高校数学は「センスがないから苦手」「何がわからないのかがわからない」と感じる人が多い科目です。しかし、数学は正しい勉強法を習得すれば誰でも得意科目にできます。
本記事では、数学の基礎固めから応用・入試対策までの具体的な勉強法を、レベル別にわかりやすく解説しています。効率的な復習方法やノート整理のコツ、おすすめの参考書や勉強で陥りがちな失敗とその対策も紹介しています。さらに、共通テストと一般入試での勉強法の違いや、自分に合った勉強スタイルを確立するポイントもまとめました。
数学は、一人ひとりに合わせた対策を講じれば、得点力が高まっていく科目です。ぜひ最後まで読み、勉強の参考にしてください。
大学受験における数学の勉強法
大学受験において、数学は文系・理系を問わず重要な科目です。「数学が苦手で点が伸びない」「どこから勉強すればいいかわからない」という受験生も多いですが、正しいステップを踏めば、得点を伸ばし偏差値を40から60へ引き上げることは十分可能です。
大学受験で数学が重要な理由
数学はほとんどの受験方式に含まれる科目であり、特に私立文系でも経済学部や社会学部、商学部などでは数学が選択可能である傾向があります。数学ができることで受験可能な大学・学部の選択肢がグッと広がります。社会と数学のどちらかを選択する大学もありますが、科目特性として、数学は得点が安定しやすいため、数学が武器にできると他の受験生と差をつけることもできます。
さらに、私立理系の「4科目型の統一入試」や「4科目程度を必須とする共通テスト利用方式」では、数学を武器にできると受験できる方式そのものが増えるという大きなメリットもあります。化学・物理や英語が得意でなくても、数学で得点を稼ぐことで総合得点を底上げすることができ、合格の可能性が広がります。
また、高校理科(物理・化学)や、大学進学後の経済学、統計学といった科目を深く理解するためにも、数学の知識が欠かせません。特に 統計学は、経済・経営・社会学・心理学・情報系・教育学など、ほぼすべての学部で扱われる必須の学問であり、数学の理解が不可欠です。「微分・積分」「ベクトル」「三角関数」「数列」「データの分析」「確率・統計」などをしっかり理解すると、他教科の成績アップにもつながります。
数学の勉強では、「論理的に考え、筋道を立てて説明する力」も習得できます。この力は大学受験だけでなく、大学進学後のレポート・論文作成や社会人になってからのコミュニケーション能力や問題解決能力にも役立つ重要な力です。
数学が苦手な受験生が多い背景
数学が苦手だと感じる受験生が多いのは、数学が「積み重ね型の教科」であることが大きな理由です。中学校や高校1年で学んだ内容を理解できていないと、その上にある応用分野を理解できなくなります。加えて、「高校の授業進度が速すぎてついていけない……」と感じながら基礎の復習や理解が不十分なまま先に進み、混乱している状態の受験生も多いです。
また実際には、せっかく正しく立式できても、四則演算や因数分解といった手際の良い計算処理が最後まで正確に行えないケースや、中学レベルの図形・幾何の理解が不十分なために、ベクトルや図形と方程式など高校数学の内容を活用できないケースも見られます。上位校を志望する受験生でも、基礎計算や図形感覚に課題を抱えていることは珍しくありません。そのため、状況によっては中学数学や、必要に応じて小学校算数の範囲まで遡って復習することが、結果的に最短で成績を伸ばす近道になることもあります。
更に、「数学にはセンスが必要だ」と考えている人も多いようです。しかし、実際にはセンスよりも、「基礎の理解と問題演習の反復」で発想力や思考力を養うことが求められます。「センスが無いから数学はダメ」と考えるのではなく、「基礎をしっかりと固めていけば難しい問題も解ける!」という考えを大切にしていきましょう。
入試科目の数学で求められる力
大学受験で問われる数学の力は、主に次の4つに分けられます。
①公式理解力
②正確な計算力
③深い思考力
④知識活用力
①公式理解力
