「大阪府にある国公立大学といえば?」と聞くと、多くの人が真っ先に大阪大学(阪大)の名を挙げるでしょう。しかし中には、「大阪府内に国公立大は大阪大学しかないの?」「阪大以外の大学の偏差値を知りたい。」「どんな特徴があるの?」と疑問に思う受験生もいるのではないでしょうか。
実は大阪府には、阪大以外にも魅力的な国公立大学が2校あります。
この記事では、阪大以外の大阪府の国公立大学2大学を紹介します。偏差値、学部、特徴、そして受験生にとって有利になる可能性がある制度まで、進路選択に必要な情報について解説します。
大阪府の国公立大学は何校ある?
大阪府には国立大学が2校(大阪大学、大阪教育大学)、公立大学が1校(大阪公立大学)で、合計3つの国公立大学があります。
国公立は、運営母体の違いから「国立」と「公立」に分かれます。国立大学の運営母体は国(文部科学省)で、公立大学の運営母体は地方自治体(都道府県・市町村)です。また、国立大学が全国的・国際的な視点での高度な研究・教育といった役割があるのに対して、公立大学は地域社会への貢献、地域課題の解決に特化した教育・研究といった役割があります。
大阪府の国公立大学の大きな特徴は、「都市型キャンパス」と「学部の幅広さ」です。キャンパスの多くが大阪市内やその近郊にあり、主要駅からアクセスしやすい場所に立地しています。通学の利便性が高いため、近畿圏(兵庫、京都、奈良)やその周辺の県から通う学生も多く、関西圏全体から受験生が集まります。
一方で、兵庫や京都にある一部の国公立大学は、都市から離れた場所にキャンパスがある場合も多く、通学に時間が必要となる場合があります。そのため、通学の利便性を考慮して大阪府内の国公立大学を選ぶ受験生もいます。
阪大以外の大阪府内の国公立大学
阪大以外の大阪府にある国公立大学2校について、偏差値や立地や環境を見ていきましょう。
大阪公立大学(公立)
大阪公立大学の偏差値
- 文学部 :60.0
- 法学部 :57.5
- 経済学部 :57.5
- 商学部 :57.5
- 理学部 :55.0~62.5
- 工学部 :55.0~62.5
- 農学部 :55.0
- 獣医学部 :60.0
- 医学部 :52.5~67.5
- 看護学部 :55.0
- 生活科学部:57.5
- 現代システム科学域:55.0~57.5
※参考:Kei-Net|河合塾
立地・環境(キャンパス/都市型・郊外型)
| キャンパス名 | 所在地 | 学部 | 立地・環境 |
|---|---|---|---|
| 森之宮キャンパス | 大阪市城東区 | 全学部(基幹教育)、文、医(リハ)、生活科学(食栄養)学部 | 都市型: 大阪城の近く。最先端の研究・教育拠点 |
| 杉本キャンパス | 大阪市住吉区 | 法、経済、商、理(生物化学科を除く全学科3・4年次)、生活科学(居住環境、人間福祉)、工(建築、都市、化学バイオ/1~3年次)学部
※理学部では生物化学科のみ中百舌鳥キャンパスに残り、その他の学科は杉本キャンパスへ順次移転する方針 |
都市型: JR杉本町駅前。旧大阪市立大学のメインキャンパス |
| 中百舌鳥キャンパス | 堺市中区 | 現代システム科学域、理(生物化学2年次以降)、工、農学部 | 郊外型: 地下鉄/南海中百舌鳥駅近く。広大な敷地。旧大阪府立大学のメインキャンパス |
| 阿倍野キャンパス | 大阪市阿倍野区 | 医(医)、看護学部 | 都市型: 天王寺エリア |
| りんくうキャンパス | 泉佐野市 | 獣医学部 | 郊外型: 関西国際空港近く |
大阪教育大学(国立)
大阪教育大学の偏差値
- 教育学部:47.5~55.0
立地・環境(キャンパス/都市型・郊外型)
| キャンパス名 | 所在地 | 学部 | 立地・環境 |
|---|---|---|---|
| 柏原キャンパス (昼間部用) |
