:複雑な文の主述関係や指示語を正確に解釈するのに必要
- 解答力:設問の要求に沿って的確に答えるのに必要
「何を勉強すればいいかわからない」という感覚頼りの学習よりも、これら4つの力を集中して伸ばす勉強法の方が得点を伸ばせるようになります。
ここでは、まずなぜ現代文が合否を分けるのかと、現代文で高得点を取るために必要な力についてそれぞれ見ていきます。
なぜ現代文は合否を分ける科目なのか
大学入学共通テストでは国語が200点満点と高い配点であり、そのうち現代文だけで110点を占めます。さらに読解力はすべての教科の土台となる力で、現代文を苦手なままだと数学の文章題、英語の長文などのあらゆる科目でつまずく原因をつくってしまいます。一部では、現代文の得意・不得意によって20~30点の差がつくことも珍しくなく、この差が合否を左右します。特に二次試験や一部の私大入試では記述問題の配点が高く、合格の鍵を握ります。現代文は「センスの科目」ではなく、正しい勉強法で成績を上げることができます。
現在の共通テストでは国語以外の科目も、資料読解・文章理解・情報整理など読解的な要素が増えており、難関大学の理系科目でも長文設定や論述問題が珍しくありません。現代文を押さえておくと、他教科の得点も伸びやすくなることは、しっかり意識しておきましょう。
現代文が苦手な本当の理由|受験生の9割は勉強法がわからない
現代文には英語の単語・文法のような明確な学習単元が見えにくいため、何を勉強すればいいかがわかりません。多くの受験生は「なんとなく読んで、なんとなく解く」感覚頼りの学習から抜け出せず、正解しても「たまたま当たった」という感覚しか持てないのです。
さらに「読書量=現代文力」という誤解も広まっています。小説をたくさん読んでも、入試で問われる評論文の論理構造を読み解く力は自動的につきません。入試現代文には固有の読み方・解き方があります。高3の秋になって「現代文をどうすればいいかわからない」と悩む前に、この記事で紹介する体系的な勉強法を実践しましょう。
現代文偏差値70超えの受験生が必ず持っている4つの力
高得点を取る受験生には、4つの力がバランスよく備わっています。
・語彙力:評論文には「アイデンティティ」、「パラダイム」といった用語が頻出します。知らない概念が1つあるだけで文章理解に穴ができるため、語彙力は読解力・解答力の土台となります。
・読解力:接続詞、対比、因果関係などの論理構造を把握する力です。「具体例の後に筆者の主張」、「逆接の後に重要ポイント」といったパターンを身につければ、初見の文章でも骨組みを素早く理解できます。
・文法力:一文が長く主語が省略された複雑な文章を正確に読み解く力です。「この指示語は何を指すか」、「省略された主語は何か」を分析できれば、記述問題での致命的な減点を防げます。
・解答力:設問の要求に沿って的確に答える力です。選択式では論理的に選択肢を絞り込み、記述式では字数内に必要な要素を過不足なく盛り込む技術が求められます。
語彙力、読解力、文法力、解答力を意識的に鍛えることが、現代文で高得点を取る最短ルートです。
現代文の出題傾向を分析|大学入学共通テスト・二次・私大の違い
大学入学共通テスト、国立二次試験、私立大学入学試験では求められる力が大きく異なります。そのために志望校合格には、試験形式ごとの出題傾向を把握することが重要です。
ここでは各試験の特徴と、大学入学共通テストの2025年度からの変更点を解説します。自分の志望校に最適な学習方法で効率的に得点力を高めましょう。
【大学入学共通テスト】現代文の特徴と2025年度からの重要変更点
大学入学共通テストの現代文は、文章量が多く時間制約が厳しくなります。特に第1問と第2問は配点が高く合否に直結するので要注意です。第3問は2025年に新設された図表やグラフを読み取る実用的な問題が出題されています。
主観を排し本文に忠実な客観的読解と、情報を素早く正確に抽出する力が必要です。
【国立二次】東京大学・京都大学・旧帝大の記述問題はここが違う
東京大学
