愛知県は、全国でも国公立大学の数が多く、多様な進学先を検討できる地域です。自動車メーカーや部品メーカーなどの製造業が集積する地域特性を背景に、旧帝国大学から中堅程度の総合大学、特長ある単科大学まで、多種多様な国公立大学があります。学費を抑えつつ関心がある分野を学びたいという全国の受験生が抱えるニーズを満たすことができるでしょう。
この記事では、愛知県内の国公立大学について、学びの特色、難易度、学費、アクセスについて1校ずつ紹介します。自分に合った受験校を選ぶための参考にしてください。
※参考:河合塾 Kei-Net 大学検索システム(偏差値参照)
国立大学
名古屋大学|日本トップクラスの理系研究環境を提供
名古屋大学は言わずと知れた旧帝国大学の1つで、文学部、教育学部、法学部、経済学部、情報学部、理学部、医学部、工学部、農学部の計9学部を設置しています。医学部を除いても偏差値は62.5~57.5と、全国屈指の難関国立大学です。
博士号取得者や教授から6名ものノーベル賞(化学、物理学)受賞者を輩出していることからわかるように、特に理系分野で突出した実績があり、それに伴って研究施設が充実していることでも知られています。
「勇気ある知識人」を育てることを掲げ、チャレンジ精神を持ち社会のあらゆる場所で活躍できる知識人の育成を目指しており、それを体現するのが教養教育です。データ分析能力をつけるため基礎的な知識とスキルの獲得を目指す「データ科学」や急激な社会変化に対応し、新しい価値を生み出せる人材を目指すための「アントレプレナーシップ(起業家精神)」を文系・理系問わず全学教育として実施しています
独自の経済的支援を設けて学生の留学を推奨する他、海外からの留学生も積極的に受け入れており、国際的な視野を広げるのを後押ししてくれる環境が整っています。
キャンパスは名古屋市内に3ヶ所あり、医学部以外の学生が学ぶ東山キャンパスは名古屋駅から地下鉄で約20分とアクセスに優れています。入学料、授業料は標準額と同じです。
名古屋工業大学|化学から建築まで学べる工学の単科大学
名古屋工業大学は工学部のみを有する単科大学で、生命・応用化学科、物理工学科、電気・機械工学科、情報工学科、社会工学科の計5学科(13分野)を設置して工学分野を網羅しており、夜間主の電気・機械工学コースと環境都市工学コースもあります。
特に目を引くのが大学院の2年間を含む6年一貫の創造工学教育課程です。13分野を2コースに集約し、入試の段階でどちらかを選択します。この教育課程では、インターンシップなどを通じて実践で活きる思考力や課題解決能力を磨きます。また入学定員は計100名と、少人数教育による手厚いフォローが期待できます。
就職実績も良好で、大学院進学者数を除いた卒業生のうち何人が就職したかという「実就職率」では、卒業生1,000人以上の国立大学で上位に入ります。愛知県に本社を置く自動車メーカーや傘下の部品メーカー、地場大手のエネルギー企業などに多くの卒業生が就職しています。
偏差値は60~55で、やや難易度は高く、大学で学びたいことや卒業後の進路が明確な受験生におすすめの大学です。キャンパスは名古屋市昭和区にあり、名古屋駅から約15分で通える立地の良さが魅力です。入学料は標準額と同じで、授業料は2026年度入学者から標準額より年間で約10万円高い64万2,960円になります。
※参考:【7月22日現在】2025年実就職率ランキング | 大学通信
豊橋技術科学大学|大学院まで6年間の一貫教育で工学を学べる
豊橋技術科学大学は、「実践的、創造的かつ指導的技術者・研究者」の育成を目的とした、国内に2校しかない技術科学大学のうちの1つで、進学希望のある高等専門学校卒業生の「受け皿」として設立された経緯があります。
1年次入学(高校卒業生)の定員80名に対し、高専卒業後の3年次編入は定員360名です。1年次入学者への教育も充実させていますが、普通科の高校から進学する場合は、志望分野への高い関心と意欲が必要です。