公式や定理を「暗記して終わり」ではなく、なぜそうなるのかを理解し、自分で説明できる力です。どんな問題も基本となる公式の組み合わせで解けるように作られているため、まずは公式理解力を高めることが土台づくりの第一歩となります。
②正確な計算力
速く正確に計算する力に加え、式変形の工夫や途中式を整理する力も求められます。時間制限のある入試では、計算スピードと正確さが得点を左右します。
③深い思考力
与えられた条件を整理し、問題の本質を見抜いて論理的にアプローチする力です。答えを出すだけでなく、「どのように考えたのか?」といった思考プロセスが重要です。
④知識活用力
公式理解力・思考力を総合的に活用し、初見の問題にも柔軟に対応する力です。特に難関大では、複数分野を組み合わせた応用問題が頻出するため、知識を適切に引き出して使えるかどうかが合否を分けます。過去問演習を通じて実践的な応用力を磨きましょう。
大学受験における数学の出題傾向やパターン
大学受験の数学は、大学によって出題形式や出題傾向が大きく異なります。共通テストでは幅広い内容がバランスよく問われるのに対し、国公立二次試験や私立大学では、より思考力や応用力を重視した出題が多く見られます。それぞれの出題形式や特徴を理解して対策を立てましょう。
共通テストでの出題形式と特徴
共通テストの数学は、「必答問題」と「選択問題」 で構成されています。例えば「数学ⅠA」は、大問4問で構成されており、すべて必答問題です。70分という限られた時間の中で複数の問題を処理する必要があり、時間配分とスピードが重要です。
共通テストの特徴は、幅広い分野からバランスよく出題される点にあります。「数学ⅡBC」では、図形と方程式、指数関数・対数関数、三角関数、微分・積分、数列、統計的な推測、ベクトル、平面上の曲線と複素数平面、と全範囲の基礎的な内容が出題されます。単純な計算問題だけではなく、問題文から情報を読み取り、条件を整理して問題解決する力が求められます。
国公立二次試験での出題傾向
国公立大学の二次試験では、複数分野の融合問題や応用問題の割合が高くなります。「微積×ベクトル」「数列×確率」などの融合問題は、公式・定理や解法パターンの暗記では太刀打ちできず、公式・定理の根本原理をしっかりと理解し、組み合わせて対応する必要があります。
また、大学によっては計算量の多い問題が出題される場合があるため、時間内に正確に処理する計算力も重要です。
記述問題では、多くの場合途中式の書き方や答案の構成力も評価対象となるため、解法を「人に説明する練習」を普段からしておくと良いでしょう。
私立大学での出題傾向
私立大学の数学は、大学ごとに出題傾向がはっきり分かれます。全問マーク式の大学もあれば、途中過程の説明を求めず答えのみを記述する形式の大学、さらに本格的な全問記述型で思考力を問う大学もあります。
出題内容は基礎から発展まで幅広く、特に中堅〜難関大では応用問題の比率が高くなります。同じ偏差値帯の大学でも、「図形分野を重視する大学」「確率・整数問題の頻出大学」など傾向が異なるため、志望校の過去問分析には必ず取り組みましょう。過去問分析から出題形式・頻出分野・問題の難易度を把握し、効率よく勉強を進めるようにしましょう。
数学の試験別勉強法
この章では、共通テストと一般入試(二次試験・私大入試)別の対策について解説します。
共通テスト対策
共通テストで得点を伸ばすポイントは、教科書の内容を徹底的に理解し、基礎力を磨くことです。公式や定理を「覚える」だけでなく、「使える」ようにすることを目標にしましょう。
①教科書の内容を徹底的に理解する
共通テストは教科書の範囲から出題されるため、まずは教科書の例題・章末問題を完璧に解けるようにします。教科書を軽視せず、1冊をやり込む姿勢が大切です。
②基礎力・計算力を鍛える
教科書を中心にして身につけた基礎知識を活用して、基本問題集に出てくる典型的な問題を繰り返し解きます。計算の正確さとスピードを意識し、途中式を丁寧に書く練習もしましょう。解答を確認する際には、「どこを間違えたのか?」「どの部分の理解が不足しているのか?」を確認し、次の機会に解けるようにします。
③過去問・模試で時間感覚をつかむ
