大学受験において、英語長文読解は合否を大きく左右する重要な分野です。特に大学入学共通テストでは、従来のセンター試験に比べて難易度が大幅に上昇しており、難関大学レベルの問題も出題されるようになっています。単語の意味を翻訳するだけでなく、文章の論理を読み取る力が求められる時代になりました。
この記事では、英語長文読解で得点するために必要なスキルや効果的な学習方法、試験別の対策ポイントを詳しく解説します。ぜひ最後までご覧ください。
英語長文読解が大学受験で重要な理由と得点に必要なスキル
英語長文読解は大学入試において配点比重が高く、合否を左右する重要な分野です。ここでは、その重要性と必要なスキルについて解説します。
なぜ大学受験で英語長文が重要なのか
大学入試における英語の試験を見ると、長文の点数配分は大きくなっています。特に大学入学共通テストの英語は、従来のセンター試験に比べて難易度がかなり上がっており、リーディングの難しい問題は難関大学の個別試験で出題される問題と同程度のレベルです。
長文の読解では、単に単語の意味を翻訳するだけでなく、文章の論理を読み取る力も必要となります。実社会で活用できる英語力が求められている現代において、大学入試における英語の試験の難易度も変化しています。
かつての大学入試英語では、英文の分量も比較的少なく、英語圏の小学校修了レベルに相当する平易な文章が中心でした。しかし近年では、英文の分量が増えただけでなく、内容の抽象度や専門性も高まり、英語圏の一般向け記事に近いレベルの英文が出題されるようになっています。その結果、日本の大学入試の英語は、国語の現代文読解に近い感覚で、論理構造や筆者の主張を読み解くことが求められる試験へと変化しつつあります。
英語長文が苦手な主な理由|受験生が陥りがちな3つの課題
多くの受験生が英語長文で苦戦する背景には、共通する課題があります。自分がどの段階でつまずいているのかを正確に把握することが、効果的な対策の第一歩です。
課題1:単語・文法・英文解釈の基礎力の問題
長文をゆっくり読んでも頭に入らない場合、単語・文法・英文解釈といった基礎力の抜けが原因として考えられます。これらの学習を疎かにすると、「読む力」だけでなく、「聞く力」「話す力」「書く力」といった他の英語力も効率よく伸ばすことができません。
単語
単語に関しては、一度難関レベルまで覚えた語彙であっても、過去問演習に集中しすぎると、過去問に出ていない単語の記憶が薄れ、本番で久しぶりに見たときに意味が出てこないケースも多くあります。単語帳などによる定期的な見直しは直前期まで継続することが重要です。
文法・英文解釈
文法と英文解釈は、読解の正確性を支える土台として極めて重要です。しかし、特に国公立大学を中心に、文法に関する直接的な出題は減少傾向にあります。そのため、文法の基礎学習を軽視してしまう受験生もいます。また、英語外部試験でスコアを取得した後は基礎学習をしなくなり、個別試験を受験する頃には知識が抜け落ちている受験生も多く見られます。
中堅私立大学では文法問題が相応の比重を占めているケースもあるため、難関校志望で文法学習を軽視していると、むしろ安全校の確保が難しくなるという落とし穴に陥る可能性があります。大学入学共通テストで思うように得点できず、共通テスト利用方式での合格校が確保できなかった場合など、文法力不足が合否を左右する点に注意が必要です。
熟語
基礎力は英語力の根幹をなすものであり、単語や文法だけでなく熟語(イディオム)の習得も重要です。熟語は、読解はもちろん、英作文やリスニングの正確性を高める上でも大きな役割を果たします。特に熟語は長文中で見落としやすく、単語ごとの意味からは判断しづらい表現も多いため、基礎力の1つとして受験直前まで継続的に学習を続けることが不可欠です。
課題2:読むスピードの問題
英文を正確に理解できても、時間内に解き終わらなければ得点に結びつきません。読むスピードが遅い原因として、一文一文を丁寧に和訳しながら読んでしまったりや、単語を1つずつ追いかける読み方をしたりすることが挙げられます。
読むスピードを上げるには、英語の語順のまま意味を捉える訓練が必要です。返り読みをせず、前から順に内容を理解することで、処理速度が格段に向上します。また、文章全体の構造を把握しながら読む力も重要です。段落ごとの要点を捉え、重要な部分と重要でない部分を見極める読み方ができれば、限られた時間の中で効率的に問題を解くことが可能になります。
