名古屋市東区にある名古屋中学校は、1887年に米メソジスト派の宣教師・クラインによって創立されたキリスト教主義学校です。中高一貫校の男子校で名古屋高等学校から入学することも可能ですが、高校の偏差値は愛知県内でもかなりの上位であるため中学校からの入学を希望する人が大半です。
この記事では、名古屋中学校の偏差値はどれくらいなのかを詳しく解説し、合格の難易度や出題傾向など入試対策についてもご紹介します。
名古屋中学校の偏差値|合格ラインと併願校は?
名古屋中学校は、東海圏の主要な男子難関校の1つです。ここでは名古屋中学校の最新の模試データに基づく偏差値の目安や、偏差値から考えられる併願校対策、倍率の推移をご紹介します。
偏差値52は東海地方で上位レベル
四谷大塚の発表によると2025年度の名古屋中学校の偏差値(合格可能性80%)は52です。名古屋中学校の偏差値52は、東海圏内において上位レベルと言えるでしょう。
合格率・実質倍率|最高点・合格最低点の目安は?
名古屋中学校の2025年度入試の結果は、以下の通りです。受験者平均点と合格者平均点に30点もの差が開いているため、合格点に近い点数をしっかり取る必要があります。
| 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 受験者 平均点 |
合格者 平均点 |
最低点 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1,543名 | 821名 | 53.2% | 160.3点 | 190.5点 | 160点 |
※参考:2025年度 名古屋中学校入試試験結果|学校法人名古屋学院 名古屋中学校
東海地方の主要校との偏差値の比較|併願校対策
東海圏の中学校で同じ偏差値ゾーンにあるのは、南山中学校男子部(偏差値50)や三重県の高田中学校(偏差値53)です。他にも、滝中学校(偏差値59)、東海中学校(偏差値60)、また海陽中等教育学校(偏差値51 ※1月入試)、愛知工業大学名電中学校(偏差値47)が前後の層に並びます。
東海圏の中学受験は首都圏に比べて日程が幅広く設けられているため、毎年どの学校と同日入試になっているか確認が必要です。前述の偏差値などを参考にして併願校を検討しましょう。
名古屋中学校の入試情報と近年の出題傾向
受験者数が右肩上がりとなっている名古屋中学校の入試は、どのようなものなのでしょうか。ここでは試験時間や配点などの具体的な入試情報と、2025年度入試の問題から見えた近年の出題傾向についてご紹介します。
入試の概要について
名古屋中学校の入試は例年、1月の第4週に行われる傾向にあります。会場は名古屋中学校で、国語、算数、社会、理科の順に試験が進められます。持ち物には筆記用具の他、三角定規とコンパスが指定されています。
各教科の配点と試験時間|成績優秀者への待遇
試験は国語と算数が試験時間60分で100点満点、社会と理科が試験時間40分で50点満点の合計300点です。
同校にはクラインズ・スカラー制度があり、入試成績の上位15%には奨学金が1年間給付されます。2025年度入試では232名(203点以上)がスカラー制度に合格しました。
各科目の合格者の平均点、最高・最低点は以下の通りです。
| 教科 | 平均点 | 最高点 | 最低点 |
|---|---|---|---|
| 国語 | 61.9点 | 91点 | 30点 |
| 算数 | 60.7点 | 95点 | 22点 |
| 社会 | 31.5点 | 49点 | 16点 |
| 理科 | 36.4点 | 50点 | 17点 |
※参考:2025年度 名古屋中学校入試試験結果|学校法人名古屋学院 名古屋中学校
一般入試とグローバル入学試験がある
グローバル入学試験とは、名古屋中学校の建学の精神を理解し、グローバルな視点を持って世界のさまざまな課題を解決しようとチャレンジする人財の育成に向け、意欲を持った生徒を取り入れるための試験です。一般入試と全く同じ内容に加え、面接官と受験生1対1の日本語での面接が10分程度行われます。
出願資格は下記のいずれかに該当している必要があります。
(1)海外在住が2年以上かつ帰国後2年以内
(2)英語検定準2級以上の取得
(3)芸術分野で予選を通過し世界・全国レベルの大会で入賞した者
名古屋中学校の入試|各教科の出題傾向
名古屋中学校の入試では、どのような問題が出題されているのでしょうか。頻出される問題の傾向などについて、教科別にご紹介します。
算数は図形問題が頻出
出題割合が最も多いのが図形分野で、特に「立体の切断」「円の面積」「角度」、次に「多角形の面積」となっています。また文章題分野では「速さ関連の問題」を中心に、「食塩水」「場合の数」が出題される傾向にあります。
国語は記述問題が増えている
長文2題、文法・漢字語句問題という出題傾向は数年間変わっていません。近年は、記号選択問題よりも記述問題の分量が多くなっている傾向にあります。説明文(論説文)と物語文は必ず出題され、漢字やことわざなどの出題もあるため対策が必要です。
理科は地学分野の出題が多く、化学分野が少ない
出題傾向は地学分野と生物分野の割合が27%と最も多く、次いで物理、化学の順です。地学分野では「太陽と月」「天気・気温」「地層」、生物分野では「人の体」が中心に出題されます。出題傾向が明確な科目のため、対策が取りやすい科目です。
社会は史料問題を多く出題
歴史1題、地理1題、政治経済1題、国際政治1題が一番多い出題パターンです。時事的話題を会話形式のリード文に関連させた問題や、史料から読み解く問題が近年多く出題されています。記述問題もあり、国語力も求められます。
【科目別】名古屋中学校の受験合格に必要な対策