共通テストは制限時間(70分)が厳しいため、時間感覚をつかむ練習が欠かせません。大問が4つある数学ⅠAを例に時間配分を考えると、単純に70÷4で大問一つに約17分ほどです。見直しの時間を10分とすると、大問一つにかける時間は概算で約15分です。
そして、あなたに合った時間配分の戦略が大切です。例えば、「数と式は得意分野だから時間を短縮できる」「図形の性質は苦手分野だから時間をかけよう」「得意な分野を最初に解こう」といった戦略です。過去問や模試を繰り返し解くと、あなたに合った時間配分が見つかってきます。
一般入試(二次・私大)対策
一般入試で得点アップを狙うには、思考力・応用力・記述力の3つがポイントになります。基礎の徹底から応用演習まで、段階的にレベルを上げていく勉強を意識しましょう。
①基礎固めを徹底する
どの大学でも、入試問題は基礎の組み合わせで解けるように作られています。焦ってレベルに合わない問題集に取り組むよりも、まずは教科書と基本問題集で基礎を完璧にしましょう。
②記述問題に対応する
国公立二次や上位私大では、途中式や論理展開を評価する「記述式問題」が出題される場合があります。「なぜその式を使うのか?」「どのように答えを導いたか?」を説明できるよう意識して書く練習を行いましょう。共通テスト対策の段階から、解法を説明する習慣をつけておくと良いです。
③応用問題に挑戦し、思考力・応用力を鍛える
基礎固めが進んだら、標準問題集や入試レベルの問題集を活用し、思考力・応用力のアップを図ります。最初は解けない問題がたくさんあるかもしれません。
解法がすぐに思いつかなくても、最低でも5〜10分ほどは自力で考える時間を取ることをおすすめします。短時間でも「自分の頭で方針を探る」経験を積むことが、後の得点力につながります。その上でどうしても手が止まる場合は、解答・解説を参照し、基礎固めで身につけた知識が問題でどのように使われるかを考えたり、確認したりすることです。一つひとつの問題に丁寧に向き合うことで、思考力・応用力は確実にアップしていきます。
④出題傾向・出題形式を確認する
志望校の過去問を解くと、出題傾向や頻出分野、出題形式を把握できます。最初は時間をかけて丁寧に解き、解答を見ながらでも理解を深めることがポイントです。慣れてきたら本番を想定して制限時間を設け、入試の時間感覚を養いましょう。
数学の勉強法の基本ステップ
数学の偏差値を40から60へ引き上げるには、「基礎→問題演習→復習」のステップを着実に踏むことが大切です。このステップを意識すれば、どんなレベルの受験生でも確実に力を伸ばせます。ここでは、得点アップに直結する勉強法の基本ステップについて解説します。
基礎固め:標準問題を解けるようにする
数学が苦手な人ほど「基礎」を軽視してしまいがちです。しかし、得点や偏差値を上げるための最短経路は教科書レベルの基礎を徹底的にマスターすることです。
①公式・定理を覚える
まずは、平方の公式 (a+b)2=a2+2ab+b2 や余弦定理 a2=b2+c2−2bc cosA といった公式・定理を覚えましょう。公式・定理の証明をしておくと理解が深まります。例えば、平方の公式は (a+b)2=(a+b)(a+b)=a2+ab+ba+b2=a2+2ab+b2 と計算で証明することができます。公式・定理の原則を理解しておくと、問題を解く際に「使える知識」として機能します。
②例題(標準問題)を自力で解けるようにする
公式・定理を理解したら、教科書や参考書の例題を自力で解けるようにします。教科書の例題は「公式や定理の意味・使い方」を具体的な問題で示し、理解を深めてくれます。例題で基本的な解法パターンを身につけ、公式や定理を実際の問題に応用する力を養いましょう。教科書や参考書の例題を自力で解ければ、標準問題へとレベルアップできます。
③苦手分野を放置しない
数学は積み重ね型の教科です。これは小学校の算数からも言えます。足し算がわからなければ引き算はわかりません。掛け算がわからないと引き算は理解できません。数学も同様に、ある時点で苦手を作ると次の学習で苦労します。
つまずきや苦手を感じた場合は、以前の内容、場合によっては中学校の内容だけでなく、必要に応じて小学校算数まで戻って復習することも大切です。
