グノーブルは、最難関校合格を目指す中学受験塾です。グノーブルは成績別クラスになっているため、試験の結果によってはクラス落ちをしてしまうことがあります。クラス落ちが心配、クラス落ちをして困っているという保護者様も多いことでしょう。この記事では、グノーブルにおけるクラス落ちの原因や対策を解説します。グノーブルの特徴的なクラス分け方法を把握しつつ、クラス落ちを防ぐ方法を確認してみましょう。
グノーブルのクラス制度とは
グノーブルのクラス分け方法
グノーブルでは、クラス分けの方法として成績別クラスを採用していますが、それだけではなく、文系科目と理系科目とで別々のクラスに分けられるのが特徴です。まず4科目の全体的な成績を見て、ブロック分けといわれる大まかな分類が行われます。偏差値の高いほうから、Aブロック、Bブロック、Cブロックと分けられますが、ブロックがいくつできるかは校舎の規模によって異なります。(規模の小さい校舎では、ブロック分けを行わないこともあります。)次いで、1つのブロック内を成績順に「α」「α1」「α2」「α3」と分けていきます。成績順ではあるものの、同時にここで文理の別も行われているため、「文系クラスはα1」「理系クラスはα2」といった差が出ます。単純に4科目の偏差値が高ければ「α」や「α1」に入るというわけではないのです。グノーブルの1クラスの人数はおよそ10〜15人の少人数で、クラスがいくつできるかは、やはり校舎の規模によるでしょう。
各クラスのレベルと特徴
グノーブルでは、クラス別の偏差値を公表していません。文系、理系で分けているところからも一概に言えない部分がありますが、ブロック分けのない校舎の場合、大まかには、最上位クラスの「α」が偏差値65以上のクラスと推測されています。その下の上位クラスは文系と理系それぞれに「α1」「α2」が設置され、偏差値は60~64程度。「α3」「α4」は偏差値55〜59、「α5」以下は偏差値55未満のクラスです。ただしこれらはあくまでもグノーブル全体から見た推測値であり、校舎の規模によっても差が出るでしょう。さらに、大規模校舎では前述のとおり、クラス分け以前にブロック分けが行われています。ブロック分けが行われる校舎の場合、上述の推測値は全く異なるものになるでしょう。なぜなら、Aブロックで偏差値58以上、Bブロックの偏差値が46〜57程度、Cブロックは38〜45程度、Dブロックが38未満、と言われているためです。Aブロックの中で「α」「α1」……とクラス分けをされ、さらにBブロック以下もそれぞれクラスが分けられているので、外部にはその偏差値が全くわからないのが特徴とも言えます。
グノーブルにおけるクラス落ちとは
各テストの結果や偏差値が悪いとクラス落ちにつながる
グノーブルにおいて「クラス落ち」とは、上位クラスから下位クラスへとクラスが変更になることを指します。成績によって下位ブロックに移籍になる可能性もありますし、ブロックが変わらなくても、「α」から「α1」へ、などクラスだけが変わる可能性もあるでしょう。いずれにしても、グノーブルで行われるそれぞれのテスト結果や偏差値を見て、適宜、クラスの変更が行われています。一方で、文系理系の別があるグノーブルでは、単純に偏差値だけを見てクラスを決めているのではない、とする捉え方もあり、子どもの得意、不得意をみながら適切なクラスに振り分けていると想定できます。
グノレブ(実力テスト)、公開模試すべてがクラス落ちの判定対象となる
グノーブルでは、クラス落ちの判定をするために、グノーブルで行うすべてのテストを判定対象としています。毎月実施している実力テスト「グノレブ(GnoRev)」もクラス判定の対象となっているため、細かくクラスが上下してしまうこともあるかもしれません。またグノーブルでは、12月に学校別診断模試、7月・1月の公開実力テストのほか、サピックスオープンというSAPIXによる模試も取り入れており、これらの偏差値もクラス落ちの判定対象となります。特にサピックスオープンは、レベルの高いSAPIX生が多く受験していることから、グノレブなどの内部試験に比べて偏差値が低めに出る可能性もあり、注意が必要です。
グノーブルでクラス落ちする原因
グノレブで結果が出せていない
1カ月分の授業の理解度を問われるグノレブで、点数が取れていないと、クラス落ちの大きな要因となります。なぜなら、グノレブで成績が上がらないということは、その他の模試でも正答率が下がっている可能性があるためです。またグノレブの試験範囲は直近1ヶ月の授業内容となるため、前の月のグノレブでは好成績が取れても、好成績が取れたことで安心して家庭学習の手を抜いたり、たまたま試験範囲に苦手分野が集中してしまったりすると、偏差値が下がってクラス落ちにつながることもあります。
復習ができていない
グノーブルでは、毎回の授業でオリジナルテキスト「GNOラーニングN授業」などが配布されています。このテキストの内容が主にグノレブの試験範囲となりますが、授業後の復習ができていないとグノレブの成績も振るわず、クラス落ちにつながる可能性があります。グノーブルでは、他に「家庭学習用テキスト」や、前回の単元を復習する「GNOラーニングT授業」などが配布されるため、クラス落ちが心配な場合は、それぞれの進度を確認してみると良いでしょう。
応用問題に取り組めていない
グノーブルでは、外部模試の偏差値などでもクラス落ちをすることがあります。グノレブも外部模試も、応用問題によって成績が左右される面が大きいため、普段から基礎を固めることに注力しすぎて応用問題に取り組めていないと、模試の成績が振るわずにクラス落ちにつながることがあります。
周囲のレベルが高い
