筑波大学は、茨城県つくば市にキャンパスを構える国立大学です。東京教育大学を前身とし、1973年に開学しました。指定国立大学法人に選ばれているほか、文部科学省の「スーパーグローバル大学創成支援事業」においてもトップ型(タイプA)の指定校に選定されており、研究力・教育力ともに国内トップクラスの評価を受けています。
筑波大学の特徴は、一般的な大学の「学部・学科」とは異なり、「学群・学類」という独自の教育組織を採用していることです。現在、7学群23学類と「体育」・「芸術」・「学際サイエンス・デザイン」の3つの専門学群を擁し、幅広い学問分野をカバーしています。
この記事では、筑波大学の学群別偏差値ランキング、入試難易度、他大学との比較、多様な入試制度の特徴、そして二次試験の科目別対策について詳しく解説します。筑波大学の受験を検討している方はぜひ参考にしてください。
筑波大学の学群別偏差値ランキング
筑波大学では「学部」ではなく「学群・学類」制を採用しています。ここでは河合塾Kei-Netのデータに基づき、文系・理系に分けて偏差値を一覧で紹介します。
偏差値は、河合塾が実施する全統模試の結果から算出した合否可能性50%のボーダーラインです。模試ごとに母集団や出題が異なるため、閲覧するサイトによって数値が異なる場合があります。また、同じ学類でも入試方式(前期 / 後期 / 総合選抜)によって偏差値が変わる点にも注意しましょう。
学部別偏差値ランキング一覧
学部別の偏差値ランキング一覧です。ここでは前期日程のデータを掲示いたします。
文系学群偏差値
文系学群を偏差値の高い順にまとめました。
| 学群・学類 | 偏差値 | 共テ得点率 |
|---|---|---|
| 社会・国際学群 社会学類 | 65.0 | 80% |
| 人文・文化学群 比較文化学類 | 62.5 | 80% |
| 人文・文化学群 日本語・日本文化学類 | 62.5 | 80% |
| 社会・国際学群 国際総合学類 | 62.5 | 80% |
| 人間学群 教育学類 | 62.5 | 80% |
| 人間学群 心理学類 | 62.5 | 80% |
| 人文・文化学群 人文学類 | 62.5 | 79% |
| 総合選抜(文系) | 60.0 | 77% |
| 人間学群 障害科学類 | 60.0 | 75% |
※参考: 筑波大学 偏差値|Kei-Net
理系学群偏差値
理系学群を偏差値の高い順にまとめました。
| 学群・学類 | 偏差値 | 共テ得点率 |
|---|---|---|
| 医学群 医学類 | 67.5 | 85% |
| 情報学群 情報メディア創成学類 | 60.0 | 80% |
| 情報学群知能情報・図書館学類 | - | 80% |
| 理工学群 化学類 | 57.5 | 78% |
| 理工学群 物理学類 | 57.5 | 78% |
| 理工学群 社会工学類 | 57.5 | 78% |
| 生命環境学群 生物学類 | 57.5 | 78% |
| 理工学群 数学類 | 57.5 | 77% |
| 理工学群 工学システム学類 | 57.5 | 77% |
| 理工学群 応用理工学類 | 57.5 | 76% |
| 総合選抜(理系I) | 57.5 | 76% |
| 総合選抜(理系III) | 57.5 | 76% |
| 生命環境学群 地球学類 | 57.5 | 76% |
| 情報学群 情報科学類 | 57.5 | 75% |
| 総合選抜(理系II) | 57.5 | 75% |
| 生命環境学群 生物資源学類 | 55.0 | 79% |
| 医学群 医療科学類 | 55.0 | 72% |
| 医学群 看護学類 | 55.0 | 68% |
※情報学群知能情報・図書館学類は後期日程のみ
専門学群・総合選抜の偏差値
体育専門学群・芸術専門学群です。実技中心の選抜のため、偏差値は設定されていません。
| 学群・学類 | 偏差値 | 共テ得点率 |
|---|---|---|
| 体育専門学群 | – | 78% |
| 芸術専門学群 | – | 77% |
※参考: 筑波大学 偏差値|Kei-Net
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筑波大学の難易度はどのレベル?