名古屋中学校では毎年秋に入試対策説明会が開かれ、各科目の入試対策が詳しく紹介されます。内容は動画でも期間限定で配信されるので、受験を検討している方は必ずチェックしてください。ここでは、同校のホームページで公開された2025年度入試の結果に基づいて、各科目の対策をご紹介します。
算数は典型問題でのケアレスミス対策と記述対策が必須
計算問題や小問集合などの典型問題では、日ごろの勉強を丁寧に行えているかがチェックされます。反復練習と丁寧な見直しを常に徹底し、他の受験者が正解できる問題で失点しないようにしましょう。5回分程度の過去問を解いてミスなく典型問題が解けているかを確認し、自分がどこでミスをしやすいかを見つけておくトレーニングが必要です。
記述式問題では出題者との対話が成立しているか、国語力も絡めて出題されます。教科書や問題集で使われている表現を利用して、問題の流れに合うような答案を完成させる必要があります。解説を読んで「わかった」つもりになるのではなく、なぜその解き方で答えにたどり着けるのかを、手を動かしながら時間をかけて考える訓練をしておきましょう。
国語は時間配分を意識して勉強する
名古屋中学校の国語は4科目の中でも点数の差がつきにくいため、日ごろの実力を出し切ることが求められます。また独特な出題形式が設けられており、1問に対して2ページ分の文章を読む必要がある問題などが出されます。文章を最初から最後までじっくり読むのではなく、問題文にある棒線や空欄を意識しながら必要な情報を効率よく読み解く力が必要です。
過去問ではもちろん、塾の模試や日常の勉強の際にも、常に時間配分を意識して問題に取り組むようにしましょう。また記述問題は配点が大きいため、絶対に空欄を作ってはいけません。文字数8割以上を満たすことが条件なので、自分の言葉でまとめる力をつけてください。
理科は得意・不得意を意識して「解く順番」を意識する
理科では「基礎学力」「思考力」「解く力」「科学への興味・関心」の4つの能力が求められます。テキストや用語の理解などを答える基礎学力問題では多くの受験生が確実に得点をとっているため、点を落とすことがないように広く学習しておきましょう。
「思考力」では、日常生活での疑問点を自発的に考える姿勢が必要です。覚えるだけの学習ではなく、「なぜ?」と考える癖を育み、必ず根拠まで理解して次の学習に進むことが得点獲得には必要です。
「解く力」では、答えに至るまでの道筋を丁寧に書き残す習慣をつけましょう。情報を整理するためにイラストや図を描いて整理することが大切です。「科学への興味・関心」については、最新のニュースを見て科学へのアンテナを広く持っておきましょう。
社会は知らない史料や図が出てきても焦らない
知識や資料をベースに「考える力」が求められるため、これまでに見たことのないようなグラフが出題されることがあります。ただし、これまでの受験勉強で獲得してきた知識や問題内で提示されている情報を活用すれば必ず解ける設定になっているので、焦る必要はありません。
問題文から情報を得て応用し、適切に表現する力も求められます。国語力も必要なため、普段から自分の考えを文章にしてまとめる練習を心がけましょう。ニュースにも目を向けて、近年、日本と世界で何が起きているかを意識して視野を広げておいてください。
名古屋中学校の学習環境と大学進学実績
ここでは名古屋中学校に入学するとどのような学校生活が待っているか、また、大学の進学実績をご紹介します。
好奇心をくすぐる多彩な授業を展開
6年の一貫教育では中・高の6年間を「基礎的段階」「習熟的段階」「発展的段階」の3段階に分け、それぞれの段階に適した細やかな指導が行われます。
長期休暇には進学講座の実施や本物の体験を重視する教養講座、学校独自の「名古屋学院数学オリンピック」など、自由で豊かな発想を育むことができます。
また夏休みや春休みなどには、海外英語研修やオーストラリアとカナダにある兄弟校との交流など、国際的な活動が活発に行われています。
国公立をはじめとする多彩な大学合格実績
名古屋中学校は例年、北海道大学や名古屋大学などの国公立大学をはじめ、早慶上理、MARCH、関関同立など有名難関私立大学への合格者を多数輩出しています。毎年、医学部、歯学部、薬学部、獣医学部に多く合格していることも特徴でしょう。
2025年度入試の合格実績は、以下の通りです。
主な国公立大学
| 東京大学 | 1名 | 京都大学 | 5名 | 北海道大学 | 12名 |
| 東北大学 | 2名 | 名古屋大学 | 29名 | 大阪大学 | 11名 |
| 九州大学 | 1名 | 東京科学大学 | 1名 | 一橋大学 | 1名 |
| 神戸大学 | 4名 | 岐阜大学 | 19名 | 静岡大学 | 6名 |
主な私立大学
| 早稲田大学 | 24名 | 慶應義塾大学 | 18名 | 上智大学 | 8名 |
| 東京理科大学 | 38名 | 明治大学 | 56名 | 青山学院大学 | 26名 |
| 立教大学 | 8名 | 中央大学 | 18名 | 法政大学 | 23名 |
| 関西学院大学 | 36名 | 同志社大学 | 87名 | 立命館大学 | 129名 |
※参考:2025年度大学入試結果|学校法人名古屋学院 名古屋中学校・高等学校
まとめ
名古屋中学校では「男子校」として人生の最も多感な時期に、男子としての必要な素養と生活上での自立を意識した教育が実施されています。また、国公立大学をはじめ医学部など、多彩な大学進学実績を残していることもあり、近年、人気が上昇しています。
トライでは、過去問の分析をもとに一人ひとりの弱点を明確にし、名古屋中学校へ合格するための道を最短ルートでサポートします。名古屋中学校への受験をお考えで、現在の勉強に不安を感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。

