通信制高校に進学したお子さまを持つ保護者様や、実際に通っている生徒さんにとって、大きな関門の一つが「テスト(単位認定試験)」ではないでしょうか。「レポートは何とか提出できているけれど、テストで点数が取れるか不安」「全日制と違って先生が毎日そばにいない中で、どうやって対策をすればいいのかわからない」といった悩みは、通信制高校では非常に多く聞かれる声です。
通信制高校において、テストは単なる成績付けの手段ではなく、卒業するために必須となる「単位修得」の最終ハードルです。しかし、その仕組みと傾向を正しく理解し、適切な準備を行えば、決して恐れる必要はありません。
この記事では、教育のプロフェッショナルとしての視点から、通信制高校のテストの仕組み、赤点を回避するための具体的な勉強法、そしてテスト対策を大学受験へとつなげる戦略まで、徹底的に解説します。お子さまが自信を持って試験当日を迎えられるよう、ぜひ最後までお読みください。
この記事の目次
通信制高校の「単位認定試験」とは?全日制との違いを解説

通信制高校で卒業資格を得るためには、各科目で「単位」を積み上げる必要があります。その単位修得の可否を決定する最も重要な要素が「単位認定試験」です。まずは、この試験がどのような仕組みで行われるのか、公的な基準を交えて整理しましょう。
単位修得の3条件(レポート・スクーリング・テスト)
文部科学省の高等学校学習指導要領に基づき、通信制高校で単位を修得するためには、以下の3つの条件をすべて満たす必要があります。
- 添削指導(レポート): 決められた回数の課題を提出し、合格点をもらうこと。
- 面接指導(スクーリング): 直接、あるいはオンライン等で規定時間の授業を受けること。
- 試験(テスト): 単位認定試験を受け、合格点を取ること。
これら3つが揃って初めて単位が認定されます。つまり、いくらレポートで満点を取っていても、テストを欠席したり、著しく低い点数を取ったりすると、その科目の単位を落としてしまうリスクがあるのです。
令和5年度の文部科学省の調査によると、通信制高校の在籍者数は年々増加傾向にあり、多様な背景を持つ生徒が学んでいますが、この「3つの条件」は原則どの学校でも共通しています。
テストの実施時期と回数
多くの通信制高校では、前期(9月頃)と後期(1月〜2月頃)の年2回、テスト期間が設けられています。全日制高校のように「中間テスト」と「期末テスト」が頻繁にあるわけではないため、一回の試験範囲が広くなる傾向があります。
また、広域通信制高校などで全国にキャンパスがある場合、集中スクーリングの最終日に試験が行われるケースもあります。ご自身の学校の年間スケジュールを早期に確認し、「いつ、どこで試験があるのか」を把握することが第一歩です。
出題範囲のヒントは「レポート」にある
全日制高校のテストとの最大の違いは、「出題範囲の透明性」です。通信制高校のテスト問題は、原則としてそれまでに提出した「レポート」の内容から構成されます。
学校側も、生徒が自学自習で取り組んでいることを前提としているため、レポートの範囲外から難問が出ることは稀です。「レポートで解いた問題が、数値や形を変えて出題される」というのが通信制テストの王道パターンです。
そのため、対策の軸は常にレポートにあることを忘れないでください。
「赤点」を回避するために。効率的なテスト勉強のステップ
「勉強にブランクがあって、教科書を読んでも頭に入らない」というお子さまも少なくありません。しかし、通信制高校のテストで「赤点(合格点未満)」を回避するための勉強法には、明確な型があります。
添削済みレポートの徹底復習
テスト勉強を始める際、真っ先に手をつけるべきは教科書ではなく、返却されたレポートです。
- 間違えた箇所の確認: 先生からの赤ペン指導や解説を読み込み、「なぜ間違えたのか」を理解します。
- 解き直し: 模範解答を見ずに、もう一度自力で解けるようになるまで繰り返します。
通信制のテストは「レポートをしっかり理解しているか」を確認するためのものです。レポートが100点取れる状態になっていれば、テストで赤点を取る可能性は限りなくゼロに近づきます。
教科書・学習書の「例題」を完璧にする
レポートだけでは不安な場合、教科書の「例題」を確認しましょう。練習問題や応用問題に手を広げる必要はありません。
通信制の試験は基礎学力の定着を目的としているため、教科書の太字部分や例題レベルの知識が問われます。
特に数学や英語などの積み上げ科目は、公式の丸暗記ではなく、「使い道」を例題で確認することが効果的です。
学習スケジュールの逆算管理
通信制高校生にとって最大の敵は「後回し」です。試験直前に数科目分をまとめて勉強しようとすると、パニックに陥りやすくなります。
- 2週間前からスタート: 試験科目をリストアップし、1日1〜2科目ずつ、レポートの復習を割り当てます。
- 「予備日」を設ける: 体調や気分の波で勉強できない日があることを見越し、週に1日は何も予定を入れない調整日を作りましょう。
自分でスケジュールを立てるのが難しい場合は、保護者様が一緒にカレンダーを見ながら、「この日はこのレポートを見直そうか」と声をかけてあげるだけでも、お子さまの心理的負担は軽減されます。
もしテストで点数が取れなかったら?「赤点」と「追試」の仕組み