筑波大学の入試難易度について、他大学との位置関係と大学入学共通テストの得点率の観点から解説します。
旧帝国大学に匹敵する難易度
筑波大学は、筑波大学・お茶の水女子大学・千葉大学・神戸大学・横浜国立大学で構成される大学群「TOCKY(トッキー)」の一角として知られています。旧帝国大学には含まれないものの、それに次ぐ難関国立大学として広く認知されている大学です。
指定国立大学法人にも選ばれており、研究力・教育環境ともに国内でも高い水準を誇ります。つくば研究学園都市の中核機関としての役割を持ち、学術的な環境が整っていることも特徴の1つです。
大学群TOCKYに関して詳しくは、下記もご参考にしてください。
大学入学共通テスト得点率の目安
河合塾Kei-Netのデータによると、筑波大学の大学入学共通テストのボーダー得点率は68%~85%です。医学群医学類が85%で最も高く、同学群の看護学類が68%で最も低い水準となっています。
筑波大学の一般選抜は、二次試験の配点比率の方が大きい学群・学類が中心です。しかし、後述するように二次試験は標準的なレベルの出題が多く、受験者間で得点差がつきづらい傾向にあります。
そのため、他の国公立大学にも増して大学入学共通テストでの高得点が合否に大きく影響すると言えます。大学入学共通テストで少しでも多く得点を積み上げておくことが、合格の可能性を高める上で重要です。
筑波大学の偏差値は高い?他大学との比較
筑波大学を含む難関大学を志望する際、欠かせないのが他の難関大学との比較です。ここでは3つの切り口で筑波大学の偏差値を比較します。
旧帝国大学(東大・京大など)との違い
筑波大学は最難関ではないものの、準難関の上位に位置づけられます。旧帝国大学と比べると、二次試験の問題難易度が概して低めであることが特徴です。
一見すると問題が解きやすいように思えますが、このことは大学入学共通テストのみならず二次試験もかなりの高得点勝負になることを意味します。最も高い得点率を要求される医学群医学類では、二次試験でも8割中盤程度の得点率が必要になる年度もあります。
ケアレスミスが多い受験生にとっては、旧帝大の入試よりもかえって難しく感じる場合があります。また、大学入学共通テストで今ひとつ得点が振るわなかっただけで、二次試験での逆転合格が困難になる可能性がある点にも注意が必要です。
千葉大学・横浜国立大学との比較
千葉大学・横浜国立大学は、筑波大学と同じTOCKYに属する同ランク帯の国立大学です。河合塾Kei-Netの偏差値で比較すると、筑波大学は文系学群で60.0~65.0、理系学群(医学類除く)で55.0~60.0と、概して千葉大学や横浜国立大学と同等か、やや上回る水準にあります。なお、筑波大学の医学類と千葉大学の医学科の難易度については、ほぼ互角であると言えるでしょう。
ただし、入試科目の構成や配点比率は大学ごとに異なるため、偏差値だけで単純比較はできません。また、入試問題の難易度の比較では、千葉大学・横浜国立大学の方が難しいと感じる受験生もいるでしょう。
志望校の選定にあたっては、出題傾向や大学入学共通テストの配点比率なども含めて検討しましょう。
※参考: 千葉大学 偏差値|Kei-Net
※参考: 横浜国立大学 偏差値|Kei-Net
GMARCH・地方国公立との比較
私立大学のGMARCH(学習院大学・明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学)と比較すると、筑波大学はGMARCHと同等~上位の難易度に位置します。国立大学と私立大学では入試科目数や出題形式が大きく異なるため、偏差値の数値だけで直接比較することは適切ではありませんが、難易度の目安として参考になるでしょう。
地方の主要国公立大学と比べると、筑波大学は多くの学群で上回る水準にあります。首都圏に立地することや研究環境の充実度を踏まえると、受験生にとって魅力的な選択肢の1つと言えます。