もう1つの大きな特色は、大学院への進学率の高さです。大学のカリキュラムの設計が修士課程までの一貫教育を前提としているため、大学院の定員が多く、進学率は約8割となっています。工学系の単科大学で、機械工学、電気・電子情報工学、情報・知能工学、応用化学・生命工学、建築・都市システム学と5つの課程・専攻があり、工学分野を広く網羅していると言えます。
4年次には必修科目で実務訓練があり、卒業研究後の1月から約2ヶ月間、企業で実習をし、そこでの経験を大学院での研究活動に活かす仕組みとなっています。
広大なキャンパスで少人数教育を受けられる恵まれた環境です。豊橋市にあるキャンパスまではJR駅からバスで約30分ですが、自動車通学も認められており、不便さは少ないでしょう。入学料と授業料は標準額と同じです。
愛知教育大学|教員の就職に全国屈指の実績を誇る
愛知教育大学は、「教員に求められる高い資質の育成を行う」ことを目的に設立された教員養成大学の1つで、最も大きな特徴は卒業生の教員就職者数(正規採用と臨時的任用を合算した場合)が全国1位の実績(2024年3月卒業)を誇ることです。卒業生が指導員となって小論文や面接などの試験対策を行い、教員就職対策に力を入れています。
学校教員養成課程は幼稚園、小・中・高、特別支援学校、養護教諭の免許が取得でき、志望分野に合った専攻を選んで受験をします。卒業要件に含まれる免許と、取得が推奨される免許を合わせて、最大で4つを取得可能です。
心理や社会福祉、教育行政などの専門知識とスキルを持ち、教育活動や子どもたちを支援する専門職を育成するため、2017年には教育支援専門職養成課程が設置されました。社会福祉士の試験を受けるために必要な単位や、公認心理士や臨床心理士を目指す上で必要な単位を取得することができます。
偏差値は55~45と、難易度は中堅程度です。
刈谷市にあるキャンパスは、名古屋駅から特急で約20分、最寄りの名鉄の駅からさらにバスで約20分の距離に位置し、2年生から自動車通学も認められています。
入学料、授業料共に標準額です。
公立大学
愛知県立大学|教養教育の充実で社会課題を解決に導く人材を養成
愛知県立大学は、2009年に県立大学と県立看護大学が統合し、現在の5学部10学科制になりました。県内における「知の拠点」として、時代や社会の要請に応え、社会で広く活躍する人材の育成を行います。教養教育では、「多文化社会」「データサイエンス」の入門科目が1年生全員の必修科目となっています。
看護学部に加え、日本語や歴史の研究に取り組む日本文化学部、地域社会でもニーズが高いポルトガル語を東海エリアの大学で唯一学べる外国語学部、情報通信技術や人工知能に関する知識を学べる情報科学部があります。
教育と福祉が1つになった教育福祉学部は全国的にも珍しい学部で、それぞれの領域にまたがって学ぶことで、複雑化する現代社会の課題解決に貢献できる人材を養っています。一方で、県内の私立大学で充実しているのとは対照的に、宗教や哲学を専門的に学べる学部学科はありません。
どの学部も偏差値は50前後です。長久手市と名古屋市守山区に主要な2つのキャンパスがあり、看護学部の生徒は守山キャンパスで学びます。両キャンパスとも構内に学生も使用できる駐車場があり、近隣に住む学生は車で実家から通うこともできます。
入学料、授業料共に標準額となっています。
愛知県立芸術大学|国公立の学費で美術・音楽を専門的に学べる
愛知県立芸術大学には美術、音楽の2学部があり、入学定員は両学部合わせて200名弱と少人数制の大学です。
美術学部には美術科とデザイン・工芸科の2学科があります。日本画、油画の他、アントレプレナーシップ(起業家マインド)教育を掛け合わせ、社会で活躍するデザイナーを養成するデザイン専攻、アニメーションやCGなど幅広く学べるメディア映像専攻も高い人気を誇ります。
音楽学部は音楽科に作曲、声楽、器楽専攻があり、器楽専攻ではピアノや弦楽器、管打楽器の各コースで楽器の演奏技術や知識、表現力をつけていきます。音楽を学問と捉えて研究対象とする音楽学コースがあることが特徴です。
