2026/02/12

【中学受験】予習シリーズが難しい!改訂で難化した理由と塾別・科目別・学年別の攻略法

予習シリーズは中学受験の定番教材として多くの塾で使われていますが、ここ数年は「内容が難しい」「親世代の感覚と違う」といった声が増えています。背景には、近年の改訂によって従来よりも早い学年から高度な内容を扱う構成になっていることや、問題構成そのものの難化があります。

この記事では、予習シリーズが難しいと感じる理由や塾による使い方の違い、学年別につまずきやすいポイント、家庭学習での取り組み方を詳しく解説します。

予習シリーズが「難しい」と言われる理由

予習シリーズが難しいと感じられる背景には、問題量の多さだけでなく、教材そのものの設計の変化があります。改訂によって何がどう変わり、どの部分で負担を感じやすくなっているのかを整理して見ていきましょう。

改訂で学習する学年が前倒しされ、抽象的な内容に早く触れるため

2021年前後の改訂により、割合・比・速さといった抽象的な単元が、従来よりも早い学年で登場するようになりました。親世代では5年生で学んでいた内容を、4年生のうちから扱うケースも見られます。

そのため、昔の予習シリーズと同じ感覚で取り組むと、進度の速さに戸惑いやすくなります。思考の土台が十分に育つ前に抽象的な概念に触れることで、「理解が追いつかない」と感じる原因にもつながりやすい構造です。

この進度の前倒しには、近年の中学受験全体の出題傾向が強く影響しています。難関校・最難関校では、単なる計算力や知識量だけでなく、「条件を整理して考える力」「初見の問題に対応する力」を重視する問題が増えています。こうした流れを受けて、思考力を早い段階から育てる必要が生じ、カリキュラム全体が前倒しになっています。

具体的な単元配列は年度やコースによって多少前後しますが、予習シリーズでは一般的に、4年生後半で「和と差の文章題」を学んだ直後に「割合」の考え方へ移行し、5年生では「比」と「速さ」を同時進行で扱う構成が多く見られます。本来は段階的に定着させたい単元が重なって進むため、理解が浅いまま次の内容へ進んでしまい、負荷を強く感じやすくなるでしょう。

「基本問題」のレベルが上がり、思考力を必要とするため

従来の予習シリーズは、「基本→練習→応用」という段階構成が比較的明確でした。しかし、改訂後は「問題文を正確に読み取る力」「条件を整理する力」「理由を説明する力」などが基礎段階から求められる構成になっています。基本問題だけに取り組んでいるつもりでも、負担が大きいと感じやすいのはこのためです。

従来の基本問題は、「この形が出たらこの解き方」というように、ある程度パターン化して対応できるものが中心でした。しかし、改訂後は複数の条件を整理しないと解けない問題が増え、単純な解法の暗記だけでは対応しにくくなっています。

実際は、すべてが難化したわけではなく、例題の説明が丁寧になったり、補助教材が充実したりと、学びやすさが向上している部分もあります。

ただし、親世代が使用していた教材と比べても、現在の基本問題は文章量が多く、設問の形式も「答えを選ぶ」より「考え方を組み立てる」内容に変化しているため、この違いによって、難しさの質が変わったと感じる家庭が多いのが実情です。

単元どうしのつながりが強く、つまずきが連鎖しやすいため

予習シリーズは、割合→比→速さ→図形といったように、関連性の強い単元が連続して配置されています。そのため、1つの単元で理解が不十分なまま進むと、次の単元すべてに影響が及びやすくなります。

「急に解けなくなった」と感じる場合でも、実際にはその前の単元での積み残しが表面化しているケースが多く見られます。家庭学習での復習が不足すると、難度が連鎖的に上がっていく点も、難しさを感じやすい理由の1つです。

例えば、「割合」の理解が不十分なまま進むと、「速さ」の旅人算で比を使う問題や「図形」の相似を使った面積比の問題でつまずきやすくなります。一見すると別の単元に見えても、実際には同じ考え方を土台にしているため、基礎の穴が応用段階で一気に表に出てきます。

このような場合、今取り組んでいる単元だけを復習しても、根本的な解決につながらないことがあります。つまずきが連鎖しているときほど、「どこから理解が止まっているのか」を見極め、割合や比などの基礎単元まで戻る「戻り学習」が必要になります。

科目別|予習シリーズどこが難しい?

予習シリーズの難しさは、科目によって表れ方が異なります。算数だけが大変というわけではなく、国語・理科・社会それぞれに特有の負担ポイントがあります。科目ごとに、つまずきやすい原因を具体的に見ていきましょう。

算数:割合・比・速さの前倒し&文章量の増加

算数では、抽象度の高い割合・比・速さが早期に登場し、文章題の比重も高まっています。計算だけでなく、条件の読み取りや式の意味の理解が必要になり、処理に時間がかかる傾向があります。

算数の負担を軽減するためには、予習シリーズ本文と並行してサブ教材をどう使うかが重要になります。例えば「計算と一行問題集」は、毎日少量ずつ取り組む形が適しており、授業のない日に前週の復習として使うと効果が安定しやすくなります。予習シリーズの例題で学んだ解法を、計算と一行問題で反復することで、「考え方」と「処理力」を同時に定着させられます。

