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発達障がいがある人の進路先とは?学年別の選択肢と選び方のコツ

発達障がいがある人の進路先とは?学年別の選択肢と選び方のコツ

「もうすぐ卒業を迎えるけれど、発達障がいのある子どもにはどのような進路が合っているのだろうか」
「高校卒業後は、進学と就労のどちらを選べばよいのか悩んでいる」
「子どもの進路について、誰に相談すればよいかわからない」

発達障がいのある子どもの進路について、さまざまな不安や悩みを抱えている保護者様もいらっしゃるでしょう。

しかし実際、子どもの進路は、学年や成長段階によって幅広い選択肢があります。子どもが卒業後も安心して毎日を過ごすためには、発達障がいの特性に合った進路を選ぶことが大切です。

本記事では、発達障がいのある子どもの進路について、学年別の選択肢、進路を選ぶときのポイント、相談先を解説します。

【学年別】発達障がいがある人の進路先

【学年別】発達障がいがある人の進路先

発達障がいのある子どもの進路は、状況や希望に応じて複数の選択肢から選べます。

ここでは、学年ごとに考えられる進路を解説します。

  • 小・中学生|学びの場を4つから選べる
  • 高校生|全日制・定時制・通信制・特別支援学校から探せる
  • 高校卒業後|進学・就労・福祉サービスに分かれる

それぞれ詳しく解説しますので、進路選びの参考にしてください。

小・中学生|学びの場を4つから選べる

小・中学校では、主に通常学級・通級指導教室・特別支援学級・特別支援学校の4つがあります。

通級指導教室では、通常学級に在籍しながら、週に数時間ほど、別の教室で個別の指導を受けることができます。同年代の生徒と関わる機会を持ちつつ、苦手な分野を補えるのが特徴です。

特別支援学級は少人数制で、一人ひとりのペースに合わせた学習を進めやすいのがメリットです。また、必要に応じて通常学級の授業に参加することもできます。

特別支援学校は、子どもの特性に応じた支援体制が整っており、自立に向けた知識や技能を身につけられます

高校生|全日制・定時制・通信制・特別支援学校から探せる

高校に進学する際は、全日制・定時制・通信制の3つに加え、特別支援学校高等部から選ぶことができます。

全日制高校は毎日授業があり、集団生活の中で対人スキルを習得できる点が大きな特徴です。ただし、発達障がいの特性によっては集団生活が合わない場合もあり、すべての生徒にとって効果があるわけではありません。

定時制高校の場合、夜間定時制を選択すれば、日中のアルバイトとの両立が可能です。ただし、特性に合った指導を受けられるのかについては、学校によって対応が異なるため、事前に確認しておく必要があります。

通信制高校は自宅学習が中心となっており、レポート提出とスクーリングによって単位を修得します。登校頻度を調整しやすく、通学の負担を抑えられる点が特徴です。

特別支援学校高等部では、個別の教育支援計画に基づく指導が行われ、実践的な職業訓練も受けることができます。

高校卒業後|進学・就労・福祉サービスに分かれる

高校卒業後の進路は、主に進学・就労・福祉サービス利用の3つに分かれます。

進学先としては、大学・短期大学・専門学校が挙げられます。就労する場合、障害者雇用枠と一般枠のどちらを選ぶかによって、受けられる配慮やサポートの内容が変わります。

必要に応じて、以下のような福祉サービスの利用を検討しましょう。

  • 就労移行支援:一般企業への就職を目指して原則2年間サポートを受けられる
  • 就労継続支援A型:事業所と雇用契約を結び最低賃金が保証された環境で働ける
  • 就労継続支援B型:雇用契約を結ばず自分のペースで作業に取り組める