演習問題:問題を多く解き、解法パターンを理解する
基礎が身についたら、問題を多く解いて解法パターンを自分のものにする段階です。解法パターンをいくつも理解することで、初見の問題にも対応できるようになります。
①問題を繰り返し解く
標準レベルの問題を繰り返し解き、解法パターンを使えるようにします。ポイントは繰り返し解くことです。最初は解法パターンが全く浮かばなくても、5~10分程度自力で考えた後で、解説や解答を確認しながら、同じ問題を2回、3回と繰り返し解くことで解法パターンを見つけられるようになり、少しずつ自力で解けるようになります。
なお、繰り返す際に「どのくらいの期間を空ければ効果的か」については、このあと紹介する「効率的な復習を意識する」の章で詳しく解説します。やみくもに解き直すのではなく、適切な間隔で復習することが習得の近道です。
また、過去問や模試を繰り返し解くと、出題の傾向と頻出パターンが見えてきます。過去問や模試の問題も1回で終わらせず、繰り返し解きましょう。
特に模試の問題は解きっぱなしになり、得点や偏差値、合否判定に目が向きがちです。模試の問題は入試レベル&近年のトレンドを含んだ問題ばかりですので、1回解くだけではもったいないです。「結果が返却されたらもう一度解く」「次回の模試の直前にもう一度解く」など、問題集と同じように模試の問題も繰り返しを意識しましょう。
②時間配分を意識した演習問題を行う
入試本番は時間との勝負です。最初は問題を解くのに時間がかかるかもしれませんが、最終的には問題を見た瞬間に解法パターンが浮かぶようにしていけると良いでしょう。
また、ストップウォッチを使い、「1問に何分かけるか?」「ベクトルの問題には何分を使うか?」「問題を見切る判断をどこでするか?」を意識した問題演習も重要です。
ミスをした問題は必ず解き直す
成績が伸びる人ほど「間違えた問題」を復習しています。一方で、ミスを放置すると同じところで何度も失点してしまいます。ミスをしっかり分析し、次に活かす習慣をつけましょう。
①間違えやすい問題・苦手分野を分析する
「計算ミス」「公式の使い間違い」「思考の飛躍」「カン違い」など、間違えた原因を具体的に「間違いノート」に書き出します。自分の弱点を明確にすることが、苦手克服の第一歩です。「間違いノート」は入試直前にあなたの苦手を確認しやすい有効なアイテムにもなります。ぜひ基礎固めの段階から作成し、苦手を克服していきましょう。
②自力で解けるようにする
間違えた問題の解法や答えを確認しただけでは自力で解く力は伸びません。必ずもう一度、自力で解き直しましょう。
レベルが高すぎる問題だと感じた場合は、解法を書き写してみましょう。自分の手を使って解法を書いていくと、スラスラ書けるところと、手が止まるところがわかります。手が止まるところは自力で解く力が不足しているところです。
一度で完璧を目指す必要はありません。「翌日」「1週間後」と少し間隔をおいて間違えた問題に再挑戦し、自力で解けるようにしていきましょう。
効率的な復習を意識する
数学の得点・偏差値を伸ばす上で欠かせないのが、復習のタイミングとノートの整理法です。「問題を解いて終わり」では力がつかず、定着する前に忘れてしまいます。数学では、「解いた直後の復習」と「時間を置いた復習」の両方が重要です。
①解いた直後に確認する(即時復習)
問題を解いたら、その場で必ず「なぜこの解法を選んだのか?」「他の方法ではダメなのか?」を確認します。間違えた問題は印をつけ、「符号の処理ミス」「グラフの形を思い出せなかった」「条件を見落とした」など、間違えた原因を具体的にノートに残しておきましょう。
②翌日〜3日後にもう一度解く(短期復習)
1回目のミスを放置すると、数日で忘れてしまいます。そこで、間をあけずにもう一度「解き直し」を行います。2回目でスムーズに解ければOKです。詰まったら、もう一度ノートを見返して理解し直します。
③1週間〜1ヶ月後に再演習(長期復習)
模試や過去問演習の時期に、「以前ミスした問題の部分」だけを抜き出して解き直すと効果的です。ミスした問題が解けるようになっていれば、確実にレベルアップしています。
