早稲田大学スポーツ科学部の小論文は出題テーマに特徴があり、一般的な小論文対策だけでは不十分です。合格するためには、スポーツ科学部に特化した小論文の対策が必要になります。
本記事では、早稲田大学スポーツ科学部の入試の特徴や、過去に出題されたテーマ、必要な対策を紹介しています。小論文対策でつまずきやすいポイントも解説しているので、受験を考えている方はぜひ参考にしてください。
早稲田大学スポーツ科学部で小論文が出題される入試形態を紹介
早稲田大学スポーツ科学部の入試について、全体の特徴を踏まえた上で小論文が出題される入試に絞って詳しく解説します。
早稲田大学スポーツ科学部の入試の仕組み
早稲田大学のスポーツ科学部では、さまざまな立場からスポーツ界をけん引し、発展に貢献できる人材の育成を目指しています。スポーツを「する」立場から「支える」立場まで多様な人材を獲得できるよう複数の入試形態が存在します。
一般選抜では、大学入学共通テストの結果が合否に影響を与えます。大学独自の試験を課す方式と、大学入学共通テスト利用(大学入学共通テストのみの方式、共通テスト+競技歴方式)の計3パターンがあります。なお、早稲田大学では、大学の試験場で試験を受ける入試を特に「一般選抜」と呼んでいます。
総合型選抜も複数パターンあり、オリンピックや世界選手権で活躍できるアスリートを対象にしたⅠ群(トップアスリート入学試験)、高いスポーツ技能を有する高校生を対象にしたⅡ群(アスリート選抜入学試験)、高い競技能力を有する高校生を対象にしたⅢ群(スポーツ自己推薦入学試験)があります。Ⅱ群は公募制ではありません。
その他、チームや選手を「ささえる」立場から課題解決に取り組んだ高校生を対象にしたスポーツサポート歴入学試験もあります。複数学部で実施する地域探究・貢献入試も、大学入学共通テストの結果を使用します。
小論文が出題される早稲田大学スポーツ科学部の入試
上記の入試形態のうち、一般選抜と総合型選抜Ⅲ群、地域探究・貢献入試で小論文が出題されます。
一般選抜は、大学入学共通テスト2科目(計200点)と総合問題(100点)で合否を判定します。大学入学共通テストは外国語(英語)が必須で、国語と数学ⅠAのいずれかを選択します。
他に課される試験は、かつては小論文でしたが、2025年度から総合問題(100点・120分)に変更されました。2025年度の総合問題には大問が3つあり、前半2つでは、表やグラフを読み解き、論理的に類推したり、複数のデータを組み合わせて分析したりする力が問われます。
総合型選抜Ⅲ群では、一次試験の書類審査と二次試験の小論文(午前)・面接(午後)で合否を判断します。小論文は90分で自身の意見を論理的にまとめて文章化します。総合問題の出題はありません。
地域探究・貢献入試は一般選抜同様、総合問題の中に小論文があります。他の学部と共通の内容で、社会や地域の課題をテーマにした内容が多くなっています。
早稲田大学スポーツ科学部で出題された小論文の過去問パターン
ここでは、過去に出題された小論文のテーマを紹介します。
一般選抜(大学入学共通テスト+小論文を含む総合問題)
いずれも文字数は601字以上1,000字以内です。2025年度からは総合問題になり全体の量が増えましたが、小論文の文字数はほぼ変わっていません。時間は30分増えたものの、小論文にかけられる時間は実質的に減少しています。
実際に出題されたテーマをまとめています。
| 入学年度 | テーマ |
|---|---|
| 2023年度 | 退屈の意味 |
| 2024年度 | この世からスポーツがなくなったらどうなるか |
| 2025年度 | 大学生は「子ども」なのか、それとも「大人」なのか |
総合型選抜Ⅲ群(スポーツ自己推薦入学試験)
総合型選抜Ⅲ群は小論文(資料の読み取りなど無し)と面接を実施し、文字数は601字以上1,000字以内(2026年度のみ801字以上1,000字以内)です。過去には書籍に登場する図や表が掲載されることがありました。今後も図や表を読み取った上で意見の表明を求める問題が出題される可能性があります。
実際に出題されたテーマを紹介します。
| 入学年度 | テーマ |
|---|---|
| 2023年度 | ヒトはこの先、どのように変化するのかについて、あなたの予想とその理由(書籍から図の掲載あり) |
| 2024年度 | 失敗の効用 |
| 2025年度 | スポーツにおける「運」の重要性 |
| 2026年度 | 夏季オリンピックとサッカーワールドカップの開催場所の選定における類似点と相違点(各開催場所のリストあり) |
複数学部で実施する地域探究・貢献入試では、出題される大問2つとも自分の考えを論述することが求められます。
問1では、社会課題(空き家増加、ジェンダーギャップなど)について、自分の考えを論述します。