筑波大学の入試の特徴
筑波大学は一般選抜(前期・後期)に加え、受験生の多様な個性や能力を評価する多彩な入試制度を設けています。ここでは主な入試方式の概要を紹介します。
総合選抜制度
総合選抜は、筑波大学の前期日程で選べる特徴的な入試方式です。「文系」「理系I」「理系II」「理系III」の4つの選抜区分から1つを選んで受験します。
総合選抜で入学した学生は、1年次は「総合学域群」に所属します。さまざまな学群・学類の授業を履修しながら、自分の進みたい分野を1年間かけて探索することができます。2年次に、志望と1年次の成績に基づいて学類・専門学群に進級します。体育専門学群、学際サイエンス・デザイン専門学群を除くすべての学類に進むことが可能ですが、学類ごとに受け入れ定員があります。
入学時点で専門分野を決めきれない受験生にとって、幅広い選択肢を持てる魅力的な制度です。
一方で、いくつか留意しておきたい点もあります。1年次は学類選択に向けた履修が優先されるため、1年次からの留学は制限される可能性が高くなります。また、1年次の成績によって進学できる学類が決まるため、希望の学類への進学が叶わなかった場合には、不本意な学類で残り3年間を過ごさなければならないリスクもあります。
さらに、教員免許の取得を目指す場合、入学当初から特定の学類に所属する学生と比べて、より一層計画的な履修設計が求められる点にも注意が必要です。こうしたメリットとデメリットを十分に理解したうえで、自分に合った制度かどうかを見極めることが大切です。
※参考: 筑波大学入試情報サイト 学群・学類案内(総合学域群)
推薦入試
筑波大学の推薦入試は、学校推薦型選抜として9学群で実施されます。一般公募制であり、指定校制はありません。外国の学校の出身者も出願可能です。
基本的に現役生が対象で、推薦要件として学習成績概評A段階に属することなどが求められます。加えて、一部の学類を除き、1つの高等学校から推薦できる人数が厳しく制限されている点にも注意が必要です。
そのため、校内での選抜を経て推薦枠を獲得する段階から競争が始まるケースも多く、早い段階から評定平均の維持や課外活動の実績づくりに取り組んでおくことが重要です。
選考は、小論文、面接、適性試験、実技検査などを組み合わせて行われます。人間学群心理学類のみ大学入学共通テスト(6教科7科目)を課しますが、他の学類・専門学群では大学入学共通テストは不要です。
※参考: 令和8年度 推薦入試 学生募集要項
AC入試
AC入試(アドミッションセンター入試)は、筑波大学独自の自己推薦型入試です。書類審査と面接・口述試験の2段階で、受験生の「問題解決能力」を多面的・総合的に評価します。
ペーパーテスト型の入試や学校推薦型の入試とは異なる観点から選抜を行うことが特徴で、高校の成績や語学資格などの出願基準は設けられていません。大学入学資格を有していれば、現役生だけでなく既卒生や社会人も出願可能である点も大きな特徴です。
実施学類は、人文・文化学群全学類、情報学群全学類、生命環境学群生物学類、体育専門学群です。年齢や経歴を問わず、自分の意欲や経験を評価してほしい受験生にとって、挑戦しがいのある入試方式と言えるでしょう。
研究型人材入試
将来研究者を目指す人を対象とした入試で、医学群医学類で実施されています。自ら発見した自然科学の課題に対し、自主的かつ継続的に取り組み、その結果到達した高い成果を評価します。大学入学共通テスト(6教科8科目)の受験が必要です。
なお、コンテスト受賞歴が必須ではありませんが、高度な研究実績や探究活動の成果が強く求められます。
国際科学オリンピック特別入試
理数分野における秀でた人材の育成を目的とし、国際科学オリンピックに日本代表として選抜された人や、代表選考で一定の成績を収めた人を対象とした入試です。