東京大学の二次試験では、文理を問わず国語(現代文・古文・漢文)が課されます。中でも現代文は全問記述式で、論理的読解力と記述表現力が問われます。第1問は評論文、第4問(文系のみ)は随筆が中心ですが、近年は小説や評論が出題されることもあります。
設問形式は「どういうことか」「なぜか」といったシンプルな形が特徴です。字数指定のない問題は2行(50〜70字)、指定のある問題(第1問で出題)は100〜120字程度で簡潔に答える必要があります。文章自体の難易度は標準的ですが、1つ1つの文を文法的に正確に読み取り、論理構造を把握する力が不可欠です。傍線部を要素分解し、本文から根拠を抽出して論理関係を保ちながら解答を構成する技術が求められます。
東大国語の採点は厳しいと有名で、得点開示では現代文・古文・漢文の総合点しか確認できません。多くの受験生が「手応えより点数が低かった」と感じることもあり、答案の論理性や根拠の正確性が細かく見られていることがわかります。こうした採点の背景からも、過去問演習と添削による記述力向上が合格への鍵となると言えるでしょう。
京都大学
京都大学は、文理を問わず国語(現代文・古文・漢文)が課されますが、漢文の独立問題は出題されていません。
問題では、本文を正確に読み取り、論理的に説明する深い読解力が求められます。全問記述式で、傍線部の表現や文脈から本文の内容を正確に理解し、設問の要求に応じて的確に記述する能力が必須です。字数制限が比較的長めに設定されており、論理的に文章を構成する力が試されます。
随筆や評論が中心に出題され、文系の「二」では旧仮名遣いによる古い文章も頻出です。明治時代以降に書かれた文章は古文ではなく現代文として扱われるため、近代の文章の正確な理解と語彙力、そして論理構成力が評価されるのが特徴と言えます。
その他旧帝大
旧帝大は大学によって出題傾向が大きく異なります。志望校別に対策を立てることをお勧めします。すべての大学で記述式の問題が出題されるため、記述対策は必須です。
北海道大学は読解の正確性と要約力を問い、東北大学は長めの記述で深い分析力が求められます。名古屋大学は記述力と表現力を重視した総合的な読解力が求められ、大阪大学は文系で国語を課し記述量が多い傾向です。九州大学は本文の論理展開を丁寧に追う力が必須です。
各大学とも知識だけでは解答できず、文章構造の分析、筆者の主張の理解、自分の言葉での説明能力が試されます。
国公立の二次試験では記述問題が多く出題されます。記述問題では採点基準を意識した減点されない答案の書き方が重要です。もちろん、どのような答案が満点になるかは採点者にしかわからず、記述式で満点を取ることは至難の業です。狙うべきは満点ではなく、論理性と根拠の明確さにより、安定して高得点を確保することと言えます。
【私立大学】早慶上理・GMARCH・関関同立・日東駒専の傾向と対策
早慶上理
私立大学最難関の早慶上理では、抽象度が高く難解なテーマの評論文の出題傾向が高いのが特徴です。
早稲田大学は出題文の抽象度・論理関係の難しさが日本トップクラスで、前提知識の有無が得点を大きく左右します。課題文のボリュームが大きいため速読力も必要です。
上智大学はTEAP利用型ですべてマーク式のため難易度はやや低めですが、60分という短い試験時間で長文を処理する読解スピードが求められます。
慶應義塾大学は国語の代わりに多くの学部で小論文が課され、300〜400字程度で答える必要があります。そのため、小論文といっても意見論述より要約が重視される学部が多く、現代文で培われる要約力・記述力が求められます。
東京理科大学では、国語が課されるのは経営学部のみです。経営学部の現代文は文章量が多く、やや難しいレベルの内容・設問に対応する速読力が重要です。
対策として、高1から継続的に学習し、週2題以上の演習で文章全体を100字程度で要約するトレーニングを行い、論理的読解と典型設問に対する解法のパターン化を進めることが有効です。
GMARCH
GMARCHは大学ごとに難易度が大きく異なります。
明治大学がGMARCHの中では最難関で記述問題を含み早稲田大学に類似した形式です。