また、割合・比・速さの文章題では、線分図、面積図、表といった整理の道具を場面に応じて使い分ける練習が欠かせません。どの図を使えば条件が整理しやすいのかを毎回意識することで、解法の選択ミスや読み間違いを減らすことにつながります。

国語:長文&記述量の多さで読解負荷が高い

国語では、長文読解と記述問題の量が増えています。文章の要点をつかむ力や、自分の言葉でまとめる力が求められ、読み慣れていない場合は負担を感じやすくなるでしょう。

国語の土台となる語彙力や漢字力は、予習シリーズ本文とは別枠で継続的に積み上げる必要があります。「漢字とことば」という副教材は、授業の無い日に1単元ずつ進め、週末にまとめて確認する形が現実的です。毎日長時間取り組むよりも、「短時間でも毎週同じリズム」で進める方が定着しやすくなります。

記述問題については、「答えの要素を本文から抜き出す」「抜き出した要素を整理する」「指定された文字数に合わせて書き直す」という3段階のプロセスを意識すると、点数が安定しやすくなります。いきなり書かせるのではなく、材料集めと整理の工程を分けることが重要です。

理科:説明型問題の増加で「理解と言語化」が必要

理科では、用語を覚えるだけでなく、「なぜそうなるのか」を説明する問題が増えています。現象の仕組みを理解し、それを言葉で表現する力が必要になるため、暗記中心の学習では対応しづらい場面が出てきます。

理科では、予習シリーズに掲載されている実験図や観察図を単なる挿絵として見るのではなく、「何を調べる実験なのか」「結果として何がわかったのか」という目的と結果をセットで確認することが重要です。結果だけを覚えるのではなく、「なぜこの結果になるのか」を説明できるかどうかが理解度の目安になります。

また、用語の暗記に偏りすぎると、少し聞き方が変わっただけで答えられなくなることがあります。「なぜそうなるのか」を自分の言葉で説明できるかを、家庭でもチェック項目として確認していくと、理解の抜けを防ぎやすくなります。

社会:資料読み取りの高度化

社会では、グラフや表、地図資料をもとに考える問題の比重が高まっています。情報を複数組み合わせて考える必要があり、読み取りの精度が結果に大きく影響します。

社会の資料読み取り力を高めるには、テキスト内の資料だけで完結させず、白地図や年表を併用した学習が効果的です。予習シリーズで学んだ内容を、自分で白地図に書き込んだり、年表に整理したりすることで、知識が点ではなく線としてつながりやすくなります。

資料問題に取り組む際は、「グラフや表のタイトル」「単位」「出典」の3点を最初に確認する習慣をつけることが大切です。この確認を省くと、何を表している資料なのかを取り違えたまま解いてしまうことがあるので気をつけましょう。

塾ごとに異なる予習シリーズの使い方

同じ予習シリーズを使用していても、塾によって授業の進め方や家庭学習の位置づけは大きく異なります。塾ごとの特性を理解しないまま取り組むと、努力が空回りしやすくなるため注意が必要です。

四谷大塚:予習前提のサイクルが回らないと苦しくなる

四谷大塚では、「予習→授業→復習→週テスト」という学習サイクルを前提に、予習シリーズが作られています。予習が不十分な状態で授業に臨むと、内容の理解が浅くなり、そのまま週テストの結果が不安定になりやすくなります。

1週の遅れが次週の難度に直結し、つまずきが連鎖しやすい点も特徴です。特に割合・比・速さ・図形などの抽象度の高い単元では、解説を読んでも理解が難しいと感じる場面も出やすく、家庭だけでのフォローが難しくなるケースも見られます。

早稲田アカデミー:宿題量が多く、予習シリーズを消化しきれない

早稲田アカデミーでは、予習シリーズに加えて塾独自のプリントや演習課題が多く出される傾向があります。そのため、家庭学習では「テキストを読む時間」や「解き直しに必要な時間」が不足しやすくなります。

宿題量と予習シリーズを両立しようとして負担が増え、「何を優先すれば良いのかわからない」と感じやすくなるのも、このタイプのつまずき方の1つです。

【学年別】特に難しい算数|つまずきポイントと対処法

予習シリーズの難しさは、学年によって性質が変わっていきます。4年生では基礎づくり、5年生では取捨選択、6年生では総合力が求められます。各学年で起こりやすい、算数のつまずきを整理します。

4年生:抽象的な単元の早期登場により学習習慣が整わないと負担増

4年生の後半から、割合の前段階や図形の考え方など、抽象的な単元が増えていきます。文章量も多く、「読みながら考える」力が求められる学年です。

家庭学習のやり方が定まらないまま難しい単元に入ると負担が大きくなるため、まずは例題中心で進めることが大切です。できていない単元は戻って学習し、読むスピードが遅い場合は、国語的な読み取りの練習も取り入れると良いでしょう。

