「いつ学校に戻れるのだろうか」
「このままでは勉強や進路に影響してしまうのでは」
不登校に関して、このようにお悩みの方も多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、不登校からの学校復帰は可能です。
ただし、子ども自身は「友達にどう思われるか」「授業についていけないのではないか」「また疲れてしまうのでは」といった不安を抱えていることが多いため、焦らず、一つずつ不安を取り除きながら準備を整えることが大切です。
本記事では、不登校から学校復帰を目指すための5つのステップや、保護者ができる具体的なサポート、そして「再び不登校にならないための注意点」を解説します。
トライのオンライン個別指導塾では、自宅にいながら完全マンツーマンの授業を受けられます。学校に通うことに不安を感じているお子さまでも、安心できる環境で少しずつ学習を再開し、自信を取り戻すサポートを行っています。
「集団の授業だと緊張してしまう」「まずは自宅から勉強を始めたい…」という方は、ぜひお気軽にトライのオンライン個別指導塾にご相談ください。
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この記事の目次
不登校からの学校復帰は可能!一つずつ不安を解消して無理なく準備を整えよう

文部科学省の調査によると、小中学校における不登校児童生徒数は近年増加傾向にあり、令和4年度には約34万6千人にのぼりました。
参照:令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要
この数字は、不登校が決して珍しいことではなく、誰にでも起こりうる身近な課題であることを示しています。
一度不登校になると、「このままずっと学校に行けないのでは」と思ってしまう子も少なくありません。しかし実際には、生活リズムを整えたり、安心できる居場所を見つけたりと、段階を踏んで準備することで、学校に戻れるケースも多くあります。
重要なのは、周りが本人を急かさないことです。子どもは周囲の期待を敏感に感じ取りやすいため、焦りやプレッシャーによってかえって心を閉ざしてしまいます。復帰への道のりは一人ひとり異なりますが、不安を解消しながら一歩ずつ前に進むことが、安心して登校を再開するカギとなります。
不登校からの学校復帰を目指す5つのステップ

不登校からの復帰には、心と体の準備を整え、少しずつ学校生活に近い環境づくりをしていく必要があります。
- 不登校に対する不安や罪悪感を和らげる
- 朝から活動できるように生活習慣を整える
- 学校・家庭以外で安心できる居場所をつくる
- 少しずつ勉強の遅れを取り戻す
- 無理のないペースで登校を再開する
登校に向けてのこの5つのステップを一つずつ紹介します。
1.不登校に対する不安や罪悪感を和らげる
不登校の子どもは、以下のような不安や罪悪感を抱きやすい傾向があります。
- 先生や友達に迷惑をかけている
- 保護者を困らせている
- 怠けていると思われる
こうした気持ちが強いと、「学校に行きたいけれど怖い」というジレンマを抱え、登校がさらに難しくなってしまいます。
そのため、まず大切なのは 「今のままのあなたで大丈夫だよ」 と伝えることです。
子どもが不登校である自分自身を受け入れることができると、少しずつ気持ちが落ち着いてきます。同時に、保護者も現状や子どもの気持ちを肯定し、安心できる環境をつくることが復帰への第一歩です。
2.朝から活動できるように生活習慣を整える
子どもの気持ちが落ち着いてきたら、次は生活習慣の改善に取り組みましょう。不登校が続くと昼夜逆転の生活になることも多く、心身のリズムが乱れると学校に戻るのが難しくなります。
ただし、「早起きしなさい」と急に押し付けるのは逆効果です。あくまでも子どもの気持ちに寄り添いつつ、親子で相談しながら始めてみてください。生活リズムを少しずつ整えることで、学校生活に近い形に無理なく戻していきましょう。
3.学校・家庭以外で安心できる居場所をつくる
不登校の子どもは、学校と家庭以外に安心できる居場所があると孤立感が薄れ、気持ちが安定しやすくなります。
たとえば、地域の児童館や図書館、フリースクール、オンラインのコミュニティなどが候補です。安心して過ごせる環境で「人と関わる練習」ができると、学校復帰へのハードルも下がるでしょう。
4.少しずつ勉強の遅れを取り戻す
学校復帰を考える際に、多くの子どもが心配するのが「勉強の遅れ」です。授業についていけないのではないかという不安が強いと、せっかく登校を再開しても再び不登校に戻ってしまうかもしれません。
そこで、気力や体力がついてきたら、少しずつ勉強を再開してみましょう。最初は得意な教科から手をつけたり、1日10分だけ取り組んだりするだけでも構いません。無理なく学びを積み重ね、自信をつけることが大切です。
一方で、子どもの気力や体力が回復しないうちから勉強に取り組むと、逆効果になる可能性があります。子どもの様子を見ながら進めましょう。
家庭教師のトライでは完全マンツーマン授業で着実に勉強の遅れを取り戻せる