法政大学は本文全体の論旨把握を問うオーソドックスな読解問題が中心で、時間制約が厳しいのが特徴です。
一方、青山学院大学は抽象度が高く専門的な文章が出題されるため、十分な読解力と語彙力が求められます。
中央大学は法学部・共通選抜ともに大問数が多く、評論中心の文章で社会・思想・文化といった幅広いテーマが出題されるため、内容理解のプロセスが特に重視されます。自分なりの答えを考えてから、それに近い解答を選ぶ力が必要です。
対策のポイントは、論理の型(二項対立、問題提起と答え)を意識した読み方・解法のパターン化、本文から解答根拠を明確にするトレーニングを行うことです。
関関同立
関関同立の現代文は、評論文の難易度は大学間で大差ありませんが、設問形式に特徴があります。
関西大学は近年難易度が下がっているものの50字程度の記述問題を含みます。一方で、全学部日程はオールマーク方式で記述問題は課されず、傍線部がない独特の形式のため、受験方式によって求められる対策が大きく異なります。
関西学院大学は選択肢問題が中心で、文章量が多めの評論を読み切る速読力と、選択肢の正誤判断の精度が問われます。基本的には標準レベルですが、語彙力と本文の論理構造の把握が得点に直結します。
同志社大学は、出題自体はオーソドックスで標準的な難易度ですが、記述問題の配点が高く、合格には7〜8割の得点が求められるため、実質的に難度が高いと感じる人も多いでしょう。
立命館大学 は評論・小説とも標準的な難度で、設問形式もごく一般的です。ただし、本文量が多いため、文章の展開を丁寧に追いながら読み進める持久力が必要です。学部によっては資料的文章や語句説明も出題され、幅広い対応力が求められます。
関西大学や同志社大学など記述問題が課される大学の対策では、設問からヒントを探索し、本文から15〜20字程度の要素を2〜3個抽出してまとめる練習が有効です。文字数は最低9割を埋め、指定された条件は必ず盛り込むようにしましょう。字数を調整する場合は、言い回しの変更や修飾語の削除で微調整します。
日東駒専
日東駒専は、本文の難易度は高くありませんが、判断に迷う選択肢が出る特徴があります。本文から答えを予測して解答しましょう。論理的に内容を理解する力が求められます。
日本大学は古文を含めて大問3題を60分で解答します。設問は傍線部読解、空欄補充、漢字、語彙問題など標準的な形式です。選択肢が本文の言葉をそのまま使わず言い換え表現が多いため、本文内容の正確な理解が不可欠です。制限時間がやや短いため、時間配分の練習が必要になります。
東洋大学はオールマーク方式で、60分で解く標準的な出題形式です。現代文は評論中心で、空所補充と脱文挿入問題の頻出で、前後の文脈から抽象具体関係や対比関係を読み取る力が求められます。内容不一致問題では段落ごとの要約が有効で、論理展開を正確に追う読解力が得点に直結します。漢字は基本レベルですが、接続詞の補充問題には注意が必要です。
駒澤大学は統一日程がオールマーク方式です。T方式・S方式では記述問題が含まれるため、受験方式によっては記述対策が必要です。現代文は評論中心で空所補充問題、内容説明問題、内容一致問題、脱文挿入が出題されています。記述問題ではキーワードや共通語を的確に捉える力が必要で、マーク対策だけでは不十分です。60分で漢字、現代文、古文の3問を解くため、速読力と正確な読解の両立が求められます。
専修大学は試験時間60分でオールマーク方式です。現代文と古文の大問2問が出題されます(ただし、ネットワーク情報学科は現代文のみ)。現代文は約10問、古文は約8問の構成です。現代文は内容理解を中心に、漢字、言葉の意味、ことわざなどの国語常識問題も含まれます。文章全体の論理と構成を把握する力が求められる他、基本単語・文法の理解、そして国語便覧などで養う国語常識の知識が重要になります。
私立大学に共通の学習ポイント
私立大学の現代文で重要なのは、言葉の正確な理解、精読と抽象化の視点の切り替え、二項対立などの論理構成の把握、そして思考の流れを説明する力です。難関大学志望者はキーワードや背景知識が必須となります。現代文は一朝一夕では習得できないため、早期からの継続的学習が不可欠です。