数学のノートは「きれいにまとめる」よりも「復習に使えるように整理する」ことが大切です。
ノートを整理して勉強する
①解答ノートと復習ノート(間違いノート)を分ける
授業や演習問題で使うノート(解答用)はそのまま書き込んでいきます。ただし、復習のためのノート(間違いノート)は別に1冊作るのがおすすめです。間違えた問題を1ページに1問ずつ書くと見やすく、後で振り返りやすくなります。
<間違いノートの記入例>
- 問題のタイトルや出典(問題集や第〇回の模試など)
- 間違えた箇所(どんなミスをしたか)
- 正しい解き方
- 同タイプの問題(応用・発展例)
復習ノート(間違いノート)は、パッと見た時に何を間違えたのかを思い出せるように書くのがポイントです。このように整理しておくことで、直前期の振り返りにも非常に役立ち、短時間で重要ポイントだけを効率よく確認できるようになります。
②色分けで見やすくする
色を使い分けると、間違えた箇所やポイントが一目でわかります。
- 黒:式・計算
- 青:補足説明・途中式
- 赤:ミスや重要ポイント
③「公式・定理」をノートに一覧形式にして整理する
公式・定理を覚えるのにつまずいている人は、単元ごとに重要な公式・定理をノートに一覧形式にしてまとめてみましょう。定期テストや模試の直前、入試本番前の最終確認にも有効です。公式・定理の下に具体例(公式・定理を使った例題)を1つ添えると、使い方を理解しながら整理できます。
自分の考えを筋道立てて表現する力を強化する
数学は答えだけでなく、「自分の考えを筋道立てて表現する力=論理的な表現力」も求められます。国公立大学の二次試験、上位私大の一般試験では、特に重視される力です。数学で培う思考力や論理力は、大学での専門分野や社会での課題解決にも役立つ力ですので、受験勉強に取り組んでいる期間のうちにつけていきましょう。
①「なぜそうなるのか?」を意識して問題を解く
問題を解くとき、つい計算に集中しすぎて「なぜその式を使うのか?」を意識できないことがあります。しかし、思考の流れを説明できないと、記述問題や応用問題に対応できません。
「なぜこの定理を使うのか?」「この式の意味は何か?」「別の方法で解くとどうなるか?」といった理由を言語化しながら解くと、論理的思考力・表現力が鍛えられていきます。実際、トップ層の受験生は「声に出して説明しながら解く習慣」を持っていることが多くあります。
また、最上位レベルの大学の入試問題では、小問の誘導に従うと逆に時間がかかる、いわゆるミスリード型の問題が出題されることもあります。そのため、こうした大学を志望する場合には、下記のような練習が効果的です。
- 小問の誘導に頼らず自力で別解を考えてみる
- 小問なしの状態でも最終結果に到達できるか試す
複数の解法を比較しながら取り組む習慣は、論理力の強化だけでなく、本番での柔軟な発想にもつながります。
②記述練習で「読み手に伝わる答案」を意識する
記述問題では、「自分は理解しているのに点数が伸びない」というケースがよくあります。
これは、読み手に論理が伝わっていないことが原因です。採点者が読んでもわかるように、「前提 (条件)→ 式の導出 → 結論」の流れを明確にしましょう。以下のように式と答えをただ書くのではなく「理由や因果を含めて書く」のがポイントです。
悪い例:「よって、=2」→どうしてそうなったのかが不明
良い例:「二次方程式 2−4+4=0を解くと、重解として =2 を得る」
数学のおすすめ参考書・問題集
数学の得点・偏差値を大きく伸ばすために、自分のレベルと目的に合った参考書・問題集を選びましょう。「とりあえず難しい問題集を解こう!」と意気込んだものの、結果として挫折してしまう受験生は多くいます。ここでは、段階別におすすめの参考書・問題集を紹介します。
入門・基礎固めにおすすめの参考書・問題集
・教科書ガイド
数学の授業についていくのが難しい人は、教科書の内容を解説している教科書ガイドから基礎を固めましょう。
・数学 入門問題精講 改訂版シリーズ(旺文社)