長久手市にキャンパスがあり、自然豊かな環境で専攻分野に集中して取り組むことができます。名古屋駅からは地下鉄などを乗り継いで計約50分の距離にあり、名古屋市内からのアクセスは悪いとまでは言えませんが、交通費に加えて、楽器などの持ち運びがある学生にとっては不便さを感じる場面もあるかもしれません。
芸術分野に特化した大学であり、全体的な偏差値は高くはありません。美術学部芸術学専攻は偏差値が52.5となっています。入学料、授業料ともに標準額どおりですが、学科ごとの教材費や実習費などで学費に差異が生じます。
名古屋市立大学|医学部・薬学部を有する全国でも有数の公立総合大学
名古屋市立大学は7学部11学科を擁する総合大学で、名古屋市内にある4つのキャンパスは、いずれも公共交通機関からのアクセスが良い都市型の大学です。医学部医学科を除く理系学部の偏差値は62.5~47.5で、文系学部は65~57.5と、エリア屈指の難関大学の1つです。
薬学部を設置している国公立大学は県内では名古屋市立大学のみです。医学部、薬学部の他、経済学部、人文社会学部、芸術工学部、総合生命理学部、データサイエンス学部があります。
中でも目を引くのが芸術工学部です。デザイン・芸術の感性と工学の理論を備えた「総合デザイナー」の育成を目指しており、情報通信、デザイン、建築の大きく3分野を学ぶことができます。分野ごとに学科を設けていますが、2026年度以降は1つの学科に統合され、横断的に学べるようになります。情報通信から製造業まで幅広い業種・企業に卒業生を輩出しています。
受験生の興味に広く応える学部構成ですが、教育学部と工学部はありません。一部の学部では教員免許の取得が可能です。
入学前に1年以上名古屋市に住んでいる入学者は、入学料が他の学生よりも10万円低く設定(標準額より5万円低い)されています。授業料は標準額と同じですが、学部ごとに設定された諸団体納付金などで初年度納入金が大きく上下します。
受験生の興味関心を広くカバーする愛知県の国公立大学
愛知県の国公立大学は数が多いだけではなく、総合大学から工、教育、芸術の専門性に特化した単科大学まで、受験生の関心がある分野を幅広くカバーしている点が大きな特徴です。
特に工学分野に関しては2校の単科大学があり、自動車産業をはじめ製造業が集まる愛知県で学ぶ上で大きな相乗効果を発揮しています。将来、製造業などでエンジニアとして活躍したい受験生にとっては、産学連携を活かした実践的な学びを通して就職活動において大きな優位性を確保できるでしょう。
入学料や授業料が標準額を上回る一部の大学もありますが、それでもなお低い学費は、経済的な事情を抱えつつも、「関心がある分野を大学で学びたい」「将来どうしても叶えたい夢がある」多くの受験生にとっての味方です。
愛知県の国公立大学は、学費の面に加え、学べる幅の広さや深さ、一部大学におけるアクセスの良さ、域内における就職への強みから、県内に限らず、全国の受験生が選択肢に入れるべき大学群であると言えます。
まとめ
この記事では、愛知県の国公立大学7校について、偏差値や学べる学問の特徴を中心に解説しました。愛知県内の国公立大学はどれも特色豊かで、選択肢が増えてかえって迷ってしまう受験生の方もいると思います。
受験校選びで重要なのは、「行ける大学」ではなく「行きたい大学」を決めることです。自分が何のために大学に進学するのかをまずは明確にしましょう。その上で、今回の記事も含めて情報を集め、自分の進路を実現するために適した大学を見つけましょう。先に「行ける大学」から考え始めると、理想とのギャップを入学後に気づいて後悔してしまう可能性があります。
トライでは、多くの受験生に対して受験校選びをサポートしてきた実績があり、経験豊富な教育プランナーが受験生の夢や希望を実現するための大学選びをお手伝いします。
愛知県内の各国公立大学の入試傾向を踏まえ、それぞれの実力に応じたマンツーマン指導も可能です。県内に限らず、日本中の高校生に高いクオリティーで愛知県の国公立対策を提供できるのが、全国各地に展開するトライの強みです。
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