課題3:全文を和訳しないと読めない
全文を和訳しながら読む習慣がついていると、読解スピードが大幅に低下し、試験時間内に解き終わらないという問題が生じます。和訳に頼る読み方では、英語特有の論理展開やニュアンスを捉える感覚が養われません。
真の読解力をつけるためには、英文を英語のまま理解する訓練が不可欠です。まずは簡単な文章から、和訳せずに意味を直接捉えましょう。慣れてくると、複雑な文章でも英語の語順で内容が頭に入るようになります。設問を解く際に必要な部分だけを精読し、全体の大意をつかむ読み方ができれば、時間配分も改善されます。和訳はあくまで理解を確認する手段であり、読解の過程で常に必要なものではないことを認識しましょう。
英語長文で得点するために必要な5つの力
英語長文読解で安定して高得点を獲得するためには、以下の5つの能力をバランスよく鍛える必要があります。
1.単語力・熟語力
大学受験に必須レベルの単語をしっかり押さえ、知っている単語を増やすことが重要です。語彙力不足は解答に時間がかかる原因となります。
また、熟語(イディオム)は単語とは性質が異なり、長文中で意味を取り違えやすい重要表現です。特に、中学レベルの単語だけで構成されていながら高度な意味を持つ熟語は、一般的な大学受験向けの単語帳には掲載されていない場合も多く注意が必要です。(例:once in a blue moon(直訳:青い月が出るときに一度=実際の意味:ごくまれに))単語帳だけでなく、熟語帳も併用しながら語彙・熟語の双方をバランスよく強化していくことが不可欠です。
2.構文を把握する力
一文の「文構造」を正確に分析しながら読む力を強化することで、単語の意味をつなげただけの意味不明な和訳をせずに済み、文章理解の精度が高まります。
3.読解スピード
限られた試験時間内で全問を解き終えるには、速く正確に英文を読む力が必要です。特に難関大学の入試ではスピーディーな読解が求められます。
4.論理的に文章を理解する力
文章の主題をつかみ、文と文の間の論理的なつながり(対比、因果関係、具体と抽象など)に気づく力が必要です。パラグラフごとの要点を捉え、文章全体の論理展開を追うことで、難解な文章も理解できるようになります。
5.設問に適切に解答する力
英文を正確に読めても、設問の要求を正しく理解し適切に解答できなければ得点には結びつきません。選択肢問題では本文の言い換えを見抜く力、記述問題では要点を過不足なくまとめる力が求められます。
英語長文の出題傾向を分析|大学入学共通テスト・二次・私大の違い
大学入試の形態によって、英語長文問題の特徴は大きく異なります。ここでは、それぞれの試験の傾向を解説します。
大学入学共通テストの特徴
共通テストの英語リーディングは、従来のセンター試験から大きく変化しました。発音・アクセント・文法の単独問題が廃止され、すべて読解問題で構成されています。
出題される英文は、論説文やエッセイに加えて、ウェブサイト、ブログ、メール、広告、パンフレットなど実用的な文章です。
特徴的なのは、図表・グラフ・イラストと英文を組み合わせた問題が多く、情報を統合して解答する力が求められる点です。また、複数の異なる文章から情報を収集する問題、出来事を時間順に並び替える問題、適切な接続詞の選択や文の挿入位置を判断する問題など、論理的思考力を問う設問が特徴です。
これらの出題形式はセンター試験の際にもたびたび扱われてきたものであり、センター試験時代の過去問も、部分的には十分演習に活用することができます。
国公立二次試験の長文問題の特徴
国公立大学の二次試験では、記述式問題が中心です。選択問題が少なく、自分の言葉で解答を作成する能力が問われます。(例外として、東京大学のように、全体の半分程度がマークシート方式で構成されている大学もあります。また、東大では現在も文法色の強い問題が出題される点も特徴です。)
出題形式は英文和訳問題、内容説明問題、理由説明問題、要約問題などです。特に旧帝大など難関国公立大学では、複雑な構文を含む長文や抽象度の高い論説文が出題されるのも特徴です。英作文問題が長文読解と組み合わされて出題されることも多く、読む力と書く力の両方が試されます。