レベル別現代文攻略ポイント|難関大と中堅大で求められる力の違い
・難関大学(偏差値65以上)
抽象度の高い文章を短時間で処理する高度な読解力と表現力が必要です。難関国公立大学では記述・論述対策が中心となります。
・準難関大学(偏差値55〜64)
基礎的読解力と正確な解答力のバランスが求められます。
・中堅大学(偏差値50〜54)
語彙力と文法力の土台固めで十分対応可能です。記述問題がほとんど出ない大学が志望校の場合、記述対策は不要です。
自分の志望校レベルに合わせた「やるべきこと」の見極めが重要です。難関大志望でも、まずは基礎固めから始めましょう。段階的なレベルアップが合格への最速の道です。
試験形式別・現代文攻略の実践テクニック
現代文で高得点を取るには、試験形式ごとの実践的な対策が不可欠です。大学入学共通テストと記述問題では求められる解答技術が異なります。ここでは大学入学共通テストで9割を突破するための戦略と、記述問題で確実に得点する秘訣を公開します。
【大学入学共通テスト対策】9割突破のための3つの戦略
戦略1:幅広い基礎知識を効率よくカバーする
「現代文キーワード読解」などのキーワード集で、頻出テーマ(言語・科学・文化・芸術・思想)のキーワードを体系的に押さえましょう。語彙力は本文理解だけでなく選択肢の絞り込みにも役立ちます。1日10分を3ヶ月程度続けるだけでも語彙力が養われます。
戦略2:時間配分の工夫
試験時間90分の推奨配分のイメージは、第1問(評論)25分、第2問(小説)20分、第3問(資料読み取り)10分、第4問(古文)20分、第5問(漢文)15分です。ただし個人差があるため、過去問で自分に合った時間配分を見つけることが必須です。
見直し時間については、内容の再読よりも形式面の確認に絞るのが得策です。問題文の一部だけを読み直したり、文脈から切り離して選択肢だけを見直したりすると、却って誤答につながるリスクがあります。そのため、最後の見直し時間はマークのずれや塗り忘れがないかといった形式面を2〜3分程度確保して確認しましょう。
得意分野から解く戦略も有効ですが、解く順番を入れ替えるとページめくりの回数が増え、マーク位置がずれやすくなる点には注意が必要です。メリット・デメリットを理解した上で、自分にとってベストな解答順を決めておきましょう。
戦略3:ケアレスミスを防ぐ
長い選択肢の文章は適切に区切り、各要素が問題文の求める内容に合致しているか確認します。問いを丁寧に解釈することが重要で、傍線部の言い換えなのか理由なのかを見極めましょう。答えの根拠に必ず印をつける習慣をつけ、二択で迷ったら「より本文に忠実な方」を選びます。
【二次・私大対策】記述問題で確実に得点する秘訣
秘訣1:記述・論述対策の進め方
いきなり書き始めず、事前に解答の構成を考える習慣をつけましょう。問題用紙に箇条書きでメモし、一文で書き切ることを目指します。主語は1つ、述語は2つまでに抑え、具体例や比喩表現は指定がない限り入れないようにしましょう。本文と抽象度のレベルを揃え、限られた字数内になるべく具体的な情報を盛り込みます。
秘訣2:過去問分析の重要性と活用法
志望大学の過去問は、大学から受験生へのメッセージです。知識、情報処理、思考力のバランスや難易度を分析し、頻出テーマをリスト化します。模範解答の「型」を分析する際は、過去問集だけでなく各予備校の解答も比較しましょう。最低3年分、理想は5年分以上の分析が効果的です。
秘訣3:大学ごとの傾向に合わせた対策
東京大学は論理構造の整理と端的な表現の訓練、京都大学は行間を推測して自分の言葉で解答を書く訓練が必要です。早稲田大学は抽象度の高い文章への慣れと語彙力強化が鍵となります。採点基準を意識し、「採点者に本文理解度をアピールする」という視点で答案を作成しましょう。
現代文勉強法の3ステップ|偏差値を10上げるプロセス
偏差値を確実に上げるには、基礎固め→演習→得点力強化の3ステップが合格への最短ルートです。各ステップどれを飛ばしても壁にぶつかってしまいます。ここでは各ステップの具体的な勉強法と効果的な教材の使い方を解説します。