現在は、理工学群化学類、情報学群情報科学類、および情報学群情報メディア創成学類で実施されています。なお、今後の変更点として、情報科学類では出願要件が見直され、日本情報オリンピック本選において「Aランク」を取得していることが必須となる予定です。出願を検討する受験生は、最新の募集要項で要件を必ず確認してください。
※参考: 筑波大学入試情報サイト 入試日程と募集要項
※参考: 令和8年度 入学者選抜の変更点
国際バカロレア特別入試
国際バカロレア(IB)資格を取得した人、または取得見込みの人を対象とした入試です。7月募集と10月募集の2回の出願時期が設けられています。7月募集は人間学群の全学類および医学群医学類のみで実施されており、10月募集は学際サイエンス・デザイン専門学群を除く全学群・全学類で実施されています。
2026年度から、数学HLを履修していることを出願資格としている学類については、Analysis and Approaches(AA)のみを対象とするため、最新の募集要項を確認してください。
海外教育プログラム特別入試
海外教育プログラム特別入試は、海外で教育を受けた者や外国学校出身者などを対象とした入試であり、主体的に学ぶ姿勢や国際的な視野を持つ人材の育成を目的としており、医学群医学類のみの募集となります。詳細については最新の募集要項を確認しましょう。
海外学校経験者特別入試
志願者の国籍を問わず、外国の教育制度のもとで一定期間以上の学校教育を受けた人を対象とした入試です。第1種(長期就学者)と第2種(短期就学者)があり、10月募集と1月募集の2回の出願時期が設けられています。入学後は一般選抜入学者と同じ教育課程で学び、日本語で学位を取得します。
なお、同一年度内に第1種と第2種の両方を受験することはできません。また、募集を行う学類の多くは第1種・第2種のいずれか一方のみを実施しているため、志望する学類がどちらの区分で募集しているかを事前に必ず確認する必要があります。入学後は一般選抜入学者と同じ教育課程で学び、日本語で学位を取得します。
学際サイエンス・デザイン専門学群の入試
学際サイエンス・デザイン専門学群は、2024年9月にマレーシアの国立マラヤ大学内に設置された海外分校です。日本の大学が学位を授与する学部を海外に設置した初めての事例として注目を集めています。
入学定員は40名で、データサイエンスを基軸とした学際的な教育を英語で行います。入試は専門学群入試として実施され、国内の他の学群とは異なる選抜方法がとられます。詳細は筑波大学入試情報サイトで確認してください。
※参考: 筑波大学入試情報サイト 学群・学類案内
筑波大学の二次試験対策
筑波大学の一般選抜は、大学入学共通テストと個別学力検査(二次試験)の合計点で合否を判定します。二次試験は記述式の出題が中心で、各科目とも標準的なレベルの問題が多いですが、その分高得点が求められます。
なお、2028(令和10)年度入試からは大規模な改革が予定されており、多くの学類において従来の教科・科目試験が「論述試験」へと変更されます。
あわせて、学力を多面的に評価するため「面接・口述試験」が新たに導入されるなど、選抜方法が大きく変わります。
面接・口述試験は文理を問わず様々な学類で課される一方、総合学域群、人文・文化学群、理工学群数学類、体育専門学群の前期日程、および芸術専門学群の前期・後期日程では実施されない点に注意が必要です。
なお、総合学域群では面接・口述試験は課されない代わりに、提出書類として「学びの設計書」の提出が求められます。2028年度以降の受験を検討している人は、必ず大学公式サイトの最新情報を確認してください。
※参考: 令和10年度(2028年度)入学者選抜の変更について
※参考: 筑波大学は令和 10 年度入試より 学力を多面的に評価する入試に変えます
英語の問題構成と対策