数学が苦手な人の「最初の一冊」としておすすめ。教科書レベルの基礎知識を丁寧に解説しており、例題も基本的なものが中心です。
・数学 基礎問題精講 改訂版シリーズ(旺文社)
入門問題を終えたら基礎問題へと進みましょう。基礎~標準レベルの問題が中心で、大学受験に必要な基礎力をバランスよく鍛えられます。
標準〜入試対応レベルにおすすめの参考書・問題集
・チャート式 基礎からの数学(青チャート)(数研出版)
受験数学の定番で最も馴染みのある青チャートシリーズです。網羅性が高く、教科書の内容から入試標準問題までを幅広くカバーしています。
I+A、II+B、III+C の3冊構成が一般的で、文系向けに「数学Ⅲを含まない I・A/II・B/C」などの仕様も流通しています。
・フォーカスゴールド(啓林館)
問題数がとても多いのが特徴で、市販版4冊に収録されている全問題数(例題+類題)を合計すると、約1,000題以上の問題が収録されています。教科書レベルから東大・早慶レベルの難問まで幅広いレベルの問題を体系的に学べます。
市販版は 「I+A」「II」「B+C」「III」 の 4冊構成 が一般的です。更に学校採用専用版として、「II+B+C(ベクトル)」「III+C(複素数平面・式と曲線)」の構成書も存在します。
・標準問題精講(旺文社)
中堅〜難関大学の入試問題に対応できる実戦的な一冊。問題のレベルはやや高めですが、入試本番に近い思考力・論理力が鍛えられる構成になっています。
数学のレベル別勉強法
高1から高3までの3年間を「基礎固め期」「応用力養成期」「直前期」に分け、それぞれの時期で強化すべき内容を見ていきましょう。
基礎固め期(高1〜高2前半)
基礎固め期の目標は、教科書レベルの内容を完璧に理解することです。数学が苦手な受験生の多くは、基礎の理解があいまいなまま先へ進んでしまいます。まずは、教科書・学校の授業を最大限に活用して、基礎固めをしましょう。
①教科書の例題を自力で解けるようにする
例題の解説を「読んで理解する」だけでなく、自分の手で解けるかどうかを確認しましょう。1問に時間をかけても良いので、解答の流れを説明できるまで繰り返し解くことが大切です。
②授業での理解を大切にする
授業のスピードについていけず、「わからない」を放置すると苦手が積み重なります。その日の授業内容は、その日のうちに10分でも良いので復習する習慣からつけるようにしましょう。
③解けなかった問題をノートにまとめ、同じミスを繰り返さない工夫をする
「なぜ間違えたのか?」「どんな考え方をすればよかったのか?」をノートに記録しましょう。自分専用の「復習ノート(間違いノート)」が、後の受験勉強で大きな武器になります。
応用力養成期(高2後半〜高3春)
応用力養成期は、入試を意識した実戦的な問題に取り組む段階です。「基礎を理解した上で、どのように公式・定理を使うか?」「どの解法パターンがよいか?」を考えながら問題を解き、入試標準レベルの問題に対応できるように応用力を鍛えていきます。
①基礎問題精講やチャートで標準問題をマスターする
この時期は、基本レベルの問題を確実に解ける状態から、標準〜応用レベルの問題にステップアップする時期です。「どうしてこの解法になるのか?」を意識しながら問題を解きましょう。
②苦手分野を早期に克服する
数列・ベクトル・図形・確率など、つまずきやすい分野を放置しないようにします。わからない問題は、先生に聞いたり、参考書の解説を読んだりして必ず解決するようにしましょう。
応用力養成期のうちに、標準問題はほぼ解ける状態にしておくと、受験直前での伸びが圧倒的に変わります。
直前期(高3夏〜受験直前)
直前期は入試本番を見据えて、得点力を最大化する時期です。ここでは新しい内容に手を広げて勉強するより、これまで学んだことを定着させ、試験時間内に確実に点を取る練習を重ねましょう。
①過去問を繰り返し解き、時間配分の感覚をつかむ
時間を計って過去問を解きます。「計算スピード」と「集中力」を鍛えると同時に、大問ごとの時間配分にも気を配りましょう。
②苦手分野の洗い出しと最終確認
これまでの模試や過去問を見返し、ミスの傾向を整理します。「復習(間違い)ノート」があると容易に最終確認ができます。