グノーブルのクラス分けにはグノレブや外部模試の偏差値が大きく関与しますが、偏差値は自分の成績だけではなく、周囲のレベルによって左右される数字です。同じテストを受ける周囲の子どもの学力レベルが高いと、お子さまの学力やテストの難易度によっては、点数がそれなりに取れても偏差値が上がらないということもあるでしょう。先述のとおり、外部の子どもが受験するサピックスオープンなどの模試では、偏差値が下がりやすくクラス落ちにつながりやすいため、注意が必要です。
グノーブルにおけるクラス落ちのメリットとデメリット
メリット:下位クラスでしっかり基礎を固められる
グノーブルでクラス落ちをした、あるいはブロックが落ちた場合、より基礎的な面に力をいれた授業を受けることができます。どの科目でも、応用問題に取り組むには基礎を固める必要があります。下位クラスでしっかりと基礎を理解できれば、より高度な応用問題が解けるようになる可能性があります。
デメリット:子どものモチベーション低下につながることがある
クラス落ちは、お子さまのモチベーションを低下させてしまうことがあります。とりわけ、クラス落ちについて保護者様が厳しい評価をすると、お子さまとしては「自分の努力には意味がなかった」「どうせ自分にはできない」などと悲観してしまう可能性があるため、落ち着いた対応が必要です。もしクラス落ちでモチベーションが低下してしまったり、お子さまがクラス落ちを恐れて過剰にストレスをためてしまったりする場合は、安定した学習が続けられなくなることもあります。このようなときは、講師と1対1でマイペースな学習に集中できる個別指導の利用もおすすめです。
グノーブルでクラス落ちを防ぐためのポイント
家庭での学習時間を確保する
グノーブルでは、自習環境がないため、授業外の勉強時間は家庭学習に委ねられています。したがってまずは家庭での学習時間を毎日、安定的に確保することが大切です。通塾もあるため勉強時間を確保するのが大変、と感じる保護者様も多いかもしれませんが、朝の短時間や、食事の前後など、決まった時間を学習時間に充てるクセをつけると良いでしょう。
授業内容の復習を徹底する
先述のとおり、グノーブルでは毎回の授業で新しい単元のテキストが配布されます。つまり予習が一切必要ない反面、復習をどの程度行えるかが成績に直結する仕組みになっているのです。したがって、家庭学習では授業で教わったことをまず復習するようにしましょう。授業を受けた当日にさっとテキストを流し読みしたり、翌日に授業を思い出しながら復習に時間をかけたりすると効果的です。
グノワークアウトを積極的に利用する
グノワークアウトは、「G脳ワークアウト」と表記される算数の問題集です。毎週のように配布されますが、内容はおよそ1ヶ月前に授業で習った単元を基にしているため、グノーブルワークアウトが配布された時点でしっかりと利用すると、以前の内容を効果的に思い出し、定着へとつながります。算数の正答率は偏差値に直結し、結果としてクラス落ちを左右することがあるため、前の範囲だからといって手を抜かずに、積極的に利用すると良いでしょう。
グノレブで点数が取れるよう考慮する
クラス落ちを防ぐ、もしくは上のクラスへ上がれるようにするためには、グノレブで点数を取れるような学習をするのが望ましいでしょう。グノレブは先ほど触れたとおり、直近1ヶ月の授業内容を試験範囲とする、毎月行われる内部試験です。偏差値も算出され、クラス落ちの重要な判定基準となっています。基礎問題から応用問題まで出題されるグノレブで点数が取れると、模試類の偏差値も上げられることが期待できます。グノレブの前には1ヶ月分のテキストを見直し、苦手な部分だけでも解き直しておくことをおすすめします。
お子さまを追い詰めない
グノーブルに限らず、お子さま本人よりも保護者様のほうがクラス落ちに敏感になっていることがあります。クラス落ちに対して危機感が強いあまり、お子さまに「クラス落ちしたら大変」「このままではクラス落ちする」と焦らせたり、実際にクラス落ちを経験して「ほらやっぱり」「もっと勉強しなければダメ」などとお子さまを追い詰めたりしてしまうと、かえって勉強に身が入らずますます偏差値に響くようなこともあり得るでしょう。確かにグノーブルでクラス落ち・ブロック落ちになると、講師陣が変わってしまうため、よりレベルの高い講師の授業を受けさせたいと考えている保護者様にとってはショックかもしれません。しかし、あえてクラスには言及せずお子さまを応援する姿勢を見せたほうが、お子さまのモチベーションを維持できるでしょう。
個別指導を利用する
保護者様だけで毎日の学習管理やお子さまの質問対応をすることは、負担が大きいですよね。少しでもお子さまの受験が保護者様の重荷になっているようであれば、個別指導塾を頼るのも一つの案です。個別指導塾は学習指導のプロ集団なので、責任を持ってお子さまの学習のサポートをしてくれます。
個別指導塾に相談すると良い例
1. 計画どおりに勉強しているのに、なぜか成績が上がらない
2. 習い事を掛け持ちしていて校舎の指示どおりの宿題ができない
3. お子さまがたくさん質問してきて、夜や土日の時間が潰れる
4. お子さまの成績が伸びないことにイライラしてしまう
まとめ
グノーブルでのクラス落ちは、単に下のクラスになるだけではなく、校舎によっては下のブロックに移動することもあります。クラスやブロックの移動で講師陣も変わるため影響が大きく、ストレスに感じる保護者様も多いですが、日々の復習をサポートしながらお子さまの努力を信じ続ける姿勢が求められるでしょう。毎月のテストや、それ以外に行われる模試でひんぱんに偏差値が試され、クラス落ち判定をされることがストレスになると、お子さまが学習に集中できなくなってしまうこともあります。保護者様もクラス落ちが気になって、ついお子さまの学習に口を出してしまう、といった状況が続いている場合は、講師が丁寧にお子さまの学習に寄り添う個別指導塾を利用することで成績が伸びる可能性もありますので、ぜひご検討ください。