読解問題が中心の出題ですが、文法の知識を問う問題や、比較的短い英文をテーマにした自由英作文も課されます。文法の学習を軽視せず、バランスの取れた対策を講じましょう。自由英作文の要求語数は50~100語程度で、現代の大学入試としては短い部類に入ります。しかし、短い語数で的確にまとめる能力が求められるため、練習を重ねましょう。
なお、2028年度入試以降はドイツ語・フランス語・中国語の出題がなくなり、二次試験の外国語は英語に一本化されます。
問題構成
大問3題で構成されます。長文読解が2題(各700~1,000語程度の説明文・評論文)と英作文が1題です。読解問題の設問は、内容説明、内容一致、空欄補充、語句整序など多様な形式で出題されます。特に語句整序は、英作文の大問の前半で問われることが多いでしょう。
基本的に記述式です。語彙レベルは標準的で、英作文は50~100語程度の意見論述や要約が求められます。
対策ポイント
読解問題で使われる語彙や表現は標準的ですが、記述量が多いため、読み書きのスピードが合否を分ける重要な要素になります。英作文では、基本的な構文や熟語の引き出しを増やし、さまざまなテーマに柔軟に対応できる力を養いましょう。
過去問演習では、自分の解答を模範解答と比較して添削する練習が効果的です。文法問題への対策も怠らないようにしましょう。
国語の問題構成と対策
試験時間は120分で、評論文・小説・古文・漢文の各1題が出題されます。旧来のセンター試験や大学入学共通テストの国語と同様の4分野から構成されていますが、読解すべき分量は近年の大学入学共通テストよりはやや少なめと言えます。
ただし、基本的に全問が記述式で出題されるため、十分な記述練習を積んでいないと時間不足に陥ることは避けられません。医学群看護学類の場合は試験時間90分で評論文と小説のみを解きますが、現代文は古文に比べて読解量が多いため、時間的に余裕がある試験とは言い難いです。
問題構成
大問4題(評論文、小説・随筆、古文、漢文 各1題)で構成されます。大半が記述式で、試験時間は120分です。看護学類は90分で現代文(評論文・小説)のみの出題です。
対策ポイント
現代文は、論旨を素早く把握し指定字数内に的確にまとめる力が求められます。古文・漢文は文法・語彙の基礎知識を確実にした上で、文脈を正確に読み取る読解力を養いましょう。制限時間内にすべての解答を仕上げるために、過去問を繰り返し解いて時間配分の感覚をつかむことが不可欠です。
数学の問題構成と対策
筑波大学の数学は、伝統的に選択問題の形式を取っています。問題の選択数を誤らないようにするとともに、自分にとって得点しやすい問題を見極めることが重要です。
試験時間は理系の入試区分が4題で120分、文系の入試区分が2題で120分となっています。いずれも時間的にはかなり余裕があるため、検算を徹底するとともに、論理の飛躍がない抜けのない記述答案を作成することが不可欠です。
問題構成
理系は大問6題から4題を選択し、120分で解答します。数ⅠAIIBC(大問1~3)から2題、数IIIC(大問4~6)から2題を選択するのが一般的です。
また、微分積分や複素数平面からの出題が頻出です。
文系は大問3題程度から2題を選択し、120分で解答します。誘導形式が特徴的で、すべて記述式です。
対策ポイント
時間に余裕がある分、計算ミスのない正確な答案作成が合否を左右します。検算を習慣にし、解答に至るまでの論理を丁寧に記述する力を養いましょう。
文系は誘導に沿って解く力を重点的に鍛えることが効果的です。理系は標準レベルの問題を確実に解く力を土台とした上で、やや難しい問題への対応力を過去問演習で磨いてください。
理科の問題構成と対策
筑波大学の理科は、物理、化学、生物、地学から学類ごとに指定された科目を受験します。内容的にはオーソドックスな入試問題ですが、途中過程まで記述を要求する問題や論述問題も含まれるため、相応の対策が必要です。