ステップ① 基礎固め|語彙力と読解の「型」をつける
教科書・参考書の使い方
現代文が苦手な人は「田村のやさしく語る現代文」(日本入試センター)のような講義形式の参考書から始めましょう。読み方を教えてくれる参考書で型を学び、教科書の文章に戻って丁寧に読み込むことで読解力が養われます。
参考書は「解説の詳しさ」で選び、1冊を3周する方が、3冊を1周ずつしか行わないより効果的です。参考書の難易度は7割くらい解けるレベルのものを選ぶのが最適です。
重要事項の整理・暗記法
現代文学習の基礎は漢字と語彙力の習得です。語彙力は単語集の「現代文キーワード読解」(Z会編集部)などでテーマ別に覚え、演習問題で言葉の使い方を学びます。
また近年は、カタカナ語の評論用語(コンテクスト・イデオロギー・アナロジー・パラダイムなど)も頻出で、現代文の得点に直結します。漢字・語彙と同様、日常的に目にするカタカナ語は正確な意味の理解が不可欠です。
漢字は1つ1つの意味や訓読みを意識し、よく間違える熟語はリスト化して定期的に復習しましょう。
単語の意味を自分の言葉で説明できるようになることを目指し、対義語・類義語をセットで覚えると定着率が高まります。少しずつ長期的に学習することで現代文の基礎が養われます。
ステップ② 演習で差をつける|問題集の戦略的活用法
問題集・過去問の使い分け
ステップ①で語彙力や読解力をつけた後、「入試現代文へのアクセス基本編」(河合出版)のような問題演習型の参考書で実践力を養います。過去問は実力が合格点に達する前後から取り組むのが理想で、基礎→標準→応用と段階的にレベルアップさせていきます。大学入学共通テストへの対策と記述試験対策を並行し、週1〜2題のペースでコンスタントに取り組みましょう。
間違い直し・復習サイクルの作り方
「解きっぱなし」は絶対に避けるべきです。復習では自分の読み方が正しかったかを確かめることが最も重要で、答えの根拠とした箇所に印をつける習慣をつけます。解説をしっかり読んで自分の読解プロセスを振り返りましょう。
誤答ノートを作成してよく間違えるパターンを分析し、翌日に解き直しをします。復習には解答時間の2倍くらいかけるのが良いとされます。
特に高2までの段階であれば、問題文の音読を取り入れるのも有効です。音読することで文のつながりやリズムがつかみやすくなり、文章構造の理解が深まります。
ステップ③ 得点力を磨く|記述・論述で差をつける技術
記述問題・論述問題への対応
いきなり書き始めず、まず解答の構成を考えることが基本です。一文で書き切ることを意識し、主語は1つ、述語は2つまでと制限するとわかりやすい文章になります。本文の流れを踏まえて内容をまとめ、限られた文字数の中で必要な要素を整理していく姿勢が大切です。具体例や比喩表現は避け、抽象的に表現しましょう。
採点基準を意識した答案作成
現代文の記述は、採点者に本文の理解度をアピールする視点が大切です。設問の意図に合わせて文末表現を調整し、「なぜか」と問われたら「〜だから」、「どういうことか」と問われたら「〜ということ」と、文末表現を設問に合わせるのが鉄則です。
採点基準には「加点方式」(要素を多く盛り込む)と「減点方式」(間違いを書かない)の2種類があります。多くの大学は採点方式を公開していないため、実際には過去問と解答例の特徴から推測する必要があります。要素を多く盛り込むほど模範解答に近づく場合は加点方式寄り、逆に簡潔だが論理的に破綻がない答案が高評価になりやすい場合は減点方式寄りと判断できます。志望校の採点方式傾向を踏まえ、模範解答の文字量・構成・抽象度を丁寧に観察して、答案を作成しましょう。
【学年別】最短で偏差値を上げる現代文学習ロードマップ
学年ごとに最適な学習内容と目標設定が偏差値アップには重要です。高1から高3では求められる学習の質と量が大きく異なるため、学年に応じた計画的な取り組みが必要となります。ここでは学年別の具体的な学習計画と、各時期に達成すべき目標を示します。自分の学年に合わせた学習スケジュールを立てる参考にしてください。