私立大学の長文問題の特徴
難関私立大学の英語長文は、圧倒的な分量と時間的制約が最大の特徴です。早稲田大学や慶應義塾大学では、特に高い英文処理能力が求められます。
多くの私立大学では、学術的な論説文が中心で、哲学、社会学、心理学、経済学、科学技術など専門性の高いテーマから出題されます。設問形式は、内容一致問題、空所補充問題などが中心です。
難関大学と中堅大学で求められる読解力の違い
難関大学の長文読解問題では、一文一文を正確に読む力(文構造の分析)と、文章全体の流れをつかむ力(パラグラフや文章全体の主題把握)という二つの読解力を、高いレベルで両立させることが求められます。
難関大学志望者は、英文法・英文精読法の基礎を固めた上で、長文読解を中心に多様な形式の実践演習を積む必要があります。
一方で、中堅大学とされる大学でも、学部によっては外国語教育に力を入れているところも多く、長文の質・量が難関大学に匹敵する、あるいはそれ以上のレベルで出題されるケースもあります。また、英語に限らず入試問題自体は易しくても、合格最低点が高く決して簡単ではない入試になっていることもあるため、注意が必要です。
特に現代の大学入試では、英語が合否を大きく左右するため、中堅大学を志望する場合でも油断せず、過去問の難易度だけでなく合格最低点も確認した上で対策に取り組みましょう。
大学入試別の英語長文対策のポイント
志望校の試験形式に合わせた対策を行うことが、効率的な得点力アップにつながります。ここでは、試験別の具体的な対策方法を紹介します。
大学入学共通テストの英語長文読解|試験の特徴と対策
大学入学共通テストのリーディングは時間との戦いです。制限時間内に多くの英文を処理する必要があります。
以前のセンター試験と比較すると、大学入学共通テストでは読解すべき英語の分量が圧倒的に増加しています。処理しなければならない英文の総量自体が大幅に増えているのが特徴です。時間配分では前半の問題に時間をかけすぎず、配点の高い後半に時間を残すことが重要です。
とは言え、共通テストの前半部分も読解問題で構成されており、文章量こそ後半より少なめであるものの内容理解は不可欠です。あくまで「丁寧さを維持したまま適切に時間配分する」ことが大切です。
対策のポイント:
・必要な情報を素早く見つけて効率的に解答する力を養いましょう。
・図表問題は、表題で概要を把握してから設問に応じて図表・細部を確認します。
・論説文では、パラグラフごとの要点を把握しながら読み進めましょう。
・過去問の演習では、大問別の対策を行った後に、予想問題で全体を通して解答力を高めます。予想問題集は難易度に差があるため、複数種類を併用して演習しましょう。
国公立二次試験の英語長文読解|記述対策のポイント
国公立二次試験では、記述力が合否を分けます。
対策のポイント:
・英文和訳のポイントは、英語の構造を正確に把握した上で、自然な日本語に訳すことです。
・内容説明問題では、指定語数を厳守しましょう。本文の表現をそのまま抜き出すのではなく、自分の言葉で再構成しましょう。
・記述問題の演習では、必ず添削を受けることが重要です。学校の先生や塾の講師に積極的に添削を依頼してください。
私大入試の英語長文読解|速読力を高める方法
私大入試、特に難関私大では速読力が合否を分けます。
対策のポイント:
・速読力を高める勉強法は、長文の音読です。音読を10回繰り返すことで、徐々にスピードが上がり、英語を日本語に訳さずそのまま理解する速読の状態になります。
・スラッシュリーディング(チャンクリーディング)も効果的です。英文を意味のまとまりごとに区切り、文頭から順に理解していく読み方で、返り読みをしない習慣が身につきます。
・時間を計って解く習慣を徹底しましょう。例えば、500語の長文を15分以内に解く、というような目標を設定します。
英語長文読解で成果を出すための3ステップ
英語長文読解は正しい順序で学習することが成果への近道です。ここでは、基礎から実践まで、段階的な学習方法を解説します。
ステップ① 基礎固め|単語・文法・構文把握で読解の土台を作る
長文を読むための大前提として、基本的な語彙・文法知識を身につけることが重要です。基礎知識の次に、英文解釈の学習を行います。