この3年間で文字数は、801字以上1,000字以内、801字以上1,200字以内、1,001字以上1,200字以内と変化しており、文字数の上限・加減ともに増加傾向にあります。
問2では、出願時に提出する「課題レポート」を踏まえて与えられたテーマに沿った論述が求められます。文字数は601字以上800字以内です。
塾の講師や高校の教師からサポートを受ける場合でも、主体性を持って課題レポートを作成し、受験日まで内容の確認をすることが求められます。
早稲田大学スポーツ科学部の小論文対策|評価される考え方と書き方
早稲田大学スポーツ科学部の小論文対策について紹介します。小論文の書き方に慣れ、思考力を深めるとともに、スポーツに関連したニュースにも日ごろから関心を持つようにしましょう。
出題テーマの意図を理解し、スポーツ×社会の視点で考える
問題文を読んだら出題者がどんな意図でその問題を出しているかを考えましょう。
早稲田大学スポーツ科学部では、「スポーツ界だけではなく多種多様な分野でグローバルリーダーとなり得る人材の輩出」や「さまざまな立場でスポーツひいては社会の発展を成し遂げられる人材の育成」を目指し、入試では「スポーツ科学を真摯に探求しようとする強い意欲」や「学習やスポーツ経験などを通じて培われた能力や素養」を評価します。
学部への適性、意欲や能力を評価するため小論文を実施するので、スポーツとは無縁のテーマが出題されることはありません。社会や地域の課題、時事問題を織り込めるように知識や技術を養うとともに、どのようなテーマでも自然とスポーツに結び付ける方策を試験までに会得する必要があります。
自分の意見を組み立て、具体例で裏付ける
一般的な小論文では、テーマや記述の内容に対する「正解・不正解」が採点基準となるわけではありません。自分自身の意見を論理的に説明できるかが重要です。
大学側の出題意図を理解したら、テーマに対する結論(自分の意見)を決め、それを裏付けられる具体例を考えます。客観的なデータや自身の経験であることが望ましいでしょう。
序論・本論・結論を意識した構成に沿って記述する
具体例を基に自分の意見を組み立てたら、それをストーリーとして構成します。基本的には、序論→本論→結論の流れで構成します。
序論では、この小論文を通して主張したい自分の考えを述べます。受験生が言いたいことを冒頭で試験官が把握できるため、その後の本論が読みやすく理解しやすいものになります。
本論では、具体例を織り込んで自分の主張を深掘りしましょう。自分の主張にダイレクトにつながる根拠を言えるかどうかが、説得力のある文章になるかどうかの分岐点になります。主張と具体例が直結しないと文章の説得力が下がって高い評価は望めません。
また、誤った根拠や曖昧な記憶を基に主張を構成すると、午後からの面接で面接官に詳細を聞かれて答えられず、減点対象となる可能性があるので注意が必要です。
日ごろからインプットに努めてスポーツや社会問題に触れる
小論文では、スポーツに関して高校の保健体育で習うような深い知識が求められているわけではありません。特定の分野に特化した知識よりも、スポーツとその関連分野に関する視野の広さや思考の深さが重要です。
アスリートが活躍する世界的な大会を目指すことだけがスポーツではなく、健康維持を目的とした生涯スポーツ、体づくりや健全な成長のための学校体育などスポーツは私たちの生活に密接に関わっています。日ごろからスポーツに関する時事的な知識や医療、福祉など、関連する情報を取り入れるように努めましょう。
早稲田大学スポーツ科学部の小論文対策でつまずきやすいポイント
ここでは、早稲田大学スポーツ科学部の小論文対策で受験生がつまずきがちなポイントを解説します。文章力の不足よりも、小論文を書く上での考え方や準備の方向性がずれていることがつまずきの原因となります。対策に時間をかけているのに結果がついてこない人は、ぜひ参考にしてください。
過去問をただ解くだけでは十分でない理由
過去問は対策のための優れた道具ですが、有効に使わなければ十分な対策はできません。過去問に対する解答例を公開しているWebサイトもありますが、あくまでも一例です。解答例に記述内容を寄せて合わせに行くという姿勢では、活用できているとは言えません。
「小論文がそれなりに書けるようになった」と自信がついたら、公開されている模範解答を、どのような意図で書かれているのか考えながら読み、可能な限り添削もした後で、自分なりの新たな答案をつくり上げることが重要です。
過去問は「思考訓練」の一環として活用します。与えられたテーマに対し背景と出題意図を考えることと、具体例に基づいて、最後まで一貫した主張を展開することが重要です。曖昧にしたり、途中でブレたりしたら説得力が落ちてしまいます。具体例は主張に直結したものにし、一般論の寄せ集めにならないようにしましょう。
書き終えたら主張が一貫しているか、スポーツ科学部に相応しい視点が入っているかをチェックします。過去問はこのように使うことで、本番で効果を発揮します。形式に慣れることも大切ですが、同じ設問でも主張や具体例を変えながら2回、3回と解くことにより、説得力のある小論文を時間内に書けるようになります。