また、自己管理能力やコミュニケーション能力といった「生活力」を高めたい場合は、自立訓練を利用する方法もあります。

自立の度合いや働く意欲、障害者手帳の有無などによって適した進路は異なるため、子どもの状況に合わせて検討しましょう

発達障がいの特性に合った進路を選ぶ3つのコツ

発達障がいの特性に合った進路を選ぶ3つのコツ

子どもの進路を考える上で「何を基準に選べば良いのか」「どこに注目すべきか」と迷う保護者もいらっしゃるでしょう。

ここでは、子どもに合った進路を見極めるポイントを3つ解説します。

  1. 得意分野・苦手なことの傾向をつかむ
  2. 学校の支援体制が合っているかを確かめる
  3. 本人の意思を段階的に引き出す

以下、それぞれのポイントを詳しく解説します。

1.得意分野・苦手なことの傾向をつかむ

進路を考える際は、まず子どもの得意なこと・苦手なことを把握しましょう

子どもの特性を正しく把握するのにおすすめなのは、5歳0ヶ月〜16歳11ヶ月までの児童を対象とした知能検査である「WISC(ウィスク)検査」です。WISC検査には、主に以下の2種類があり、4〜5つの指標から子どもの特性を把握できます。

  • WISC-IV検査:言語理解・知覚推理・ワーキングメモリ・処理速度
  • WISC-V検査:言語理解・視空間・流動性推理・ワーキングメモリ・処理速度

これにより、子どもの得意な学び方や、負担を感じやすい場面が整理しやすくなるでしょう。

たとえば、ASDの特性がある子どもは、視覚的な情報処理が得意な傾向にあります。一方で、処理速度やワーキングメモリは低い数値が出やすいです。

また、ADHDの特性がある子どもは、ワーキングメモリや処理速度に弱さが出やすく、集中力を保ちにくい傾向があります。

LDの特性がある子どもは、読み書きなど特定の分野に困難を抱えやすいため、得意と苦手を分けて捉えることが大切です。

検査を受けていない場合でも、集中しやすい場面・負担を感じやすい場面を書き出すことで、特性が見えやすくなるでしょう。

家庭教師のトライでは正社員の教育プランナーが子どもの特性から最適な進路先を提案

家庭教師のトライでは正社員の教育プランナーが子どもの特性から最適な進路先を提案

参照:発達特性に寄り添う指導-家庭教師のトライ

子どもの進路選びに迷ったときは、発達障がいの特性に詳しい家庭教師に相談するのも有効です。

家庭教師のトライでは、授業を担当する教師に加えて、正社員の教育プランナーがお子さまの学習をサポートします。

一人ひとりの得意と苦手を丁寧に把握した上で、お子さまに合った進路先や学習プランをご提案します。

2.学校の支援体制が合っているかを確かめる

学校名や評判だけで進路を決めてしまうと、入学後に合わないと感じ、通学そのものが苦痛になってしまうことがあります。そのため、学校見学や説明会の段階で、支援体制の内容をよく確認しておきましょう

確認するポイントは以下のとおりです。

  • 特別支援教育コーディネーターが配置されているか
  • 外部機関との連携はあるか
  • 個別の教育支援計画が作成されているか
  • 支援計画に基づいた授業や評価の工夫が行われているか
  • 合理的配慮を提供した実績はあるか
  • 進級・卒業の基準に柔軟性があるか

学校に直接聞きにくい場合は、自治体の教育相談窓口を通じて情報を集める方法もあります。

子どもの特性や学習スタイルに合った環境を見極めるためにも、早めに見学や質問などを進めておきましょう。

3.本人の意思を段階的に引き出す

発達障がいのある子どもにとって、進路の希望を言葉にするのは簡単なことではありません。将来への不安やプレッシャーが大きい場合は特に、自分の気持ちをうまく表現できないでしょう。

そこで、進路の話をする際はいきなり本題に入るのではなく、「好きなこと」「楽しいこと」など日常の会話から始めるのがおすすめです。

興味のある分野が見えてきたら、進路で不安なことや、これまで助けになったサポートについても尋ねてみましょう。段階的に問いかけることで、子どもの考えが少しずつ言語化されていきます。