柏原市 | 教育学部(幼小教育専攻1・2年、次世代教育専攻、教科教育専攻、特別支援教育専攻、養護教諭養成課程、教育協働学科) | 郊外型: 大阪市内から近鉄線で移動。自然豊かな環境 |
| 天王寺キャンパス (夜間部用) |
大阪市天王寺区 | 教育学部(幼小教育専攻3・4年)、小学校教育(夜間主)5年専攻 | 都市型: JR天王寺駅近く。主に社会人や大学院生向け |
大阪公立大学の特徴・入試方式
大阪公立大学は、2022年に大阪府立大と大阪市立大が統合したことで、総合大学としての幅広い専門分野、公立大学としての地域密着性を兼ね備えるようになりました。
大阪公立大学の学部・学びの内容(特色)
12学部(11学部・1学域)を擁し、文理融合型のカリキュラムや副専攻プログラムにより、幅広い教養と専門性を身につけることを重視しています。1年次では、全学共通の基礎科目を学ぶ初年次教育、所属学部以外の分野にも触れる基幹教育を柱とし、グローバル社会で活躍できる人材の育成を目指して英語や初修外国語を必修化しています。
また、企業との共同研究や地域社会に貢献するプロジェクトにも力を入れており、就職に強い大学としてのブランドを確立しています。
大阪公立大学の就職実績
大阪公立大学の就職率は学部によって異なりますが、約93.9%から100%という高水準を保っています。大学全体の就職率を見ても98%前後と高いです。
関西圏の企業との強いパイプを持っており、以下のような優良企業への就職実績が豊富です。
パナソニックグループ、ダイキン工業、クボタ、村田製作所、関西電力、サントリー、NTT西日本など
大阪公立大学が向いている人
- 幅広い分野を学びたい人
- 大阪や関西の地域社会に親しみがあり、地域発展に貢献したい人
- 就職に強い総合大学で、国公立大学の安定感と学費のメリットを享受したい人
大阪公立大学の入試方式
ここからは、大阪公立大学の入試方式について見ていきましょう。
一般選抜
大阪公立大学の一般選抜は、分離分別方式の前期日程・後期日程、公立大学中期日程を実施しています。受験生はまず大学入学共通テストを受験します。倍率が高い学部や学科では2段階選抜が実施される場合があります。
各学部・学科によって、一般選抜の科目や配点が異なります。たとえば、経済学部の前期日程では共通テストで6教科8科目(475点満点)、個別学力検査で3教科(450点満点)が課され、各学部・学科で科目構成や配点が細かく定められています。
また、中期日程が実施される工学部は、京大・阪大・神戸大の理工系学部等との併願が可能で、根強い人気があります。
総合型選抜
大阪公立大学の総合型選抜は、現代システム科学域(教育福祉学類)、工学部(海洋システム工学科、都市学科)、医学部(医学科)で実施されています。
| 学部・学科 | 募集人数 | 評価方法 |
|---|---|---|
| 現代システム科学域 (教育福祉学類) |
6名 | 小論文、志望理由書等に基づく面接、出願書類(志望理由書、自己評価書、学習計画書)を総合して判定 |
| 工学部 (海洋システム工学科) |
4名 | 第一次選考(提出された書類:調査書、志願理由書、自己アピール書) 第二次選考(個別学力検査等:口述試験、面接、英検)により総合判定 |
| 工学部 (都市学科) |
4名 | 第一次選考(口述試験) 第二次選考(大学入学共通テスト・6教科8科目)により総合判定 ※受験者数が募集人員の2倍を超えない場合は、口述試験に加えて出願書類も第一次選考の評価対象になる場合あり |
| 医学部 (医学科) |
5名 | 大学入学共通テスト、口述試験・面接、出願書類(調査書、志願者評価書、活動報告書、自己PR書)を総合して判定
※志願者数が募集人員の3倍を超えた場合、第一次選考を実施し、出願書類と共通テストの成績を基に評価される。第二次選考で口述試験・面接を実施。 |
学校推薦型