英文解釈では、単に文の構造を取るだけでなく、その文章が何を伝えたいのかを理解できるところまでを目標としましょう。英文解釈を徹底し、一文一文を正確に読み解く精読力の土台を築きます。
特に難関大学では、背景知識や形式的な論理理解(必要条件・十分条件など)が不足していると、日本語に訳せても内容が理解できないケースが起こり得ます。基礎固めの段階では、わからない概念や語彙を放置せず、科目横断的に徹底して調べる姿勢が重要です。
ステップ② 演習で実力をつける|問題集の効果的な活用方法
基礎固めが完了したら、いよいよ実践的な演習に入ります。ここでは、問題集の選び方から復習方法まで、効果的な演習のポイントを詳しく解説します。
問題集のレベル別の選び方と進め方
問題集は自分の現在の実力に合わせて選ぶことが重要です。基礎レベル(偏差値50前後)の問題集から始め、正答率が安定して8割を超えるようになったら、標準レベル(偏差値55〜60)、さらに応用レベル(偏差値60以上)へと段階的にステップアップしていきましょう。
自分の現状の学力では難しいと感じる問題集に取り組むと、挫折感だけが残り、学習効率が大幅に低下します。「少し易しいかな」と感じるレベルから始めることで、成功体験を積み重ね、自信を持って次のレベルに進めるでしょう。もちろん個人差があるため、「少し難しい」と感じるレベルをこなしてみる方が良い場合もあるので、どちらの選び方が合うかは、自分の性格や学習スタイルによって変わることも意識しておきましょう。
効果的な演習の進め方
問題集を解く際は、必ず時間を計測して取り組みます。制限時間内に解ききることを常に意識しましょう。目安として、300語程度の長文なら10〜15分、500語程度なら15〜20分で解答することを目標にします。
また、制限時間に達した段階で演習を止めず、全設問に対して自分なりの回答を出し切るところまでは必ず取り組みましょう。制限時間内にどこまで解けたか、最終的にどれだけ時間を超過したかを記録しておくと、次回以降の演習で時間短縮の改善点が見えやすくなります。
解き終わったら、すぐに解説を見るのではなく、まず正解だけを確認してください。そして重要なのはここからです。間違えた設問について、「なぜ間違えたのか」「正解の根拠は本文のどこにあるのか」を、解説を見る前に自分自身で徹底的に分析します。
間違い直しノートの作成
長文読解の実力向上には、間違い直しノートの作成が極めて効果的です。間違えた問題について、その原因を以下のように分類して記録しましょう。
・語彙の不足:知らない単語が原因で誤答した問題
・文法のミス:文構造の把握ミスで誤答した問題
・論理把握のミス:文章の論理展開を読み誤った問題
・時間不足:時間があれば解けた問題
・知識不足:英語以外の一般知識や背景知識の不足によって正しく読めなかった問題
・見落とし:段落末尾や改ページ後の記述、選択肢の一部を見逃したことによる誤答
・その他:上記の分類に当てはまらないものを記録するための項目
この分類により、自分の弱点が明確になります。「語彙の不足」が多ければ単語学習を強化し、「文法のミス」が多ければ英文解釈の復習を徹底するといった、的確な対策が可能になります。
1日の学習時間配分の目安
英語長文の演習は、1日1〜2題を目安に取り組むのが効果的です。演習時間は15〜20分、復習に30〜40分を確保しましょう。復習に演習時間の2倍の時間をかけて丁寧に見直すことで、確実に実力が定着します。
復習では語彙の確認、精読(一文一文の正確な和訳)の確認、段落ごとの要点把握、設問ごとの解答根拠を明確にすることが重要です。これらの復習を終えた後、必ず翌日か翌週にもう一度同じ問題を解き直し、正しい読み方・解き方が実践できるかを確認してください。
音読による定着の徹底
復習の最後には、必ず長文全体を音読します。1つの長文につき10回の音読を目標にしましょう。最初はゆっくりでも、回数を重ねるごとにスピードが上がり、英語を英語のまま理解できるようになります。音読を習慣化することで、速読力とリスニング力、スピーキング力や作文力が同時に向上するという相乗効果が得られます。
ステップ③ 得点力を高める|速読力と正確な読解力を養う
英文解釈と、文章の論理を読み取る現代文的な読解力がついた段階で、様々な長文問題に取り組む演習を始めます。精読力(正確さ)に慣れてきたら、速読も意識し、目標解答時間内に解ききる練習を重ねます。