ただし、場合によっては、子どもの希望と保護者の考えが食い違うこともあるかもしれません。

そのようなときでも、子どもの考えを否定するのではなく、「その分野に進むにはどんな方法があるか」を一緒に考えていくことが大切です。

選択肢をいくつか示すことで、子どもの気持ちと現実的な進路をすり合わせやすくなります。

高校・大学受験で受けられる「合理的配慮」の申請方法

高校・大学受験で受けられる「合理的配慮」の申請方法

高校・大学受験では、入試の際に「試験時間の延長」「別室受験」といった合理的配慮を申請できる制度があります。

合理的配慮を申請しても選考で不利になることは基本的にありません。必要に応じて活用しましょう。

ここでは、高校・大学受験で受けられる合理的配慮の申請方法を解説します。

  • 高校入試は都道府県ごとに対応が異なる
  • 大学入学共通テストは書類3点を期限内に郵送する
  • 個別大学の入試は大学ごとに申請方法が違う

早めに手続きの流れを把握し、必要書類の準備や期限の確認を進めておきましょう。

高校入試は都道府県ごとに対応が異なる

公立高校入試での合理的配慮は、各都道府県の教育委員会が管轄しています。そのため、申請期限や必要書類、認められる内容は地域によって異なります

どのような合理的配慮を受けられるのかについては、以下を参考にしてください。

  • 試験時間の延長
  • 別室受験
  • 拡大問題用紙の使用
  • 個人面接への変更

申請の際は、医師の診断書や中学校での配慮実績、個別の教育支援計画などの提出を求められるのが一般的です。

申請の受付は、都道府県によって異なりますが、多くの場合は中学3年生の冬(出願前後)までとなっています。

申請期限の詳細については、在籍している中学校や教育委員会に確認してみてください。書類の準備には時間がかかるため、遅くとも中3の夏頃までには準備を始めておきましょう

まずは在籍している中学校の担任や進路指導の教師に相談し、都道府県の実施要項を確認しながら、必要な手続きを整理していくとスムーズです。

大学入学共通テストは書類3点を期限内に郵送する

大学入学共通テストの合理的配慮は、大学入試センターへ書類を郵送して申請します。

例年の申請期限は第1期が8月下旬、第2期が10月上旬となっているため、スケジュールに余裕を持って書類の準備を進めましょう。

なお、令和9年度大学入学共通テストにおける合理的配慮の申請期間は、令和8年7月1日から10月2日(必着)、または9月30日(消印有効)までの予定です。最新の申請期間や書類は、大学入試センターの公式サイトで必ず確認しましょう

共通テストの合理的配慮を申請する際に、提出が必要な書類は以下の3点です。

  • 受験上の配慮申請書(大学入学共通テスト出願サイトのマイページからダウンロード)
  • 診断名や必要な配慮内容が記載された医師の診断書
  • 状況報告書(大学入試センターの公式サイトからダウンロード)

申請書と診断書は必須となり、状況報告書は該当する配慮内容によって必須か選択かが決まります。

大学入学共通テストで受けられる合理的配慮は、試験時間の延長、別室受験、拡大問題冊子の配付などです。

診断書の取得や学校による書類作成には時間がかかることがあるため、高校2年の段階から医療機関や学校に相談し、早めに準備しましょう

大学の個別試験は学校ごとに申請方法が違う

大学の個別試験については、申請期限や必要書類、配慮の内容が大学ごとに異なります

たとえば、診断書は共通テストで提出した書類のコピーで対応できる場合もあれば、大学指定の書式が求められることもあります。また、事前面談が必要なケースもあるなど、対応はさまざまです。

申請締切は12月頃に設定されることが多く、共通テスト後に準備を始めると間に合わない可能性があります。志望大学が決まったら、高校3年生の秋までに公式サイトで情報を確認し、不明点は問い合わせ窓口に直接確認しましょう

発達障がいの進路で迷ったときの相談先

発達障がいの進路で迷ったときの相談先

発達障がいのある子どもの進路に迷ったとき、家庭だけで対応するのは難しいと感じることもあるでしょう。そのようなときは、第三者に相談してみるのも方法の一つです。

ここでは、発達障がいの特性がある子どもの進路に悩んだときの相談先を紹介します。

  • 在籍校の担任・特別支援教育コーディネーター
  • 発達障がいを専門とする医師・心理士
  • 自治体の教育相談窓口・教育委員会
  • 発達障がいに詳しい塾・家庭教師