大阪公立大学の学校推薦型選抜は、現代システム科学域、経済学部、商学部、理学部、工学部、農学部、獣医学部、医学部、看護学部、生活科学部、商学部、工学部で実施されています。
- 大学入学共通テスト、小論文、口述試験、面接、出願書類等により総合判定学部・学科により、使用する評価項目は異なる)
- 試験科目・時間割、試験会場は各学部・各学科によって異なるので要項を必ず確認すること
- 商学部には「商業科等対象」の別枠募集(地域枠)があり、簿記または情報処理に関する資格取得が出願条件となる
- 理学部は数学科を除く5学科(物理学科・化学学科・生物学科・地球学科・生物化学科)で募集が行われる
- 工学部は機械工学科・電子物理工学科・応用化学科・マテリアル工学科・化学バイオ工学科・都市学科の6学科で学校推薦型選抜を実施
- 理学部、生活科学部では、第一次選考を実施(書類審査や共通テスト成績などが評価される)また、工学部と獣医学部でも、志願者数が募集人員を大きく上回る場合には第一次選考(書類審査や共通テスト成績による判定)が行われることがある
大阪教育大学の特徴・入試方式
大阪教育大学は、教育学部のみを持つ教育専門大学です。教育界の即戦力を養成することに特化しており、教職志望者に選ばれ続ける理由が明確にあります。
大阪教育大学の学部・学びの内容(特色)
教育学部の中に、幅広い教員養成コースや、教員免許取得を必須としない教育協働学科があります。
- 現場実践型教育:幼稚園、特別支援学校を含む11の附属学校や研究センターを有しており、学生は早い段階から教育現場での実践的な経験を積むことができる
- 夜間に小学校教員養成を目指す専攻:5年制課程で、社会人経験者など多様な経歴を持つ人にも門戸を開いている
- 新しい教育課題への取り組み:教育DX(デジタルトランスフォーメーション)やインクルーシブ教育など、現代の教育現場が直面する課題解決に積極的
大阪教育大学の就職実績
卒業生の概ね半数が教員(主に小学校・中学校の教員)になっています。教員免許取得を必須としない教育協働学科の卒業生は一般企業へと就職する傾向があります。また、大阪府教育委員会、大阪市教育委員会、兵庫県教育委員会、神戸市教育委員会など、公務員や一般企業への就職者も一定数います。
大阪教育大学が向いている人
- 教員を強く志望し、教育現場で実践的に活躍したい人
- 教育DXや新しい教育課題に前向きに取り組み、日本の教育をリードしたい人
- 国立大学の学費で、専門性の高い教育を受けたい人
大阪教育大学の入試方式
大阪教育大学の一般選抜は前期と後期の日程で実施されています。特別選抜では、大学入学共通テストを課さない学校推薦型選抜と大学入学共通テストを課す学校推薦型選抜があります。
一般選抜
一般選抜は、大学入学共通テストの成績、教科・科目に係る個別テスト、小論文、実技検査、面接などを組み合わせて合否を判定します。前期は2月下旬に試験があり、後期は3月中旬に行われます。個別テストの内容や、必要な受験科目・配点は学科・コースによって変わるので、要項を確認しましょう。
なお大学入学共通テストは、実技科目を含む教員養成コースなど一部を除き、6(7)教科8科目の受験が必須となっています。
学校推薦型選抜
学校推薦型選抜は出身学校長の推薦が必要です。
大学入学共通テストを課さない学校推薦型選抜を実施しているコースは少なく、「学校教育教員養成課程教科教育専攻技術教育コース」「教育協働学科教育コミュニティ支援専攻スポーツ健康コース・芸術表現コース【音楽分野】」で実施されています。
学業の成績に加え、高校での活動実績が求められます。
大学入学共通テストを課す学校推薦型選抜は、大学入学共通テスト(6教科8科目または7教科8科目)、出願書類(学校長が作成した調査書及び推薦書、志望理由書)、実技検査及び面接などが課されます。一般選抜と同様に受験科目や実技検査の内容などがコースによって変わります。