【高1〜高2前半】基礎固め期|学習の基礎を作る1年半
この時期は高校レベルの語彙・知識に慣れることと、現代文の勉強法を確立することが目標です。定期試験対策で教科書を丁寧に読み込み、不明な言葉を調べるなど基本的な勉強法を身につけます。定期テストで90点以上(模試での偏差値は55程度)のレベルを目指しましょう。
学習習慣をつける工夫として、週1回30分は学校の授業や定期テストとは別に、現代文の学習時間を確保し、天声人語など新聞コラムを週3回音読します。音読は、聞き手がいない場合でも、文の切れ目や意味の区切りを意識しながら丁寧に読み上げることが重要です。適切に区切って読む習慣は、文章構造の理解を深めるだけでなく、総合型選抜などでプレゼンテーションやディスカッションが課される受験生にとっても、表現力の基礎を養う有効なトレーニングになります。知らない言葉は即調べて語彙ノートに記録しましょう。
【高2後半〜高3春】応用力養成期|偏差値60の壁を突破する
本格的に語彙力、背景知識、読解技術の向上に努める時期です。週に1題の初見の文章の演習を開始し、筆者の主張と具体例の違い、比喩や対比、因果関係などの読解技術をつけます。
間違えた問題は「なぜ間違えたか」を5段階(語彙不足・読解ミス・時間不足・ケアレスミス・解答技術不足)で分析し、弱点が特定できたらその分野を集中的に演習します。
大学入学共通テスト対策の演習を積み、図表読解・複数資料問題に早めに慣れましょう。制限時間を付けた演習で「解くスピード」を体に染み込ませます。この時期に70点取れれば、本番では85点以上が射程圏に入ります。模試は判定を重視するのではなく時間配分の練習に活用します。
【高3夏〜受験直前】入試直前期|過去問で合格点を確実にする
直前期は志望大学の過去問を中心に学習します。週1〜2題を一定ペースで演習し、合格点に達するのもこの時期です。夏休みから10月ごろにかけて、志望校の過去問を集中的に解きましょう。大学によっては当該年度の赤本だけでは不足していたり、著作権の関係で本文が省略されている年度もあるため、予備校や高校の資料室にある赤本を活用したり、中古の赤本を探したりする工夫が必要です。同じ大学でも学部や方式の違う問題に共通の傾向が見られることも多いため、類題として演習に取り入れるのも有効でしょう。
概ね合格最低点の105〜110%程度を安定して取れるまで繰り返し、可能な範囲で10年分を解くと志望大学のパターンが見えてきます。過去問ノートに頻出テーマ、頻出設問形式を整理し、12月以降は新しい問題より解いた過去問の復習を優先します。
扱われている文章やテーマの中で興味を持った内容があれば、できる範囲で背景知識を調べておくと理解が深まり、同系統の文章への対応力も上がります。
模試や試験の結果に一喜一憂せず、大問ごとや設問ごとの得点傾向を細かく分析します。模試は判定より時間配分や間違えやすいパターンを分析し、本番を想定して行動しましょう。模試の復習は解いた時の記憶が鮮明な当日中に完了させることが重要です。
現代文の偏差値が伸びない人の3つの落とし穴と対策法
偏差値が伸び悩む受験生には共通する3つの失敗パターンがあります。丸暗記・解きっぱなし・誤った方向に努力を注いでいるからです。ここでは典型的な失敗パターンと対策法を示します。
失敗パターン① 感覚的に解いてしまう
現代文は一見「感覚で解ける」と誤解されがちですが、文章には必ず論理が存在します。感覚に頼って解いていると、「なぜその選択肢が正しいのか」という根拠が曖昧なままになり、問題が難しくなるほどミスが増えてしまいます。語彙理解や本文の論理を手がかりにして、指示語の指す内容や接続語の働きなどを丁寧に追うことが重要です。背景知識は文章を読むための武器であって目的ではありません。なお、下位校では知識問題の比率が高く、半分以上を占めるケースもあります。中上位校では、知識3割・読解技術7割のバランスが理想です。
失敗パターン② 解いたら解きっぱなしで復習ゼロの悪習慣
問題を解いた後、解説を読むだけで終わると、文章読解でもっとも大切な部分(要旨や論理構造の考察、思考プロセス)が抜け落ちます。解きっぱなしは、誤った読み方を定着させる危険があります。