上記のとおり、発達障がいのある子どもの進路については、在籍校の教師や、専門の医師・心理士、自治体の窓口(教育相談センターや発達障害者支援センター)などが主な相談先となります。

専門の塾や家庭教師は補助的な選択肢ではありますが、学習・進路のプロとして有益な情報を提供してくれるため、ぜひチェックしてみてください。

在籍校の担任・特別支援教育コーディネーター

進路に迷ったときは、まず担任の教師と特別支援教育コーディネーターに相談しましょう

担任の教師は日々の学校生活の様子から、子どもの特性や些細な変化を把握しています。また、コーディネーターは専門的な視点から、どのような支援が合っているかを整理してくれます。

そのため、両者に相談することで、子どもの特性に合った現実的な進路を検討しやすくなるでしょう。

相談の際は、これまでの支援記録やWISCなどの検査結果を共有すると、学校側も提案をしやすくなります。

スムーズに話し合いを進めるためにも、あらかじめ子どもの得意・苦手や興味のあること、将来の希望などを整理したメモを用意しておくと安心です。

発達障がいを専門とする医師・心理士

発達障がいがある子どもの進路に迷ったときは、医師や臨床心理士に相談するのもひとつの方法です。

WISCなどの知能検査を受けると、日常生活からは見えない子どもの「得意なこと・苦手なこと」を把握することができます

その結果をもとに、学習や生活の中でどのような場面で困りやすいのか、どのような環境で力を発揮しやすいのかを教えてもらいましょう。

また、学校での様子や支援記録と照らし合わせることで、これまで見えにくかった強みや課題がはっきりすることもあります。

自治体の教育相談窓口・教育委員会

各自治体の教育委員会には、就学や教育に関する相談窓口があり、進学について無料で相談できます。中には、心理判定員による発達検査を実施している自治体もあります。

相談先は内容によって異なり、小・中学校に関することは市区町村の教育委員会、高校進学に関することは都道府県の教育委員会へ問い合わせるのが一般的です。

特別支援学級へ転籍する際は、教育委員会への申請と判定会議が必要なため、余裕を持って準備を進めましょう。

発達障がいに詳しい塾・家庭教師

発達障がいに詳しい塾や家庭教師は、子どもの特性に合わせた学習支援や進路提案が可能です。

たとえば、LDの場合は苦手分野を重点的に補う指導、ADHDやASDの場合は集中しやすい環境づくりや学習ペースの調整など、一人ひとりに合った方法で学習を進めることができます。

また、受験対策と並行して、合理的配慮の活用方法や学習計画の立て方についても相談できます。

塾や家庭教師を選ぶ際は、発達障がいの子どもへの指導実績があるか、カリキュラムを柔軟に設定してもらえるかを確認することが大切です。

家庭教師のトライでは発達障がいに詳しい教師が完全マンツーマン授業で徹底サポート

家庭教師のトライでは発達障がいに詳しい教師が完全マンツーマン授業で徹底サポート

参照:発達特性に寄り添う指導-家庭教師のトライ

家庭教師のトライでは、発達障がいの特性に理解のある教師が、完全マンツーマンで指導を行います。

一人ひとりの特性や理解度に合わせて指導内容や進め方を調整できるため、集団授業ではつまずきやすいお子さまでも、自分のペースで学習を進められます。

万が一、教師との相性が合わない場合は、無料で何度でも教師の交代が可能です。

まとめ

発達障がいのある子どもの進路は、学年や成長段階によって選択肢が大きく異なるため、特性や本人の希望に合った環境を選ぶことが重要です。

必要に応じて、受験時の合理的配慮や学校・医療機関・塾などのサポートを活用しながら、お子さまが安心して学び続けられる最適な道を一緒に見つけていきましょう。