ここで注意すべきは、大学受験で求められる「速読」の意味です。速く読むために内容理解の正確性を犠牲にする読み方は、入試では通用しません。大学入試で求められるのは、精読時の正確さを保ったまま速読する能力です。丁寧でかつ速く読める力を養いましょう。
なお、いわゆるアカデミック速読のように「非常に速く読み、理解度を3択問題でざっくり確認する」タイプの速読とは異なり、大学受験では精度を落とさずに読む速度を高めることが求められます。この点を誤解しないよう注意が必要です。
音読やシャドーイングを復習に取り入れることで、以下の力が鍛えられます。
- 英語の語順のまま理解する力
- 速読力
- リスニング力
- 語順感覚
高校学年別の英語長文学習プラン
学年ごとに適した学習内容があります。ここでは、計画的に実力を伸ばすための学習プランを紹介します。
なお、英語は多くの受験生にとって大学受験の要となる科目であるため、中高一貫校の生徒は以下の学習プランを1年前倒しで進めることを強くおすすめします。
高1〜高2前半|英語長文読解の土台を作る基礎学習期
高校3年間の英語学習の土台を築く極めて重要な時期です。この時期の学習が、高3での伸びを大きく左右します。英文解釈力を養い、英文の一文一文を正確に日本語に訳すコツを習得することに集中しましょう。
この時期の学習内容
週に4〜5時間程度を英語長文学習に充てることを目標にします。1日あたりでは30〜40分程度です。部活動や学校の課題で忙しい時期ですが、毎日少しずつでも継続することが重要です。
単語帳は基礎レベル(1,500〜2,000語レベル)を1冊完璧にすることを目指します。文法は学校の授業と並行して、文法問題集を1冊仕上げましょう。
長文問題集は、200〜300語程度の短めの文章から始め、まずは精読力を徹底的に鍛えます。この段階では速さよりも正確さを重視してください。1つの長文に30分かけても良いので、構文を正確に把握し、全文をしっかり理解できるまで取り組みます。
模試の活用方法
高1〜高2前半の模試では、結果よりも、模試を通じて自分の弱点を発見することが重要です。模試の復習には2〜3日かけて、間違えた問題を徹底的に分析してください。
特に高1・高2生向けの模試は、周囲との差が出にくいため、少し勉強しているだけでも難関大志望者でも良い判定が出やすいという特徴があります。ここで結果に慢心してしまうと、本番での合格が大きく遠のく可能性があるため、模試の合否判定は良くても悪くても気にしすぎないことが大切です。あくまで弱点発見のためのツールとして活用しましょう。
この時期(高1冬休み〜高2の8月)は、英文法・構文・英文精読演習を通じて入試基礎力強化に重点を置きましょう。
高2後半〜高3春|精読から多読へ移行する実力養成期
この時期は、精読で培った基礎力を土台に、読む英文の量を増やしていく時期です。夏休みまではテキストを軸に精読力を高め、秋以降は過去問等を利用して多くの英文を読みましょう。
ただし、ここで言う「多読」は、やみくもに数だけこなす読み方ではなく、丁寧に多量の英文を読むことです。乱読・濫読に陥ることなく、精読で培った正確性を維持しながら、「質を落とさずに量を増やす」という意識で取り組んでいくアプローチが重要です。
この時期の学習内容
週に6〜8時間程度を英語長文学習に充てます。1日あたり1〜1.5時間程度の学習時間を確保しましょう。単語帳は標準レベル(2,000〜3,000語レベル)に進み、熟語集も並行して学習を開始します。
長文問題集は、400〜500語程度の標準的な長さの文章に取り組みます。1日1題のペースで演習を進め、必ず復習に十分な時間をかけてください。演習15分、復習30〜40分という時間配分を意識しましょう。この時期からは、志望校のレベルに応じた問題集を選びます。
夏休みの学習プラン
夏休みは飛躍的に実力を伸ばす絶好の機会です。1日2〜3時間を英語長文学習に充て、毎日2題の長文演習を目標にしましょう。夏休み中に30〜40題の長文に取り組むことで、読解力が大きく向上します。
模試の活用方法
この時期の模試では、志望校判定も意識し始めましょう。C判定以上を安定して取れるようになれば、合格への道筋が見えてきます。
高3夏〜受験直前|過去問演習で志望校対策を完成させる実践期