復習では、自分の解答の根拠を本文中に探し、なぜ間違えたのかを徹底的に分析する習慣をつけましょう。正解・不正解より、「なぜその答えになるか」の根拠が重要です。誤答パターンをノートに記録すると、同じミスを減らせます。解答のプロセスを人に説明できるレベルを目標にしましょう。
失敗パターン③ 「この参考書で全大学対応」という幻想
現代文の入試問題は大学によって出題形式や難易度、求められる力が大きく異なります。志望大学の過去問は貴重な情報源で、大学が受験生に何を問い、どういう資質を判断したいのかというメッセージを読み取れます。
東京大学・京都大学・早稲田大学で求められる力は大きく異なります。志望校の過去問を見ずに勉強するのは、目的地を定めずに進むようなものです。偏差値60を超えたら、志望校対策にシフトしましょう。
一方、偏差値60以下の段階では、まず基礎的な読解力を固めることが優先です。語彙力の強化、文章構造の把握、論理展開の理解といった基礎力を磨きましょう。この段階で過去問に手を出すのは時期尚早です。基礎力が十分についてから志望校対策に移行することで、効率的な学習が可能になります。
現代文おすすめ参考書・問題集
現代文の参考書選びでは、自分のレベルと目的に合わせた選定が重要です。学習段階は、漢字・語彙の習得、読解解法の理解、演習という流れが効果的です。
基礎固めには、「漢字・語彙が1冊でしっかり身につく本」(かんき出版)で漢字の書き取りと語彙を体系的に学習しましょう。「読解を深める現代文単語」(桐原書店)や「現代文キーワード読解」(Z会編集部)は頻出テーマ別の単語を学べ、難関大学を目指す受験生におすすめです。
読解解法の習得には、「高校現代文をひとつひとつわかりやすく。」(学研プラス)が基礎力を養うのにおすすめで、抽象・具体、因果関係などの基礎をつけられます。難関ランク以上を目指すなら「安達雄大のゼロから始める現代文」(KADOKAWA)が、抜け落ちがちな考え方にも重点が置かれておりおすすめです。「田村のやさしく語る現代文」(日本入試センター)は助詞・接続詞の使い方から論理的な読み方まで段階的に学習できます。
演習用には、「現代文 基礎問題精講」(旺文社)は図解がわかりやすく、選択・記述問題の両方に対応しています。「新・現代文レベル別問題集シリーズ」(ナガセ)は細かくレベル分けされており、自分のレベルに合った演習が可能です。論述対策には「得点奪取 現代文 四訂版 記述・論述対策」(河合出版)が、実例答案・採点基準付きで自己採点しやすい構成になっています。
まとめ
現代文は「センスの科目」ではなく、正しい勉強法を実践すれば論理的に得点を伸ばせる科目です。この記事で解説した語彙力・読解力・文法力・解答力という4つの力をバランスよく鍛えることが、志望校合格への最短ルートとなります。
多くの受験生が「何を勉強すればいいかわからない」と悩む現代文ですが、基礎固め→演習→得点力強化という3ステップを着実に進めることで、確実に成績は向上します。特に重要なのは、自分の志望校の出題傾向を正確に把握し、大学入学共通テスト・国公立二次試験・私立大学入試それぞれに適した入試対策を行うことです。
学年別の計画に沿った学習を進め、解きっぱなしにしない復習習慣を徹底することで、偏差値を向上させることができます。丸暗記に頼らず、論理構造を理解する読解力を養い、志望校の過去問分析など適した学習方法を進めていきましょう。
現代文の勉強に行き詰まり一人で悩んでいる方は、ぜひトライのサポートを受けてください。経験豊富な講師陣が、現在の学力と志望校に合わせた最適な学習プランを提案します。一人ひとりの弱点に特化した丁寧な指導で、現代文を得点源に変えていけるよう導きます。
正しい方法で、正しい努力を積み重ねれば、現代文は必ず伸びる科目です。この記事で紹介した勉強法を実践し、志望校合格への道を着実に歩んでいきましょう。
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