③計算スピードと精度を上げ、確実に得点にする
ケアレスミスで失点するケースが多いのが数学です。計算練習を毎日少しずつ続け、「正確に、速く計算する力」を維持します。数学の入試では「得点を取れる問題を確実に取ること」も重要です。確実に得点できる問題から解く練習もしましょう。
最後の1〜2ヶ月は「量より質」を意識し、確実に得点につなげる仕上げの勉強に集中しましょう。
数学の勉強でよくある失敗と対策
数学は短期的な努力が結果に直結しにくい教科です。また、間違った方法で勉強を続けると「頑張っているのに成績が伸びない」という事態に陥りがちです。ここでは、数学でありがちな失敗とその対策を紹介します。
①解答をすぐ見てしまう
問題を解いていて少しでも詰まったとき、すぐに解答を見てしまう人は注意が必要です。そのときは理解したように思えても、実際には「自力で考えて解く力」は育っていません。
対策:少なくとも5〜10分は自力で粘りましょう。どうしても解けない場合でも、解答を見たあとに「どこで手が止まったのか」を復習(間違い)ノートに書いて整理すると良いです。こうした積み重ねが、次に似た問題が出たときの対応力に結びつきます。
②暗記に頼りすぎる
公式や定理、解法パターンを丸暗記して満足してしまう受験生も多いです。暗記に頼ると、覚えた知識を応用問題で活用できず、得点につなげることができません。
対策:公式や定理は「使いどころ」を理解しましょう。「この場面ではこの公式が使える」を理解できると、応用問題にも対応できます。
③基礎をおろそかにして応用に進む
基礎問題を飛ばしていきなりハイレベルの問題に挑戦すると、公式や定理、解法パターンの理解が浅いため、時間ばかりかかって成果が出にくいです。
対策:まずは教科書や基礎問題集を使って、「公式や定理を使いこなせる段階」まで仕上げましょう。特に計算問題・例題は、ミスなくスピーディーに処理できるようになるまで反復することが大切です。基礎が固まっていれば、難問に直面しても部分的に解法パターンを思いつけるようになっていきます。
④復習を後回しにする
「テスト前にまとめて復習すればいい」と考えて日常の復習を怠ると、勉強した内容がなかなか定着しません。
対策:自分なりの復習サイクルを作りましょう。「当日」「翌日」「1週間後」の3ステップで復習するのがおすすめです。ミスした問題に印をつけ、同じ問題を数日後に再チャレンジします。「1回目で解ける」よりも、「2回目で確実に解ける」を増やしていきましょう。
⑤ケアレスミスを放置する
ケアレスミスは「うっかりミスだから仕方ない」と考えて、対策をしない人が多いです。ケアレスミスを放置すると本番で痛い目を見る可能性が高くなります。
対策:ミスは「原因を特定して対策を取る」ことで減らせます。以下を参考に、ケアレスミスを徹底して防ぐ工夫をしましょう。
- 符号のミス→「−」などに色をつける
- 計算過程の抜け→途中式を1行ごとに書く
- 問題の読み違い→重要な条件に線を引く
まとめ
数学の得点・偏差値を上げるには、正しいステップでコツコツと勉強を続けることです。まずは基礎をしっかり固め、問題を解くたびに「なぜそうなるのか?」を自分の言葉で説明できるようにしましょう。その上で、間違えた問題の復習やノート整理を習慣化すれば、確実に得点・偏差値は伸びていきます。
また、共通テストと一般入試では求められる力が異なるため、勉強法を分けることが重要です。共通テスト対策では「標準問題の演習」を中心に、計算スピードと正確さを意識し、一般入試対策では思考力を鍛える「応用・記述問題」に挑戦するなど、目的に合わせて勉強を組み立てましょう。
もし「どのように勉強すればいいかわからない」「自分に合う勉強法が見つからない」と悩む場合は、トライへご相談ください。一人ひとりの目標や理解度に合わせて、最適な学習プランを提案します。
合格へ導く4つのステップ
圧倒的な合格実績を生み出す、
他塾にはない徹底的なサポート
年間カリキュラム
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