いよいよ受験の総仕上げの時期です。秋以降は過去問や問題集による多読を継続し、入試直前の1月では合格力完成を目指し、入試総合実践演習に取り組みます。
この時期の学習内容
週に10〜12時間程度を英語長文学習に充てます。1日あたり2〜3時間程度の学習時間を確保しましょう。この時期は、志望校の過去問演習が中心となります。
志望校の過去問は、少なくとも過去10年分を2周以上解きましょう。1周目は時間を計って本番さながらに取り組み、2周目は弱点補強を意識して復習中心に進めます。併願校の過去問も、それぞれ5年分程度は解いておきましょう。10年分の過去問は書店では原則として入手できないため、学校の図書館や中古の利用も検討してみましょう。また、私立大学の場合は、学部違い・方式違いでも類似形式の問題が多いため、志望校と出題傾向が近い長文は積極的に活用することをおすすめします。
長文問題集は、600〜700語以上の長めの文章や、志望校の出題傾向に近い形式の問題集に取り組みます。
冬休みの最終調整
冬休みは、過去問の総仕上げと弱点の最終補強に充てます。共通テスト直前期は、共通テスト形式の問題演習に集中しましょう。共通テスト後は、すぐに個別試験対策に切り替え、志望校の過去問を再度解き直します。
模試の活用方法
この時期の模試では、志望校判定B判定以上を目安のひとつにします。ただし、秋以降の模試結果に一喜一憂せず、淡々と学習を継続することが大切です。模試は自分の立ち位置を確認するツールと割り切り、復習に重点を置きましょう。
なお、東京一工や早慶といった最難関大学を志望する場合は、より高い基準が必要です。他教科と比較して英語がやや苦手な場合でも河合塾の全国模試で偏差値65程度は到達したいラインであり、英語で勝負したい場合は偏差値70以上を目標とすると良いでしょう。
志望校の個別試験の対策は、できる限り早くから本格的に開始することが重要です。遅くとも高3の夏休みからは、志望校の出題傾向を分析し、志望校に特化した対策を始めてください。
英語長文の成績が伸び悩む人の3つの課題と改善法
成績が伸び悩む受験生には共通するパターンがあります。ここでは、よくある失敗例と具体的な改善方法を解説します。
失敗パターン① 和訳暗記に頼り、一語一句訳さないと読めない
課題 :文法や解釈の知識を無視し、和訳の暗記や単語を拾うだけの勉強になっている。
改善法:英文解釈の音読を徹底し、瞬時に文構造を取り、意味を理解できるように訓練します。構文を意識して意味を取りながら読むことで、日本語に変換しながら読む癖をなくします。
失敗パターン② 問題を解くだけで復習をしていない
課題 :長文演習後に英文解釈の復習を怠る。問題を解きっぱなしで、音読などの復習をしないと、伸び幅が限定されます。
改善法:長文の復習には音読が効果的です。
復習では以下を意識しましょう。
- 語彙の確認
- 精読(一文一文の正確な和訳)の確認
- 段落ごとの要点把握による内容の理解
- 設問ごとの解答根拠の明確化
これらの復習を終えた後、必ずもう一度解き直す機会を設け、正しい読み方・解き方が実践できるかを確認します。
たとえ自分の志望校が読解重視の出題をしていても、英作文やリスニングもそれなりに勉強している人の方が得点力は向上します。特にリスニングは、英文を返り読みせずに順番通りに理解するための効率的な練習方法です。大学入学共通テストで1回きりの受験だとしても、リスニングの対策に力を入れることは読解力向上のためにも役立ちます。
英語の4技能(読む・聞く・話す・書く)は相互に関連しており、総合的な英語力を高めることが、最終的に長文読解の得点力向上にもつながります。
失敗パターン③ 志望校の出題傾向を考慮していない
課題 :志望校の出題形式や難易度を把握しないまま、漫然と問題集を解き進める。
改善法:学部の出題形式を確認し、時間配分や戦略を立て、自分に合った解き方を確立します。特に共通テストでは、形式に特化した対策本を選び、図表・複数テキストの比較など独特の設問に慣れる必要があります。
一方で、英文和訳問題しか出題されない(東京藝術大学美術学部など)、あるいは英文への単語やフレーズの補充問題しか出題されない(東京海洋大学海洋工学部など)大学を志望する場合、志望校の過去問に基づいた対策しかしていないと危険です。このような偏った対策では、他の受験校への対応が難しくなります。一般的な長文読解で総合力を養う対策も同時に行いましょう。バランスの取れた対策で、どのような出題形式にも対応できる読解力を養います。こうしたリスクを避けるためにも、志望校対策と同時に一般的な長文読解力も鍛え、どのような形式にも対応できる総合的な読解力をつけておきましょう。