家庭教師のトライでは、一人ひとりに専任の教師がつき、お子さまの理解度やペースに合わせて授業を進めます。完全マンツーマン授業のため、苦手を丁寧に解消しながら学習を進めることができます。
不登校の子どもは集団授業に参加することが難しい場合もあります。その点、家庭教師なら安心できる環境で学びを再開できるため、着実に勉強の遅れを取り戻すことができます。
5.無理のないペースで登校を再開する
生活リズムが整い、気力や体力も回復してきたら、いよいよ登校を再開する段階です。ただし、「明日から毎日通う」といった急激な変化は子どもにとって大きな負担になります。
最初は「週に1日だけ」「好きな授業のある曜日だけ」など、子どもが挑戦しやすいペースを親子で相談しながら決めましょう。成功体験を積み重ねることで、次も学校に行ける自信につながります。
学校との連絡は継続的に取り合うことが大切
スムーズに復帰するためには、保護者と学校の先生が継続的に連絡を取り合うことが欠かせません。子どもの状況や配慮してほしい点を細かく共有しておけば、先生も安心してサポートができます。
家庭と学校が協力し合うことで、子どもにとって安心できる復帰環境を整えることができます。
不登校から無理なく復帰するために親ができるサポート

不登校の子どもが再び学校に戻ろうとする際、保護者の関わりがとても大きな支えになります。子どもが無理のないペースで挑戦できるようサポートしていくことが大切です。
- 「疲れたら学校を休んでもいい」と伝える
- 自宅でゆっくり過ごせる時間を多めにとる
- 不登校支援に詳しい専門機関に相談する
上記の順に、保護者ができる具体的な関わり方を紹介します。
「疲れたら学校を休んでもいい」と伝える
久しぶりに登校すると、子どもは精神的にも身体的にも強い疲れを感じます。そこで、登校のハードルを下げるために、あらかじめ「疲れたら休んでも大丈夫だよ」と保護者が伝えておくことが有効です。
無理をして一度に全日程を登校しようとすると負担が大きすぎ、再び不登校に戻ってしまうケースもあります。「休んでもいい」という言葉は、子どもにとって安心材料になり、次の挑戦への気持ちを後押しします。
不登校から完全復帰までにかかる期間は3ヶ月〜1年程度が一般的
一般的に、不登校から完全復帰までには3ヶ月から1年程度かかるといわれています。ただし、これはあくまで目安であり、子どもの性格や不登校の背景によって期間は大きく異なります。
保護者としては「もう通えるようになったのだから、このまま完全に復帰してほしい」と思う気持ちがあるでしょう。しかし、保護者が焦ると子どもにプレッシャーを与えてしまいます。子どものペースを尊重し、長い目で見守る姿勢が欠かせません。
フリースクールで徐々に学校生活に慣れていくのも◎

学校に戻ることが難しい場合は、新しい居場所としてフリースクールを利用するのも有効です。
フリースクールは、不登校や学校生活に不安を抱える生徒へのサポートや、安心できる環境を提供しています。学習や集団生活に少しずつ慣れる場として、選択肢に入れましょう。
中学生を対象とした「トライ式中等部」では、一人ひとりの状況に合わせて無理のないステップで学校生活への復帰を支援しています。家庭と学校の中間となる居場所として、学校復帰の前段階として利用するご家庭もあります。
自宅でゆっくり過ごせる時間を多めにとる
登校した日の子どもは、想像以上のエネルギーを使っています。学校で過ごしたあとは、自宅で安心して休む時間をしっかり確保してあげましょう。
- 宿題はできるか
- 明日の準備はしたか
- 友達はどうだったか
これらのように学校のことを急かすのではなく、好きなことをして過ごす時間を優先させることが大切です。自分らしく過ごせる時間によって心と身体の回復につなげることができれば、次の登校への意欲を取り戻すことができます。
不登校支援に詳しい専門機関に相談する
不登校の背景には、学習の遅れや人間関係の悩み、本人の心の状態、発達障害など、複数の要因があります。こうした背景は保護者だけで解決するのが難しい場合も多いため、専門機関や支援サービスに相談することも大切です。
専門家に相談することで、親子だけでは気付きにくい課題が整理され、適切なサポート方法を見つけやすくなります。
トライのオンライン個別指導塾「不登校サポートコース」では経験豊富な教育プランナーが適切なサポートの仕方をアドバイス