これまでは、医学群を除く理科を課すすべての学類で地学の選択が可能であったことが大きな特徴でしたが、2028年度入試以降は地学の出題自体がなくなります。地学での受験を考えている方は注意してください。
問題構成
物理は標準的な出題が中心です。いずれの科目も記述・論述問題の比重が大きくなっています。特に筑波大学では、国公立大学の二次試験の中でも出題頻度が高いとは言えない、解答に至る途中過程の記述を要求する問題や、現象を文章で説明させる問題、数式や法則を用いた証明問題などが例年のように出題されている点が特筆されます。
化学は標準的な典型問題が多く、教科書レベルの知識と理解を土台に、論述・構造決定・計算問題がバランスよく出題されます。特に化学反応式や構造式を正確に書かせる問題、現象やメカニズムを説明させる論述問題が重視される傾向にあり、さまざまな字数制限が設けられた記述問題も頻出です。
生物は知識問題と考察問題がほぼ1:1の割合で出題され、「進化」や「生態」からの出題が多い傾向があります。頻出問題は遺伝・分子生物学や代謝、体内環境などですが解答には思考力・考察力を擁します。
※参考: 筑波大学入試情報サイト 過去問題
対策ポイント
教科書レベルの知識を確実に定着させた上で、記述・論述形式での解答練習を重ねることが重要です。物理は、力学・電磁気が必ず出題されていることに注意しましょう。波動や熱力学、原子分野についても目を配る必要があります。
化学は頻出範囲に加えて、糖類やアミノ酸などのマイナー分野も対策しておきましょう。生物は考察問題に十分な時間を割けるよう、知識問題の解答スピードを上げることがポイントです。
地歴公民の問題構成と対策
筑波大学の地歴公民は、科目を問わず論述問題が中心であることが大きな特徴です。計画的に論述力を強化していくことが不可欠と言えます。
日本史、世界史、地理(文系向け)はいずれも400字以内の論述問題4題で構成されています。倫理は2022年度までは同様の形式でしたが、2023年度以降は4題から任意の2題を選択し、それぞれ600~800字の論述が求められる形式に変わりました。国公立大学の二次試験で倫理を出題する大学は極めて珍しいため、倫理が得意な受験生にとっては大きなアドバンテージになります。
問題構成
日本史・世界史は、指定語句を使用した論述が課され、試験時間は120分です。
地理(文系向け)は400字以内の論述4題で、多くの場合地図や資料が提供されます。地理(生命環境学群向け)は、理科1科目と併せて120分で解答し、200~300字程度の論述3題が出題されますが、2028年度入試以降はこの出題形式は終了します。
対策ポイント
教科書と資料集を徹底的に読み込み、重要な用語を正確に理解した上で、論述形式でアウトプットする力を養いましょう。120分で複数の論述を書き切るには、日頃から制限時間を意識した演習が不可欠です。
指定語句がある問題では、語句を有機的に結びつけて論理的な文章を構成する力が求められます。過去問演習を通じて出題傾向をつかみ、頻出テーマについて深く理解しておくことが効果的です。倫理については、600~800字の長文論述にも対応できるよう、各思想の共通点や相違点、現代社会とのつながりを意識して学習を進めてください。
まとめ
筑波大学は「学群・学類」制や総合選抜制度など独自の教育システムを持ち、入試制度も多彩な大学です。偏差値は55.0~67.5と幅広く、旧帝国大学に匹敵する難易度を誇っています。
一般選抜では、大学入学共通テストと記述中心の二次試験の両方で高い得点が求められます。二次試験の問題は標準的なレベルが中心ですが、だからこそ高得点勝負になり、ケアレスミスが命取りになることもあります。志望する学群・学類の入試方式や配点比率を正確に把握し、計画的に対策を進めることが合格への近道です。
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