5年生:難しい単元が続き取捨選択をしないと追いつかない

5年生は、割合・比・速さ・図形といった難度の高い単元が集中する時期です。応用問題や発展問題も増え、毎週すべてに取り組むのは現実的に難しくなります。

「できない単元が連鎖していく」ことが5年生の大きな特徴です。基本問題を最優先にし、応用問題は必要な範囲に絞る判断が求められます。なぜ間違えたのかを分析し、解き直しを中心に学習を進めることが安定につながります。

6年生:複合問題で過去の穴が一気に表面化する

6年生では、過去単元を複数組み合わせた総合問題が中心になります。弱点が残っていると、問題の意図そのものがつかめなくなることも少なくありません。

家庭教材だけで戻る範囲を管理するのが難しくなる時期でもあります。単元別に戻る範囲を決め、総合問題と並行して弱点補強を進めることが大切です。直前期は量より質を重視し、基礎の抜けを埋める学習に切り替えていきましょう。

挫折しないための予習シリーズ活用法

予習シリーズは、すべてを完璧にやりきろうとすると負担が過度になりやすい教材です。大切なのは、今の学力や生活リズムに合わせて取り組み方を調整することです。無理なく続けるための活用法を紹介します。

勇気を持って「解かない問題」を決める

予習シリーズは、すべての問題を完全にやりきる前提で作られている教材ではありません。4教科すべてを完璧に仕上げようとすると、時間が足りなくなるのが現実です。

例題と基本問題を優先し、応用問題は必要に応じて絞ることで、学習の質が安定します。「解かない問題を決める」判断も、継続のためには重要な工夫です。

具体的な選定基準を持たずに取捨選択を行うと、「何となくやらない」状態になりやすく、かえって不安が大きくなることがあります。例えば6年生では、志望校のレベルに合わせて「予習シリーズの応用問題集のB問題は優先度を下げる」「基本問題と標準問題に集中する」といったように、あらかじめ基準を決めておくと判断がぶれにくくなります。

また、テキストに直接「解かない」「優先度低」などとマークを入れ、親子でその方針を共有しておくことも重要です。毎回の学習で迷いが減り、「やらなかった」という罪悪感を抱えにくくなることで、心理的な負担の軽減にもつながります。

週テストより「解き直し」を優先する

点数を見るだけでは、学力はなかなか伸びません。読み間違いなのか、計算ミスなのか、概念の理解不足なのかといった原因を整理することが重要です。

テストは理解度の診断と位置づけ、対策は解き直しで進めていく意識を持ちましょう。春休み・夏休み・冬休みなどの長期休暇を活用するのも効果的です。

解き直しの効果を高めるためには、「なぜ間違えたのか」を具体的に分類することが重要です。例えば、間違いを「知識不足」「計算ミス」「読解ミス」「複合的な原因」の4つに分けて整理すると、次に何を補強すべきかが明確になります。ノートの余白にこの4分類を書き、毎回どれに当たるかを記録していくだけでも、傾向が見えやすくなるでしょう。

また、解き直しは1度やって終わりにせず、直後、3日後、1週間後と間隔を空けて繰り返すことで、長期間、記憶に定着しやすくなります。短期間に何度も解くのではなく、時間をあけて思い出す作業を入れることが得点の安定につながります。

家庭で教えきれない部分は個別指導でフォローする

予習シリーズには、家庭だけでの説明が難しい単元も多く含まれています。第三者が見ることで、「どこで理解が止まっているのか」を短時間で整理できるケースも少なくありません。

親世代が習っていた内容とは考え方が異なる問題も多く、無理に教えようとすると混乱の原因になることもあります。必要に応じて、トライのように一人ひとりの理解状況に合わせて進められる個別指導を活用するのも1つの選択肢です。

このとき、保護者の役割を「教える人」として抱え込まないことも大切です。家庭では、勉強の内容を直接教えるよりも、学習時間の確保や進捗管理、気持ちの面での支えに回る「学習環境のマネージャー」として関わる方が、親子関係が安定しやすくなります。

個別指導を選ぶ際には、「予習シリーズに詳しい講師が在籍しているか」「割合や図形など特定の単元に絞って対応できるか」といった点を確認しておくと安心です。必要な部分だけを的確に補える体制が整っていれば、家庭学習との両立もしやすくなります。

まとめ

予習シリーズは改訂によって難化しており、以前よりも思考力や読解力が強く求められる教材になっています。思うように進まないからといって、学力そのものに問題があるとは限りません。

原因を把握し、問題の優先順位をつけること、解き直し中心の学習に切り替えることが大切です。家庭だけで「戻り学習」の範囲を判断するのが難しい場合は、一人ひとりの理解状況を見ながら進められる個別指導の選択肢を検討するのも有効です。無理なく予習シリーズと向き合い、安定した学習につなげていきましょう。

トライでは、予習シリーズの単元ごとのつまずき分析から、割合・比・速さ・図形といった重要単元の重点フォローまで、マンツーマンで細かくサポート可能です。「予習シリーズが難しい」と感じた時の第三者チェックとしても活用できますので、ぜひお気軽にご相談ください。

カテゴリーから選ぶ

個別教室のトライ・家庭教師のトライ・トライのオンライン
資料ダウンロード
電話番号0120-555-202(9:00〜23:00 / 土日・祝日も受付中)