トライのオンライン個別指導塾「不登校サポートコース」では、不登校の子どもへの支援に関して豊富な実績を持つ教育プランナーが、お子さまの状況や特性に合った適切なサポート方法を提案します。
- 学校に戻る準備をしたい
- 勉強の遅れを取り戻したい
- まずは安心できる居場所が欲しい
これらの悩みに合わせて、学習面だけでなく生活面・心理面を含めて丁寧に支援するのが特徴です。
学校に復帰してから再び不登校にならないための注意点

不登校から学校に復帰できたとしても、そこがゴールではありません。久しぶりの学校生活は、子どもにとって精神的にも身体的にも大きなストレスとなり、再び不登校になる場合があるためです。
大切なのは、子どもの状態をよく観察し、柔軟に対応していくことです。
- 子どもの気持ちを無視して復帰のタイミングを決めない
- 朝から放課後までいることにこだわらない
- 不安やストレスによる些細な変化を見逃さない
注意すべきポイントを解説します。
子どもの気持ちを無視して復帰のタイミングを決めない
子どもに寄り添っているつもりが、つい「明日からは毎日学校に行こうね」などと保護者が一方的に決めてしまう場合があります。こうした小さな言葉の一つひとつが子どもにとっては大きなプレッシャーとなり、心が追いつかずに再び不登校につながる恐れがあります。
復帰は、子ども自身が「この日なら行けそう」と感じたタイミングで決めるのが理想。小さな成功体験を積み重ねることで自信が育ち、継続的な登校につながります。保護者は「無理に行かせるのではなく、子どもの気持ちを尊重すること」が大切です。
朝から放課後までいることにこだわらない
学校に復帰したからといって、いきなり朝から放課後まで一日中学校で過ごす必要はありません。不登校の子どもにとっては、全授業を受けること自体が大きなハードルになる場合があるためです。
- 午前中だけ参加して、疲れたら早退する
- 今日は保健室で過ごしてみる
上記のような柔軟な対応を認めてあげましょう。大切なのは、全部やることではなく、「少しずつ慣れていく」こと。短時間でも学校に行けたことを認めてあげると、子どもの自信につながります。
不安やストレスによる些細な変化を見逃さない
子どもが登校を再開すると、多くの保護者は「これでもう大丈夫」と安心してしまいがちです。しかし実際には、学校に戻ったからこそ新しい不安やストレスを抱えることもあります。
たとえば、以下のような些細な変化にも注意が必要です。
- 朝なかなか起きられない
- 朝の支度に時間がかかるようになった
- 夜眠れていない
- なんとなく表情が暗い
- 以前より口数が減った
- ぼーっとしている
こうしたサインを早めにキャッチし、子どもの気持ちを聞いたり学校と連携して対応したりすることで、再び不登校に戻ることを防ぎやすくなります。
まとめ

不登校からの学校復帰は決して不可能なことではありません。大切なのは、子どもが抱える不安や罪悪感を一つずつ解消しながら、心と体の準備を整えていくことです。
具体的には、次の5つのステップを踏むことで、安心して学校に戻りやすくなります。
- 不安や罪悪感を和らげる
- 生活習慣を整える
- 学校・家庭以外の安心できる居場所をつくる
- 少しずつ勉強の遅れを取り戻す
- 無理のないペースで登校を再開する
このステップを進めていくためには、保護者の関わり方も重要です。
- 「疲れたら休んでもいい」と伝えて安心させる
- 登校した後は自宅でしっかり休める時間を確保
- 専門機関に相談して適切なサポートを受ける
そして一番大切なのは、復帰までの道のりに正解はなく、子どもによって歩みのペースが違うと保護者が理解することです。焦らずに、子ども自身の「やってみよう」という気持ちを支えながら進んでいくことが、再び学校で安心して過ごすための近道になります。
今日できた小さな一歩を一緒に喜びながら、親子で少しずつ前に進んでいきましょう。