「感想文」になってしまう答案の特徴
小論文が感想文になる要因
小論文が感想文のようになるケースとして、主に2つの要因が考えられます。1つ目は「~と思います」「~だと感じました」といった表現が多く、思考を深められていないパターンです。原則として主張に正解・不正解はなく、どんなテーマでも具体的な根拠を示して論理展開できるよう意識してトレーニングしてください。
2つ目は自身の体験談が中心で、視野が狭く社会的な視点や分析が不足しているケースです。スポーツを学問とする学部を受験する以上、個人の体験を広く社会課題や時事問題と繋げたり、スポーツそのものを社会・教育・科学の文脈の中で論じたりする必要があります。
感想文を「論述文」に変える方法
「自分はどう考えたか(主張)」から「なぜそう言えるのか(理由)」までがまっすぐつながっていることが必要です。自分では矛盾なく主張できているように思えても、矛盾が生じていたり強引だったりすることはよくあります。「●●だから、●●だと考えた」のように、理由と主張を前後させても論理構成が成立しているかをチェックしてください。
他にも、主張の構成が型どおりになっていないケースにも注意が求められます。主張→理由→具体例→まとめ(序論→本論→結論)は、一般的な構造ですが、必ずしもこの構造を踏襲しないといけないわけではありません。ただし、多くの受験生が使う型であり、試験官にとっても読みやすく、主張を理解してもらいやすい型であることは確かです。まずはこの型に沿って主張できるようにしましょう。
時間内に書き切れない原因と対処法
時間や文字数をオーバーする原因
制限時間内に書ききれない、文字数が制限内に収まらないというケースも考えられます。多くは試験対策の準備不足に起因して発生します。構成を考えずに書き始めて、主張がまとまらずに時間不足になる、途中で論点が増えて収拾がつかなくなり制限の文字数内に収まらないといったパターンが多くあります。
また、短文のテーマ型での出題が中心であるため、単にそのテーマに関する知識が欠如していることから、文字数の下限に達するまでの分量さえも書けない場合があるでしょう。
あるいは、自分の持てる知識で、与えられたテーマについて、なんとか答案を書こうと試行錯誤する過程に時間をかけ過ぎてしまい、制限時間内に結論まで書き上がらないという要因も考えられます。
時間配分を意識する
限られた時間内で、構成の検討、記述、見直しができる最適な時間配分が重要です。特に、主張内容や根拠の構想も含めた構成の検討には厚めに時間を割きましょう。結果的に、記述や見直しの時間を少なくすることができます。
型を自分の中で確立する
文字数については、601~1,000字の制限内で、800字を目標に、序論100字、本論600字、結論100字と決めて、過去問を解く際にもこの文字数前後で書けるようにします。解答用紙への記入を始める前に、序論、本論、結論のキーワードや簡単な内容を問題用紙の余白にメモをします。記述を始めたら書くことだけに集中できるのが理想です。完璧な文章を目指すことよりも、一貫性のある論理構成にすることを意識してください。
一般選抜と総合型選抜Ⅲ群は字数が同じで、テーマも、スポーツの細かい知識を問うよりも視野の広さと思考の深さが求められるという共通点があります。
構成展開の型や各論の文字数を決めて過去問を解くようにしましょう。どのようなテーマでも型に合わせて書けるようになれば、一般選抜、総合型選抜Ⅲ群のどちらを受験することになっても対応できるようになります。
まとめ
この記事では、早稲田大学スポーツ科学部を志望する受験生に向けて、一般選抜、総合型選抜Ⅲ群の小論文を解説しました。対策をするにあたっては、出題意図を理解する、具体的な根拠を基に主張を構成する、序論→本論→結論の型を踏襲するという一般的な対策を行って、制限の時間、字数で意見をまとめて記述できるようにしましょう。
その上で、日ごろからスポーツやそれに関連する内容のニュースにアンテナを張り、自分自身の考えを深める訓練に取り組んでください。
少なくとも一般選抜については、赤本が出版されており、サンプル問題と過去4年分の小論文(総合問題)が掲載されている上に、過年度の赤本を入手することもそこまで難しくはないため、なるべく多くの過去問を参照することも比較的容易であると言えます。
また、総合型選抜Ⅲ型もほぼ同一の傾向を持った出題なので、一般選抜の過去問も演習に活用することが可能です。もちろん、著作権のある文章や資料などが見られない可能性もありますが、短文テーマ型の出題が中心なので、文章・資料読解型の小論文の過去問と比べると問題はないでしょう。
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