共通テスト科目数には例外があり、学校教育教員養成課程の保健体育コース・音楽教育コース・美術・書道教育コース【美術分野】では6教科6科目、教育協働学科グローバル教育専攻国際協働英語コースでは4教科4科目が課されます。
また、実技検査は芸術系やスポーツ系など一部コースのみで実施され、すべてのコースに課されるわけではありません。
大阪府民は有利?大阪公立大学の受験制度と学費のポイント
大阪府民にとって大阪公立大学には大きなメリットがあります。
大阪府民向けの学費減免・無償化制度
大阪公立大学は公立大学であるため、運営母体である大阪府の条例に基づいた独自の学費支援制度が適用されます。
【現行制度】
学生本人とその生計維持者が入学時点で原則3年以上、大阪府内に継続して住所を有していることを条件に、学費と入学金が免除される制度があります。
【2026年度入学生からの大きな変更方針】
2026年度入学生からは、所得制限を撤廃し、上記の住所条件を満たせば4年間(6年制は6年間)学費が全額無償化される方針です。この制度を利用することで、大阪府民は国立大学に通うよりも、約250万円学費の負担が軽減される見込みです。
ただし、この免除は在学中も毎年継続審査があり、GPAや年齢(学部の場合、二浪までが対象)等、詳細な条件が多数ある点に注意が必要です。
大阪府の国公立大学はどんな人に向いている?
ここでは大阪府の国公立大学に適性がある人について解説します。
地元・関西圏での進学を希望する人
大阪府内の国公立大学は、地域社会や産業との連携が強く、卒業後に地元・関西圏での就職を考えている人に最適です。都市型キャンパスが多く、兵庫、京都、奈良など近畿圏からの通学も便利です。
多様な専門分野を体系的に学びたい人
大阪公立大学は文理にわたる多様な学部を設置しており、基礎から応用まで体系的に深く学びたい人に適しています。大阪教育大学は、教員養成という特定の分野で専門性を極めたい人に向いています。
学費の安定性と学力面で上を目指したい人
国公立大学であるため、私立大学よりも学費が安く、経済的な安定感が得られます。
特に大阪公立大学は偏差値50前後から上の学力帯が必要であり、関西圏の国公立大学志望者の第一志望として選ばれることも多い大学です。そのため、受験計画では関関同立など私立の難関校を併願校として組み合わせるケースが一般的で、国公立を軸にした受験スタイルをとる受験生にとって、現実的な選択肢です。しっかりとした学習計画を持ち、高いレベルで専門的な学びを求めている人に向いています。
まとめ
大阪府には、大阪大学、大阪公立大学、大阪教育大学の3つの国公立大学があります。
- 大阪大学:西日本最難関クラスの総合大学
- 大阪公立大学:国内最大規模の公立総合大学。府民向け学費優遇が大きな魅力。就職実績が豊富
- 大阪教育大学:西日本有数の教育専門大学。教員養成に特化した実践的な学び
志望校選びの際は、偏差値だけでなく、学部で学べる内容、キャンパスの立地、そして独自の優遇制度まで比較し、ご自身の目標に合った大学を見つけてください。
また、大阪府の国公立大学への合格は、目標とする大学や学部によって必要な対策が大きく異なります。
「大阪公立大学の学費優遇制度を最大限活かしたいが、自分に向いた学部はあるか?」
「大阪教育大学の教員養成課程に入るには、どの科目を重点的に対策すべきか?」
「志望校の偏差値が目標に届いていないが、残りの期間で逆転合格は可能か?」
こうした具体的な疑問や、一人ひとりの状況に合わせた受験勉強の戦略を立てるには、プロ講師の指導が不可欠です。トライでは、最新の受験情報に基づき、あなたの志望校に合わせた最適な学習計画を立案します。「大阪の国公立大学合格」という目標に向けて、私たちトライが全力でサポートします。まずは、お近くのトライまたはオンラインで、あなたの現在の状況や目標をお聞かせください。
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