英語長文おすすめ参考書・問題集
効果的な学習には、目的に応じた適切な教材選択が不可欠です。ここでは、学習段階別におすすめの参考書・問題集を紹介します。
単語力・熟語力強化|レベル別おすすめ教材
英語長文読解の土台となる語彙力の強化は最優先事項です。自分の現在のレベルと目標に合わせて、適切な単語帳・熟語集を選びましょう。
基礎レベル(高1〜高2前半向け)
- 「システム英単語Basic」(駿台文庫)
- 「英単語ターゲット1400」(旺文社)
- 「データベース 3300基本英単語・熟語」(桐原書店)
標準レベル(高2後半〜高3向け)
- 「システム英単語」(駿台文庫)
- 「英単語ターゲット1900」(旺文社)
- 「速読英単語 必修編」(Z会)
- 「英熟語ターゲット1000」(旺文社)
応用レベル(難関大志望者向け)
- 「速読英単語 上級編」(Z会)
- 「鉄緑会東大英単語熟語 鉄壁」(KADOKAWA)
- 「話題別英単語リンガメタリカ」(Z会)
- 「解体英熟語」(Z会)
英文解釈/精読強化|レベル別おすすめ教材
一文一文を正確に読み解く精読力は、長文読解の基盤となります。文構造を把握する力を養いましょう。
基礎レベル(高1〜高2前半向け)
- 「大岩のいちばんはじめの英文法【超基礎文法編】」(ナガセ)
- 「入門英文解釈の技術70」(桐原書店)
標準レベル(高2後半〜高3向け)
- 「英文解釈の技術100」(桐原書店)
- 「基礎英文解釈の技術100」(桐原書店)
応用レベル(難関大志望者向け)
- 「英文解釈教室」(研究社)
- 「英文読解の透視図」(研究社)
長文演習/速読強化|レベル別おすすめ教材
精読力がついたら、長文演習で実戦力を養います。語数と難易度を段階的に上げていきましょう。
基礎レベル
- 「英語長文レベル別問題集1・2」(東進ブックス)
- 「イチから鍛える英語長文300」(学研プラス)
- 「大学入試 レベル別英語長文問題ソリューション1 スタンダードレベル」(かんき出版)
標準レベル
- 「英語長文レベル別問題集3・4」(東進ブックス)
- 「やっておきたい英語長文300」(河合出版)
- 「イチから鍛える英語長文500」(学研プラス)
- 「大学入試 英語長文プラス 速読トレーニング問題集」(旺文社)
応用レベル
- 「英語長文レベル別問題集5・6」(東進ブックス)
- 「やっておきたい英語長文500・700」(河合出版)
- 「イチから鍛える英語長文700」(学研プラス)
- 「関正生のThe Rules 英語長文問題集1〜4シリーズ」(旺文社)
まとめ
大学受験の英語長文は、配点比重が高く、難易度も高まっているため、正しい学習ステップを踏むことが不可欠です。まずは単語・文法・英文解釈(精読)で確かな土台を築き、一文一文の構造と意味内容を正確に理解できるようにします。
特に文法は、読解だけでなく英作文やリスニングの基礎としても極めて重要であるため、受験直前まで継続的に学習を続けることが大切です。演習においては、時間を計り、解答の根拠をピンポイントで突き止める復習プロセスを徹底しましょう。音読を毎日10回行う復習法は、速読力を格段に向上させ、最終的な合格校のランクを左右するほどの効果が期待できます。
参考書・問題集は、自分の現在のレベルに合ったものから始め、段階的にステップアップしていくことが成功の鍵です。焦らず着実に実力を積み上げていけば、必ず英語長文読解で高得点を獲得できるようになります。
最後に、英語長文読解の勉強で行き詰まっている方や、志望校に合わせた効果的な学習計画を立てたい方は、トライがサポートします。トライでは、各大学の出題傾向を熟知した講師が、一人ひとりの現状と目標に合わせた個別カリキュラムを作成します。精読力の養成から速読トレーニング、志望校別の過去問対策まで、合格に必要な指導をいたします。お気軽にご相談ください。
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