万が一、テストで思うような点数が取れなかった場合、どうなるのでしょうか。「即、留年」というわけではありませんので、過度に恐れる必要はありません。
合格ライン(40点〜60点)の目安
多くの通信制高校では、30点〜40点以上を合格ラインとして設定しています。全日制に比べると比較的ハードルは低く設定されていますが、逆に言えば、この点数を下回ると「理解が不十分」と判断されます。
評価はテストの点数だけでなく、レポートの提出状況やスクーリングの受講姿勢を加味した「総合評価」となる学校が多いため、日頃の積み重ねが重要です。
追試や再レポートによる救済措置
一度のテスト不合格で単位を諦める必要はありません。ほとんどの学校には、以下のような救済措置があります。
- 追試(再試験): 別日程で同レベルの試験を受け直す。
- 補習・追加課題: 授業を受けたり、追加のレポートを提出したりすることで、テストの点数を補填する。
ただし、これらの救済措置には追加の費用がかかる場合や、スクーリングのために登校が必要になる場合があります。
最も避けたいのは「未受験」による単位不認定
最も注意すべきは、点数が取れないことよりも「試験を欠席すること」です。通信制高校に通う生徒の中には、起立性調節障害や不登校の経験から、決まった時間に登校して試験を受けることに強いプレッシャーを感じるお子さまもいます。
令和5年度の調査でも、不登校児童生徒数は約30万人と過去最多を記録しており、通信制高校はその受け皿としての役割も担っています。
もし当日の登校が難しい場合は、事前に学校へ相談し、別室受験や別日程での受験が可能かを確認しておくことが、お子さまの安心感につながります。
通信制高校からの大学受験。テスト対策を合格力に変える方法
「通信制高校のテストは簡単だから、大学受験には役に立たない」と考えていませんか?それは大きな誤解です。実は、テスト対策を正しく行うことは、志望校合格への最短ルートになり得ます。
定期テストレベルと共通テスト・一般入試の「差」
令和6年度の大学入学共通テストには約49万人が志願しました。通信制高校の定期テストは「教科書の基礎」を確認するものですが、大学受験は「基礎を応用し、初見の問題を解く力」を問うものです。
通信制のテストで8割〜9割を安定して取れるようになることは、土台作りとして不可欠です。しかし、それだけでは偏差値50以上の大学合格は難しいのが現実です。テスト対策を「基礎固め」と位置づけ、並行して受験用の演習を行う必要があります。
評定平均を上げて「総合型選抜・学校推薦型選抜」を狙う
通信制高校生にとって、最も有利な受験戦略の一つが「推薦入試(総合型・学校推薦型選抜)」です。
- 高い評定平均の維持: 通信制のテストは対策がしやすいため、真面目に取り組めば「評定4.0以上」を狙いやすい環境にあります。
- 時間を武器にする: 全日制のように拘束時間が長くないため、小論文対策や面接対策、ボランティア活動などに時間を割くことができます。
定期テストで高得点を維持し続けることは、推薦入試における強力な武器になります。「たかが学校のテスト」と侮らず、一回一回を大切にすることが、将来の選択肢を広げるのです。
個別指導・家庭教師が通信制高校生のテスト対策に最適な理由

通信制高校での学習は「自律」が求められます。しかし、自分一人で教科書を開き、わからないところを解決し、スケジュールを管理するのは、大人でも容易ではありません。
ここで、個別指導や家庭教師という選択肢が大きな価値を持ちます。
一人ひとりの「学習ブランク」に合わせた遡り学習
通信制高校を選ぶお子さまの中には、中学時代に不登校を経験したり、特定の科目でつまずいたりして、学力にブランクがあるケースが少なくありません。
- 中学英語の基礎から復習: 高校のレポートが進まない原因が、実は中学の文法にあることはよくあります。
- 恥ずかしさのない環境: 集団塾では「こんな基礎的なことを聞くのは恥ずかしい」と感じる内容でも、個別指導ならお子さまのペースに合わせて、数年前の単元まで遡って丁寧に指導できます。
メンタルサポートと進捗管理の並走
通信制高校で最も辛いのは「孤独感」です。テスト前、不安で押しつぶされそうな時に、「大丈夫、ここまでできているよ」と声をかけてくれる存在がいることは、学習意欲を維持する上で欠かせません。
プロの講師は、単に勉強を教えるだけでなく、レポートの提出期限を一緒に確認したり、テストまでのカウントダウンをサポートしたりする「学習コーチ」としての役割も果たします。
学校ごとの独自カリキュラムに完全対応
通信制高校は、学校によって使用している教科書やレポートの形式が千差万別です。一般的な集団塾のカリキュラムでは、通信制高校のテスト対策には対応できません。
個別指導であれば、お子さまが実際に学校で使っているレポートそのものを教材として対策を行うことができます。「試験に出るポイント」に絞って効率的に学習できるため、最小限の努力で最大限の結果を出すことが可能になります。
まとめ:自信を持ってテスト当日を迎えるために
通信制高校のテストは、お子さまの努力を否定するためのものではなく、これまで積み重ねてきた学習を「単位」という形に変えるための、前向きな手続きです。
レポートを丁寧にこなし、わからない箇所を一つずつ解消していく。その当たり前の積み重ねが、赤点回避、さらには大学受験合格への道を作ります。
もし、一人で机に向かうのが苦しい時や、保護者様がお子さまの学習をどうサポートすればいいか迷われた時は、プロの手を借りることを検討してみてください。
個別指導や家庭教師は、勉強の「やり方」を教えるだけでなく、お子さまの「自分にもできる」という自信を育む場所でもあります。
次のステップとして、まずは「今の学習状況」を客観的に把握することから始めませんか?
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